僕はこういう〝映画についての映画〟が大好き。それだけでなく、メタフィジカルな構造を映画史における差別に絡ませて描くという、テクニカルな構造だった。ジョーダン・ピールの主張は作品を追うごとに鋭さが増して>>続きを読む
心の一本。憂鬱になると観たくなる映画。死と生、異常と正常の相克に苛まれ、痛みと共に開放される。そんな時に、人は何をするか。ただひたすら走るのだ。とにかく走れ。駆け抜けろ。ありがとう、塚本監督。
多分、ダーレン・アロノフスキーは『レスラー』でこの映画を参考にしていると見た。
あと、淀川長治が試写でこの映画に感動して谷崎潤一郎に勧めたらしいけれど、谷崎にはあまり響かなかったそうな。
語るべきポイントが多くて、全部を語ろうとするととっ散らかった感想になりそうだから、まずは焦点を絞ってみる。
物語の核の一つに、前作から登場したメイジーの苦悩がある。彼女は相変わらず閉じ込められた生活>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
大好き。バヨナ監督の作家性が色濃く反映されていた。それは、『永遠のこどもたち』や『怪物はささやく』のような、子供を軸に据えたダーク・ファンタジー的な画作りだ。
今作で登場したクローン少女メイジーが抱>>続きを読む
もはやお決まりの展開。テーマが戦争になってる部分に時代性を感じた。強欲なヤツが残酷な死に方するのはある種のカタルシスがあるからいいのだけど、市井の人々が無惨に死ぬ姿を見るのはちょっと心が痛む。まあでも>>続きを読む
90分にまとめているのが凄い。
「男の子は2種類いると思っているんだ。天文学者になりたいタイプと宇宙飛行士になりたいタイプ。天文学者とか古生物学者というのは、安全な場所で不思議なことを研究する」>>続きを読む
ブニュエル、タルコフスキー、黒澤明をごた混ぜにしたうえで解体し、いびつに組み立てたような印象。社会主義の抑圧や宗教的受難を背負わさせたマルケータ。幸せになって欲しい…。と願わずにはいられなかった。>>続きを読む
新作のための準備。
スピルバーグは怪獣映画を撮りたかったのかな、と思った。Tレックスがアメリカに降り立つシーンはテンションあがる。ローラ・ダーンがいない分ちょっとだけマイナス。3からは未見なので、楽>>続きを読む
再鑑賞。イ・チャンドンは本当に川が好きだな〜。
神を信じたうえで、神に対して背くという在り方もある。無神論よりも苦難な道だと思う。そんなイバラの道を一緒に歩く存在、すなわち隣人の存在が、何よりの救い>>続きを読む
新作のための準備。
大人になりきれないオタクのおっさんの成長譚という、いかにもスピルバーグらしい映画。いま鑑賞しても、匂い立つような恐竜の実在感が本当にすごい。あと、やっぱりローラ・ダーンの顔だよね>>続きを読む
田舎のトチ狂った家庭に銀行強盗の爺さんが迷い込む。そこにいるマフィアに憧れる少年(ブリキの太鼓のオスカル君)が、本当に素晴らしい。少年かくあるべし。ラストシーンを繰り返し見たくなる一本。
クーパー・ホフマンの微笑みで涙ぐむ。
『リコリス・ピザ』はPTAのフィルモグラフィーでも最も軽い映画だと思うので、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』や『ザ・マスター』系が好きな人が肩透かしを食らうだろ>>続きを読む
車椅子モノの元祖なのだろうか。『何がジェーンに起こったか?』がこの翌年に公開だし。『バニーレークは行方不明』も影響受けてそう。
兎にも角にも丁寧に作られてるな〜と思った。カメラの視点がほぼほぼ車椅子の>>続きを読む
まさに熱病に浮かされて見る悪夢のような映画だった。現実と幻想、現代と過去がかき混ぜられ、境界が曖昧になっているので、観ている最中は間違いなく混乱する。自分がどこにいるのか分からなくなる。訳わからね〜、>>続きを読む
怖くない幽霊映画。ジャック・タチ演じる幽霊が微笑ましい。幽霊が誰にも視えない、という部分がとても大事なのだなと思った。視えてしまうと別れが必要以上に感傷的になってしまうためだ。人知れず幽霊が去っていく>>続きを読む
記録は大事だなと思い返し再開。
とんでもない映画だった。ヤクザ映画にして青春映画。ラブストーリー、さらにはドキュメント的な要素まで。昭和から平成の変遷を全力疾走で駆け抜ける164分。
社会が変わり>>続きを読む
再見。僕はリーガンが検査されるシーンが一番怖い。フリードキンの鬼のような逸話を知ってこの映画を観るとところどころ笑えます。
・カラス神父が電話でびっくりするシーンは、監督が拳銃をぶっ放してびっくりさ>>続きを読む
すごい世界観。これぞダークファンタジー。この世界を観てしまうと、同じようなジャンルの映画が色褪せてしまう。細部にまでこだわってこだわって世界を作らなくてはいけないと思った。
夢を見ることができないと早>>続きを読む
待ちに待ったオリヴィエ・アサイヤスのブルーレイボックス。カラックスの『汚れた血』を思い出した。誰もが書くと思うけど、音楽が良い。レナード・コーエンとかニコが流れて嬉しい。監督の自伝的な映画だから、きっ>>続きを読む
ロメロのゾンビ映画の足元にも及ばない感じはあるが、こういう映画を撮る人がいないとつまんないよね。ありがとう、ジャームッシュ。こういう映画を映画館で観たいのよ。あと、あのスタンドの兄ちゃんと友達になりた>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
暴走する妄想。次第に現実との区別がつかなくなる。それは誰にでもあることだと僕は思う。僕は小学校のころいじめにあっていて、本当にニコラのように荒唐無稽な妄想に逃げていた。まぁそれはいいか。
ニコラの場合>>続きを読む
映画において『見せない』ことはとっても重要だと思う。見えないことによって人は想像する。それが恐怖を生むのだと思う。さらには見えない部分の余白が物語に深みを与える。
光と影の使い方もお手本のよう。研ぎ澄>>続きを読む
何もかもうまくいく、不自由のない人生。そんなものは多分ありません。誰しも、辛い時期や不条理や不自由に喘ぎながら過ごす時期はあるのではないでしょうか。そんな時に心に寄り添ってくれるものこそが、芸術なの>>続きを読む
例え家の中にいても映画は広い世界に連れ出してくれる。ヴェルヌがこの物語を書いたのは19世紀。その時代でも想像力が物語を創造していたのだろうと思う。
基本的には『凱里ブルース』と同じ構造。しかし、すべてにおいてブラッシュアップされている。監督的には『凱里ブルース』の出来が不満足だったらしい。ある意味での語り直しをしたかったのだろう。特に長回しシーン>>続きを読む
当たり前だが人間は時間の中で生きている。映画は時間をコントロール出来る芸術の一つだと思うが、それは、過去⇄現在⇄未来という軸があり、世界線と呼ばれるような枝別れになった軸を創作して語られるような作品が>>続きを読む
再見。何回見ただろうか。人生における最も大切な映画。僕はこの映画に触発されて小説を書くことを決めた。ラストカットは僕の心に焼き付いて、多分一生消えないと思う。
トリュフォーのシナリオを基に、クロード・ミレールが意思を継ぎ映画化。まさに『大人は判ってくれない』の少女版。おそらくはベルイマンの『不良少女モニカ』の影響も受けていると、思う。
彼女は盗んだものを使>>続きを読む
これ、同名戯曲の『犯罪都市』と『ヒズ・ガール・フライデー』に続く映画がだったのだね。
ジャック・レモンとウォルター・マッソーの掛け合いを見てるだけで幸せになれるわ。昔の新聞社はこんなにも骨のあるアウト>>続きを読む
いやーもう本当に最高なんですけど。なんなん。
演奏中(指揮中に)妄想に入り込んでいくところとか、爆笑。でも現実はそうそううまくいかないよね。
この映画はラストを締めるセリフが本当に素晴らしい。いささ>>続きを読む
おそらく15年ぶり位に再見。一つのことに夢中になる大人=大人になりきれない子供のような図式は、もはや古い気がしてこの映画のテーマ自体にはあまり乗り切れず。
でもやっぱり面白い。宇宙船スゲー。トリュフォ>>続きを読む
未見だった大林宣彦監督作品。珍しく作家性は薄く、お茶の間の子供に向けて制作したのだろう。しかしDVDに付属の特典映像を見ると相当な実験をして制作された映像だと分かる。珍しく合成が良く出来てる(笑)>>続きを読む
最高すぎるよー。マジかよー。泣
1940年の映画ということは、制作は1939年ごろだろうか。この年は第二次世界大戦勃発の年。ファシズムがいよいよ台頭し、アメリカは中立を表明しつつも、結果として戦争に>>続きを読む
『クリシャ』と『ウェイブス』の予習で。めちゃくちゃ面白かった!ホラー映画の衣を着せられた、嫌な家族映画。
語られない余白が多くあり、物語の背景や登場人物について深読みも出来つつ、人間の心理を掘り下げ>>続きを読む