コクムービーさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

3.4

なんなんだこの映画は。
漫画『銃夢』の実写映画化。湯水のようにCGを使い、独特な90年代ジャパニーズ・サイバーパンクの世界観を具現化している。
RPGにして自分でプレイしたくなるような、エンターテイメ
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運び屋(2018年製作の映画)

3.3

80歳代でコカインの運び屋となった、実在した退役軍人から着想を得た映画。
緊迫した設定なのに不必要に緊張感を高めず、淡々と描かれている。淡々としているが、クリント・イーストウッドが描いていることで、生
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3「恩讐の彼方に__」(2019年製作の映画)

2.9

これはもう完全にTVアニメ第三期への繋ぎ。ただ決して観る価値がない作品ではない。
狡噛慎也の長い旅路の帰着点を探るように、彼の細かな心理を丁寧に紡いでいる。
とにかく第三期が楽しみになる、静かで激しい
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.5

人種差別が色濃く残る1962年のアメリカで、無学でガサツな白人のトニーが、博学で礼儀正しい黒人天才ピアニスト、シャーリーのコンサートツアーのドライバーを務める、実話を基にした物語。
正反対な2人の関係
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フォルトゥナの瞳(2019年製作の映画)

2.4

死を目前にした人が透けて見える能力、フォルトゥナの瞳の物語。
当然フィクションなんだけど、フィクションがフィクション過ぎてフィクション酔いを起こしそうになる程フィクション。
神木隆之介はかっこいいし、
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.9

いや、おもしろ!
こんなローカルネタ突き詰められたら笑うしかない。
割と本気で千葉解放戦線を応援してしまった。
関東全域でふざけ倒す、大茶番スペクタクル。

ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.1

人類で初めて月面に着陸したニール・アームストロングの物語を、とても静かに、厳かに描く。
映画全体が宇宙の静けさを纏っているかのよう。
壮大な宇宙の物語でも、当人たちの視界は狭いスペースシャトルと小さな
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2「First Guardian」(2019年製作の映画)

2.6

コンパクトで爽快な2112年のポリス・アクション。ドミネーターやシビュラシステムと言ったディストピア的要素は存在感を減らし、純粋なドラマ性が際立っている。
脇役であった須郷執行官の過去に征陸執行官が登
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1「罪と罰」(2019年製作の映画)

3.4

絶賛PSYCHO-PASS月間。TVシリーズ1期と2期、かつての劇場版を一気に観直しての今作。スクリーンでPSYCHO-PASSが観られることで興奮。
若さと虚栄心の塊で、イライラさせられる存在だった
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十二人の死にたい子どもたち(2019年製作の映画)

1.6

一人の中学生が頭の中で考えた、空想物語を実写化したかのような映画。
設定には夢があるが、奥行きはない。
特段ミステリーではなく、メッセージ性が強いわけでもない。
「上手くまとめたでしょ」という中学生の
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マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

3.2

コナン君を豪華キャストで観ているような、わかりやすくかつ面白い、爽快な謎解きの物語だった。
ホテルマンとポリスマンのシンメトリー・ミステリー。

七つの会議(2018年製作の映画)

3.4

日本の企業システム、サラリーマン体質をドロドロにエンターテインさせたら天下一品の池井戸潤原作。
しがらみに次ぐしがらみで重々しく蠢くかと思いきや、軽快かつ若干過多な演出で微笑ましささえ感じられ、肩の力
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それだけが、僕の世界(2018年製作の映画)

3.4

落ちぶれた元アジアチャンピオンボクサーの兄、自閉症だが天才ピアニストの弟、辛い過去と大きな秘密を持つ母、片脚を失って音楽界から姿を消した美人ピアニスト。
様々な要素が詰め込まれているのに雑多になりすぎ
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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年製作の映画)

3.7

もう、いい話すぎる。
筋ジストロフィー患者の鹿野靖明さんという人の生き方に接し、嫌が応にも「どう生きるか」「どう人に接するか」について考えてしまう。この人の人生を記した映画というだけで、大きな価値を感
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シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年製作の映画)

3.3

ディズニーがこんなにエグいものを描くのか。面白くて素敵な気持ちにさせられるいつものディズニー映画だと思ったら、そんな気持ちを笑顔で意図的に握り潰してくる。
ディズニープリンセス全員集合は勿論、ピクサー
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ドラゴンボール超 ブロリー(2018年製作の映画)

3.7

これは完全に、ルート音と5度音のみで感情を司る3度音を排除した、パワーコードみたいな映画。余計なものは吹き飛ばして、ただひたすら戦闘民族サイヤ人の戦いを、えげつないテンポ感でかっこよく描写している。>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.8

これが新たな「シド&ナンシー」か「カート&コートニー」か、と思ったら1937年「スタア誕生」の何度目かのリメイクだった。でもだからこそこんなに歴史的映画の空気が漂うのかと思ってしまう、凄まじい愛の物語>>続きを読む

グリンチ(2018年製作の映画)

1.6

ガジェットともふもふ。
子供だったら確実に胸躍らせる数多のガジェットと、子供だったら確実に笑顔になる幾多のもふもふが夢の共演。
夢の中の世界みたい。
もふもふガジェット。
ガジェットもふもふ。
純然た
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来る(2018年製作の映画)

4.2

恐怖と笑いは紙一重であることがわかる作品。
時間が経つにつれ、正体不明の何かが来ることに恐怖するだけの映画ではないことに気づく。
異常なカット割や時間の飛ばし方、何を伝えているのかわかりそうでわからな
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くるみ割り人形と秘密の王国(2018年製作の映画)

1.5

19世紀ロンドンの美麗な映像から始まり、圧倒的な映像美に次ぐ映像美に次ぐ世界観に次ぐ世界観。
ブリキの兵隊やお城のデザイン、服飾の素晴らしさにヘアスタイルまで、リアルタイムなアンティーク。完全な別世界
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.1

観終わってぐったりしている。怖すぎて疲れた。
思い返すとそんなに怖がる事はなかった気がする。でも、提示された以上の恐怖を想像してしまった。大きな音や激しい演出は少ないのに。
立体感を持って恐怖を煽る音
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華氏 119(2018年製作の映画)

3.5

なんとなくニュースをやり過ごしてきた自分を愚かだと思えるほどには衝撃的な作品。
誰もが有り得ないと笑っていた「トランプ大統領」が誕生した仕組みに、ちょっともう手に負えないレベルの深い闇を見る。
勿論こ
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

1.0

フィルムのザラついた質感、文学を映像化する上で吹っ飛ばした現実性。すごく苦手な映画だった。
全てを見透かされた感覚も心当たりがあるし、生きてるだけで疲れるけれど、共感はできない。アーティを見せつけられ
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人魚の眠る家(2018年製作の映画)

3.8

人の生死にまつわる話なのに簡単には泣かせてくれず、ジリジリとヒリヒリと感情が迫ってくるような映画。
日本の法律の隙間をこじ開け、同時に生と死の間にある隙間も力ずくでこじ開けようとする題材に、観ながら何
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

QUEENにそこまでの思い入れはないけれど、映画としてとても面白くて、思わず歌いたくなる楽しさに溢れている。
1つのバンドの物語とは思えないほど、余りにもドラマチックで相当にエンターテイメント。
フレ
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search/サーチ(2018年製作の映画)

4.4

これは面白い。
全てがPC画面で描かれるという限定された表現方法に、映画が開始してすぐさま心を奪われる。
家族愛をテーマにしたヒューマンドラマが始まると思いきや、ズブズブと謎が深まりサスペンスに雪崩れ
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