これは完全に高峰秀子力が押していて、成瀬演出みたいなものはだいぶ鳴りをひそめている気がする。でもまあ小説書いてる時の顔が1番美しい、というのはちゃんとそう見える説得力で撮られているからやっぱり流石のプ>>続きを読む
“子どもを産めない女”と“子どもを作りたくない男”と“子どもを作りたくない男の子どもを産みたい女”の三角関係というほんとうに気が狂ったとしか言いようのない作劇。民俗学的な幻想怪奇譚のテイをなしているが>>続きを読む
決して悪くないのではなかろうか。
額の傷、アップで撮る前に引きの絵でバレてるのどうなんだとか、意味深な顔に寄ってくショットに時間とっててダサいとか、見上げた釣り橋の板の間から異形の存在が、は良いけど女>>続きを読む
『はるかノスタルジィ』や『さびしんぼう』に連なる大林お得意の2世代恋愛譚、なのだが2006年バージョンということで尾道や小樽のような古都が甘やかなノスタルジーに誘うスキは一切なく、ニート、援交等の一昔>>続きを読む
噂に違わず面白い。狙撃シーンがどれも非常に工夫されていて、最初はガラスケースに入った自分のポスターを見ている女が、観客の思うタイミングよりずっと早く射殺される(撃った衝撃で壁に叩きつけられガラスが割れ>>続きを読む
“キスしながら、男の方の目が全く女を見ておらず、内心愛していないことが観客に伝わる”というクリシェは一体誰が始めたんだろうか……
積み木のアルファベットを組み合わせた洒落れたクレジットから、ガキが誘拐>>続きを読む
1から10までどっかで見たようなクリシェの寄せ集めでも、確かなセンスと演出力で描けば良質なエンタメが作れる、ということをこういう作品が示してくれている。
冒頭、街中の十字架が曲がっていくところから、演>>続きを読む
ロジャーディーキンスが関わってるのクレジットで知ってびっくりしました……
ヒロインの娘に挨拶みたいなノリでキスしたりされたりしているのがさりげなく描かれており、それがとんでもなくエロい。
絶対に口喧嘩>>続きを読む
俺のビンタはちょっと違うぞ、って言った矢先に拳でぶん殴るシーンで爆笑した。そりゃあ物理的に“違う”のですが……
その後の田村高廣と勝新の逆襲がまた良い。「怪我はさせるな。内臓はいくらめちゃくちゃにして>>続きを読む
流石に名作とされているものは格が違いますね…
戸の奥から真っ白い顔を覗かせる黒沢のり子、初登場のワンカットだけで瞬間的に白痴だと分かる説得力は一体何なのだろうか?
ガイアのデザインが『ダークソウル』のグウィネヴィアそっくりなのだが、これは映画オリジナルで山岸凉子にデザインしてもらったやつらしい。フロムソフトフェアめ……
ダークファンタジーとしては、私が擁護して止>>続きを読む
面白い。ロイ・ウォード・ベイカー、イギリス時代にヒッチコックの助監もやったりしているらしいが、まさしくヒッチコックの「観客は待たせるだけ待たせろ」を実に誠実にやっている。ボロボロになりながら雪原を歩い>>続きを読む
“ストライキで警官の機能しなくなった街”という舞台立てをクールに伝える、誰もいない街並みと、主人公が手に取る新聞の見出し。
パンクスな女たちに押される車が通りかかり、押すのを手伝うと後ろから老人が追い>>続きを読む
スロモーションの工夫のない多様は辟易するが、基本的なアクションの演出は上手いと思う。妻を殺された復讐をする序盤とか、的確なショット運びといった感じ。胸に矢がブッ刺さったまま闘うジジイなんか良かった。>>続きを読む
タランチュラの合成は、別にそういうものだから良いのだが、間に本物のクロースアップを挟んでしまってサイズ感が完全にバレてしまっているのが残念。巨大蜘蛛だという嘘をつき続けて欲しかった。
リチャードマシス>>続きを読む
最初に孤城に行った時に、連れてこられた7人は誰も靴を履いていない。家の中の鏡から連れて来られているので履いていないのだが、“おおかみさかま”だけ履いているので、圧倒的靴ヒエラルキーが強調されている。>>続きを読む
相変わらず50年代にとんでもない映画撮る“職人監督”がいたものだ……
リーマーヴィンの絶妙な役どころとか、『戦争のはらわた』のブラント大佐に通ずるものがある。無能な上官より遥かに優秀だが、結局組織とし>>続きを読む
イーストウッドをもってしてもなのか、イーストウッドだからなのか、いずれにしてもダメですね、これは……
もともと演技に興味のない上に、ジャップのセリフとかまるで分からんだろうから全く拘らなかったのだろう>>続きを読む
シンプルだけど効果的な演出のつるべ打ちで、まあ“古典的ハリウッド映画”ですよね、ウェルマンだし。
雪原にいきなり木の陰が出現するショットで、霧が晴れた瞬間を鮮やかに描き出すのとか、ハッとするような映画>>続きを読む
今まで見たランティモスの中では1番良い。美術に凝ることで映画としての価値が宿る、ということを信じていてその態度は申し分なく肯定する。ロンドンに戻ってくるまでぐらいなら、多少かったるいが割と好きな方の映>>続きを読む
とてつもないものを見てしまった……
次から次へと人が死んでいくのは、そういうものかと思ったが、ラストはボロボロ泣いた。
あれだけいがみ合い、憎しみ合い、殺し合い、絶望しながら死んでいった全てのキャラク>>続きを読む
『サイレントランニング』に影響されていると思われ、ソロシップ内のドームに森があるのは当然そうだが、中を移動するための小さいスポーツカーみたいなカートのデザインがそっくりだ。
80年代とは思えないほど先>>続きを読む
俯瞰で撮った空爆映像や、建物の中から爆風で窓が割れるのを撮ったショットなど、実物の凄まじさはあるが、航空戦を面白く撮るのは難しいのではないかという印象を受けた。いかんせん空というのは何もなさすぎて空間>>続きを読む
何が何だか分からない。劇場版ファーストガンダム三部作はテレビの総集編だからわかりづらいのだと思っていたが、これを見るともう、富野由悠季という人の作家性がこうなのかもしれない。
最初から映画として作られ>>続きを読む
アムロとシャア、モビルスーツを降りて最後はなんとフェイシングで決闘、と展開していくのは面白かった。ロボットアニメで、クライマックスにここまでロボットを捨てた描写に出るのは中々の勇気だと思う。まあシャア>>続きを読む
“富野節”、と言われているものがなんなのかはいまいち分からないが、テレビアニメベースの豊かとは言えない映像表現だと、むしろいちいち説明的なセリフを言うのは一つの作品テンポを作るのに貢献してると思う。>>続きを読む
今やオリジナルが見られないので、一体1977年に何を達成していたのかわからないのだが……
それにしたってさまざまなSEやプロダクトデザインの圧倒的な確かさは、今さらながら信じられないほど卓越していると>>続きを読む
キートン、ロイドの“コメディのための身体能力アクション”の映画史がここまで断絶して、ベルモンドで突然復活するのには驚く。フランス人の米国研究の成果なのか?
追跡のために他人の乗り物を勝手に使うのはこ>>続きを読む
荒井晴彦脚本だなぁ……という感が強いが、まあ相変わらず面白い。
洗濯物のパンツ落としたことで、因縁つけて殴り込んでくる下の階のキチガイヤク中女がほんとに下町のキチガイの顔をしていて、とてつもなく怖い。>>続きを読む
もはや“面白い映画”なんかを撮ることにはなんの未練もないという境地に達したジョン・ヒューストンの遺作。パーティに招かれた登場人物と一緒に拍手する参加型上映を強く推奨する。
酒癖の悪いフレディに対する絶>>続きを読む
1から10まで職人仕事。そして狙った通りに“単に面白いだけの映画”になっている。
プロフェッショナルとして完璧だと思う。
80s娯楽映画の、なんかとりあえず壊したり、こぼしたりはできるだけ派手に賑やか>>続きを読む
押井守の師匠、ということ以外であまり認識のない鳥海永行。監督作を初めて見た。
78分で王朝モノを淡々とまとめ上げてしまう手際の良さは、もはや凄さがよくわからない。キャラクターの描写は徹底的にドライだけ>>続きを読む
高橋洋が褒めてたので見たら、やっぱり割合面白かった。
畳を擦る音、というごく小さい起点から延々因縁話を繋げってて、オチでまた同じ音に戻ってくる。綺麗な構成だし、首吊りしたおばさんの女優、実に良い感じに>>続きを読む
中世の、今では全く理解できないものの考え方や世界の捉え方を、“分かりやすく現代風にアレンジ”という手法だけはせずにエンターテイメントにしてやる、というニール・ゲイマンの矜持を感じる気がする。劇中歌の作>>続きを読む
相変わらず全く意味分からないけど心を掴まれるいつもの異常な神代映画。
芸者が子ども誘拐して走って逃げてる時に関東大震災が起きる冒頭の“映画的テンション”としか言いようがない何かの凄まじさ。
太鼓持ちの>>続きを読む
斉藤由貴は『雪の断章』より遥かにこちらが良い。こういう子がいきなり真剣な顔して泣いたりしたら、ちゃんと言うこと聞いてあげるもんだと思う。
地方都市で少女が面倒な心理の中を右往左往しているだけの氷室冴子>>続きを読む