このレビューはネタバレを含みます
旧友と再会することになって、重苦しい曇り空ではあったが、お利口な犬も連れて、森でキャンプをすることに決めた。君が夢に出てきたんだと言っていた。
車中、目を細めて俯きながら、話をする。70歳を過ぎて結婚>>続きを読む
胸部におっぱいロケットが装備してあるアンドロイドが主人公で、すべてのおっぱいロケットを撃ち尽くしてしまうと彼女は死んでしまう、というお話。虚無。
スカートを風に靡かせながら颯爽と自転車を漕ぐベルナデットの姿ばかりが目に焼きついた。少年達の張ち切れんばかりの活発な動作や、望んでも届かないあこがれに対する素朴な憎しみ。そして少年たちは無益な復讐を企>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
自殺した成人女性の遺体にその腹の中の胎児の脳を移植されて誕生した、現代のフランケンシュタイン兼メアリー・シェリーであるベラが、薬品の匂いと人体解剖でいっぱいの箱庭だけでは満足できなくなり、閉じ込めら>>続きを読む
リュミエール兄弟のシネマトグラフのうち、108本に解説と音楽をつけたもの。固定カメラの50秒の映像であるが、構図やモチーフの面白さによって、巻き戻して繰り返し観てしまうものもあった。工場の出口、赤ん坊>>続きを読む
出来立ての高速道路の色彩の鮮やかさが印象に残った。逃避行と言えば聞こえはいいが、実際には警察に見つからないようにずっと同じモーテルの中にいて、たまにコインランドリーで洗濯物を盗んだり、親のレコードを売>>続きを読む
空港へと向かう高速道路の傍らに、必ず見える一本の巨きな木が植えてあって、そこから一本の映画が作られることがある。
肉屋のおじさんの働きぶり、包丁さばきだけでもずっと眺めていたくなる。非日常的な手品ショーよりも、1日に何度も繰り返される、身体に染み付いた動作の方が面白く見える。
噂に違わぬホラー映画の傑作。社会生活は愛を破壊する。
どこにでもあるありふれた花の名前を、絹ちゃんが麦くんに教えなかったのは、これから先ずっと、いつか別れてしまった後でも、マーガレットを目にするたび>>続きを読む
エンドロールを見てたら、"Blood Vomitters"が7人もいて、よく集めたなと思った。
メタルがイケてる音楽だった時代のドキュメンタリー。隔世の感がある。メガデスが一番格好良い。
コップにジュースを注ごうとするもほとんど溢しているオジーが超キュート。みんな自信満々で良い。
潮風にはためく洗濯物や、分岐する線路の上を歩いて行く男を俯瞰気味に捉えたショットがめちゃくちゃ良い。老いていく愛に狼狽えながら、何もない漁村を話し合いながら歩き回り、ずっと別々の方向を向いていた夫婦が>>続きを読む
パパが買ってきた白ネズミが家庭内の超自我を食い荒らすお話。テンポが良くて面白い。
ドランの作品制作における音楽の位置付けを知ることができてよかった。『トム・アット・ザ・ファーム』における画面比率の切り替えが気になっていたが、それは登場人物の心情に寄り添っていて、緊迫感のあるシーンで>>続きを読む
人間からそんなに良い匂いってするんだろうか?
天才的な嗅覚を持つ孤児の、なろう系みたいなストーリーで、嗅覚だけを頼りに香水を調合してしまうシーンにはわくわくした。彼は殺人にも天才的な才能があると思う。>>続きを読む
ドランの卑屈な笑顔が大好き。10月のトウモロコシはナイフらしいよ。
ヤク中の小学生集団が作ったかのような支離滅裂なトリップムービー。面白くないし、完成度は高くないが、みんなではしゃぎながら作ったんだろうなという楽しさは伝わってくる。戦争のトラウマ、ドラッグ、猟奇殺人、>>続きを読む
生意気そうなリディヴィーヌ・サニエ、ヴィルジニー・ルドワイヤンのピンクのお洋服、不敵なエマニュエル・べアール、イザベル・ユペールの変身シーン、みんな可愛かった。50年代ディオールの“ニュールック”をモ>>続きを読む
ジュリーの日記、焼却され、出版されることのなかった不出来なテキスト。エクリチュールがエクリチュールを生む。中年の危機、冷たい血のような悪意、疑惑の影、窃視の感覚。南仏リュベロンの白い陽光、青い部屋、象>>続きを読む
ジュークボックスからCanned Heatの"On the Road Again"が流れ、その隣でアイスを舐めている少年がそれを拙く口ずさむシーンが良過ぎる。
愛についての意見を語り合い、それらが交わらないことだけが明らかになるシーンが洒落ている。嫉妬をするピエールに対して、マリオンが「嫉妬をしないなら、あなたのことが好き」とたしなめるのが残酷過ぎる。従姉妹>>続きを読む
冒頭のミュージック・ホールのユーモアたっぷりの記憶屋のパフォーマンスから、場内での突然の発砲、それによるパニック、謎の女との出会いと、それを発端に始まる無実の逃走劇と、とてもテンポ良く話が転がっていく>>続きを読む
人差し指で上を指し示す身振りは、西洋中世において誰かを詰問する際の身振りであった。手を使って考えるための、イメージの本。戦争やニュースの映像と、過去の映画からの膨大な引用、ヨーロッパを横断する列車のイ>>続きを読む
ウォルター・スコットが執筆をしていたという海に囲まれた11世紀の古城に住む新婚夫婦のもとに、負傷したギャングと思われる二人組が転がり込んでくる。外部からの無法な闖入者が日常を破壊していくという大枠は不>>続きを読む
死んだ母親が生前に出演していたB級ホラー映画の中に娘とその友達が入り込んでしまうお話で、13金シリーズやバーニング等の80年代スラッシャー映画のパロディ、メタ的なコメディ要素、そしてアニメ1期のOPが>>続きを読む
暗い森の中は危険がいっぱい…主人公が面接に向かう途中で渋滞に巻き込まれ、迂回路でトラブルに遭い森の中で立ち往生する。一緒になったキャンプをしにきた若者たちの、ホラー映画によくいる短気なマッチョかと思わ>>続きを読む
計算し尽くされたカメラワークと流れるようなシーンの繋ぎ方が格好良い。美しい水の都の夜に、雨が降り始めたことに気づくシーンのアングルなど冴え渡っている。
ジャンヌ・モローの視線や表情、挙動や所作の一つ一>>続きを読む
視覚の注意、視線の動き、制度化された視線のあり方を浮き彫りにしようとしている。一枚の写真をめぐり、その出来事や被写体と、送り手や受け手との関係が何度も問い直される。イメージと文章の関係、ポルトガルの内>>続きを読む