たかはたさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

3.8

オルガの周りに決定的な悪人がいない、なんならいい人の類に入る人ばかりなのがゾッとする。その点、オルガが自身の経験を黒人の被差別経験よりもひどいと考えている認知には間違っていると言わざるを得ないけど、い>>続きを読む

ボーイズ・オン・ザ・サイド(1995年製作の映画)

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うーん!まったく「ボーイズ」が「オン・ザ・サイド」されていない。映画がメイルゲイズを手放そうとしないために、女たちの物語が上滑りしている。どこまでも、男性が見たい「女の子たちのロードムービー」(途中で>>続きを読む

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

4.5

なんて言っていいかわからぬ。突発的な眠り(ナルコレプシー)というモチーフは非常に魅力的で、子犬みたいなリヴァー・フェニックスはあまりにも脆弱で、男性性に回帰しようとするスコティはめちゃくちゃ苦い。君は>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.8

世界にはすごい人がいるんやな…結論を最後まで保留しながらも物語を語り切るリンチも、ベティ/ダイアンの欲望の構築をめぐって誰も思い至らない読みを書き上げて私にこれを観させた竹村和子も…。「愛は、自己形成>>続きを読む

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

3.8

ク〜〜回る先々で違う意味を持つ金の話。女のバイオレンスだと最初っから言ってくれてればもっと早く観たのに!てかジンテに轢かれたの誰だったの

ハッシュ!(2001年製作の映画)

4.5

片岡礼子の声や態度、全部が本当のことのようで、朝子のキャラクターとしての立ち上がり方すごかった。この3人の在り方は、家族とも友達とも言えない「それはそれでぜんぜん大丈夫」な共生の道を確かに示していて、>>続きを読む

落下の王国(2006年製作の映画)

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24インチの画面では足りんのだ
制作の背景を踏まえないと何かを言い難い

ウォーターメロン・ウーマン(1995年製作の映画)

4.5

K.クレンショーがインターセクショナリティの考え方を提唱する以前から、そして以後も、アイデンティティの交差点での「事故」を思い、告発してきたシスターたちのイメージが浮かぶ。ニュー・クィア・シネマのこと>>続きを読む

愛と希望の街(1959年製作の映画)

4.0

埋めることの不可能な溝への、愛着とも言える着目がよかった

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.0

ジェンダー批評の体系でどのように論じられてるのかとても気になる。女性の性的主体性はもちろん、隠される様々な形の性暴力、クィアたちへの目配せ的なもの?、それから夫の動揺や弱さ、内包しているジェンダー的テ>>続きを読む

ガール・ピクチャー(2022年製作の映画)

4.0

なんかどの青春映画のティーンたちも、かしこくて頑張ってていろんなこと上手くやってて、私はそうじゃなかったからすごいなって思ってた。でもあのころ何も上手くいかなかったよね、あのころがいちばんよかったとか>>続きを読む

春の夢(2016年製作の映画)

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みんなかわいい。目に見えるものだけがすべてではないし、目に見えるものだけがすべてなのだよ。「何かを言っていない私」を暴こうとしてくるものがないことはこんなにも心地がいい。(以上の点で、不条理劇は本当の>>続きを読む

慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ(2014年製作の映画)

4.0

女きょうだいのなかに一人放り込まれたみたいなパク・ヘイル、またそこでなされるパク・ヘイルいじりが眩しすぎて大満足しちゃった。ヒョンは内なる自我よりも外からの「ふちどり」を受け入れているようなキャラクタ>>続きを読む

キル・ボクスン(2023年製作の映画)

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テーマが散漫になっていたり、女性表象やレズビアン表象において描き込みが足りてないところがあることは否めず、ネトフリがプラットフォームやしドラマのほうがよかったのではと思った(ピョン・ソンヒョンが作るド>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

彼女らの行動を裏打ちするものがあまりにピンと来るのでどこの国の映画を観ているのか忘れそうだった。逃げがなくてたまげた。私の意思は誰かの意思であり、また過去の誰かが命とともに運んだ遺志であった。全部やる>>続きを読む

サムジンカンパニー1995(2020年製作の映画)

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中高生でにぎわうイオンシネマに常備しとくんや。こんなんなんぼあってもええですからね。ギャルギャルしくて社会的で。ネオリベラルフェミニズム的だったのと、最後ゼノフォビアを煽るような描き方してたのはなんだ>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

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あらすじすら読まずに(ガミみたいに)飛び込みで観るのがよさそう。ホン・サンス初見でしたが作家主義の人って聞いてるから「こっちの方が見やすいやん?」みたいなズームとか撮って出しみたいな無添加映像おもしろ>>続きを読む

君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

4.5

私が求めていた方向に邦画の道が開けている…こっち人いないな…と思いながら、あっちはなんか人いっぱいいるな…と眺めながら、トボトボ歩いてたところに道ができてきているじゃないか。今泉力哉的なものに求めなが>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

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主にヘミに関して要所要所でバァーンって飛び出してくる村上春樹を「訳わかんねぇんだよ!」と押し退けるのに非常に難儀した

A Rose Reborn(原題)(2014年製作の映画)

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ブランドコラボ案件で作り上げられた世界観の中に、美術館でズボンを交換しちゃう男たちみたいなおかしみを入れ込んでくる感じめっちゃパク・チャヌク

ナイト・フィッシング(2011年製作の映画)

4.0

パク・チャヌクが全編iPhone4 (iPhone4!)で撮った短編。朝鮮の巫女文化初めて知った。パク・チャヌク作品は主客の入れ替わりがなかったらかなりヤバいけどほぼマストで主客の入れ替わりがあるから>>続きを読む

片袖の魚(2021年製作の映画)

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theatre for allで無料配信今日までだよ!(3/31は国際トランスジェンダー可視化の日だったよ)

ラフィキ:ふたりの夢(2018年製作の映画)

4.0

ケニアのレズビアン映画。隣国のウガンダでもつい先日に世界最悪と言われる反同性愛法案が可決されて国際的に抗議がなされている(のにウガンダのレズビアン女性を難民認定しない大阪入管はウガンダ政府と一体なにが>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

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カニバリズムについて語る言葉をあまり持ってないのだけど、食人についてもクィア性についても話すことがいくつかある(けどとりあえずそのズタズタのズボン私にもくれんかな?)。肉牛も出演?して、「肉食主義を考>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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この映画のどこに乗れてどこに乗れなかったのか詳細に話し合わなければ今すぐにでも私たちは泣いてしまうよ

渇き(2009年製作の映画)

4.5

うわーキモい!!!!!
ソン・ガンホがキモくてツヤツヤ
美術が別れる決心に似てる
ウォルナットと青と緑

罪の声(2020年製作の映画)

4.0

え、こういうのもっと日本の映画で観たいねんけど。別に学生運動が主題でもないこの映画が学生運動の今に続く残り香を湛えていることは、シラケ世代がシラケているあいだにできていた(「闘争」にかんする)歴史の隔>>続きを読む