男性女性限らず、各々がシステムの一部と成り果ててしまった状態から解放されて意思決定すれば"呪い"は解ける。弱さこそが人間なのだと語るマーゴット・ロビーの涙で終わったのは良かった。
でもそこにいたるプ>>続きを読む
女は強いだの賢いだのと安易に神格化するのではなく、男女にかかわらず"負けている者"は鋭いのだと、視点をひっくり返すオズワルドの行動が良かった。
戦争に負けた国でしか、こういう良さの映画は撮れないだろ>>続きを読む
灯りを手にしてしまったせいで「僕が君を守る」なんて言ってしまうけれど、そんなに世界は狭くなくて、でも彼の生きてる夜の暗い街ではそれが見えなくて……。
この映画の英題が"A brighter summ>>続きを読む
結局"熱帯魚"とは何だったのか、深海で助けた彼女は彼のことをどう思っているのか、何もわからずじまいだったけど、なんか良い未来が広がってるような感じがして良かった。
ジブリアニメで見たことある運動と、この目で見たことある原風景に、ジブリとは懐かしさだなと思わされる。
世界が縦ではなく横で繋がっていって「友達」が増えていくといいなという祈りを、叶えてあげられる世の>>続きを読む
"父殺し"なの?"母殺し"なの?と思っていたけど、そうか「聖なるもの」になりたいのかとわかって腑に落ちた。記号に還元できないショッキングな映像体験に満ちている男でも女でもない映画だった。
まだ経験したことない曖昧な気持ちがだんだん言葉になっていくゆらめきをじっくり丁寧に描いていた。ラストも良いけど、離れていた骨と骨とがくっついているのを確かめながら動かすクライマックスが素晴らしい。
5話目〜〜。神聖さと俗さ、野蛮さと聡明さ、人間の根源的なところを揺さぶってくる。
国どうしの物語に還元されてしまう激動に埋もれた、小さな人間が生きていたことの希望をすくい取ってくれてありがとう。
犯人探しの展開はシンプルで追いやすいだけに、数学教室とかラストのビデオ映像とかの不明瞭なイメージが強く焼きつく。
1秒先が予想できない長回し、「映画見てるぅ」って快楽を感じる。
間宮の一言一言に聞き入ってしまう緊迫感にのまれて、感情揺さぶられてしまい為すすべなかった。
画はあんなにジメジメしてるのに、プラトニックなのが良いのよ。なかなか同じ空間に居ないこと、居ても違う人のことを考えて違う飯を食べていること。そういう絶妙なバランスが美しかった。
イマドキのどんな恋愛ドラマ・映画より、大杉栄の考えに共感する。東大生の撮る映画はこれだから好き。
何より、シネスコのキャンバスのなかに自由に境界をひいて、画面比に縛られずバッチリの構図を常に追及する>>続きを読む
「マティスと映画」なんて特集で見なきゃ、マティスみたいな色づかいなんて気づかなかった。そのポップさがもたらすアホくささが、劇中の人物をバカにしていてこれぞヌーヴェル・ヴァーグな軽やかさだった。
その>>続きを読む
内側で女の何かが移ろいゆくのが確かにモンタージュされていく海辺の一連、すごかった。
眠れない夜を使い果たすための仲間っていうのが、後半どっかいっちゃったのが残念だった。ラスト・シーンでいきなり2人が見つけたものに向かっていくけれども、それが唐突というか、間の話もそこに積むいでいけば、>>続きを読む
オーケストラの壮大さとターの偉大さを楽しむエンタメかと思っていたら……、真逆の繊細さと厳粛さに満ちていた。オーケストラを指揮するターとしてだけでなく、座長として画面や音映画の全部をケイト・ブランシェッ>>続きを読む
人も自然も生生しくて、ときどき見ていられないようでさえあった。
2人の坊主より先にうめちゃんに惚れていた自信がある。
明かりがついてすぐは一つの映画の終わりにしか思えなかったけど、時間を追うごとに少しずつ重く、影なのか陽射しなのかよくわからないものを落としてくる。
カラムがこちらに背中を向けているショットが印象的で>>続きを読む
"真実"の見えなさを象徴するように、街の中心にぽっかり空いた湖。そこから離れた周縁の山奥に彼らの居場所が追いやられてしまう空間的構図。それ自体は自然かつ映画的で良いのだけれど、疎外の方向にしか向かわな>>続きを読む
コント的なエピソードだけでなく、倫理的にアウトな話が久石譲の力でほっこりした思い出に見えてくるところが一番滑稽だった。
有馬稲子の表情の上手さ。ただ上手すぎる。小津の画面にそういうのは要らないんだな。
戸からたくさんの光が射す部屋で、ひとり出支度をする笠智衆にやっぱこうでなくちゃと思う終わり方。
全然好きじゃなった。"死ななければならない運命"は儚くドラマになるけれど、自ら選んだ死はなにも美しくない。ドヌーヴの言う通り母親が居ることの方がどう考えても大事。
胸糞映画ではなくて糞映画。
慎ましく起伏のない生活だけれども、ロバに引かれ疾走する台車や広野に積み上がっていくレンガなど映画的なスペクタクルにまったく欠かない。ただ、こんな暮らしがうらやましい……。
キスだの愛撫だのがなくたっ>>続きを読む
いわゆるヌーヴェル・ヴァーグっぽい遊び心満載だけど、ゴダールの諧謔的なそれより実存に向き合っている感じがして好感がもてた。
(アレがミシェル・ルグランなのか!もっとハイソなおっさんを想像していた)
生き死にが切迫している雰囲気が、映像の"速さ"に表れていた。そのなか、学者のシーンみたいのが次のカットへ行かないと印象に残る。ああいった自分を超えるものが目に焼きついているのが、子どものときの記憶の在>>続きを読む
舞台は都市部なのに、時間の流れ方がめちゃモンゴルだった。
主人公が現状を変えるのに、際だった対立がないのも牧歌的で良かった。
ある人が一生懸命語ってるところを撮ったあとに、その人が他の人の語りに耳を傾けているのをつなげているところがなんだかとても良かった
これまで見た中でダントツ心地悪い食事シーン(笑)
欲望に正直であることをなんとか肯定したいんだろうけど、死んだら嫌じゃんね。
おしゃれだな〜で終わるだけの軽やかな映画では決してない。
車のなかでコソコソ乳繰り合うのではなく、オープンカーでそれぞれのこれからを語り合う。愛が結ばれず"はなればなれに"解かれて終わるこんな恋愛映>>続きを読む
ぬいぐるみ、しゃべる、やさしい。その他のどの言葉に対しても繊細に向き合っているのが感じられて好感もてる。これ書いた人はとても生きづらいんだろうなぁ……。
傷つくこと・傷つけることは怖いけれども、だか>>続きを読む