太田康裕さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

太田康裕

太田康裕

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クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

3.5

予告をみる度(いやいやこの続編は完全に蛇足だろ…)と観る気にならなかった本作。
某ラジオ映画時評でも「あの続編誰が観たいんだ!」とパーソナリティが口走るも「あ、いや配給してる人とかにも悪いからやろう」
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ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~(2020年製作の映画)

3.0

弱ったなぁ…。
というのが正直な感想。

僕の故郷がまさにあのジャンプ台のやや南だし、当時高校3年だった僕はあのジャンプ台にノルディック複合のジャンプを観にいった。
その記憶と照らしても実に当時の再現
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.5

午前十時の映画祭で。

犯罪逃避行モノ。
と、括れはするのだけどストーリーらしいストーリーはないし謎にぶっ込まれるUFO談義とか、いまみると実に変。
1960年代からのアメリカ映画がどう作られていたの
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マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

4.0

午前十時の映画祭で。

初見は高校生の頃にVHSで観たんじゃなかったろうか?
物語自体は原作も出版当時読んだし、吉永小百合と風間杜夫でラジオドラマドラマ化されたのもリアルタイムで聴いてる。
そしていた
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ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

4.0

午前十時の映画祭で。

もう「ベタ」以外に表現する言葉が無いくらいベタな展開のオンパレード。
が、そもそもそんなに意表をついた演出や結末なんか基本的には要らない、ラブコメ映画にそんなものは求めていない
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街の上で(2019年製作の映画)

4.5

時間は流れ、街は変わり人も移ろう。
それは当然のことなのだけど、あの時の景色も出会った人もそこには確かに居た。
再開発で変わっていく下北沢を舞台にある種のレクイエムのようにひとりの男の日常を切り取った
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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒(1999年製作の映画)

4.5

これはロードショー時に友人に「絶対見るべき!」と言われ一緒に行った記憶。

で、その怪獣映画が逃げていた部分にスポットを当てた作劇にビックリしたのだけど、こうして3作続けて観ても出色の3部作だったしそ
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.5

午前十時の映画祭で。

ケビン・コスナーカッコいいなぁ。
ケビン・コスナーの絶頂期には僕が若すぎてその良さに気付かなかったけど、改めてみると良い。
渋いとも言えるような魅力はその後の「ドリーム」なんか
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

2.5

うーむ。
予告に盛大に騙された気がして仕方ない。
例えば、探偵だと思っていた主人公が犯人だったら驚くが(それは反則だが)刑事だと思っていた主人公が実は交通課のお巡りさんでした!と言われても(だからどう
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レイダース 失われたアーク《聖櫃》4DX(1981年製作の映画)

4.0

やっぱりスピルバーグのこういうアトラクション的映画は最高だわ!
というのが第一。
こんな有名作、いつ以来のスクリーン鑑賞だろうと見始めるとラストまで詳細にストーリーの記憶あるのに思ってたのと違うシーン
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ザ・ロック(1996年製作の映画)

4.0

午前十時の映画祭復活オープニング。

冒頭、地平線上の太陽バックにヘリコプター飛んでるの見て「地獄の黙示録」を思い出したのだが、アルカトラズへの侵入時の頭だけ水面ににゅっと出るカットとか明らかにオマー
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ステージ・マザー(2020年製作の映画)

4.0

亡くなった息子を理解してやれなかった母親が、その想いを引き継ぐことで次第に変わってゆく。

超保守的な父と息子を改めて愛そうとする母の強さ。
彼女は関わる全ての人たちを愛そうとする。その美しさ。

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となりのトトロ(1988年製作の映画)

5.0

恒例になった感のある調布シネマフェスティバルのジブリ上映で。

もちろん大画面スクリーンでは初鑑賞。
大画面いっぱいに映るトトロの可愛い事。
そう言えば、トトロの顔が横に広いのはスクリーン目一杯にバラ
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

2.5

原作未読・TV版視聴済で。


…なんだけど、全く受け付けなかった。
多く指摘される説明台詞過多はモチロンだが、TV版では有ったハズの物語すら無くなっちゃってて、うーむ。
汽車は何のために走ってるのか
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.5

役所広司演じる殺人犯で元ヤクザの三上が出所し社会に打ち解けようとする、そのある種の成長譚なのだけど、今の日本でそうした経歴がいかに復帰を邪魔するのか丁寧に描かれた。

自分の正義を貫くと法や社会常識に
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哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

3.0

面白いか面白くないかで言うと面白かった。

んだけど。
色々細部が雑過ぎて俳優部の凄さを堪能するだけになってる気が…。
お二人とも仕事どうしてんの?とか。
脇の人々コマにしかなってなくないか?とか。
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ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

4.0

これも「4K・HDR」版をDolby Cinemaで。

おもえば「平成ガメラ」三部作は「3」だけを劇場鑑賞しただけ。(あの時誘ってくれた男は今じゃすっかり有名人になったなぁと別の思い出もよぎる)
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ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

4.0

初Dolby Cinemaで。
4Kリマスターされた「4K・HDR」版なのだけど、元々がフィルム作品なので無駄に綺麗にせずフィルムらしさが残る仕上がりで、が故に4Kの繊細な表現力にも驚いた。

作品は
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.5

某所でボツになったレビューの転載。

正直いうと、開巻から始まるモノローグに(うわ、またこの手の作品か…)とゲンナリしながら見始めました。

ところが、そのモノローグの言葉の選び方や男女のスイッチする
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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.5

「新感染ファイナルエクスプレス」の続編。
…と言う宣伝がされてるんだけど、恐らく続編と思ってみるとガッカリ作品。
むしろスピンオフと思うと案外悪くない。
カーアクションは派手だし、怖いのはゾンビじゃな
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中村屋酒店の兄弟(2019年製作の映画)

4.5

Twitterに速報したレビュー改訂版↓。

TBSラジオで特番組まれてた時から注目してた「中村屋酒店の兄弟」。
特番時に放送されたラジオドラマも併映(?)されてたのだが、その続きとなる本編が思いもし
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黒蜥蜴(1968年製作の映画)

4.0

元々見たかったものの、なかなか機会がなく見られずにいた。
先日行った早稲田大学演劇博物館での「inside/out 映像文化とLGBTQ+」展でも取り上げられていて(見たいんだよなぁ…)と悔しがった翌
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不道徳教育講座(1959年製作の映画)

4.0

日活映画らしいエネルギーのあるコメディだった。
長門裕之演じる朝吹圭一の妄想する酒場の「無国籍」感なんかまさに十八番だし。
その割に脚本・演出はしっかりしていて映画冒頭とラストの対比はもちろん、どんど
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

4.5

見始めてすぐにキャラクターの顔デザインがあまり得意なものでなく(一昔前の日本のライトな漫画などでよく見かけた)「あ、コレは失敗したかな…」と思った。

のだけど…。
あっという間に作品に引きずり込まれ
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人情紙風船(1937年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭で。
なんとなくタイトルから想像していた展開にはならず全体としては悲劇だったのか!と驚いた。
個人的な好き嫌いでいうと、ちょっと哀しすぎて…。

音楽の使い方もモダンだし、もし山中が生き
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愛で家族に 同性婚への道のり(2020年製作の映画)

4.5

東京国際映画祭で。
台湾での同性婚整備をめぐる数年間男性カップル2組と女性カップル1組に密着。
家族の事、仕事の事、老い、とそれぞれ様々な問題や思いを抱えている。
それは「同性婚」が実現しても、必ずし
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丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)

4.5

4Kデジタル復元・最長版。
ひょんな事から子供の面倒見る事になった大人が「イヤだイヤだ」と良いながら、その子供を見守る優しさにもうずっと泣いた。
基本コメディなのに…。
父親の死を伝えようと意を決した
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とんかつDJアゲ太郎(2020年製作の映画)

4.0

メインキャスト2人がお縄に…というのは、いくら何でも作り手が可哀想で観に行った。
ら、おや?
ナンセンスなギャグとかモロに好みだった。
北村匠海くんの造形や動きも僕の好きな感じだったし。
ブラザートム
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罪の声(2020年製作の映画)

3.5

うーむ…。
良かったのだけど、どこか中途半端だったなぁ。
小説ではあまり気にならない現実に似せた設定は、けれど映画では作り物感が際だってしまう。
それはロケなどでリアルが写せるからなのだけど、ならばモ
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博士と狂人(2018年製作の映画)

4.5

辞書編纂の話なのだから気の利いた言葉でレビュー出来たら良いのだけど、良かったとそれだけで十分なほど良い映画だった。

オックスフォード英語辞典を完成させるために、あまたの困難に立ち向かう映画だろうと見
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マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

3.0

恋愛映画というよりは友情映画と括った方がしっくりくる映画だった。
主人公のセクシャリティなどが明示されないことで、友情と愛の境目の感情を描くことに成功はしている。
ただ、ホモソーシャルな友人たちとの関
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パターソン(2016年製作の映画)

4.0

特に「大きな」出来事が起きるわけでもないし、小さな物語の小さな主人公の日常が描かれる。
それだけの作品なのに、主人公の(そしてそれは観客一人一人の)人生のなんと美しくドラマチックなことか。
こういう映
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

3.5

前評判やポスターで受けた印象とは少し違った。

そのシーンに何故その音が必要でどう作り、当てたのか。そしてそれらは後続の映画にどう影響し処理されているのか。
そんなモノを期待していたのだけど、そんな分
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.5

IMAX版と4DX版と2度見た。
が、それでも半分も理解が追いつかない。
正・逆2つの時間の流れが出てくるだけでもなかなかなのに、うっかりすると正・逆・逆行してから反転させた正とノーランらしく複数の時
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

3.5

冒頭、大倉くん演じるスーツ姿の大伴が自転車漕いでるそのケツのアップから始まる辺り、日活のロマンポルノ・リブート・プロジェクトにも参加してた行定らしい「エロ」表現だなと思う。
このケツのアップは月刊シナ
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.0

これも見逃してたが「TENET」延期の余波でフルサイズIMAX鑑賞できた。
いわゆるハリウッド大作的な自己犠牲ムービーかと思わせる前半だが、後半そんな所を超えちゃうノーランの凄さ。
時空を平然と駆け回
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