ペインさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ホブスンの婿選び(1954年製作の映画)

4.5

アリ・アスターがCriterion Channelで推していた1本。

スピルバーグが撮影前に見返すで今やお馴染み『戦場にかける橋』『アラビアのロレンス』『ドクトル・ジバゴ』の名匠デヴィッド・リーンの
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.3

『インランド・エンパイア』『ツイン・ピークス The Return』を経た今見ると、
本作は実は整合性のよくとれた(※リンチ作品としては)とても“バランスの良い”作品に思えてくる不思議⬅️とはいえ勿論
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吸血鬼(1932年製作の映画)

-

世界の名だたるホラー作家たちの文字通り“聖典”ともいえるヴァンパイア映画の祖。

全編ひたすらに生々しい…
純度、強度、深度すべてにおいて高次元。

映画の父グリフィスや、ムルナウ、ドライヤー等のこの
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ミーン・ストリート(1973年製作の映画)

3.5

マーティン・スコセッシ初期作
『ミーン・ストリート』(73)

最近観てかなりハマった『アフター・アワーズ』(85)や『救命士』(99)といった、ある種ブニュエル的ですらあるような“スコセッシらしから
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(1997年製作の映画)

4.7

アリ・アスターの“ベストツァイ・ミンリャン映画”というのも納得しかない1作。

“ルノワールじゃない方”の「河」。

”現代社会に生きる人々の孤独を描く“とは名ばかりで、同時期のトッド・ソロンズ映画(
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.1

快作『プロミシング・ヤング・ウーマン』に引き続き、キャリー・マリガンのその“男前感”、“眼差し力”に引き込まれてしまう。

勿論『17歳の肖像』に始まり、傑作『ドライヴ』や『インサイド・ルーウィン・デ
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

5.0

無限大の可能性が開かれていたかのような瑞々しい“青春譚”でもあった前作から9年、現実味を帯び、シニカルさとビターな風味が加わった2作目。

“初々しさ”はたしかに後退したものの、繰り広げられる会話の質
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.5

“恋愛における最も幸福な瞬間”を切り取った珠玉の名編。

監督のリチャード・リンクレイターが出会ったある女性との実体験が元になっているが、実は本作撮影の直前にその女性が亡くなっていたことを監督は200
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さすらい(1975年製作の映画)

3.8

『まわり道』を観たついでに『さすらい』も。これでヴィム・ヴェンダース監督のロードムービー三部作を一通り鑑賞🔎

本作『さすらい』は、映画として“骨っ節”があって、ロビー・ミューラーの撮影も冴えに冴え渡
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まわり道(1974年製作の映画)

4.3

ナスターシャ・キンスキーの女優デビュー作。ヴィム・ヴェンダースのロードムービー三部作の二作目。唯一のカラー作品で評価は低め。

しかしこの垢抜けなさ具合が心地よくもある。気心知れた友人とダラダラ何をす
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

4.3

女性映画監督2本立てその②

前作にして長編デビュー作『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』が絶賛されたオリビア・ワイルドの長編2作目。本作は、評判はそこそこながら私は支持したい。

わかり
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ニア・ダーク/月夜の出来事(1987年製作の映画)

4.5

女性映画監督二本立てその①

男泣かせの剛腕監督キャスリン・ビグロー御年71(若すぎ)の原点にして最高傑作か?

『地獄の逃避行』的ロードムービーの果ての愛、食人族、吸血鬼、人体発火…etc.色々とご
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.1

本当にド根性の“野心作”。

所々で予算が足りないのか、はたまた作り手の技量の問題か、ホンジンパイセンの『哭声 コクソン』なんかと比べると、ショットが緩くなる部分がやや多くノイズにはなってしまったし、
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.5

“わた婚”も大ヒット爆進で、今をときめく若手女優・今田美桜の原点作。

公開時に高い評判は聞いていたが、たしかに素晴らしい。本作から7年ものブランクが空いて撮られた公開中の中川駿監督最新作『少女は卒業
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.3

大作『ドクター・ストレンジ』からお帰りなさいなスコット・デリクソン監督の回帰(怪奇)作。よっ!待ってました👏とにかくジャンル映画として無類に楽しく、ニコニコになってしまう出来映え。

わかりやすく何か
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メイン・テーマ(1984年製作の映画)

4.5

黒沢清『ドレミファ娘の血は騒ぐ』とほぼ同じ年に公開された、森田芳光による愛しか感じないゴダール模倣映画。

あの大傑作『ときめきに死す』と同年の作品でありながらB面的な扱いの作品だが、この“不発の夏”
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ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

4.5

黒沢清初期の愛しか感じない
ゴダール模倣映画。

勿論、主演の洞口依子さんの魅力は言わずもがな、伊丹十三演じる蓮實重彦とおもしき大学教授が強い印象を残す。

その拙さも込みで、とにかく作り手の研究心と
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零落(2023年製作の映画)

1.0

同じく公開中のスピルバーグ監督『フェイブルマンズ』との共通項を見出だしている方をけっこう見かけるが、映画としては正直”天と地の差“と言わざるを得ない。

やたらとネオンを吊らす演出等は、監督が竹中直人
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

1.5

これがアカデミー作品賞ですか…😂あまりのショックにしばらく席を立てずスタッフに退出してくださいと声をかけられる始末(笑)

作り手が参照元に挙げていた、レオス・カラックス『ホーリー・モーターズ』や湯浅
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ラスト、コーション(2007年製作の映画)

3.8

『別れる決心』とあらゆる意味で“対”となるような、女優タン・ウェイの原点作。

当時この作品で“脱いだ”ことがセンセーションを呼んだ彼女だが、最新作『別れる決心』では徹底して“脱がない”ことでもって我
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最凶女装計画(2004年製作の映画)

4.5

“エブエブ”で今やアカデミー作品賞監督のダニエルズが、リメイクを企てていたというのも納得の意表を突く傑作ぶり。過去のラジー賞ノミネート作品においても『ショーガール』並みに良い。

“頭空っぽで観られる
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赤ちゃん泥棒(1987年製作の映画)

4.5

たしかにアバンタイトル~からのオープニングがめちゃアガる⤴️映画。

まさしく才気迸る若手監督による一撃!といった感があるコーエン兄弟初期の快作で、“巨匠”になってしまっては撮れないような瑞々しい1本
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.0

“ブニュエル崩れの成れの果て”

パート1は比較的面白く観れた。だが然程汚くもないなんちゃってうんこ💩&ゲロ🤮のパート2は勿論のこと、その後のパート3も全くノレず。

一見すると本作『逆転のトライアン
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ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり(1985年製作の映画)

4.5

アピチャッポン、イーライ・ロスらの聖典でもあるシッチェス映画祭グランプリ受賞作。

序盤こそあんまりかも…なんて思ったのも束の間、サービス精神溢れる畳み掛けるような展開と85分という丁度良すぎる幕切れ
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モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル(1975年製作の映画)

5.0

遅蒔きながらMonty Pythonを初鑑賞。
大感銘。狂気と狂喜、衝撃と笑撃、もの凄くバカ丁寧に作られたバカ映画。

単独監督作ではないけれど、テリー・ギリアム最高傑作では?

DEAD OR ALIVE 犯罪者(1999年製作の映画)

4.3

90年代末~ゼロ年代初頭にかけての全盛期三池崇史のキレキレな1本。

ハンガー(1983年製作の映画)

3.5

デヴィッド・ボウイが出てくる冒頭の掴みがあまりにもカッコよく痺れるのだが、それ以降見事なまでにグダリっぷりを見せる、トニスコ改めトニー・スコット長編処女作。

兄リドリーの“『ブレードランナー』崩れ”
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.5

瑞々しい快作『ショーガール』、キレキレのシャープな劇薬『エル ELLE』を直前に見返してから見たと言うのもあってか、セックスやバイオレンス等も変わらずあるにはあるのだけれど、諸々の描写にかつての“鋭利>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.7

“その男、激突!(衝突)につき”

近年流行りの“映画についての映画”、
”フェリーニのアマルコルド型自伝的映画“の決定打的作品。それが御年76のスティーヴン・スピルバーグから放たれた。

前作『ウエ
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アフター・アワーズ(1985年製作の映画)

4.7

S・クレイグ・ザラーやジェームズ・ガンもフェイバリットの、スコセッシ作品史上最もブニュエルに接近したような作品。

前述レビューの『救命士』ともかなり通ずるものがある不条理劇だが、しかしこちらの方が見
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救命士(1999年製作の映画)

4.5

マーティン・スコセッシ監督×ニコラス・ケイジ主演の『救命士』。万人向けとは正直言い難く、意外と知られていないが、実は一部映画ファンの間では根強い人気のカルト映画。

『タクシードライバー』脚本家でもあ
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ギャンブラー(1971年製作の映画)

4.7

雪の西部劇。『シャイニング』『ヘイトフル・エイト』への影響。アルトマン作品では『ロング・グッドバイ』と並べたくなる。ヴィルモス・スィグモンドの撮影がとにかく素晴らしい。

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.5

"セックスは水🚰を飲むようなもの"Byちひろさん

主人公のちひろが元風俗嬢というのもあってか、"如何にもな良い人"という感じで描かれていない自然な感じが良い。若葉竜也に"したくなっちゃった"という場
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.3

今年の劇場初めはパク・チャヌク新作。

私がこのところ集中的に観ていたダグラス・サーク監督作品的メロドラマの型を借りた歪な不条理劇といったところだろうか。

そのキャラクター設定や突飛なCG使い、高低
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女の都(1980年製作の映画)

4.5

黒沢清監督も"評価は低めだが大好きなフェリーニ作品"として挙げていたが、『8 1/2』のセルフパロディ版といった感があり面白い。

たしかに如何にも巨匠の晩年の珍作、典型的な誇大妄想型映画といった感じ
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