<重層的な話を貫くアート>
"エヴァ”の美しく斬新な造形。自然の中の無機質というロケーション。監督デビュー作とは思えない、風格ある映像センスだ。
社長、青年、エヴァ。この三者それぞれの視点に切り替>>続きを読む
21/5/19@UL吉祥寺#3
<遠回り>
若い頃、マニュアル見て「最短距離」を選んでいた我々バブル世代には、羨ましい豊かな時間。中間にあたるアラフォー今泉監督が見せてくれた草食世代が「遠回り」す>>続きを読む
ポスターの印象とはだいぶ違う。良い意味で。
複雑で、シニカルで、その奥の深~い底にある微かなロマンを、観る者が能動的に見つけ出す。そんな構造の凄い脚本。
共感できなかったり、倫理的にアウトな人も出>>続きを読む
人の<好き>を笑う悪趣味。
久しぶりに嫌いな作品。
B級ホラー好きにしか分からない構造を取りつつも、その作り手とファンへ痛烈な皮肉をかます。「人の好きなものを、そいつらのやり方で笑ってやろう」という>>続きを読む
<絶妙なバランスの上で>
史実の力を最大化するフィクション。CIA、映画産業、アメリカ、それらを貶すでも讃えるでもない。そしてアメリカ対イランという「表層」を、個人対集団という「本質」へ見事に変換。>>続きを読む
愛されなければ、愛せない。
育児放棄という負の継承。
その連鎖を止める愛の話。
人をバカにしたような「レンタネコ」と同じ監督とは思えない。自ら「第二章の始まり」と語る本作は、たんにトランスジェンダ>>続きを読む
"No coffee, No Life"
な人間なので、映画鑑賞時の珈琲は欠かさない。そんな自分には嬉しい珈琲☕が美味しくなる作品。サチエが人に心を開くことで、そこから人の輪が生まれ「かもめ食堂」は>>続きを読む
Live Die Repeat
覚えゲーとタイムリープを組み合わせたギミック。トム・クルーズのパブリックイメージが持つ長短所。それらを存分に活かす手際の良さを楽しんだ。
起:いけ好かないトム・クル>>続きを読む
「映画と料理」
趣味は?と聞かれれば、↑と答える♂なので、本作はどストライク。惚れ惚れする料理の手際の良さが、編集テンポの心地よさと見事に合致。切り詰めた分の尺で、音楽と料理の楽しさを存分に。
こ>>続きを読む
<往きて還りし物語>
「2001年」は外宇宙へ、本作は内宇宙(人間の内面)へのオデッセイ。一夜の冒険の末に、泣きながら女の元へ還っていく男。
キューブリック作品の中では低評価な本作。確かに独特の冷>>続きを読む
白と黒、
越えられない線はない。
本作が描く格差は貧富だけじゃない。キーワード「臭い」に込められた真意が、うかがい知れるモノクロ版。
ポンジュノのベスト版とでも言おうか、
犯罪「殺人の追憶」
父親>>続きを読む
二元論(分かりやすさ)の否定
複雑な事象を分かりやすく語る。それが是とされがちな現代にあって、本作はその真逆。故に何度も見直され、長く名作であり続けているのではないか。
善と悪、光と影、正義と邪心>>続きを読む
<ノーラン ビギンズ>
従来のアメコミ映画らしからぬソリッドな画。そこに放り込まれたブルース・ウェインが切る「大見得」。ノーラン初のビッグバジェットで描かれたのは壮大な中二病世界。
すっかり巨匠と>>続きを読む
<シリーズ4作目>
いつもゆる~く観てきたこのシリーズ。きちんと、それも時系列通りに見直してみたら新しい発見?があるんじゃないかという思いつき。
ドム、ミア、ブライアン、この3人の<兄妹弟>の結束>>続きを読む
その死が信じられなかった。
この作品を観るまでは。
先日も息子@MCUビギナーに「ブラックパンサー」を見せて、「陛下はきっと今もワカンダにいるんだ」と半分真面目に思ったり・・。闘う国王やメジャーリー>>続きを読む
「ホットファズ」「ワールズエンド」の愛すべき3バカトリオ1作目。
タイトル通り、元祖ゾンビ「ドーンオブザデッド」を、イギリスに置き換えて作ったコメディホラーで、舞台は(アメリカの象徴)ショッピングモ>>続きを読む
「沈黙」が意味する所。
恐怖が去った安堵か、殺された悲劇か、それとも声を上げることすら諦めてしまったのか。ホラーという表層に隠された女性の生き辛さ。
美しく高潔なクラリスが、なぜレクターに心を開き>>続きを読む
21/4/14@UL吉祥寺#3
<世界観の完成度が凄い>
この世界で何が起きるのか?
それより、この世界にただ浸る。
そんな風に楽しめる稀有な怪作。
とは言え、話も十分面白い。
作家性が強い作品>>続きを読む
女性の「したたかさ」、
男性の「いい加減さ」。
この対比は面白いが、宮崎駿が目指した「恋愛映画」としては微妙。
ソフィーとハウルの関係は、最初はハウルが、終盤ではソフィーがそれぞれ相手を「支配」し>>続きを読む
21/3/30@調布#8
<自由+大地=∞?>
アメリカは自由の国だ。社会保障が受けられなくても、あらゆる生き方を選択する自由は均しくある。そして広大で美しい大地(ランド)も。
そういう国の酸い>>続きを読む
<真心が通じる世界>
桜の季節が来ると見たくなる、どこまでも美しい世界。そして黒澤明への謝辞。
時は流れず。
このテーマに合わせるように(作中では1年以上が経過しているにも関わらず)全てのシーンが>>続きを読む
21/3/17@UL吉祥寺#4
彼女がタクシーを降りる時。
東京という街は分断が生まれるように出来ている。住む町、通う学校、使う乗り物、みんな違うから他の階層と交わることがなく、実は多様性にほど遠>>続きを読む
「逃げちゃだめだ」
エヴァではないが、これもまたそんな話。快活だがモラトリアムな少女が「逃げる」ことの非を知り、自分と自分の未来に向き合っていく。タイムリープはそれを語る格好の舞台装置。
「高校生>>続きを読む
初:3/11@調布_ULTIRA
弐:3/24@吉祥寺5F
「日常への帰還」で終劇。
本作の主旨 "One Last Kiss" に些か反するが、弐回目を観に行ってしまったので感想(改)を。今回で>>続きを読む
何度でもやり直せる?
「破」がドラマをしっかり見せたのと違い、本作は「設定」を見せることに終始する。映画としてのカタルシスは?だが、終盤31分の攻防は何度か見返す内にその意味が解り好きになってきた。>>続きを読む
ダサかっこいい
人情刑事コメディ
ちょっと前の香港アクションを、たっぷりのケレンミと韓国風タレで濃い目に味付けした庶民の味。私は公開時ノーマークだったけど、相互フォローの皆さんは凄いね。ちゃんと観て>>続きを読む
21/2/25@大泉#8
阿倍野キャッツアイ。
片想いから始まって、思わぬテーマに着地した「愛がなんだ」。本作も同様にアイドルへの「片想い」から始まり、「仲間」の話へと転調していく。
私のオール>>続きを読む
<恋愛ホラー>
とでも言うべき、ぞっとする結末。しかしそこに至るまでダークな雰囲気はない。テルコの旺盛な食欲、お酒、セックス。そんな彼女の生命力が作品を明るくしているのだが、実はこれが曲者。
自分>>続きを読む
「踊り狂う」
それ以上でも以下でもない。
こんな高純度のヤバさを自分の言葉で表現するのが難しいが、ゴダールの撮った「シャイニング」という印象。
生理的に嫌だなと思わせる要素を、抜け目なく盛り込んで>>続きを読む
21/2/16@大泉#2
<情けは人の為ならず>
三上を囲む市井の人々が、単なる善意からではなく、むしろ自分の為に彼を支えていたように思えた。自分達の人生に欠落していた何かを補うように。
三上の>>続きを読む
ダニエル・ボンド#2
これは駄目でしょ~。
金だけ掛けて何が起きているか分らないアクション。グダグダな脚本は、ボンドの任務が何かを見失う。魅力のないキャラクターたち。
(ダニエル・クレイグ以前の>>続きを読む
人の命に軽重「あり」。
本作、X-MEN、キングスマンと続いたマシューヴォーンの3打席連続ホームラン。その一本目。
本作が何とも痛快極まりないのは、所謂「タブー」ギリギリを果敢に攻めているからかな>>続きを読む
ダニエル・ボンド#1
"007"は過去の遺物だった。
自分の中では。
東西冷戦という最高の舞台設定が氷解。荒唐無稽&女性軽視なストーリーも現代の感覚に合わず。更には「ミッション・インポッシブル」と>>続きを読む
眼に沁みる原色の美。
詩の如き台詞は哲学。
アメリカへの批判。
自身と女優の離婚を投影。
こうした見所が、自由勝手に主張を展開する。驚くべきことに、作中でこれらの要素は何ひとつ噛み合わない。だがそれ>>続きを読む
<Another World>
人生半ばの中年男の話。
色んな反(対側の)世界に思いを馳せる作品。
自分と他人、世間と世界、過去と未来、親と子、夫と妻、職場と家庭、山と海、人と自然、そして現世と来>>続きを読む
21/2/4@大泉#5
大学生のボクらが、大人になるまで。
どこか邦画離れした語り口。
「500日のサマー」の爽やかさ、「ララランド」のほろ苦さ、「6才のボクが」のような時間経過表現の技巧。そして>>続きを読む