こーじさんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

こーじ

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ハッシュパピー バスタブ島の少女(2012年製作の映画)

4.0

叩き付ける現実の重さと溢れ出す生命力。6歳の見上げる視点で切り取る朧気な世界。魂を揺するハッシュパピーの叫び。難解作に陥りかけの危うさはあるが、この力強い演技と映像を引き出したのは素晴らしい。蟹を貪り>>続きを読む

不都合な真実(2006年製作の映画)

2.0

映画として面白いわけではない。今となっては目新しい事実があるわけでもない。だが、公開当時に観ていれば衝撃的であったろうし、なによりアメリカ人に地球温暖化を認知させた功績はあまりに大きい。映画としてでは>>続きを読む

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)

4.0

映画という映像作品としての見所はなく、登場人物が全般的にアホ過ぎる気もするが、良くできた脚本で楽しめ、展開に合わせて簡単に判断の変わる自分も同類と気付かされる。それでも最終的に結論に達するから陪審員制>>続きを読む

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

3.0

少年と少女の愛の逃避行。アニメや人形劇のような雰囲気で一見可愛らしいが、性的な大人びや棘もあるバランス感がビター。あまり好みでなかったが、好きな人にはこの世界観がはまるだろう。自分がもう大人だと感じて>>続きを読む

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

3.0

期待しすぎたのと吹き替え&カットだらけのTV放映で観たのがいけなかったか。とはいえ、やや退屈な前半から一転する農夫の家での恫喝シーンの緊張感、破滅の予感に満ちた草原でのラストシーンの無情感からは目が離>>続きを読む

モンスターズ・ユニバーシティ(2013年製作の映画)

3.0

話や伏線に隙はなく、とても綺麗にまとまっている。けれど、最近はこの手のこじんまりさが物足りなく感じてしまう。とはいえ前作ファンは充分楽しめる。モンスターは前作よりもバラエティー豊かで嬉しい。実写のよう>>続きを読む

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

5.0

IMAX 3D にて。空間に、物質に遮られることなく、離れ近付きいつまでも自由自在に追い続けるカメラワーク。静と動。無と命。現時点で考え得る究極の映像体験。観終わった後も消えることのない高揚感。ラスト>>続きを読む

ニーベルングの指環(2004年製作の映画)

3.0

ワーグナーの同名楽劇で知られる北欧神話を独伊英米合作で映像化。ファンタジー要素は少なく、ジークフリートとブリュンヒルデの愛憎劇が主軸。テレビ映画作品だから至らない点も多いが意外なほどに面白い。LOTR>>続きを読む

クロニクル(2012年製作の映画)

4.0

映画としての作り込みの深さよりも、まずはこの勢いを買う。特にクライマックスで加速する破滅の高揚感はなかなかのもの。細かい説明はすっ飛ばした83分という上映時間も心地よい。一人称視点を織り交ぜた妙にリア>>続きを読む

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.0

ある家族の一日を通して、それぞれの歩んだ人生を浮かび上がらせる挑戦作。驚異的な観察眼で作り上げた一切の無駄のないやり取りや演技が、この家に入り込んだような、デジャヴのような感覚を起こさせる。生きるとは>>続きを読む

シュガー・ラッシュ(2012年製作の映画)

3.0

話は優等性的でこれといった特徴はなし。散りばめられた懐かしのゲームネタを楽しめるかどうかがポイント。作品の本質とは関係ないが、ゲーム風のメニュー画面や一時停止で始まる小ネタなどのアイデアが面白く、短編>>続きを読む

コンテイジョン(2011年製作の映画)

3.0

謎のウィルスで世界がパニック系映画。とはいえ、いかにもな騒がしい大騒動はなく、ドキュメントのように現実的(と思える)な展開を描く。淡々とはしているが、それ故の緊張感、特に冒頭の映像的スリリングさはなか>>続きを読む

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

5.0

圧巻の一言。話はまさに竹取物語。必然、注目は表現と演出になる。宮崎駿のような完成されたサービス精神はなく、映し出すのは衝動的で荒々しい生命の儚さと輝き。それが不確かで驚異的な作画と相まり身動きできない>>続きを読む

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

5.0

喜怒哀楽快を存分に詰め込みつつ、基本設定から細部の描写に至るまで、映画的大嘘に溢れた娯楽活劇。残酷な描写もあるが、優しい眼差しが全体を包んでいるように感じたのが不思議。落ち着いた大人のタラ風味。レオ様>>続きを読む

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

4.0

完全に狂ってる。狂ってなければ撮れっこない。その一方、映画として隙なく完璧に計算されている。狂った計算で極限まで追い詰める。容赦のない作品づくりが生む狂気は圧倒的。ただ、追い詰めた先に描こうとしたもの>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.0

きっと難解だろうと身構えていたら、案外単調に(やや眠気を誘いながら)物語は進む。突如世界がズレるのは最後の30分。都合上の意図的錯乱はあるが大枠の意味は明快。細部の完全解明ではなく、なんとなく残るモヤ>>続きを読む

空気人形(2009年製作の映画)

5.0

「心をもつ」オープニングの儚い情感にいきなりやられた。美しくない東京を美しく切り取る映像が、心の空虚と、満たし満たされる喜びを静かに語る。吉野弘「生命は」の朗読も深く染み込む。常にバランスを崩しながら>>続きを読む

マトリックス レボリューションズ(2003年製作の映画)

3.0

見所は迫力あるザイオン攻防戦。SF戦争映画を存分に楽しめる。ただ、これがマトリックスに求める世界観かというと少し違う。話は完全に前2作を観た人へのアンサー目的なので、単体で面白いかは微妙。とはいえ大完>>続きを読む

マトリックス リローデッド(2003年製作の映画)

3.0

最大の見せ場は100人のスミス無双。ストーリーと台詞は複雑さを増し、第一作のようなシンプルなワクワク感は薄れた。カーチェイスや恋愛など、ハリウッドのお約束に毒された感も強い。とにかく、もはや主役はエー>>続きを読む

マトリックス(1999年製作の映画)

4.0

ワイヤーアクションとVFXの映画という記憶は大間違い。ストーリーやひとつひとつのシーンそのものが充分以上にかっこよくて面白いことを思い知らされた。世界観の説明は意外とシンプル。いろんな映画のエッセンス>>続きを読む

ヘイフラワーとキルトシュー(2002年製作の映画)

3.0

フィンランドから届いたキュートな姉妹のキュートな物語。とにかくお姉ちゃんがかわい過ぎ。動くお人形。いや天使。しかもいい子過ぎ。そんなお姉ちゃんがふとしたことで反抗開始。でもどこかほのぼの、幸せで楽しい>>続きを読む

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

4.0

ユーモアはあるけど大笑いはない。しんみりするけど号泣はない。映るものの大半は、おじいちゃんとトウモロコシ畑。なのにじんわり心を包む。全編を貫く時速8kmのリズムも、個々のエピソードのシンプルさも心地よ>>続きを読む

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

未来の自分との対決アクションかと思いきや、途中から某オカルト映画のようになったり、母と子の愛の話だったり、敵がいきなり雑魚になったり、贖罪だったり、詰め込みすぎでテーマがぼやけた。タイムトラベルは複雑>>続きを読む

そして父になる(2013年製作の映画)

4.0

子供たちの自然な姿からも伝わるように、丁寧に時間をかけた撮影が心地よい。絵の作り方も美しい。抑揚を抑えた演出だが、それ故押し付けがましい涙はなく、親と子のあり方を深く考えさせられる。父とは、親とは、や>>続きを読む

仄暗い水の底から(2001年製作の映画)

3.0

母と娘と水のヒューマンホラー映画。離婚調停中のリアルな苦悩の中に忍び込むのは、暗く湿った哀しい恐怖。この湿度と古い団地の薄暗い世界観が日本的で良い。ただ子供が絡む物語は見ていて辛い。結末もあまり救いは>>続きを読む

貞子3D(2012年製作の映画)

1.0

これは酷い。適当な展開、前後と繋がらない唐突な台詞、全体に棒で若手男優は何故か韓流な演技、質感など考えず後から色調だけ弄って誤魔化した映像、嘘臭いライティング、いいかげんなロケ地選択、ただのクリーチャ>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

5.0

2時間半でもダイジェスト版という密度の展開を強烈な熱演で埋め尽くしているのに、疲れなど感じずに魅せられた。俳優たちの生の息づかいがリズムを支配している故か。役者は皆素晴らしいが、サマンサとエディは切な>>続きを読む

バウンド(1996年製作の映画)

4.0

ウォシャウスキー兄弟によるスタイリッシュで重量感あるクライムサスペンス。騙し騙されといったややこしさはなく、単純でありながら目まぐるしく変わる勝者の行方にハラハラドキドキ。観終わってもドキドキが止まら>>続きを読む

リング(1998年製作の映画)

3.0

ダビングされたVHSビデオで観たTVドラマ版の印象が強く、得体の知れない恐怖感は期待値の半分程度。コントのような動きの貞子にも戸惑った。が、来るぞ来るぞと思わせて来ない焦らし方は上手い。井戸汲み場面は>>続きを読む

着信アリ(2004年製作の映画)

2.0

未来からの着信によって殺されるという序盤のコンセプトの見せ方やTV番組仕立ての中盤は現実感に欠け今一つ。終わったかと見せかけてからの終盤は盛り上がるが、やや物理的な力業。あと一歩ぞっとする恐怖感の演出>>続きを読む

世界にひとつのプレイブック(2012年製作の映画)

3.0

いかにもアメリカ人が好みそうな、病んだ家族の再生物。全体的な印象としては可もなく不可もなし。俳優陣の演技は良い。デニーロがただのお爺ちゃんなのは意外。一応コメディの分類らしいが笑える要素は少なく、やや>>続きを読む

毎日かあさん(2011年製作の映画)

3.0

意外とはまったKHON²。かわいい二人の子役。気合いの入りまくった永瀬の好演。原作をよくは知らないが、キャスティングが勝因。端から見れば言いたいことは色々あるが、それでもそれが、家族というものなのだろ>>続きを読む

ザスーラ(2005年製作の映画)

3.0

宇宙版ジュマンジ。前作ほどではないが、冒険心と兄弟の絆といった道徳観が上手く両立され、ファミリー向け娯楽映画として納得の出来。CGは格段に進化した。なるほどな複線もよいスパイス。姉ちゃん役のクリステン>>続きを読む

アラジン(1992年製作の映画)

3.0

一番の見所は予想外のハイテンションキャラになったジーニー。吹き替えの山ちゃんもさすがの上手さ。映像もストーリーも安定している。ただ、美しさや財産が幸せの基準となる価値観は、もはや時代に合っていない気が>>続きを読む

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

虎との友情ではなく、虎の目に映る自らと向き合った227日。虎との関係にファンタジーはなく実にリアル。とある姿の浮島を離れた意味。ラスト10分の痛み。宗教的であり非宗教的な物語。眩く惑わす映像は美しい。

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.0

女性版ダラダラ会話と最高のボンネットアクション、呆気にとられる急展開。タラ好きならはまること間違いないB級感満載。前半あってこそ生きる後半の痛快さが抜群。タランティーノにはこんな無駄映画を量産して欲し>>続きを読む