小嶋貴之さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

小嶋貴之

小嶋貴之

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懐胎新書(2022年製作の映画)

2.9

設定は面白いと思った。
先生のラジオと重ねてるのも上手い。

しかし、何をやってるのか、いまいちわからなくて2回見てしまった。
結局一度目と大きくは印象変わらなかったんだけど、やりたい事が渋滞してて、
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ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

3.8

非常に設定が巧みだなと思った。
100分以内と言う尺も見やすくて良かった。
解釈もいくらでもできるし。

ただ細かいところを見ていくと、雑さを感じるのが残念。まあここまで設定を凝るとそう言う粗も出てく
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.7

主人公がとことんクズなのが素晴らしい。なかなかここまでには出来ない。
そんな主人公を許してしまう奥さんのクズっぷりは愛せるものだけに悲しい。
そして全てで魅力で凌駕するストロベリー。
そして一番悲しい
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マッチポイント(2005年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

最後まで全く飽きずに見れた。
とりあえず見やすいテンポが無茶苦茶良いし脚本のお手本のような設定の映画だけど、深みはない。と、思ったら最後に一気に深くなっていく。

ボールは結局、ネットに引っかかって手
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.2

凄い。

世界が戦争に翻弄された昭和初期20年間に希望を持ち無邪気に生きる生徒たち。ある者は家庭の事情で、ある者は戦争で去りゆく一人残る人を、若い教師を通して、美しい風景と歌とともに伝える。

徹底し
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.8

省略して淡々と見せつつも、間のあるショットや空を見るようなショットに感情を滲ませるのが上手い。

脚本は海外を意識してるのか、少し盛り込みすぎな気もするし物語だから許させる終わり方がありやなしや。

ある女優の不在(2018年製作の映画)

3.9

思ったよりストレートな映画。
そして切り取り方は非常に映画的。
世界を見せる見せない、見える見えない、切り取るのが映画だと監督の聡明さが伝わる。

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.3

はじめて主人公が落ちぶれるのを期待した。
と言う点では凄く新鮮な映画。
軽いカット割なので飽きずにみられたけど。

ブラックコメディって事なんだろうけど、作劇に失敗してる気がした。
特に逆襲編がとにか
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グッドバイ、バッドマガジンズ(2022年製作の映画)

3.8

悲哀がとても心地よい映画だった。

物語とカタルシスで見せる映画ではなくて、淡々と終わりの始まりを味わう映画だった。

役者はみんないい。それを見てるだけでも楽しい。
主役もとても魅力。
しかしあまり
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ファミリーファミリー(2019年製作の映画)

3.3

重い。

主要三人は全員上手くやってたと思うけど、その中の母親役がちょっと無理あるなー。役者が悪いのではなく、本当のその年代の人を探すべき。

僕達急行 A列車で行こう(2011年製作の映画)

3.5

森田芳光好きとしては、なんとか楽しめました。
古さも感じるし、芝居もリアルではないけど、許せてしまう緩さ。
初期の作品の様にそれがもっとエッジィだと楽しめるんだけど、まあこれも良いか。

松平千里さん
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手のひらのパズル(2022年製作の映画)

3.3

話は王道で編集も素直で見やすかった。

ただ撮影がややグラフィカルすぎるのと、照明がやりすぎだと思った。

明暗やスモークを使って雰囲気を作りたいのはとてもわかるけど、そんな非日常な話ではないよね。
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タンジェリン(2015年製作の映画)

3.6

群像劇で好きなタイプの映画なんだけど、プロットが少し弱い。
こう言う映画はもう少し伏線回収的な所があれば良いんだけどね。

ただLAの街の雰囲気や底辺の人々の悲哀を感じて良かった。

画的にはラチチュ
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月の寵児たち(1985年製作の映画)

3.7

運動の映画。

初イオセリアーニは好きな群像劇コメディ。
最初見方に戸惑い、ドンドン展開されていく話に混乱しそうになったけど、ある地点から腑に落ち出して楽しく見れた。

完全に趣味の違いなんだろうけど
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.7

ミカエルアースらしいスケッチの様な、淡々と日々を見せて行く作品。
自分も夜中の住人なので、深夜の静まった空気感がとても気持ちいい。

タルラの事をサラッと描いているのも、逆に切なく感じさせる。パスカル
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

自動販売機の会社に連絡するところまではすごく良かった。
ただカレンと会ってしまったり、物を壊し始めると全く自分と合わないなと。
壊す事でスッキリする、と言うのが全然わからない。ただ面倒で疲れるなー、と
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親愛なる君へ(2020年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

謎が少しづつ解かれて行くプロットが良かった。
ただ謎に関して微妙に都合良く展開してるきらいもあって、少し引っかかった。
子供が言わない理由はもう少しちゃんと作ってくれるといいな。

隠された記憶(2005年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

見たのが二度目だったんだけど、今回は明確に面白さがわかった。
一つだけなぜあの人が自殺をすべきだったのかが、日本人の私にはわからなかったのが残念。多分何かとても重いものを抱えていたんだと思うが。

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アマンダと僕(2018年製作の映画)

4.0

優しい映画。
内容はとても重いんだけど、繊細に見守る様に描く事で、灰汁無く気持ちが伝わってくる。
作りもサマーフィーリングと違って、寄りやカットバックを多用していて見やすいのも、優しさを感じる。
引い
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満月の夜(1984年製作の映画)

3.8

シンプルな話。
因果応報とでも言うべきか。
まぁ誰だって弱い。
満月の夜の話がオチまで繋がって見事でした。

青べか物語(1962年製作の映画)

3.5

時代の流れみたいなものに纏われた浦粕という街の物語が、少し寂しくて良かったけど、全体が散文なので、盛り上がりに欠けたのが残念。
女のこじきと船長と足の悪い奥さんと夫の話が良かった。

全体的な作りがフ
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マーサ(2019年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

無くはない設定だし、オチだけど、ディテールや映像の遊びで楽しめる。
息を引き取るショットは初めて見た。

ウワキな現場(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

いくつもドンデンがあるんだけど、その世界の価値を揺るがすものではなく、ドンデンのためのドンデンでしか無い脚本が良くない。
演者は頑張ってるのに。

ラストもありがちな楽屋落ちなので、こここそひっくり返
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蟹から生まれたピスコの恋(2023年製作の映画)

3.5

残念ながら心は何も動かなかったけど、そのスタイルが映像でしか伝えられない事を伝えようとするのは見事。

モノローグメインなのでうちに篭りがちだけど、トゲトゲと言うネタのおかげでポップになってた。特に加
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ロルナの祈り(2008年製作の映画)

4.1

ダルデンヌ兄弟が、社会と人を超えて、人の心に迫った傑作。
繊細な演出と大胆な脚本と的確なカメラワーク。
社会問題を突きつけるだけじゃなくて、人の心をある意味優しく包み込む今作はとても好み。

ウディ・アレンの重罪と軽罪(1989年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

重罪と軽罪?を比べる構成は面白い。

ただ重罪の方、道徳を捨てたから、と言うことなんだろうが、急に何とか気持ちの整理出来てるのはなんとも…。警察だって捜査するだろうに。

振られたウディアレンの表情い
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爛(ただれ)(1962年製作の映画)

3.6

テンポが早くて見やすいが、早過ぎるかも。
もう少し心情をじっくり見たかった。

でも開いてしまった溝はどうしようも無いんだなと、最後に痛烈に思った。ずっと疑う人生、辛そう。

月島狂奏(1994年製作の映画)

4.0

これは本当面白い。
公開当時に見た印象も面白いだったが、今見ても面白い。
エドワード・ヤンに並ぶくらいのレベルだと思うが(高層マンションはヤンヤンを想起させる。しかもヤンヤンより前)、当時そう評価され
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正門前行(1997年製作の映画)

3.8

面白かった。
ロメールなのかな。
公開?当時も見ていたが、横の動きで見せていくのが面白いな、としか記憶がなくて、今見たらしっかりお話しも面白くて、最後まで楽しめた。
この頃から映画上手いなー。
撮影が
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ベニーズ・ビデオ(1992年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

死、命というものを映画は雑に扱いがちだけど、これほど真摯に扱った映画はなかなかない。
ハリウッドのアクション映画の様にポンポン悪者を殺しそれが正義だと言い張る姿の方が余程ゾッとする。

頭の豚の屠殺映
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ミレニアム・マンボ(2001年製作の映画)

4.0

村上春樹ぽい最高な冒頭から90年代(作品自体は2001年)臭ぷんぷんな、ノスタルジーをセンチメンタルでまぶしたような出だしだけど、それが心地いい。

カメラが執拗にビッキーを離れないで、そこから見える
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愛、アムール(2012年製作の映画)

3.8

シリアスでリアリズムなのにポエティック。
ハネケなのに優しい映画。
終わり方が良い。

なん・なんだ(2021年製作の映画)

3.7

前半のミステリーな部分が終わってしまうと、テンションがやや下がってしまって惜しい。前半のテンションを維持したまま後半もいけたらもっと面白くなっただろうに。

主人公が台詞が一本調子なので、大丈夫かなと
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