女の顔面を10回壁に叩きつけて殺すシーンがこの映画の白眉。叩きつけた後顔面がどれくらい壊れたか確認してからもう一度叩きつける。もう一度確認する。このプロセスを踏むのがとても良い。あとは牛を轢くところの>>続きを読む
小日向文世演じるマッドサイエンティストに、高橋洋がその時考えてた面白ハッタリを全部託してる感じが良い。恐怖は人を殺せるはずだ!と確信している。泣ける。
怪しげな科学実験からあの世へと繋がっていく壮大さ>>続きを読む
革命前は弾圧された民衆を治療し、反乱が起きると逆襲された上官たちを治療し……という転倒。”時代に翻弄“を絵に描いたようなお話。樽の上で演説する将校が蓋が外れて樽の中に落ちる、というのがコミカルに撮られ>>続きを読む
“ただ面白いだけの映画”は沢島忠にしか撮れないのかもしれない。
人を斬って血の一滴も出ない時代劇だが、かわら版屋の赤い塗料を敵の顔面にぶっかけるショットがあり、突然とんでもないスプラッターを見た錯覚に>>続きを読む
伊佐山ひろ子の入ったトランクが坂道を延々と転がり続けるクライマックス。坂道を転がるというあまりにも単純な物理法則こそが、あまりにも面白い。『リコリス・ピザ』は絶対パクってる。
まあ、芸達者集めて成瀬で、って面白くて当然でしょう、そりゃ……
交通事故に取り憑かれた映画作家ということで、原節子の旦那が冒頭早速交通事故で退場。森雅之の不機嫌そうな「まあ、大丈夫でしょう」、からの高>>続きを読む
一定のジャンル映画需要に応えている+好みではない で相殺して可も不可もなく……といったところ。
切り立った崖に立つ大聖堂みたいな病院、というゴシックな舞台立ては単に妹が資料取りに行くだけ、という微妙な>>続きを読む
傑作。『カリ城』より絶対にこちらを支持したい。面白くしようという気概に溢れており、時々度を超している。大和屋竺は日活実写映画のスケールでは実現できなかった奇想をぶち込んだんだろうか?
巨大トラックに>>続きを読む
“記念作品”ってのは良いなぁ。売上目標とかトレンドなんか度外視で、映画会社がプライドをかけて見栄をはりたいという欲求に基づいて、花形役者揃えて、豪奢な美術に衣装、原作はわが国が誇る純文学でと贅沢の極み>>続きを読む
燃やした自分の写真をアテに酒をあおるジョージ・C・スコット、否応なく痺れる。
誰もいない教会の懺悔室で祈り、帰り際に神父とすれ違って「用は済んだ」って言い放つのもめちゃくちゃ良い。
愛車の58年型BM>>続きを読む
不良グループ同士が相対して、両リーダーが、当然サシで勝負だ!って言った後にどっちも全員で殴りかかる、瞬間に女番長ブルースがかかるのがあまりにも完璧。
とんちんかんなことを言って周りが”ズッコケる“とか、アニメ演出のノリそのままを役者にやらせると、身体性の限界を否応なく感じさせられる。金子修介『うる星やつら』の脚本も書いてたし、その手のドタバタ感は強>>続きを読む
劇伴が良かったり、その劇伴をかけながら車で快晴の海沿いの道を走って行くシーンにめちゃくちゃ快楽があったり、OPの不思議な跨線橋とか要所要所魅力はあるのだけど、あまりにも断片の寄せ集めだし、森田芳光の変>>続きを読む
『ヒルコ/妖怪ハンター』もそうだけど、大スターなのに“情けなさ”の表現がめちゃくちゃ良い沢田研二。この人スターなのに演じるキャラの幅がめちゃくちゃ広いし、かといっていわゆる“演技派”の上手さとは全く別>>続きを読む
顔のアップ撮りまくってわかりやすく情感を、という素直さが悪いわけではないけど、ラストのカーチェイスで冒頭の自転車のシーンをわざわざインサートで入れてくるとかでかなり食傷した……
熱く展開するはずの物語>>続きを読む
車乗ってると突然パトカーに止められ運転手が逮捕され、自分で運転せざるを得なくなる、っていうシチュエーションギャグ、『インサイド・ルーウィン・デーヴィス』で全く同じことやってて、ユダヤ人が考えることって>>続きを読む
脚本全体の盛り上がりはちょっと弱いが、細部がいちいち魅力的で、まあやっぱりマイケル・マン。冒頭、海と向かい合った同僚と、背を向けた主人公で会話するとかきっちり演出の工夫があり、絵として決まっている。>>続きを読む
ジョン・フォードの映画ってよくキチガイが出てくるけど、今作のドナルド・マウス?については、字幕のせいかそもそも何をしているのかよく分からなかった。『ベイブ』のネズミみたいな声を出しているが……
階段で>>続きを読む
自分にとって“アメリカ映画”を1番感じられるのはこういう映画。決してジョン・フォードやハワード・ホークスではなく……ジョージ・ロイ・ヒルは素朴な良い作家だと思いますよ。
なんかめちゃくちゃ『ホテルニュ>>続きを読む
80sは遠くなりにけり……
冴羽が“もっこり”を喚けば喚くほど、粋だった時代の空気感を失った出涸らしの残骸だけがみすぼらしく思われただただむなしい……貧しい……
言っても詮無いことばかりだけど、やっぱ>>続きを読む
白衣の似合うティルダスウィントンですら、UFOを見上げると、口開けてバカ面をさらすというのが素晴らしくて、ティルダ、人間離れしてるし宇宙人にすりゃあよくね、というゴミみたいな発想で『デッド・ドント・ダ>>続きを読む
マカロニ以降、ニューシネマ以降で50年代組は西部劇をどう撮るか、ということでフライシャー『スパイクス・ギャング』、シーゲル『真昼の死闘』なんかは叩き上げの手腕を見せてやる、って感じのカラッとしたジャン>>続きを読む
いつものごとく、効果的なのかどうかよく分からないコマ落とし、マッドペイント、張りぼてのセット、くどいセリフ、監督本人のナレーション、無茶な衣装、(いかにも小学生の習い事な)ピアノ曲……等々の過剰な人工>>続きを読む
映画を成立させるために“暗い過去”とかを用意しなきゃいけないわけじゃないのでは……
悪い意味で順番にセリフを言っているようにしか見えない会話の間とか、リアクション撮るために、横並びの顔を順番にもっさり>>続きを読む
女子校への夢が詰まっている。参観に来た誰かのお父さん見つけて盛り上がるのとか、勝手に職員室内のパワーバランスを邪推するくだりとか、“女子校ならばこうなるはずだ”の説得力が凄まじい。
人物捌きがとんでも>>続きを読む
『毎日が夏休み』というほど生やさしいものではない。現実を突きつけられる。自分の部屋にも手の届かない収納スペースがある。手の届かないことを良いことに、何を押し込めるかわかったものではない。
佐和日菜子の>>続きを読む
脚本はぎこちなく、会話のテンポも悪く(登場人物よりも観客の認識の方が早い)、アクションはわかりづらい……ただただ眠かった。
マイケル・ベイ、やっぱ正攻法ではダメみたいだ。古典的ななりすましコメディも、>>続きを読む
今まで新聞なんか読んだことなかったが、死ぬ前にこれだけ読もうと思った、って言って英国女王崩御の新聞記事を余命の一週間かけて読むジョン・ウェイン、これが泣ける……
明日の朝クリーニングをした服で出かける>>続きを読む
めちゃくちゃ面白い。大林宣彦は“複雑な映画”を平気で撮ってしまう力がすごい。
『アンダー・ザ・シルバーレイク』に並ぶ“迷宮映画”だと思う。次から次へと奇怪な魑魅魍魎が現れ、全く正体の見えない何かに追い>>続きを読む
一ノ瀬=藤田弓子、四ツ谷=伊武雅刀、というキャスティングは神がかっているが、相米じみた長回しロングショットで原作をなぞったコミカルなシーンを再現しようとしている序盤はだいぶ無理がある。セリフと動きを決>>続きを読む
才気走っている。というか才気走っていること以外に何もない。
銭湯のシーン、河合美智子が洗い場を乗り越えて反対側に行くのを鏡で捉え、カメラが追っかけると隣りのオカマに話しかけられ、湯船に行くのをまたカメ>>続きを読む
こんな調子乗ってる高峰秀子はじめて見た。戦後派というやつだろうか。
ロングショットで正座する田中絹代を4連殴打、からの間髪入れずに山村聰だけを画面に入れたショットで画面外への追加殴打、という脅威の小津>>続きを読む
劇映画部分は断片的で夢のような不思議な感触がある。張が阮から毎月金をもらう契約をした後、ひとりで線路の上を歩いていく。レールの上を歩いて最初はふらついているのだが、突然安定する、というよくわからない細>>続きを読む
ガラスですよねぇ……『ヤンヤン 夏の想い出』とかでもそうだけど、薄暗い室内とガラス窓の青空からの逆光、フロントガラス越しの運転席、後部座席の後ろのガラス窓、ガラスの内側にいる人と外側にいる人……
“生>>続きを読む
“実験的な撮り方”への拘りは、もうちょっと使いどころを絞ってほしい……空間がよく把握できない鉄人間同士の銃撃戦は結構厳しいものがある。
とはいえ回想シーンの親を惨殺する描写とか、いかにも作りものめいた>>続きを読む