marutabatsuoさんの映画レビュー・感想・評価

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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.1

家族の絆と幸せ、家族の束縛と呪い。ファミリービジネスとしてのプロレスを通じ、そのすべてを体現してしまった伝説的なエリック家の物語。
元有名プロレスラーで絶対的権力を持つ父と4人(5人)の息子たち。互い
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No.10(2021年製作の映画)

3.9

なんなんだこれは!
舞台役者と共演者との不倫。秘密の恋がもたらした諍いと悲劇。大人のままならない恋と復讐の話かと思えば、一気に物語が飛躍。とんでもないところへ飛んで行く。

前半から妙な複線はあったも
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フォロウィング(1998年製作の映画)

3.8

クリストファー・ノーランは最初からノーランだった。
なんとなく始めた見知らぬ人の尾行。それが思わぬ事態に巻き込まれ、深みにはまってゆく。
低予算ながら見事なプロットと時間軸を巧みに交錯させ、観客は休む
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.6

セックスとドラッグ、暴力、友人、家族。鮮烈で自由な生き方をする写真家ナンの人生。
オピオイド系鎮痛剤の中毒となり死にかけたことから被害者支援と製薬会社とその創業家らを追求する運動に注力してゆく。
見応
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.6

今年ベスト級、震えるほどおもろい。

冒頭からなんの説明もなく降りかかる圧倒的で無慈悲、不可知な暴力。世界が終わるかもしれない状況下でのオタクな女の子たちの日常と友情。
激烈傑作

どんな状況でも希望
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

実は地味な映画だが確かに凄い。
世界を終わらせる悪魔の業火であり、アメリカの多くの兵士を救った神の炎、原子爆弾を生み出した男。
彼の科学者、開発リーダーとしてスターダムへの歩みを描くとともに、戦後の赤
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π〈パイ〉 デジタルリマスター(1998年製作の映画)

3.6

数字に取り憑かれた狂気の男を描いたダーレン・アロノフスキーのデビュー作。狂気の夢と現実を行き来する感覚は映像の切れ味も含めてまるでリンチの世界のよう。
ホワイトシネクイントのリバイバルにて

レナードの朝(1990年製作の映画)

4.3

わずかな時間かもしれないけれど確かに暗闇から抜け出した朝だった。素晴らしい朝
原因不明の病で一切の反応を示さないまま30年。そこに現れた新任の医師が新薬を投与したことから目を覚ますことに……

デニー
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ペナルティループ(2024年製作の映画)

4.0

ループものであることの裏をかいたストーリー展開にやられた。以下ネタバレはは読まずに見るべし




自分だけがループ世界であることを知っているという設定がぐらりとした瞬間から一気に映画が走り出す。
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

3.9

そして、誰もいなくなった。完璧な地獄。

貧困、金持ちボケ老人の世話。それでもいつか息子を迎えるため誠実に生きていたのだが……。
『パラサイト』を思わせる展開からさらなる地獄。あまりにもきれいに閉じた
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.2

若松組み最高や。出てくる人間みんながもがきながら生きていて、ちょっと間抜けでかっこ悪くてカッコいい。

若松孝二への追悼であり、最高に熱くて面白い青春映画

井上淳一が若松孝二監督に弟子入りし、初監督
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

火曜サスペンスのようなオープニングにゾクゾク。全編、トーンがかつての角川映画のような不思議な演出が妙にハマる。
ジュブイナル的魅力と怪物サイコパスもの、先の分からないミステリーが入り混じった心に引っか
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.0

これはリュック・ベッソン流のジョーカー。いや、もっと言えばティム・バートンの『バットマン リターンズ』のペンギンだ。
虐待により不虞になり、犬だけが心の友になった男。その闇落ちしてゆく美しく、哀しみを
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.7

一触即発の冷戦期に米軍の将校がとち狂ってソ連に核攻撃を命ずる。大統領がソ連側とホットラインでなんとか破滅を防ごうとするが……。全体のトーンはダークコメディでめちゃくちゃ笑えるのだが、薄ら寒くなる異色の>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

2.4

こりゃ酷え。入りは良かった。家族という名の呪いから逃げても良いんだよ的なメッセージが忍ばされた苦しくも良作の匂い。が、屋上屋を架すかのように都合よく(都合悪く)ネグレクト、トランスジェンダー、DV……>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.8

わずかに生き残った選ばれし青年が同志を率いるカリスマ指導者になってゆく姿。宇宙の叙事詩。物語自体に多くを語るものではないが、とにかく映像が圧巻も圧巻。ただひたすらにこの作り込まれた世界に飲まれるべし>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.5

マ・ドンソク無双のあれ、再び。ストーリーは麻薬取引を巡ってマフィアと悪徳警察官、さらに日本のヤクザが入り乱れるまあありそうなやつ。
アベンジャーズにヤクザごときが立ち向かえる訳がないので安心して無双ボ
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12日の殺人(2022年製作の映画)

3.9

ドミニク・モルはやはりすごい。
冒頭で未解決事件であることは述べられる。なのに『ツイン・ピークス』のように事件の裏側の禍々しさが少しずつ明らかになってゆく様子に片時も目を離せない。すべての容疑者が疑わ
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ミレニアム・マンボ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

3.8

ホウ・シャオシェンの切ない映像が物語にガツンとはまる。2001年の作品だが、リバイバル公開で鑑賞

ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.5

W杯予選で31-0という歴史的大敗を喫した米領サモア。そこに米国から招かれた監督とチームの奇跡の物語。一応実話ベース。
単にチームが成長していくだけでなく、嫌々だった監督がまた自分と周囲を受け入れ成長
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さよなら ほやマン(2023年製作の映画)

3.7

石巻の離島。ホヤ漁師と軽度の知的障害を持つ弟の兄弟が暮らす家に突然東京から女性漫画家がやって来て住みつく
平和で楽しいだけに見えた島の生活。突然の訪問者の刺激は、島への強い想いと同時に縛り付ける苦しみ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

女性作家の夫の転落死。しかしそこには不審な点も多く、殺人なのか事故なのか……、真実は法廷で争われることに。
観客にも真実が明かされず、きりきりとした緊張感ある展開に釘付けになる。

仲睦まじく思えた夫
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インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

4.0

この頃の香港映画は東映ヤクザ物に感じるような色気がある。その後アジア映画は韓国映画が圧倒してゆくのだが。

後にスコセッシがリメイクし、アカデミー賞を獲得した潜入捜査物の傑作。今見ても緊張感と男の色気
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ロッタちゃん はじめてのおつかい(1993年製作の映画)

3.7

ただひたすらに可愛いロッタちゃんを愛でる映画。
ちょっと生意気でいじっぱり。家出してみたりするんだけど、近所の大人たち(特に隣のベルイおばさん最高!)に助けられ、見守られながら愛嬌たっぷりに過ごす姿。
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.7

アフガニスタンで命を救ってくれた通訳者アーメッドを取り戻しに行く。
展開はベタな部分もあるが、さすがはガイ・リッチー。張り詰めた緊張感とある種のバディムービーとしての魅力を見せる手腕は鮮やか。
やや展
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.6

「私のこと嫌いだったよね」恋人よりも大切な親友なのに。
幼い頃からともに育ったふたり。互いに欠かせない程に大切なはずなのに、ある時から離れてしまう

よく考えればおかしな設定、無理やり設定が多過ぎる上
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WILL(2024年製作の映画)

3.8

俺たちのでっくんこと東出昌大を追ったドキュメンタリー。離婚、スキャンダルの後、精神を病みかけた時に救いになったのは山での狩猟だった。
深い森の中で鹿などの命と対峙し撃つ。解体する。食べる。そこでの思い
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雨降って、ジ・エンド。(2020年製作の映画)

4.0

高橋泉監督によるもう一本は、とても奇妙だがファンタジックでピュアなラブストーリー。
女性フォトグラファーが選んだ被写体は中年ピエロ。毎日追っかけ、一緒に過ごす家に美しい心とその奥に明かせない闇があるこ
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彼女はなぜ、猿を逃したか?(2022年製作の映画)

3.9

動物園の猿を逃がした女子高生。その理由を探ろうとするインタビューから幕開け。つかみ所のない会話とところどころに挟まれる現実か夢かわからないようなエピソード。不思議なミステリーの様相が、ある瞬間にぐらり>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.9

奇妙な映画。アリ・アスターとホアキン・フェニックスなんだからまともなはずはないけど、かなり奇妙。
冒頭から妄想と現実の境目がないボーのアタマの中をこれでもかと映像化して見せる。

特にひと幕めの風呂場
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.3

うぉぉ、これはめちゃくちゃ面白い。家政婦は見たならぬ鍼医は見た。盲目が見たものとは。
舞台は17世紀の韓国宮廷。はじまりはコミカルタッチで盲目鍼医が宮廷に入り活躍する様が描かれる。
ところが王とその息
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このハンバーガー、ピクルス忘れてる。(2023年製作の映画)

4.0

男女のグダ話がちゃんと幸せな一本の映画に。
「男性器ってチンだけでもいろいろ呼び方あるよね。息子とかも言うけど女性器は娘とは呼ばないし」
もうこのシーンで大笑い。

告白ミスからの観覧車残り時間の微妙
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.5

投資家なら興味津々。特に後半のファンド側の裏側が暴かれて行くあたりは興奮

2020年、突如湧き上がったゲームストップ株騒動。死に体のゲーム小売り会社が急騰、その裏には個人投資家の煽りvsファンドの空
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極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

3.5

アルカイダに捕らわれた人質の解放交渉。人を人と思わない相手に対するギリギリの攻防を描くのだが、ところどころに肩の力が抜けるユーモアも。もうちょっとハード路線で胃が痛くなるようなの見せてくれた方がよかっ>>続きを読む

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