kamakurahさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.5

原田眞人監督による『関ヶ原』に続く司馬遼太郎原作の映画化。資金力豊かにSFXも手堅く150分の長尺をいささかも飽きさせない。原作の有する独特な妙味とも言うべき鳥羽伏見以降の五稜郭に至るまでの土方への挽>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

4.0

中山七里の高評価原作未読で鑑賞。ミステリーではなく真っ直ぐに震災と向き合ったヒューマンドラマと受けとめないではいられなかった。冒頭すぐの避難所シーンで見上げられる満点の星空に、息子夫婦と愛孫の東松島で>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.0

IMAXレーザーで鑑賞。ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド最終作という前説がかなり重く響いて、クレイグ15年分の感慨が被さり、ここはだからなのか、と勘ぐって批評眼がぶれる2時間40分だった。飽きず>>続きを読む

グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇(2019年製作の映画)

3.5

2022年の大河ドラマで夫婦役にキャスティングされた大泉洋、小池栄子コンビへの関心で配信鑑賞。小池栄子の舞台の評判を聞いてはいたものの太宰治の未完遺作を、いかなケラリーノ・サンドロヴィッチでも無理筋で>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.0

日本人全員が観るべき一作。内容にかかる好悪、作品としての出来不出来にかかる云々は別である。ドキュメンタリーと比較するのではなく、エンターテイメントとして受け止め、石牟礼道子の『苦海浄土』が日本人にあっ>>続きを読む

総理の夫(2021年製作の映画)

3.5

原田マハの原作をいい配役で映画化ながら、ラストは異議あり。エンディングで、原作に寄せるような流れをほのめかしてはいるが、ネタバレになるので詳細踏み込まないものの個人的には最重要と思われる部分の改変とな>>続きを読む

グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告(2020年製作の映画)

3.5

ロバート・デニーロ、クリストファー・ウォーケンという『ディア・ハンター』コンビを敬意をもって知る世代には、時間の経過を体感させるハートウォーミングコメディ。孫との小競り合いを大袈裟にバカバカしく観せて>>続きを読む

マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.5

シリーズ化を目指しているのかと思わされる続編定番の仕立て。長澤まさみ扮する山岸尚美のホテルマンとしての律儀堅固さと祖父譲りの腕時計が遅れ気味に時を刻むというキャラクターデザインにかかる違和感が強調され>>続きを読む

シンデレラ(2021年製作の映画)

3.5

ディズニーとは、ある意味対極の設定。gleeがそのまま映画になったような仕上がりでした。王女よりデザイナー、魔法使いはゲイ、継母がピアニスト志望と、それぞれ意味を解釈しなくちゃ、なんてお伽話はやや苦し>>続きを読む

リスペクト(2021年製作の映画)

4.0

ジェニファー・ハドソン、オスカー確実の会心作。圧倒的歌唱力で2時間半があっという間。特殊メイクでアレサ・フランクリンに似せたりせず、伝説のソウルの女王をジェニファー・ハドソンが役者として歌手として見事>>続きを読む

鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.5

仕掛けの多い佐藤正午の原作をそのまま映画化できないだろうことはあらかじめ承知ながら、せめて、2冊をあっという間に読ませるスピード感と読後の爽快感くらいは体感させてほしかった。『カイジ』や古いヤクザ映画>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

3.0

好きなことに夢中になる、という感覚が理解できないわけではない。描かれている内容も受け止められる。松坂桃李と仲野大賀も評価したい。なのに、作品として評価できないのは、監督の今泉世界に入り込めない、という>>続きを読む

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

3.5

バーンスタインの傑作『West side story』の頃からすでに移民問題はミュージカルのテーマになっているわけだから、内実の目新しさはない。リン=マニュエル・ミランダ色満載で、エンドロール後までサ>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

村上春樹の短編を濱口竜介監督がどう映画化したのだろう。カンヌで脚本賞という冠も気になりいち早く劇場鑑賞。期待を上回る3時間で、原作というよりクレジットの「based on」が相応しい換骨奪胎に感服。村>>続きを読む

オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

3.5

ソフィア・コッポラが脚本でオスカーを得た『ロスト・イン・トランスレーション』のテイストを、同じくビル・マーレイの軽妙洒脱感で再現したような佳品。ニューヨークの夜景やマーティーニに水滴が落ちるシーンなど>>続きを読む

サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)

3.5

内容以上に、渋谷の街をリアルにセット再現した鎌倉の姉妹都市足利市の取組に驚愕、敬意。街をあげてのフィルムコミッションのあり方に感じいるものがありました。佐藤浩市、石田ゆり、西島秀俊という役者も揃って、>>続きを読む

EXIT(2019年製作の映画)

3.5

ハラハラ、ドキドキの痛快アクション。ダイハード、までには及ばないが、何も考えず、主人公ふたりと走り続けて楽しむ娯楽作。韓国映画は、この種の作品もハリウッド並み。恐れ入りました。

キューポラのある街(1962年製作の映画)

3.5

あらためての評価など不要。60年代日本映画史に燦然と輝く浦山桐郎処女作にして吉永小百合の代表作。作品自体に活力とスピード感溢れて、今の視点からすると細部に物申したくなるが、いつ観ても吉永小百合の溌剌と>>続きを読む

野球少女(2019年製作の映画)

3.0

『梨泰院クラス』でトランスジェンダーシェフとして鮮烈な存在感を放ったイ・ジュヨン主演作。もっと軽快に躍動感溢れた仕立てにして欲しかった。男社会の野球界を不屈の意思で突き破ろうとする主人公は魅力的なのだ>>続きを読む

マイ・フェア・レディ(1964年製作の映画)

5.0

何が事件ってNetflixが配信開始し始めたこの不朽の名作の目を見張るばかりの色の鮮やかさ‼️序曲の花々の色合いに驚愕し目を奪われてから、あの場面この場面と、ただただ驚きの連続で、あっという間に3時間>>続きを読む

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)

3.0

なぜ森達也でなかったのか。緩すぎる。あるいは、藤井道人という選択はなかったのか。マイケル・ムーアを求めようとは思わないが、もっと切り込んで、現況の実相を生み出す根本原因に迫って欲しかった。JAPAN >>続きを読む

エンディングノート(2011年製作の映画)

4.0

是枝裕和監督プロデュースの佳品。愛弟子砂田麻美が監督脚本を担当した私小説的ドキュメンタリー。淡々とした語り口が胸に沁み入り、終盤は涙なくして観ることはできない。10年前の初見より、今の年齢だと切実さが>>続きを読む

見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.5

よくまとまった一本。吉岡里帆、ひとり舞台の感あり。犯人像をもう少し掘り下げて欲しかった。羊たちの沈黙を思わせるラストでの姉弟愛は、やや安直で惜しまれる。

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.5

原作は『源氏物語』の帖名を組み合わせた筆名であることが知られている現役医師作家箒木蓬生の同名小説。出版当時、山本周五郎賞を受賞し、選考委員だった故井上ひさしの激賞に興味を持って一気読みしたことで、あの>>続きを読む

キネマの神様(2021年製作の映画)

3.5

原田マハの原作を大きく脚色変容させた、今年卒寿を迎える山田洋次監督の未曾有の現況への強くて深いメッセージとして受け止めました。
台詞の言い回しはいささか前時代的ながら、全篇これぞ山田調本寸法と評すべき
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偽りの隣人 ある諜報員の告白(2020年製作の映画)

3.5

民主主義の獲得、という重いテーマをコミカルシーンも折り込みながら飽きさず観せる仕立てに感服。サスペンスのカテゴリーにとどまらない充実の内容に、日韓映画力の差異を、またまた体感させられたことでした。

少年の君(2019年製作の映画)

4.0

主演が中国で12億人の妹と呼ばれ愛されるアイドルであることも、その共演が年少の頃からのスーパーアイドルTFBOYの1人だということも全く知らずに試写鑑賞。単純素朴にふたりの熱演に感激させられるばかり>>続きを読む

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(2018年製作の映画)

4.0

お恥ずかしながら「ソウルの女王」アレサ・フランクリンについてきちんと語れるほどグラミー20回という楽曲の多くを聴き込んでいないし、ソウル音楽についての十分な知識も有していない。シドニー・ポラックが監督>>続きを読む

浜の記憶(2018年製作の映画)

3.5

加藤茂雄さん一周忌限定配信を鑑賞。93歳にしての初主演。大嶋さんはじめ周囲の皆さんの敬意で生まれた顕彰作にして、記憶に刻まれるべき小品。鎌倉の映画を愛する人々の総意の結実です。

レベッカ(1940年製作の映画)

4.0

Netflix版『レベッカ』の残念感を恢復させるべくヒッチコックのハリウッド第一作となったオリジナルをマイBSコレクション(自動録画で未見多数)で50年以上ぶりに再確認鑑賞。
往年のヒッチコックテイス
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レベッカ(2020年製作の映画)

3.0

リリー・ジェームズ見たさの配信鑑賞。ヒッチコックの古典的名作と比較されること覚悟の映画化についての意欲は買うが、残念ながら80年前の傑作を前に討ち死の印象。主人公自らがロンドンへ危険を冒して真相究明に>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.5

原作通読に続けての配信鑑賞。主演のチョン・ユミとコン・ユが好演。監督デビュー作とのこと。救いと希望を印象付ける脚色に感心。ベストセラー小説映画化のひとつの方向を明示した仕上がりである。
#82년생 김
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HOKUSAI(2020年製作の映画)

3.5

去年のTIFFで見逃して、公開を待っての観賞。キャストと創りの構えからすると、やや期待はずれの感が残念。企画・脚本の河原れんのコンセプトなのか、監督橋本一のスタイルなのか、正攻法の楷書タッチで創り上げ>>続きを読む

裏窓(1954年製作の映画)

3.5

『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』を観終えてすぐに、録画コレクションからあらためて本家ヒッチコックの代表作の一本を。何年ぶりになるだろう、初見は中学生の頃だったはずだから50年は経っているかも。細かい>>続きを読む

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ(2021年製作の映画)

3.0

アメリカの映画監督は、どうしたってヒッチコックを意識しないではいられないんだな、ということをあらためて実感させられる一本。このシチェーションで『裏窓』を想起しない映画ファンはいない。84年のブライアン>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.0

公開時から話題のドキュメンタリーを、ようやく鑑賞。三島由紀夫の存在感と1000人の東大全共闘の熱意とが鮮やかに対比された見応えある一本。50年後の今を生きる当事者たちと、伝説としてその日を受け止め咀嚼>>続きを読む