ころっぷさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.0

圧倒的な存在感を放つ三島の眼差しが厳しかったり、柔らかかったりで目が離せない。現場の緊迫感も伝わって来て、当時の日本の混乱の様子がフィクションを見ている様で感慨深い。右とか左とかは関わらず、真剣に国家>>続きを読む

天才たちの頭の中~世界を面白くする107のヒント~(2019年製作の映画)

2.5

テーマを貫徹した執念は評価出来るが、見せ方の作為が鼻に付く。もっとじっくりと話を聞きたい人だらけで消化不良を起こす。断片的な言葉のコラージュはイメージとしては美しいのだが。

グラディエーター(2000年製作の映画)

3.5

圧倒的な映像美。これぞハリウッド映画という様な貫禄と重厚感にお腹いっぱいになる。ラッセル・クロウの渋い声と身のこなし。ホアキン・フェニックスのエキセントリックで繊細な表情。美術・衣装・音楽に至る最高峰>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.5

極彩色で描かれるメキシコの風景が美しい。先祖への敬意や家族の絆を説教じみた描写でなく、エンターテイメントとして説く秀逸な作品。圧倒的なCGの表現力と、練り込まれた脚本が素晴らしい。流石ピクサーと感じさ>>続きを読む

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)

2.5

込み入った状況と登場人物達の思惑が錯綜していて解り辛い面がある。豪華キャストも活かしきれていない感じで消化不良な印象。要素を詰め込み過ぎた脚本が敗因だと思う。

シリアスマン(2009年製作の映画)

3.0

コーエン兄弟らしい皮肉とブラックユーモアに満ちた小品。とことん不幸に付き纏われる主人公の前に更なる暗雲が待っているかの様なラストが不気味過ぎる。

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

3.5

猥雑でレトロセペクティブな美術デザイン、衣装や音楽の特異性に痺れる。時代を経ても古びれない優れたクリエイトの塊の様な作品だ。人間の存在のあやふやさという普遍的なテーマをSF的な作法で見事に表現している>>続きを読む

あん(2015年製作の映画)

4.0

樹木希林さんの演技に圧倒される。ずっと徳江さんの余韻が離れない。何気ない日常の中にある風景や音の美しさが物語に説得力を与えている。落ち着いた丁寧な演出も味わい深く、心にいつまでも残る作品だ。

ある男(2022年製作の映画)

3.5

社会の片隅で、どうしても陽の当たる生活がままならない事の寂しさを切実に描いている。別人として生きるしかなかった人間が、偽りの人生の中で本物の家族の温もりを得るまでの重みが観る者を圧倒する。出演者の演技>>続きを読む

燃えよ剣(2021年製作の映画)

2.5

セットや美術、衣装、ロケーションなど見応えがあり、いい仕事が散見出来ただけに、脚本と演出の中途半端さが残念極まりない。主演の岡田准一は殺陣も馬術も見事。アクション俳優として突出している。多くの登場人物>>続きを読む

過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道(2020年製作の映画)

3.5

大道さんの齢80にしてのこのフットワークの軽さには驚愕してしまう。呼吸をするようにスナップショットを切るその姿は、世界的写真家のオーラではなく、街角の風景にスッと溶け込んでしまっている。これらの写真の>>続きを読む

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.5

丁寧に作られた、万人にウケるエンターテイメント作品。とにかく料理シーンがリアルで、食欲を刺激される。物語としては王道の展開過ぎる所もあるが、観ていて疲れない爽やかさが全編に漂っていて好印象だった。

インターンシップ(2013年製作の映画)

3.0

キャラクター配置が適切で安心して観ていられる。特に目新しい作品では無いが、時代の空気感を切り取り、丁寧に梱包した誰にでも楽しめる及第点の作品。主演のヴィンス・ヴォーンとオーウェン・ウィルソンの息のあっ>>続きを読む

家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.0

オールタイム日本映画ベスト10の一作。鋭い社会批判、ユーモラスな暗喩的描写、徹底的にシニカルな表現が時代を超えて衝撃的だ。アクションスターの松田優作の怪演も、伊丹十三や由紀さおりの圧倒的な個性も、森田>>続きを読む

絵の中のぼくの村 Village of Dreams(1996年製作の映画)

3.0

ファンタジー描写と田舎の原風景が、強烈な郷愁を誘う。永遠かの様に感じた幼少時代の長い夏が、そのまま封じ込められた作品。今では考えられない様な差別やハラスメントが当たり前だった時代。淡々とした描写の中に>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.0

何処にも行けない閉塞感。渇いた映像が独特の郷愁を誘う。救いの無いオフビートな世界観が癖になる作風だ。

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

2.5

相変わらず綺麗な映像は見応えがある。震災のテーマを自分の得意なフィールドで物語に昇華した脚本だったけど、軽さが目立つ半端な出来映えに終始している印象。ジブリに対するオマージュなど、肩の力を抜いた演出が>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.0

リアルで緻密な脚本と、丁寧な演出。演者の好演で爽やかな余韻と共に印象に残る作品になっている。誰にも覚えのある答えの出ない人生の問題に真摯に寄り添う姿勢を感じる。時の流れと共にズレが生じてしまう事の必然>>続きを読む

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

3.5

悲劇は喜劇と常に表裏一体という物語。恐ろしくもあり、可笑しくもある人間の滑稽さに圧倒される。本当の自分を隠して生きている現代人の病的な生活を、あらゆる角度から描いて観る者に深い考察を促す作品であり、時>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.5

夢に出て来そうな奇妙な世界観。恐ろしくもあり、ユーモラスでもあり、物語の暗喩的な表現の一つ一つに強烈に引き込まれる。途方も無い時間と労力を注いだ映像が圧倒的だった。三部作と聞いたので、続編も是非観たい>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.5

【エール!】とはまた雰囲気の違うベクトルを持った作品。分かりやすく、観やすい。キャストの好演と丁寧な演出が物語にリアリティを与えている。流石アカデミー賞作品。

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

3.0

知られざる音響の進化の歴史が興味深かった。如何に映画において音の重要かが分かりやすく伝わってくる。巨匠達の名画を音に注目して見返したいと思った。

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.5

知らない街で不安の中に過ごす主人公の気持ちが伝わってくる。何気ない話だが、無理を感じさせない自然な流れの脚本が素晴らしい。言及されない行間を色々と想像して、観る側にも体験させる映画だ。

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.0

車窓を流れる風景を眺めているだけで心地良い。構えない気持ちでたゆたうように旅に出たくなる。2人それぞれの語らない部分の寂しさ、不安、不満が映像と音楽から滲み出てくるようだ。短い作品の中に忘れられない瞬>>続きを読む

アンソニーのハッピー・モーテル(1996年製作の映画)

2.5

中々風変わりな設定の物語。朴訥とした平和な雰囲気で、間の抜けた可笑しさがある。ウェス・アンダーソン的な色彩と構図は余り感じないが、ナンセンスな作風は特徴的。

ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

4.0

何度観ても面白い。全編が見所で無駄が全く無い。キャラクターの活かし方も抜群。遊び心の塊の様な作品だ。

素晴らしき、きのこの世界(2019年製作の映画)

3.5

知られざる世界を実に興味深く掘り下げている。たかがきのこと高を括っていると痛い目に合う。地球の生命循環の主役であり、人類の希望の星。驚愕の映像に目が釘付けになってしまう。実に興味深い作品だった。

ビルとテッドの大冒険(1989年製作の映画)

3.0

素晴らしく荒唐無稽で、80年代の漫画の様に牧歌的。毒にも薬にもならない本当に間抜けな映画を楽しんで作っているのが微笑ましい。キアヌ・リーブスのベストアクト。

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.0

久し振りに鑑賞。やはり惹き込まれてしまう。デザインの先鋭性は50年の年月を感じさせない。不思議な物語の中に普遍的なテーマが鎮座しているので、何時までも古びれない強みがある。改めてキューブリックが如何に>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.0

今なお色褪せない衝撃作。浮遊感のあるカメラワークとジャズの響きが印象的だ。ロバート・デ・ニーロの役への没入感も凄まじいが、若きジョディ・フォスターの存在感も凄い。やっぱり歴史に残る傑作だと再確認した。

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.0

何時観ても圧倒的。余りに時代を先駆けている。全く古びれない先進性と高い表現力、物語の普遍性と深いテーマ。キャラクターはユーモラスで実に生き生きと描写されている。個性的な音楽。上げたらキリが無い魅力にク>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.0

眼前に臓物全て晒された様な嫌悪感。強烈な皮肉とトラウマ級の閉塞感。これぞ最終兵器と呼べる様な悪夢的な作品だった。見ていて胃がキリキリする様な展開の数々。全てが暗喩であり、また寓話的な悲喜劇でもある。久>>続きを読む

スローターハウス5(1972年製作の映画)

3.5

原作小説とはまた違った魅力を持った作品。映像でしか表現出来ない部分の想像性に富んでいる。複雑かつ難解なテーマをコミカルに描いた脚本と、壮大な規模の撮影に驚く。またヴォネガットの小説を読み直してみたいと>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.0

平和で不思議な雰囲気が癖になってくる作品。前年代のテレビドラマの様な懐かしさを感じた。若い俳優達が皆演技に長けていて感心する。これはのんでなければ成立しない映画だとも思った。

ゼイリブ(1988年製作の映画)

2.5

今観るとかなり大味で何でなん?という作品だったけど、子供の頃に観たトラウマ体験を思い出した。やっぱりこういった作品は映画の多様性の一つとして貴重だし、ジョン・カーペンター監督のイマジネーションは当時本>>続きを読む

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)

4.0

何を以てして人生は成功だと言えるのだろうか。この親子の物語は行間から観る者にふと問い掛ける。マイク・ミルズ監督の世界を観る目が新鮮で面白い。ユアン・マクレガーはキャリア史上最高にイケメンに見えた。幾重>>続きを読む