marutabatsuoさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

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エッシャー通りの赤いポスト(2020年製作の映画)

3.9

前作で終わったと思った園子温はどっこい生きていた。情熱は失われていないどころか爆発していた。
ちょっと長すぎて途中だれるし絶賛するわけではないけれど、初期園子温らしさ全開のぶっ壊し感のパワフルさで圧倒
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

2.9

予告編がピークのジェネリック『花束みたいな〜』。

終盤の展開はもっと歳を経てからにしないとなんだかなあ。夢は叶わず後輩にハンコの押し方を教えたりしながらも伴侶とともに人生はそれなりに充実。現在の奥さ
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マクベス(2021年製作の映画)

3.6

モノクロームの光と影の圧倒的な美しさ、迫力。野心から王となるも、小心ゆえ暴君となり、狂気に堕ちてゆく様子をヒタヒタと迫る映像で映す。
とにかく映像、演技ともに凄すぎるが、これが自分に刺さるかと言われる
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レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

4.0

超ド級のアクション。『ヒート』を思わせる圧倒的な銃撃戦、ドニー・イェン、香港映画ならではのカンフー肉弾戦。善悪を超えた男と男の魂の対決。
惜しむらくはチーム戦の部分を脇の活躍含めてもう少し魅せて欲しか
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ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

3.4

殺し屋対殺し屋のノワールアクション。骨格はかっこよく全体を包む空気は良いのだけど、私怨にしちゃあ話でかすぎ、わざわざバンコクを舞台にしたわりにはバンコク親分どこいったよレベルだし、主役2人強すぎでど派>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.1

3つの短編ぜんぶ面白いけど、 3話『もう⼀度』が最高!

20年ぶりに戻った地元で偶然にも会いたかった人に再開するが……

妙な間があるんだけど、急転するあの瞬間がたまらなく吹き出してしまう。だんだん
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.3

途中からどうでもよくなって迷子になってウトウト。話に付いていくのあきらめちゃった

水俣曼荼羅(2020年製作の映画)

3.9

牛が涙した話。初夜の話。恋バナ。水俣病のドキュメンタリーでこんなことを描けるのは原一男監督だけだ。
こんな一見関係ないことがたっぷりだから6時間越えの長尺。
けれど、これこそが人間であり、水俣病はあな
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生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言(1985年製作の映画)

3.4

原発ジプシーにストリップホッパー、はみ出し者たちの強烈な生き様だか強烈過ぎて刺さらず。

国立映画アーカイブにて

成れの果て(2021年製作の映画)

3.8

田舎の閉鎖的コミュニティの嫌な部分を煮詰めたような作品。中盤の劇画調で舞台のような演出がやや過剰に感じてしまうが、ラストへのたたみかけはなかなかのもの。

単なる過去と現在の男女、姉妹の因果に留まらず
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

意外とこんなものなのかも、地球最後の半年間。

天文学者が地球衝突確実の彗星を発見してしまう。慌てて大統領に報告しようとするも目の前の選挙に躍起になっていたり、世間もアイドル歌手の破局に夢中だったり…
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泥の河(1981年製作の映画)

4.2

廓舟で暮らす貧民も子どもにとっては友だちは友だちだ。純粋なだけに切なさが強く印象に残る。

どぎつい貧困と差別、身体を売ってなんとかか糊口を凌ぐ母親。苦しいほどにリアリズムで映すが、徹底した子ども目線
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

4.7

「あの子に必要なのは母親よ」「違う、目なの!」
あまりに辛くて二度と見られないと思っていたが20年ぶりの再上映。

ビョークはどういう気持ちであの笑みを湛えた表情をしていたのか。最後の最後に死刑台への
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浅草キッド(2021年製作の映画)

3.8

師匠に小遣いやりにいくシーン最高だな。「数えてんじゃねーかよ。ひいふうみぃじゃねーよジジイ」
現在の顔のCGがキツいけとめちゃよかった

やっぱさ、ポリコレ固まって何も言えない世界よりたけし的な「腹減
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モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

3.9

100分間ずっと戦闘。壁の向こうから陰からずっと狙われている気がして観ている側も一瞬も休めない。

ほぼ肉弾戦ともいえる戦闘シーンが続き、緊張しっぱなし。映画としてはほんとに面白い。ただラストの大ネタ
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.6

禍々しくもスタイリッシュなサイコホラー。リンチ的な夢と現実の混交世界に行くのかと思いきや意外な展開。夢破れ虐げられた女の時を超えた怨念と復讐の物語、ある種のハッピーエンドだったのかも

トーマンシー・
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黒い家(1999年製作の映画)

3.4

「乳しゃぶれー!」大竹しのぶの怪演、サイコホラー。しかしホラーというよりここまで来るとやりすぎで完全にコメディ。
前半は不穏な空気を漂わせつつも保険金詐欺のサスペンス的要素が強いが、後半はつじつまもな
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

3.6

何も成し遂げずにもう少しで30歳。時間がないと焦る気持ち、確かに自分にもあったな。
天才の生みの苦しみ。時間に追われる中で恋人、友人に迫られる選択。現実と夢の葛藤を乗り越えることはできるのか……

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悪なき殺人(2019年製作の映画)

4.4

めちゃくちゃおもしれええ! 偶然が巻き起こす妙と人間の哀しさ滑稽さ。ネタバレ避けてすぐに見に行くべし。

フランス山間部で起こった殺人事件を巡る周囲の人物。事件はなぜ、誰が起こしたのか。真相を探るサス
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.8

不穏で詩的な長い長い前振りが一気に収束していく後半。え、あ、そういうことかと作品を追っかけながら前半部を頭の中で反芻する。

マチズモに支配されたカウボーイの中に現れた未亡人とその息子の青年。そこから
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

3.9

高校生腐女子が好きになって告白した相手はゲイだった。漫画チックな設定からドタバタ青春コメディ路線に走るのかと思えば、けっこうヘビーな方向へ。

ある大きな事件の後に学校内でゲイであることについて生徒同
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

3.8

5時間の長編もなんのその。リベラルって実はめちゃくちゃイケてるじゃねーか。

ボストン市庁舎を中心に市政を追ったドキュメンタリー。市長を筆頭に警察、消防、市職員らが垣根を越えて連携し、とにかく対話。市
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Wの悲劇(1984年製作の映画)

4.4

少女が女優になる物語に、現実の薬師丸ひろ子が化けていく姿が重なる奇跡に震えた。

女優を目指す少女。男と憧れの女優にほだされ、利用し、挫折し、のし上がろうとする。そこにある大きな出来事が起こり、劇中劇
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麻雀放浪記(1984年製作の映画)

4.3

戦後のクズギャンブラーたちの熱量、クズ男たちの滅びの美学。なんておもしろいんだ。

ギャンブルで糧を得ようとするどうしようもない男たち。時に女を売り、時にイカサマを仕掛け、時に協力し合い、時に家をかけ
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

4.2

おもしれええ。極悪なのにテルマ&ルイーズを思わせるパワフルウーマンの格好良さ。中盤以降のスリリングさとオチも見事。

自分で判断ができないお年寄りの世話を引き受ける法定後見人が、実は財産をむしり取るや
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.8

90分くらいまではありがちなB級サイコホラー。ありがちな設定とありがちな音と暗闇、背後からの恐怖(ちゃんと怖い)で犯人アレでしょみたいな感じ。

が、いきなりブーストがかかってなんじゃこりゃ展開。
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.6

"親友"の死と嘘から生まれた真実。
友人もおらず母親ともうまくいかない。人前では極度に緊張し、鬱を持つ。自分がいなくなったとして誰も気にしないんだというエヴァンハンセンの孤独を描く冒頭はとても胸に迫る
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アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

2.9

よく考えればかわいいだけ。かなりのディストピアムービーでは。

ある日転入してきたのはAIロボットのアイ。クラスでやや浮いた存在のサトミに「私が幸せにしてあげる」と告げたことから、周囲の友人たちとの関
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JOINT(2020年製作の映画)

3.7

リアルな半グレと現代の裏社会、裏ビジネスの実態。一度染まると抜け出せない闇が持つ引力。

ヤクザの組員ではないものの、闇社会と繋がりを持ち、名簿売買や特殊詐欺、果てはベンチャー投資まで表と裏のを渡り歩
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スパゲティコード・ラブ(2021年製作の映画)

3.7

「誰もいない森の奥で一本の木が倒れたら音はするか?」 一見華やかに見えても人は寂しさ、承認欲求を抱えている。それを埋めるように何かに執着して幸せを装ったり。
都会に生きる若者たちの群像劇。


ほんの
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エターナルズ(2021年製作の映画)

3.7

自然の摂理と愛や人間性が対立した時、自らのアイデンティティが崩壊した時、それを乗り越えることはできるのか。壮大な映像美と多様性溢れるヒーローによる人間賛歌。

太古から人間を救うため神の遣いとして地球
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戦国自衛隊(1979年製作の映画)

3.7

珍映画の最高峰として語り継がれる作品だが、やはり頭おかしい。自衛隊の部隊がなぜか戦国時代にタイムスリップの設定はもちろん、音楽の使い方、インサートされる現代の映像(マラソン)、なぜか戦国時代に駅に向か>>続きを読む

アンテベラム(2020年製作の映画)

4.6

とんでもない作品の誕生。これが話題になってないとかあり得ない。心ある人はあらゆるネタバレを回避して今すぐ見に行くべき。
少なくとも数回は「えっ!」って声が漏れてしまうことは保障する。
二度と同じ手法は
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.0

明日死ぬとして、お前のその人生やりたいことなのか?
消費社会にまみれ、生きる実感すら危うくなる日々。不眠になり、出会った男タイラー・ダーデンに魅せられる。やがて男同士本気で殴り合う痛み、死の恐怖に人生
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リスペクト(2021年製作の映画)

3.6

ソウルの女王アレサ・フランクリンの半生をドラマ化。父や夫らからの押し付け、束縛、暴力。そこから脱するようなフリーダムの叫び。

ジェニファーハドソンが素晴らしく感動していたのだが、ラストに本人の映像出
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モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

3.8

アメリカのグアンタナモでの蛮行はちらほら記事を読んだけれど、物語として見るとひとりの人間がこの壮絶な仕打ちを受けたことに改めて驚愕する。

9.11の中心人物として訴追なしのまま数十年拘束された男と弁
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