役者はすこぶる良い(特にホン・サンス映画常連のユン・ヨジョンは最高だった)。ただ、作劇と演出が物足りない。ヤンヤンと比べてしまうのは許してほしい
ところどころセリフで説明しすぎるきらいはあるけど、見惚れるような映画だった。ショットが適切で完璧。音響が心地良すぎる。アヴァンタイトルから冴えまくる演出。こういう、ごりごりに演出されたゆるやかなナラテ>>続きを読む
日本社会のどん詰まり感。図式的・匿名的だけどどこまでも具象的。「境界」をふいに飛び越えてしまう瞬間が怖い (ファミレスでカメラがイマジナリーラインを飛び越える!)。美術と編集もすこぶる良かった。あと前>>続きを読む
最低。ジブリワースト。アニメーションに求める動きの快感は皆無、見せ方も冗長・鈍重。技術力云々以前に話が話として成立していないから論外。普通ならミッドポイントになるであろうシーンで突如話が終わって唖然と>>続きを読む
ディズニーマイナスは嫌いだけどこの映画が紛れもない大傑作なのは認めざるを得ない。素晴らしかった。
とても良い。役者は言うまでもなく、脚本と演出が素晴らしい。開かずの扉と救いの手を差し伸べない天。90分で語るべきことを語り切る手際良さも好き。ただ、映画的な瞬間がもっと欲しかった。
時系列も主題も一直線に進まずやや散漫な印象もあり、ひとつの作品としては『勝手にふるえてろ』の方が好き。ただ、シーン単位の爆発力はこちらが勝る。内部/外部の丁寧な反復(階段を下る音!)、シーンによって変>>続きを読む
良くも悪くもアメリカン。演出を音のゴリ押しでカバーするスタイルは苦手だったけれど、映画史上最大規模のカオスのなかで美しく「映画」が立ち上がる飛翔シーンに思わず泣いてしまったのは否定できない。あとペドロ>>続きを読む
映るべきものが然るべき瞬間に映し出される。反復される、空(Air)に向き合う人々の営みがあまりにも尊い。
マンクとマリオン・デイヴィスの対峙に泣いた。『ゴーン・ガール』『マインドハンター』以降のフィンチャー映画。「2時間では描けない人生」をパラレルな構造で手際良く浮かび上がらせるサスペンス。序盤の砂埃と煙>>続きを読む
何かあるのかもしれないと信じて観ていたけれど何もなかった。作品全体から滲み出る価値観も危うい。本当にこれで良かったの?
「2019年の東京」を記録した漂流映画。何よりロケーションと役者の身体が良い。そびえ立つ高層マンションが一面に広がる埋立地あるいはコロナ禍前の騒々しい雑踏で、くるくると回りながら交錯する線の細い身体に>>続きを読む
撮影は好みではなかったけれど、とても良かった。テーマもさることながら、まず話が抜群に面白い。特に後半、物語の焦点が巨大な制度によって狂わされる人間関係にシフトしてからが素晴らしかった(第3話「誕生日」>>続きを読む
東京国際映画祭で鑑賞。傑作。感染性?の記憶喪失を患った寡黙な男は、社会復帰プログラムで毎日課される課題を淡々とこなす。反復と大胆な省略を効果的に用いた語り口で、90分間ほとんど無駄がない。クレール・ド>>続きを読む
東京国際映画祭。待ちに待ったブランドン・クローネンバーグの長編第2作。倍増したとはいえ『アンチヴァイラル』よりも随分大衆向けになったなとは思いつつも、何が何でも暴力を美しく撮ってやるという狂気は前作よ>>続きを読む
パレスチナの日常風景を断続的に(時には反復させながら)切り取る第一部、非日常的・映画的な飛躍で驚かせる第二部、そして日常へと回帰するエピローグ。面白かった。何よりショットが強すぎる。
音楽のように構成されたアクション映画であり恐るべき幽霊映画。主題は反復・転調され、それと共にいくつもの関係性は複雑に絡み合い、人物の動線は縦へ横へと広がっていき空間を更に押し広げていく。亡霊を軸にした>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
劇場版をオンライン試写で、8K放送版を放送博物館で鑑賞。
「旅のおわり」という黒沢的テーマと「世界のはじまり」という非黒沢的テーマを軸に、どこまでも自由に「映画」と戯れた『旅のおわり世界のはじまり』>>続きを読む