Kogarathさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.7

これまでと違うマーベル映画を作るぞ!という気概を感じられるアジアンテイスト全開の作品。
主人公は一見地味だけど役柄には合ってるし、カンフーアクションにキレがあって良い。
オークワフィナは一般的なヒロイ
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シンデレラ(2015年製作の映画)

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友人宅でたまたま流れてたのでなんとなく観た。
キャストが豪華でびっくり。さらに監督がケネス・ブラナーだと知ってびっくり。本気だ。
リリー・ジェームズもケイト・ブランシェットも素晴らしく役にハマってる。
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

4.5

とっても冷徹で意地悪。でもめちゃくちゃ面白かった。
最初は適当にやり過ごせると思ってたのに後に引けず、思い悩み号泣する男。言ってることは間違ってないんだけど思いっきり人を巻き込んだりヒステリー気味にな
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.3

スピルバーグが温め続けた名作ミュージカルのリメイクを、積み上げた経験と現代の技術でついに実現した作品。
ディテールは違えど基本的にオリジナルへの愛が伝わる忠実なリメイクっぷりだし、実際に撮影とか凄いん
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あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)

3.6

若年性乳がんという重い題材を扱いながらも、優しくて爽やかな余韻が残る良い作品だった。
病気だけじゃなく親子関係や恋愛における葛藤が丁寧に描かれていて、それを主演の吉田美月喜がしっかりと表現している。
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.4

アイルランド内戦を背景にした、小さな島の小さな諍い。
意地や執着が絡み合い、引き返せずエスカレートしていく様子は、まさに戦争行為のメタファーのようだった。
はじめはパードリックを憐れむように観てたけど
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ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)

3.8

殺し屋なのに情に厚く、誤って子供を手にかけたことを悔やみ続けるコリン・ファレル。
殺し屋なのに面倒見がよく、後輩のため命懸けの行動に出るブレンダン・グリーソン。
殺し屋なのに曲がったことが大嫌い、筋を
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

4.0

奇しくもご時世的にタイムリーになったカルト宗教集団を描いた作品。

人は欲望から逃れられない。それを制御しようとすればするほど崩壊していく様子を滑稽で愚かしく、でもどこか愛おしくも見える絶妙な塩梅で見
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ゲーム・オブ・スローンズ:ラスト・ウォッチ(2019年製作の映画)

4.0

ドラマ最終章制作の裏側についてのドキュメンタリー。めちゃくちゃ面白い。
メインキャストに限らずエキストラ、舞台、美術、メイク、演技指導、雪職人に至るまであらゆる分野のプロフェッショナルが力を合わせて作
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ソングス・フォー・ドレラ 4Kレストア版(1990年製作の映画)

4.2

ルー・リードとジョン・ケイルによるアンディー・ウォーホル追悼ライブ。
プロローグ的な演出も無く、いきなり"Smalltown"が始まり、曲が終わると同時にタイトルが出るのがかっこいい。
続く"Open
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.0

雄大な北欧の大地に鳴り響く弦、太鼓、雄叫び。
野蛮だけど格調高さも感じる映像美。終始どんよりした色調で閉塞感が漂っているのがいかにもロバート・エガースといった感じ。
当時の北欧の生活や風習、衣装もかな
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.8

濃密な二人芝居。
敵意むき出しかと思えば仲良くなったり、また怒鳴り合ったり。二人しかいないのに互いに権力を握ろうとするあたり滑稽であり哀しくもある。
どこにも行けない閉塞感を強調するモノクロ映像とほぼ
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声もなく(2020年製作の映画)

3.9

ふっと笑える描写も多いしほっこりするような場面もあるんだけど、その背景には残酷なほどの社会問題が横たわっている。
やたら可愛いエプロンと帽子を着けて何するんだろうと思ったら死体処理でゾッとさせられる感
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GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)

4.0

実際に2019年に取り壊されたガガーリン団地で、解体工事直前に撮影されたというのがすごい。日本じゃ無理だろうな…さすが映画大国フランス。

消えゆく時代の象徴的建築物へのリスペクトと、2001年宇宙の
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はい、泳げません(2022年製作の映画)

3.5

大河ドラマ「八重の桜」が好きだったので、主演2人の再共演は心ときめくものがある。
しかし前半は過剰な演技やセリフ、ポップな演出がスベっているように見えて少々キツかった。最後までこれだと厳しいな~と思い
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ベルイマン島にて(2021年製作の映画)

3.5

ベルイマン大好きマンたちのバカンス。
脚本の執筆に追われているという設定だけど、風光明媚なフォーレ島の景色のおかげで切迫感は無い。いいところだなあ。行ってみたい。

劇中劇と現実が混じり合っていく展開
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ある結婚の風景(1974年製作の映画)

3.9

5時間の長尺。
とはいえ元々はテレビ向けのため全6話の構成になっているので、案外観やすい。

倦怠期の夫婦の対話がひたすら続く。子供が2人いる設定なのに全然出てこない(会話の中だけ出てくる)。
まるで
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

多くのボクシング映画のようなサクセスストーリーやドラマチックな演出は全く無い。劇伴すら無い。
それ故、ふとした音やさりげない言葉、表情の揺らぎが心に残る。それらを逃したくなくて、気付いたらすごく集中し
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.8

女性が日々受けるハラスメントや女性蔑視的な扱いを、A24らしい映像美でホラーとして描き出す。
彼らはみんな同じ顔。善良に見えても、どんな男も暴力性やミソジニーを内包しているということか。これ、女性が観
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遭難者(2009年製作の映画)

3.7

「女っ気なし」の前日譚的な短編。
これ単体で観るとシルヴァンがちょっと怪しい変人みたいに見えるけど、悪意が無いのは伝わってくる。
Tシャツをディスりながら脱いで返す場面は笑った。

女っ気なし(2011年製作の映画)

4.4

めっちゃいい…なんて愛おしい作品だろう。
他のフランス映画にはほとんど出てこないような冴えないオタクの主人公シルヴァン。これ観た人みんな好きになるのでは?
変なTシャツに、部屋の壁にはピンクフロイドや
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.0

家族が崩壊して居場所がなくなっていくキツい話だけど、常にイキイキしてエネルギーに満ちたあみ子の存在が重さを幾分か和らげてくれる。みんな言ってるけど、あみ子を演じた大沢一菜がとてもいい。軽やかな身のこな>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

3.8

前半はよくあるホラーのオマージュの連続で、ワクワクはするけど悪く言うとツギハギみたいだなーなんて思いながら観てた。
しかし溜めて溜めて最初の事件が起きてからは、ノンストップで面白い!あの赤いダンスで一
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逆光(2021年製作の映画)

3.7

舞台、衣装、三島由紀夫、煙草、熱い言論。
しっかりと70年代の雰囲気が出ている。
といっても自分は80年代生まれなので、リアルタイマーの方々が観たらどう感じるのか分からないけど。

タイトルどおり逆光
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.0

よく分からんけどメタファーに富んでそうな寓話だなあ、うんうん…とか思いながら観ていたら、最後にデヴィッド・ロウリーの魔術が炸裂していて震えた。
事前に原典をざっと読んでから観たので、余計にびっくり。そ
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あのこと(2021年製作の映画)

4.1

人工中絶が違法とされていた60年代フランス。
主人公アンヌの傍を離れないカメラが、彼女の感じる不安や恐れ、味わう痛み全てを隠さず見せる。冗談抜きで、全部見せる。目を背けるな、と言わんばかりに。鑑賞後ど
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

3.6

国際養子縁組による市民権問題に光をあてるという点で非常に意義のある作品。
こんな理不尽なことが実際にあるのかと驚いた。エンドロールは言葉が出ない。

フィルムの質感と夕陽の撮り方が綺麗。
しかし音楽を
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ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

4.1

「アヴァ」が鮮烈だったレア・ミシウス監督の新作。
寒々しく閉ざされた山村の風景、ザラついた質感の映像、「ゲットアウト」や「アス」を思わせる謎の叔母の存在。ホラー/サスペンスの匂いをプンプンさせながら、
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田園の守り人たち(2017年製作の映画)

3.9

フランスの田園風景と、そこで種を撒き収穫する人々の組み合わせが見惚れるほど美しい。
まるでミレーの絵画がそのまま映像になったみたい。ただそこにいるのは女性と老人のみ。男手は戦争に取られてしまったから。
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英雄の証明(2021年製作の映画)

4.0

ラヒムはきっと本当に善良な人なんだろう。
だけど小さな嘘をついて結果それに振り回されたり、ついカッとなったり、おだてられて調子に乗ったり。人間臭さが何ともリアル。こうなった原因は彼にあるんだけど、とて
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アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

3.9

尖り過ぎてて笑っちゃう。冒頭から一体何を見せられているのやらと戸惑う。
第2部は何なのあれ!?しばらくポカンとしてたものの、そのギリギリな笑いとユニークな視点、謎のテンポ感がなんだか心地よくなってきて
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さがす(2022年製作の映画)

4.0

だんだん緊張の糸が張り詰めていき、それがずっと緩まない。先の読めない展開が面白かった。
ミステリアスなエンタメを楽しんでいたはずが、いつのまにか重いテーマを突き付けられる。構成が上手いなあ。
明らかに
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ロニートとエスティ 彼女たちの選択(2017年製作の映画)

3.8

びっくりするほど厳格で閉鎖的なコミュニティと、そこで生きることの苦しさ。
色味を抑えた寒々しい風景が息苦しさをより際立たせる。
二人の過去の関係について分かりやすく説明せず、回想も使わないところが好印
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天国の口、終りの楽園。(2001年製作の映画)

4.5

メキシコの太陽の下で、青臭さと、エロ衝動と、生と死が煌めく最高のロードムービー。
若きガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナが眩しい。海の家みたいな場所で飲んで騒ぐ長回しがめちゃくちゃ良い。

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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

3.8

来年の朝ドラの主演が決定した趣里。
そういえば代表作らしきこれを観たことがなかったと思い観てみたら、その存在感と演技力に脱帽した。
寧子という人間のどうしようもなさと愛おしさを生々しいくらい表現して駆
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

4.4

面白い。めちゃくちゃ好み。
淡々と静かに進んでいくけど、ユニークなプログラム内容と時折「ん?」と違和感を抱く描写が挟まれることで全く退屈はしない。

同じギリシャのランティモス監督を思わせる作風から「
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