Shawさんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

Shaw

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バグダッドの盗賊(1940年製作の映画)

3.6

多分見たのは小学生の頃。一部記憶に残り続けていた強烈なイメージから他のシーンまでどんどん頭の中で蘇ってきて謎の快感だった。

驚異的なセットと衣装。今見ればお粗末なお話のバカ映画に見えてしまうだろうが
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ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

4.6

久しぶりに見直したが、何だかすごくよかった。何かはっきり解決するような話ではないし、かなりスローだけどずっと引き込まれていた。

『パリ、テキサス』のようにハートがある映画。

ジャッキー・コーガン(2012年製作の映画)

4.1

アンドリュー・ドミニク最新作配信に先駆けて。

若干体調の悪いS. クレイグ・ザラーがスコセッシ映画を作った(?)みたいな。

アメリカに対するものすごい憎しみと憤りを感じる作品。前々からいわゆる殺し
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.2

主人公の性格はわりと問題ありだけど、本当に見てて気分のいい映画だった。最高。

明らかに『ムーンライト』から影響を受けたであろう色味も、特に何も起こらない感じも、何もかもが好き。最高にハッピーな気分に
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女っ気なし(2011年製作の映画)

4.1

まあ若干妄想が過ぎるなとは思うがナイスなフィールグッド映画。

『緑の光線』があまり響かなかったためエリック・ロメール作品が全然見れていないんだけれども、まあこれはバリバリ影響受けてるね誰がどう見ても
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アンダー・ザ・スキン 種の捕食(2013年製作の映画)

4.2

あまりリッチではない感じの映像が最初は気に入らなかったが、それでも素晴らしいショットの数々が連発されて引き込まれた。

コンディションが悪ければ爆睡するようなペーシングなのに実際ずっと引き込まれていた
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.4

ジョーダン・ピールがまたやってくれたぜ。

キレの良い社会批評とスリリングで独特な恐怖演出がさらに洗練された。それはオープニングタイトルの無駄のなさと章構成による分割の巧妙さで分かるだろう。

自分は
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トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

4.5

劇場で見てきた本作はトリコロール最終作にしてそのうちの最高傑作とされ、また監督の遺作でもあるまさに集大成。

表面的には何が起こっているのかだんだんと分かっていくサスペンス調のストーリーが楽しいが、ラ
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砂の女(1964年製作の映画)

4.6

03.1802021
07.25.2022

砂とヤったのか、と思うくらいに砂が艶かしく映し出されている異色の映像美。さすがは世界の勅使河原。

砂粒の数ほどの人間どもの住むこの社会の一端で生きる者に
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地獄の逃避行(1973年製作の映画)

4.4

05.31.2022
07.24.2022

35mmフィルム上映があったので再鑑賞してきた。

この描き方が正解かどうかは分からないが、とりあえず革新的で美しく多くの人が認めるアメリカ映画史における
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トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

4.1

Janusが今度はトリコロールの4Kリストア版を公開してたので、たまたま今日見れた本作を劇場で鑑賞してきた。

まず予想外にラブコメディだったのは嬉しい誤算だったが『ふたりのベロニカ』の時も思ったけど
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

5.0

ほぼ全編ぶっ通しで見入ってしまった。これで四回目の鑑賞になると思う。

単なる原点回帰ではなく、熟練の技が染み渡るまさに巨匠の風格を醸し出す現代の古典。

『グッドフェローズ』の歯止めが効かず危険度マ
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グレイマン(2022年製作の映画)

3.6

『ジョン・ウィック』の二番煎じなのに『レッド・ノーティス』のクソさはないから評価が難しいけど、わりと楽しめた!

Netflix最高額の予算を投入してつくられた本作は、ストーリーだけなら大したことはな
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パララックス・ビュー(1974年製作の映画)

4.1

予想外にもめちゃめちゃスリリングで楽しめた!初アラン・J・パクラだけどこれはもっと認知されていいと思う!

オープニングから何の前触れもなく突発的に事件が起きて、ずっと緊張感が続く。ありそうでないよう
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夜のダイヤモンド(1964年製作の映画)

4.4

尺僅か70分弱というのもあって小品扱いされてあんま有名じゃないんだろうけどもったいないな。

冒頭のロングショットに始まり、独特な編集とともにばらけていく時系列がやがて分岐までし始めて、おじさまたちの
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

-

映画自体を好きかどうかは別として、見ているときの感覚がすごく不快で居心地悪くて辛かった。

何を見せられたのかまだ分からない。この描き方が正しいのかどうかもわからない。間違ってはいないと思う。

自分
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火葬人(1968年製作の映画)

-

若干体調がすぐれない中で視聴したけどある意味ムードがマッチしたかな???

どう評価していいか全くわからない。
革新的な編集と着眼点。チェコニューウェーブは新鮮な作品が多そうだ。

東京物語(1953年製作の映画)

4.6

10.10.2020
07.20.2022

『麦秋』のまたその先を描いて見せ、焦点を紀子だけでなく他の家族のメンバーに分散させて描いた三部作の締めくくりとなる本作は、まさしくその集大成として相応しい
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.5

11.02.2020
07.19.2022

編集の脅威。映画館で最新レストレーション版を鑑賞してきたが、やはり後半の畳み掛けは今もなおすごかった。

椅子に張り付いたようにした姿勢でずっと見ていたし
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ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

4.5

WKW誕生日おめでとう!って事で本作を初鑑賞した。

彼の本気を知っていると、この映画のストーリーはわりと大雑把に感じてしまうが、やっぱり映像と俳優の色気とエンディングの謎の多幸感でいつも通りやられる
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麦秋(1951年製作の映画)

4.4

「なあ小津さん。あの『晩春』。ありゃいい映画だったけど、こう、私はなんというかもう少し先が知りたいんだな。うん、もう少し明るい未来が見えてもよかったんじゃないかな、と思うね」

こんなことをプロデュー
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.2

家族探しが本筋かと思ったら、それは話のあくまでも一部というか、意外とあっけなく落ち着く。

本作はマーセルという貝のパーソナリティそのものに強くフォーカスしていく作品で、ライトでオフビートで、モキュメ
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晩春(1949年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

原節子という存在そのものがそうであるように、本作もまたある種ミステリアスな部分が多くある。

自分には、紀子が単に父を愛しすぎるがあまり離れられないのか、ただそういうふうに訳を作るだけで何か個人的な理
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狂った一頁(1926年製作の映画)

-

これが1926年の日本製作品と考えるとすごい。カメラワーク、特殊効果、ライティング、などなどその時代の海外作品に匹敵するものがあると思う。

技術的達成値高くて驚いた。ただ70分と短尺でもテロップがな
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サンライズ(1927年製作の映画)

4.3

1927年、サイレント期の最後を予感させる、純無声ではないサイレント映画の古典。

まるで映画の醍醐味が全てが詰まっているかのような、愛らしくて美しい名作中の名作。いつか子供ができたなら、まず真っ先に
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鶴は翔んでゆく/戦争と貞操(1957年製作の映画)

4.2

これもまた映像で圧勝した映画。

とにかく画の力が強い強い。監督絶対性格いいやん、てなぜか思った。演出、演技、映像、編集、何から何まで新鮮でパワフル。これが1957年の映画!!!

次見るときにはさら
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浮雲(1955年製作の映画)

4.1

02.08.2021
07.12.2022

みうらじゅんの言葉を若干引用させてもらえば、ちょっとこの男、ちんちんに忠実過ぎない?再鑑賞にしてもやっぱりドン引きだった。

映像やトランジション、構成に
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妻二人(1967年製作の映画)

3.7

権力よりも、金よりも、愛よりも、真実。

『青空娘』が意外にも良過ぎたせいか、こっちは少し霞んでしまうが嫌いではない。

特に登場人物四人他が入り乱れる中、『エロス+虐殺』では個人的にそこまで強い印象
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青空娘(1957年製作の映画)

4.1

女神若尾文子をいじめてやろうと早速殴りかかるも返り討ちに合い押し倒されるあの生意気なクソガキに「ソコカワレ」と心から殺意が湧いた時、俺はこの映画が好きだと確信した。

もはや腐ってなくなる他に道はない
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クリーン、シェーブン(1993年製作の映画)

4.5

『アングスト』のように荒削りでガンガンくるものと思ったら、より繊細かつねちっこい演出が光る作品だった。

『ポゼッション』を「動の狂気」を描く最高峰とすれば、こちらはその逆「静の狂気」をあまりに見事に
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

2.4

ベールの魅力的なキャラクターと素晴らしい演技も、この薄っぺらなストーリーに厚みを与えるのには十分ではなかったようだ...

映画の半分以上ふざけているようじゃ、いくらシリアスなシーンも真面目には見られ
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アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

4.5

12.24.2020 評価3.2!!!
07.09.2022

その身を破滅させるほどに危険な野心と欲望、狂気と恍惚の果てのちっぽけな死。荘厳にして広大なる自然を前に、人間の生はそんなものである。だが
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

4.6

12.21.2021
07.08.2022

その珍妙さに日本でも困惑する観客が大量発生するだろうし、賛否両論になるのは正直目に見えているが、自分は大好き。

これは真実じゃないというなら、俺は"これ
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尼僧ヨアンナ(1961年製作の映画)

3.9

MUBIにて『肉体の悪魔』と並ぶナンスプロイテーションの先駆け的な感じで紹介されてるが、本作は至って真面目で淡々としている。

その年代にしては似つかわしくない要素が多く新鮮だが、若干集中するのは難し
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.4

なんの映画なのかといわれるとまだ理解が追いついてないが、とにかくアナ・トレント!そして映像。

あまりにも美しく澄んだ瞳が何かを訴えかける。彼女の優しい肌に黄色い光が溶け込んで、重くリアルなテーマを幻
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アンチヴァイラル(2012年製作の映画)

4.3

やっぱボディホラーは、本来見れるはずのない未知の世界を見たいと思う欲望をめっちゃ刺激するから大好き。

考えてみるとこれは監督のデビュー作でこの出来。将来的に父親を超える驚異的なボディホラーを生み出す
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