つかれぐまさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

つかれぐま

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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

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【Cinematicの終焉】

長く続けていたMCU@劇場鑑賞も、ついに本作で途切れた。配信で観てその判断は間違っていなかったと確信。もはやこのシリーズは「シネマティック」とは呼べない。それほど非映画
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TAR/ター(2022年製作の映画)

5.0

23/5/17@Wシネクイント

【彼女が仮面を外すまで】

158分「あっという間劇場」
タイムストーンを手に入れたかのようなリディア・ターの圧倒的な時間&空間支配に茫然だ。

一晩経って今思うのは
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

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2022年の邦画でフィルマ最高スコアを記録。湯浅監督作品ではないが『夜は短し歩けよ乙女』と世界観を共有。

「リモコンをめぐるタイムトラベル」という表層下で進行する、もう一つの物語。ピクサーが得意とす
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ブリット(1968年製作の映画)

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"BULLITT"というタイトルは
"BULLET"に引っ掛けたのかな

『フレンチコネクション』『ダーティーハリー』と続く、アウトロー刑事&カーアクション映画の系譜はここから始まったそうだ。今度スピ
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

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コールマンの演技、ディーキンスの撮影、映画館「エンパイヤ」の美しいセット。吸い込まれるように観たのだが、これだけ揃えておいて脚本が残念。

ひとつひとつのテーマ&エピソードには一見の価値がある。特に統
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.5

@GDCS池袋❺ドルビーアトモス
@TOHO渋谷❸

I love you "GUARDIANS".

1作目のような尖った軽快感はないが、ジェームズ・ガンが彼独特のセンスを抑えてでも伝えたかった
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

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「負け犬」
日本ではそんなに使わない言葉だけど、ハリウッド映画はこのテーマ本当に多いな。それだけ勝利至上主義の国ということか、アメリカは。

ポンコツなんだけど、二人の子育てには成功してるんじゃないか
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JUNO/ジュノ(2007年製作の映画)

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クィアな少女が主人公のアメリカ流『アメリ』。エレン・ペイジだけでなく、作品そのものが可愛い。

困った時ほど、シンプルに考えよう。高校生の妊娠というテーマを深刻にならず、かといって軽いわけでもなく、登
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

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「映画を愛するインディーズ精神を持ちつつ、ハリウッドの主流における良心的存在になるだろう」
ーロイド・カウフマン

ジェームズ・ガンを育てた「トロマ」の総帥(ちょうどピーターにとってのヨンドゥだ)が、
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

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年々ノンシャランな語り口になっていくイーストウッド。もはや『許されざる者』じゃなくて、それが「許される」稀有な存在なんだろうけど。

食堂の女主人が印象に残るが、彼女は聖母マリアのメタファーかな。夫の
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ギャラクシー・クエスト(1999年製作の映画)

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カルト映画のパロディは多いが、本作はカルト映画がある「世界まるごと」パロディ。何を言っているか分からないと思うが、つまりは『スタートレック』出演俳優とその熱狂的信者(トレッキー)への賛歌だ。

かつて
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

23/4/19@Wシネクイント

「世界中の小さなアパートの
閉じたドアの向こう側の話」
 ーブレンダン・フレイザー

🏆アカデミー主演男優賞。
今年のオスカー主要部門で唯一、その受賞に納得できた作品
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

23/4/13@新宿ピカデリー❶

マット・デイモンもベン・アフレックも、拍子抜けするほど内面が掘り下げられない。実質的な主人公は「時代」。疾走感にワクワクする80年代を生きた人間へのギブアウェイ。
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ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997年製作の映画)

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シリーズ2作目。
前作からの期待が大きすぎたのか、公開当時は酷評にさらされた不遇の作品。これはこれで肩の力が抜けたスピルバーグの良さが楽しめると思うのだが・・。

前作で「やるべき」テーマを片づけてし
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ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

4.5

23/4/10@イオン多摩#4
【午前十時の映画祭13】

「恐竜🦕は縦にでかい」

横長のシネスコではなくビスタサイズで製作された理由がこれ。イオンのスクリーンが丁度ビスタで、恐竜が視界一杯に広がる
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.0

23/4/7@調布#8:吹替版

『ロードオブザリング』の量産化(大衆化)成功例だ。『ガーディアンズ・・』的コメディ要素の注入が、ファンタジージャンルにおける新たな雛形になるかも。

『ワンダーウーマ
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.5

23/4/5@UPLINK#2

『バードマン』みたいな「ショービズ業界自画自賛」だったら嫌だなという心配は杞憂。現実とフィクションを曖昧にしつつ、ちゃんと現実に向き合う姿勢。観客と映画愛を共有する素
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

5.0

23/3/27@新宿ピカデリー
19/2/17@TOHO新宿

パルプ・メタ・フィクション

タランティーノ還暦記念?で、ありがたい再上映。オープニングタイトルの大音圧!画面一杯の巨大バーガー🍔に🤤
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

23/3/16@ルシネマ#2

自覚的な善意は、ときに
無自覚な悪意を内包する。

明確な3幕構成。2幕目まで登場人物を徹底して記号的に描いてくれるので、とても分かりやすい。そして3幕目、その「記号」
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

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【二大映画聖人のタッグ】

トム・クルーズ&スピルバーグの初顔合わせ。マーヴェリックも良いが、本作や『宇宙戦争』『オールユーニードイズキル』のように、酷い目に遭ってボロボロになるのが「好きなトム・クル
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花様年華(2000年製作の映画)

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『欲望の翼』からつながるウォン・カーウェイ「60年代3部作」2作目。前作から2年後の1962年~文化大革命の1966年が時代背景。

マギー・チャンがはかない。
『欲望の翼』を観ると彼女が演じた役の出
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欲望の翼(1990年製作の映画)

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『恋する惑星』を昨年再見。それが単なる恋愛映画ではなく、返還前後の香港市民の不安と希望の物語だったことに気づいたが、本作もまた香港の現代史を重ねることで味わいの増す作品。

主人公ヨディの母は養母で、
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

5.0

23/3/9@調布#8
【出会い直すスピルバーグ】
その幸福感に満ちた映画だ。ノスタルジー性を脇に追いやり、気が付けば映画という芸術の持つ「怖さ」が前面に顔を出す。それでもorだからこそ自分は映画が
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

1.0

23/3/7@調布#5
👿酷評につき閲覧注意👿
今年に入り、映画館で観た作品はどれも当たり。そろそろ地雷を踏む頃かな?と思っていたが、まさかこの注目作品でとは。『マトリックス』を注文したら『レザレクシ
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.0

23/3/1@UPLINK#2
✝闘え!聖女✝
前作『ELLE』に続き、今作も妄想の映画だ。ただし監督自身の妄想aka性的嗜好の投影ではなく、主人公ベネデッタの妄想を創作したことで客観性が生まれ、一段
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エスター(2009年製作の映画)

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原題は「孤児」。

設定は荒唐無稽なんだけど、そもそもこの一家、接写すれば崩壊の危険を多分に孕んでいたわけで。その視点で見るとエスターは触媒に過ぎず、現実的な「家族というホラー」として楽しめた。
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ちひろさん(2023年製作の映画)

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まずはご飯を食べる。
話はそれから。

孤独を猫のように飼い馴らすちひろ。孤独を希求するオカジ。孤独の意味すら解っていないマコト。疑似家族とは呼びたくない、不思議な連帯から伝わる「孤独とは」

良質の
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.0

23/2/22@UPLINK#4

変態的カメラワークで見せる艶めかしい男女。複雑なミステリー構造が、終わってみれば一組の不倫劇に集約する。

複雑な犯罪プロット、最新ガジェットの多用で古典的な話を新
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

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飯塚幸三@受刑者を思わせる冒頭。コロナ禍の2020年夏。

揃いも揃ってKUZU、自分は安全圏にいて口だけは立派な男たちに翻弄される母子。だが、不思議にも後味は悪くない。更なる悲劇にならず正直ホッと。
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

23/2/15@アップリンク#3

ボクシングは相手との距離が大事と聞く。自分の得意な、あるいは相手の苦手な距離を取るスポーツだ。本作もケイコとの距離を考えさせる映画だった。登場人物と同様に、我々とケ
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

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【人類の生得的暴力性】

前作『2001年・・』では難解だった上記のテーマを、本作は誰の目👁にも分かるように(危険なほどに美しく)嚙み砕く。

映画序盤、非人間的に思えたアレックスたちの暴力。だが暴力
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

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"DJANGO"のDは発音しない。

血なまぐさいが晴れやか。
計算された緊張とカタルシス
★★
伝統の西部劇をイタリアに輸出して作られたマカロニウエスタンの「再輸入」。そこに史実にはない黒人ヒーロー
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.5

23/2/8@Wシネクイント

【孤島のマウント合戦】

二人の男の些細な喧嘩がやがて大事になっていく。アイルランド内戦を遠景にした孤島の物語は、戦争が発生する仕組みをミニマイズする。

このプロット
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

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【考えるより手を動かせ】

予想外に王道的展開だけど、語り口を理に落とし込まず、情で突破するのが心地良かった。ヒットせず残念。

くたびれた美女。
主人公の言葉を借りればこれが「刺さった」、オジサンの
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

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【戦争は非人間的か】

前線の兵士は人間臭い若者たち。非人間的に意思決定を下すのは老いた幹部。物語は終始、人間的vs非人間的の対比構造で進む。

「戦争は非人間的だよな」
そんな自明の感想を抱きつつ見
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.5

23/2/1@アップリンク#4

てっきりノスタルジックな感涙モノと舐めていた。いつのまにかアート映画の文法に変わり、思わぬ射程の広がりに驚く。映画がもっと好きになる映画だ。

"Last Film
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