コミヤさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

喜劇 特出しヒモ天国(1975年製作の映画)

4.6

三宅唱と柄本佑のトークショー付き上映。映画の言語を体得している人たちの対談で最高だった。凄い記憶力。上映後お二人と少しだけ話せたのは一生の自慢。
ド級の大傑作!一度では脳内処理不可能な情報の洪水は至高
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ロケーション(1984年製作の映画)

4.4

柄本明×山根貞男のトークショー付き上映で鑑賞。
映画を撮る映画なので、必然的に映画についての映画になっている。
主演俳優の欠席、代役の演技拒否、一般人の映り込み、キャストを確保できる期間のタイムリミッ
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.4

初河瀬直美。
過去の時制をたっぷりと使い、現在の行動に至る背景を描く。何かと事実(事実の真偽が曖昧になってきているが)だけが前景に出がちな現代において、背景に向ける想像力を養うことは大切だなと思う。「
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

3.9

脳内処理不可能なハイスピード異能力バトルは楽しすぎたのだが、ドラマを楽しめず。シャオヘイの人間への怒りやフーシーとの共感などを前半で充分に描ききれてないから後半部の葛藤もなにもという感じ…テンポ良過ぎ>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

4.6

同期シネフィルがジョン・フォードを観ろというので鑑賞。カッコいいとはこういうことさというくらいカッコいいが詰まってる。通常のテンポの会話から唐突のチワワ襲撃で始まる銃撃戦が堪らん。無言の人物のクローズ>>続きを読む

怒りの葡萄(1940年製作の映画)

4.4

地獄のデスロードムービー。喜怒哀楽詰まった我ら民衆のための映画。画質が最悪なのと、分割して観たため本編にあまり入り込めなかったが大好きなカットや人物の動きなどは随所に見つけられた。終盤のヘンリー・フォ>>続きを読む

VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)

4.5

ネットに拡散され増殖する情報としての個人に対する恐怖。自分もフィルマークスでは開始時に特に考えもせずにジャージャーというしょうもない名前を付けたように、各アプリ毎に別の名前で別の自分を演出している。じ>>続きを読む

雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.5

トーキー以降職を無くした俳優という実際に少なくない数の存在にとっては全く笑えないであろうオチに自分も引っ掛かったのでスコア-0.1。でも全編通じて狂った映画だったので大好き。非道い=最高!

東京公園(2011年製作の映画)

4.6

初青山真治。
観るか分からないけど新作『空に住む』に備えて。素晴らしかった。生きる意欲が湧いてくる。人が他者と出会い、共に生きていくという一見当たり前で単純に見える人生が、偶然の巡り合わせで成り立って
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ポゼッション(1981年製作の映画)

4.6

初アンジェイ・ズラウスキー。
『ローズマリーの赤ちゃん』と邪悪夫婦映画二本立て。怖くて笑える奇人変人大発狂祭りの末、本物の化物登場で大興奮。化物をはっきりと視覚的に表現してくれるあたり大好き。離れてい
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星の子(2020年製作の映画)

4.6

シネフィル同期が絶賛してたので観たが素晴らしかった。何より役者が素晴らしかった。岡田将生の言動への芦田愛菜のリアクションの芝居がもう最高。その後のナベちゃん?とシンムラくん?のフォローも愛おし過ぎる。>>続きを読む

こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.6

生涯ベスト級のスパゲッティ食い描写。塩田明彦の言う"戦場の顔"した役者たちが流動的な感情から生まれる予測不能なアクションを繰り出し合う。物語上のサスペンスではなく、登場人物たちが何をしでかすか分からな>>続きを読む

予兆 散歩する侵略者 劇場版(2017年製作の映画)

4.6

東出キモい!に尽きる。宇宙人みたいな佇まいと顔面の染谷将太、幸薄そうなホラー顔の夏帆もいいけど、やっぱり東出。本作でキモいが褒め言葉として定着してしまったのは可哀想でもあるが、彼の役者としての身体的特>>続きを読む

回路(2000年製作の映画)

4.7

少し前に鑑賞。ここ最近のベストで現状黒沢清作品ベスト!びっくり仰天の面白さ。"開かずの間"で、この世とは別の重力を受けているように浮遊感のある歩き方をする幽霊が脳味噌に刻印されてしまった。(一瞬倒れか>>続きを読む

鬼滅の刃 兄妹の絆(2019年製作の映画)

4.3

完全に乗り遅れた流行に追い付くために鑑賞。
ネトフリでは1話で挫折したけど、5話総集編の本作は飽きずに観れた。めちゃくちゃ面白い。物語が残酷に合理的に炭治郎を追い込もうとするので、いつ彼の精神の余裕が
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

Twitterでの内田英治監督の発言から地雷臭プンプンだったが、観ずに批判することもできないし、Twitterやフィルマークスでは絶賛評に溢れていたのでもしやと思って観たら、堂々たる今年ワーストクラス>>続きを読む

チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

4.6

これまで観たカサヴェテス作品の中では本作が顕著だった無言の間や、会話中相手に敢えて切り返さない演出は、鑑賞者に脳内で空白を補完することを強いて、それが未知への"不安"を煽る。また会話中に第三者の顔のク>>続きを読む

デジャヴ(2006年製作の映画)

4.6

少し前に鑑賞。

ウルトラ大傑作の娯楽映画。
序盤、明らかに異質な人物として登場するデンゼルワシントンが実はこの作品世界においては情報弱者で、真実を教えられる度にブチ切れたり、その中でも自分の信念に付
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.6

新作「生きちゃった」にそこまで乗れなかったが、本作は自分にとってとても大切で愛おしい映画だった。
それ口で言っちゃうのかよという説明過多なところやあまり好きじゃない演出もあったけれど、そういうの込みで
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おかえり(1996年製作の映画)

4.6

初篠崎誠作品。

単純なハッピーエンドではない終わり方だったが、温もりを補完し合える関係になった夫婦が同じ方向を見つめ、涙で潤った瞳が光に反射するラストカットは心が浄化された気持ちになった。
序盤の寺
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ヴィタリナ(2019年製作の映画)

4.2

信念を失わず故郷カーボベルデで出稼ぎに行った夫を40年間待ち続けた女性ヴィタリナの物語。たっぷり9時間睡眠のお陰で遂にペドロコスタ作品を寝ずに観られた。4作観て耐性が着いたのか、漆黒の中で僅かな光が輝>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

3.8

独善的で不器用な"レディバード"が独善的で不器用な他者たちとの相互作用の上に成り立つ個人であると自覚するまでのお話のように思えた。『ワイルドツアー』といい飛行機で物語が世界に拡散して終わるラストは好き>>続きを読む

(1974年製作の映画)

-

久々の早稲田松竹でビー・ガン二本と本作を観たのだが三本全て寝た。本作が一番寝心地良かった。

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

4.2

サンクスシアター3本目。

「ごめんね、これからもきっとごめん」

愛という流動的なもの共有をした、もしくはお互いに愛し合っているという実感を共有した2人の人間を「誓います」の一言で家族という概念で固
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

3.7

高校の時に見た印象からだいぶ劣ってしまった。なんやかんやopの口と教会ミュージカルが好き。
DVD特典にあった、海外上映時の観客リアクション付きで映画を見たら、ブラッドが登場する度に罵詈雑言浴びせられ
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ホース・マネー(2014年製作の映画)

-

採点不能!

8割くらい寝てしまった。エレベーターシーンは起きてた。前売り券を買ってしまった『ヴィタリナ』が不安過ぎる。

親密さ(2012年製作の映画)

4.5

今更サンクスシアター一本目。

あなたは私ではない。だから絶対理解し合うことはできない。そんな他者と言葉を交わしながら生きる人間たち。言葉に気持ち全部を乗せることはできない。そもそも気持ち全てを言葉を
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.6

少し前に鑑賞。
オリヴィアワイルド初監督作。

スコア高いし実際楽しかったけど、序盤から抱いた違和感は最後まで拭いきれなかった。フィルマークスのレビューを観て、本作に乗れなかった人が一定数いるというこ
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.6

今年ベスト級に好きな一本。

ジョナ・ヒル処女作。

視線、もしくは視点というものを意識的に扱ってる映画だったように思う。序盤からサニー・スリッチ演じる主人公スティーヴィーから、自分の知らない音楽、洋
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サンライズ(1927年製作の映画)

4.7

初ムルナウ。
遂に鑑賞。
これは凄いと自分でも分かる。永遠に見つめていたい映像美に陶酔した。

この前見た『結婚哲学』は、会話劇中心のためかどうも画面が平面的に感じられたのだが、本作はシンプルな物語に
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

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初ドライヤー。
伴奏がない無音状態での上映。ひたすら目に意識を集中し、鳴り続ける隣のおじさんの腹の音に耐えながらの80分。ルイーズ・ルネ・ファルコネッティ演じるジャンヌのクローズアップは脳みそに焼き付
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結婚哲学(1924年製作の映画)

4.2

活弁上映で鑑賞。
自由奔放でいい顔ばかりなナンセンスコメディ。他の方のレビューにも書かれてたが、ゆで卵とコーヒーの移動で表現されるキスがとっても素敵。

生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)

4.6

初ルビッチ。

戦時中にここまでナチスを揶揄して大丈夫かという凄みはあるのだけど、反ナチ、反戦という思想やメッセージ性を前面に押し出してはいない。『イングロリアス・バスターズ』の元ネタの一つでもあるら
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ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)

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採点不能!

破壊される町とそこで生きる人という実際の環境と人物にカメラを向けているのだが、それがドキュメンタリーなのかフィクションとして演出されているものなのか不確かで、どう受け止めればいいか分から
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コロッサル・ユース(2006年製作の映画)

4.2

初アテネフランセ。
初ペドロコスタ。

ドキュメンタリーとフィクションの境(ペドロコスタはその存在を否定しているが)がかなり曖昧な『ヴァンダの部屋』と比較すると、全体的にフィクションとしての演出が施さ
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