しゅーげさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

しゅーげ

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小さな池 1950年・ノグンリ虐殺事件(2010年製作の映画)

3.5

暗鬱な史実、ノングリ虐殺事件を告発する映画。韓国映画の中で朝鮮戦争を題材にしたものは多いが、これほど陰鬱なものはないかもしれない。CGのクジラはどんな意味があったのだろうか。『クロッシング』に出ていた>>続きを読む

ザ・フー:アメイジング・ジャーニー(2007年製作の映画)

3.8

ザ・フー新作リリース記念。何回もの危機に遭いながらこのバンドが続いたことにまず驚かされる。現在のピートとロジャーの信頼関係に涙。

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

4.0

エジョフと同じくスターリン粛清の手先となったベリヤの鬼畜性、マレンコフの無能ぶりなどソ連史好きにはニヤニヤさせられるシーンがたくさん。モンティ・パイソンのマイケル・ペリンも出ていているのもポイント。人>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.6

ケン・ローチらしい告発の映画。家族が救いとなっているが、もしその家族すらなくなったら?と思うと恐ろしくなる。ある種の労働が人生を引き裂くという告発。ケン・ローチはいつも苦い傑作を生み出す。原題の真の意>>続きを読む

いつかギラギラする日(1992年製作の映画)

3.4

『暴走パニック大激突』の縮小版。荻野目慶子の演技が「イタい」しもっと千葉ちゃんやショーケンのアクションを見たかった。挿入歌もあんまり。しかし深作印、捉えるところは捉えている。

GONIN(1995年製作の映画)

2.3

ドライな画面。たけしが出てきてから面白くなる。ホモソーシャルの中でのきらめきのようなもの。

226(1989年製作の映画)

3.4

五社英雄監督が2・26事件を扱うなどどうなるかと思ったが、さすがの笠原和夫脚本。実録ものとして良い出来だが、もっと「エグみ」が欲しかった。バブリーな時期だからできた超絶オールスター映画で、ちょい役でも>>続きを読む

海燕ジョーの奇跡(1984年製作の映画)

3.2

『博徒外人部隊』『沖縄やくざ戦争』と『ソナチネ』『3ー4X10月』の間にあった「沖縄やくざもの」のミッシングリンク!原田芳雄がやっぱりかっこいい。せつないはぐれもののバニシングポイントなお話。

凶弾(1982年製作の映画)

1.0

……流石に棒演技の数々……とほほ。フラッシュバックが多くてイヤになる。とてつもない老人の加藤嘉、そして一瞬で画面が引き締まる若山冨三郎先生は見もの。格が違うのよ。熱海のカーアクションだけはよいかも。

丑三つの村(1983年製作の映画)

2.9

いかにも80年代といったBGMが邪魔くさい。最後の30分の虐殺シーンは村の因習をズタズタにしていくようで心地良い。

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)

3.5

聾唖者の子供たちという設定が、作中の主人公と彼らの関係をより強くしている分、その想いは観るものに伝わる。コン・ユの抑えた演技が静かな怒りを思わせる。

愛と追憶の日々(1983年製作の映画)

1.0

あまりにもつまらないので記憶にも取っていなかった。

下女(1960年製作の映画)

3.5

初めから不穏な空気に満たされた映画で、下女に家庭が乗っ取られるにつれてよりホラー感がじわじわと増していく。ラストに思わず仰け反ってしまった。韓国の名優、アン・ソンギの子役時代が見られる。

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.7

巨人・ドラーグ人の支配の下で破滅の危機にある人類は他の星へ逃亡し革命を企てる……。もし自分がアリになったら人間をドラーグ人のように見てしまうのだろうなぁと思った。73年作とは思えないがヒッピーテイスト>>続きを読む

日本暗殺秘録(1969年製作の映画)

3.7

初めに若山富三郎・菅原文太を置き、終わりに刀振るう健さんと鶴田浩二で締め、真ん中に中心ストーリーとなる千恵蔵・千葉真一の血盟団事件を描いた暗殺記。暗殺を美化してしまうような危険な映画だが、千葉真一と艶>>続きを読む

仏陀再誕(2009年製作の映画)

1.0

大川隆法vs池田大作のアツい戦いが見られるコメディ。みんなで酒を飲みながら爆笑した思い出。

吸血鬼(1932年製作の映画)

4.8

ストーリー的に不明な点が多いがそれをもホラーに還元してしまう。それには理由がある。

つまり観る人はこの映画が「何が何だかわからないが怖い」ものとして観る。映画を観ること自体が幽霊屋敷のような「ホラー
>>続きを読む

ビー・デビル(2010年製作の映画)

4.6

……『太陽を見たら答えが出たよ』……カミュの『異邦人』か!女性が働くが男性が主導権を握っている島で、じわじわとホラーに陥っていく……。とてつもない男女差別・家父長制・年長至上主義・因習と暴力を告発する>>続きを読む

ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

3.9

章を分ける鉄道は逆走して走り、主人公の記憶も過去へ遡る。その鉄道の出発点に鉄道車庫での射殺(光州事件での出動)がある。記憶を乗せた鉄道に主人公が「殺される」ところから始まる点、監督の妙技が光っている。>>続きを読む

衝動殺人 息子よ(1979年製作の映画)

4.0

この当時の日本映画界で最高の役者を使って作られた名匠の逸品。ヒューマンものに出る若山富三郎は本当にいい味が出ているし、これをもって女優を引退した高峰秀子も素晴らしい。哀愁とともに世への怒りを打ち出した>>続きを読む

にがい米(1948年製作の映画)

3.5

雨の中、女たちが稲を植える時、あたかも皆が聖女に見える瞬間がある。カトリックの国だからこその演出。労働に聖性を見出し、その対価を奪おうとするものを悪とする労働賛歌。

忘れられた人々(1950年製作の映画)

3.6

ブニュエルが社会問題をリアリスティックに扱ったというのは『黄金時代』の頃から見て「らしくない」が、悪夢のシーンやフリークスなど夢幻的な要素に監督の、単なるリアリズムに押し込もうとしないアクの強さが見え>>続きを読む

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年製作の映画)

3.5

ラストシーンがカッコいい。世界遺産を舞台にした堂々アクション。ショーンコネリーがいい味を出している。

影なき狙撃者(1962年製作の映画)

3.3

冷戦期にうまれたスパイものの変形種として乾いたショット共に興味深い作品だが、トランプでの洗脳や様々なディテールに疑問あり。岸伸介が一瞬写真で登場する。

チスル(2012年製作の映画)

2.2

自国の恥である済州島四・三事件をどう描くのか気になっていたが、極めてアートよりに逃げたなぁと言った印象。殺し殺されるという対立が上手く見られないのが残念。ただ日本では永遠にこのような作品を作れないと思>>続きを読む

殺人者の記憶法:新しい記憶(2017年製作の映画)

3.8

『殺人者の記憶法』の結末を知ってから観るサスペンス映画。ほぼ同じ映画を二回観るという観る人間の経験として珍しいことを要請する。そして全く違う結末……。全ての意味が変わる衝撃。こちらの方が好み。

殺人者の記憶法(2017年製作の映画)

3.8

他の連続殺人者に濡れ衣を着せられる前に、主人公のアルツハイマーを患った殺人者が自身の殺人を覚えなくてはいけない。あらゆる記憶は不確かで、時間と記憶の渦の中に、観るものはサスペンスを見出す。ソル・ギョン>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎忘れな草(1973年製作の映画)

3.9

【寅さんサミット開催記念】
寅さんの永遠のマドンナ、浅丘ルリ子=リリーさん初登場回。流れ者の悲しみ、「このままじゃいけない」という焦りを受け入れてくれる家族の温かみ。じんわりと心にしみてくる良い映画で
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男はつらいよ(1969年製作の映画)

3.7

【寅さんサミット開催記念】
東映ヤクザ映画が菅原文太主演で『関東テキヤ一家』シリーズを打ち出していたのと同時期に、「愛される」テキ屋を松竹メロドラマ風にアレンジしたシリーズ一作目。観ている分にはよろし
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カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

3.9

国内初のカラー映画ということで、高峰秀子の赤い衣装と浅間山の緑、青い空が美しい。ドタバタとまではいかないが、やはり涙落としさせる木下恵介の力量。助演の井川邦子の美しさや廃線になった草軽電気鉄道の貴重な>>続きを読む