つかれぐまさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

つかれぐま

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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.5

23/2/1@アップリンク#4

てっきりノスタルジックな感涙モノと舐めていた。いつのまにかアート映画の文法に変わり、思わぬ射程の広がりに驚く。映画がもっと好きになる映画だ。

"Last Film
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モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル(1975年製作の映画)

-

『未来世紀ブラジル』テリーギリアムの原点。

アーサー王率いる騎士たちが聖杯を求める旅に出る。一応そういうお話だが、笑ってしまうほど低予算で、それを隠す素振りもない。全てが「チャチ」なんだけど、これが
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

-

ホラーとアクションの二刀流監督ジェームズ・ワン。ジャンルブレンダー(自称)に偽りなし。

『サスペリア』風か?
追われる美女の視点と、
追う殺人鬼の視点の交錯。
と思わせてからの・・。

「これはアレ
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

-

難民、信仰、家族。
錯綜するテーマが、衝撃の展開を経て「母親の愛」という一点に収束する。

過去と現在、
カナダとレバノン。
両者を何回も往復しながらミステリー形式で進んでいく。
過去のレバノンで、
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非常宣言(2020年製作の映画)

3.5

23/1/18@アップリンク#4

【それを決めるのは自分】

ジャンル映画の面白さを詰め込んだ前半から一転、後半に突きつけられるテーマは重い余韻を残す。『新感染』にも劣らぬ傑作だった。

ジェット機
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

-

スコア低いけど悪くないのでは。画面構成力による「不穏さ」の演出が抜群。台詞と説明の少なさが欧州映画らしくて好きだ。

何通りにも解釈が可能な、凡百の監督には出来ない構成。アダは神の子?悪魔の子?まあ彼
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アイアン・ジャイアント(1999年製作の映画)

-

【50年代の光と影】

時代設定は1950年代ということで、あえて当時のアニメーション画風を再現するこだわり。これが上手く機能して郷愁を誘う。

東西冷戦、反共キャンペーンの全盛期。おそらく当時はアニ
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

-

カウリスマキ初鑑賞。

これ、ジャームッシュだ。
と思ったらやはり二人は親交があるとのこと。

ただ、ジャームッシュから「洗練」を引いた感じかな。真似したり憧れる様な世界ではなく、無骨そのものに市井の
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アマデウス ディレクターズ・カット(2002年製作の映画)

-

才能への嫉妬を前景に
神に支配された男と
父に支配された男。
2人の悲喜劇。

宮廷作曲家のサリエリ。
彼の心の動きを追う物語だ。
まずは神への忠誠に始まり、怒り、やがて決別。十字架を火にくべる場面は
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マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

-

1999年。

『ファイトクラブ』『マトリックス』と同じ年の作品。偶然にも「自分ではない何か」になるというテーマが共通。アイデンティティをめぐる話。

マルコヴィッチという他人の頭の中に入ることで、ア
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5

23:01:03@調布#10コート

「ここは君の舞台ですよ」

史上最高製作費のアバターが週間1位になれなかったのは世界で日本だけらしい。阻止したのが本作という、まるで山王vs湘北みたいな話。これに
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シックス・センス(1999年製作の映画)

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【二回目が面白い】

ラストの衝撃が有名だが、それを知って観る二回目は違った作品にすら見えてくる。伏線の巧みさだけでなく、ドラマとしての味わいが深まって、二回目のほうが私はより楽しめた。

ホラー展開
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

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【同調圧力という恐怖】

大昔に観た時は、ヘンリー・フォンダ@8番が「正義の人」以外の何物でもなかった。それから幾星霜。今回は彼が「正義の仮面を被った策士」にも見えてくる。実に良く出来た脚本だ。

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スナッチ(2000年製作の映画)

-

初のガイ・リッチー。
印象は、
ジェネリック・タランティーノ

「仏作って魂入れず」
タランティーノ作品からボンクラ魂の抜けた「カッコよく見られたい」ワナビーな映画。俯瞰すればさほど複雑ではないプロッ
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

-

【100分に込められた∞時間】

「何度も同じ日を繰り返す」系の元祖?寒い日にぴったりのココロ暖まるコメディ。

ハロルド・ライミス&ビル・マーレイの『ゴーストバスターズ』コンビが生んだもうひとつの傑
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コンタクト(1997年製作の映画)

-

【科学と宗教と】

ファーストコンタクト映画の系譜。『未知との遭遇』から『インターステラー』へバトンを繋いだ名作ながら、なぜかその2作ほど評価が高くない不遇のSF映画。

『未知との遭遇』の国家陰謀論
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デルス・ウザーラ(1975年製作の映画)

-

「人間は自然に対してもっと謙虚でなければならない。我々も自然の一部であり、調和が必要なのだ。デルスから学ぶことは多い」
 ー黒澤明

ロシア帝国末期。
未開の地シベリア探検に赴いた軍人と、案内人の猟師
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.0

22/12/17@調布ULTIRA
HFRハイフレームレート/3D/吹替

3D映像の奥行に息を吞む。
だがその物語に奥行はない。
映画としての分かりやすさと引き換えに、失われた「異星パンドラ」の神秘
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

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クールな白黒映像。
緻密なサスペンス。
マイルスデイビスのジャズ♪

全てが噛み合った奇跡のようにカッコいいフィルムノワール。いかにも若い監督(25才のルイ・マル)らしい尖り具合がクールだ。

既にカ
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キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

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舞台をアメリカに戻し今度はマカロニウエスタン。更にブライドが修行する回想シーンはカンフーと、ますます多国籍感を強めるVOL2。同時に内面を掘り下げるドラマ性も備え、この血塗れの物語が意外な着地を見せる>>続きを読む

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

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「やっちまいな!」

オーレン・イシイの掛け声で始まる青葉屋の闘いは、映画史に残るクライマックス。本作のネタ元になった深作欣二らの日本映画を私はほとんど見ていないが、それでも本作に惹かれる不思議。タラ
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最強のふたり(2011年製作の映画)

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カーステから流れる
アースウインド&ファイヤー♪

この映画が善でも偽善でもなく、むしろ不謹慎でさえある友情の話であることを軽快に宣言する。いわば本作のルールを最初に設定してくれるフェアなオープニング
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未知との遭遇 ファイナル・カット版(2002年製作の映画)

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【3/3:あのシーンがない理由】

オリジナル➡特別編➡を経た<第三版>にして、尺も最長の最終決定バージョンなので(私のような)狂人、いや物好き以外はこれさえ見ればOKだろう。

特別編でカットされた
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未知との遭遇 特別編(1980年製作の映画)

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18/2/27@新宿ピカデリー#6

【2/3:価値観の反転】
爆音映画祭にて40年ぶりの劇場鑑賞。椅子も震える重低音が響くラスト30分の祝祭感。

オリジナル公開から数年後。
再編集&追加撮影
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未知との遭遇(1977年製作の映画)

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1978/3@新宿プラザ

【1/3:オリジナル公開版】
私が初めて映画館で観た洋画であり、大人向け映画とのファーストコンタクト。小学生にとっては本作の鑑賞そのものが「未知との遭遇」だったという記憶。
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

4.0

22/11/30@UPLINK#1

NETFLIXの前に劇場で。
暗闇での鑑賞が似合う究極の「人形劇」ライカの専売特許と思っていたストップモーションアニメを、まさかデル・トロが作っていたとは。シェイ
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

-

表現の規制が厳しい国の映画監督は、当局の目をすり抜けるべく、あえて単純なプロットに多くの暗喩を含める。このイラン映画もそういう作品だ。

ベン・アフレック『アルゴ』で描かれたイラン革命の直後。「革命」
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許されざる者(1992年製作の映画)

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【西部劇の大嘘】

農場で静かに暮らしていた老ガンマンが再び銃を取る話だが、語られるのは「西部劇の嘘」であり「暴力は連鎖する」。後者は後の『グラントリノ』にも受け継がれ、イーストウッドの後半生のテーマ
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.5

22/11/22@調布#9

【メインは皮肉料理】

ジャンル映画的パイ生地に包まれ、どこを切っても「皮肉汁が滴る」不条理ドラマ。

アニャテイラー・ジョイの出演が既に軽いネタバレかも。それほど彼女の
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

2.0

22/11/15@調布#5

本作を代役もCGも使わずに完成してくれたことには敬意を表したいが、盟友を失った監督の想像を絶する苦悩が、作中で混乱する母娘に投影されており、観るのが辛かった。

本作には
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

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"The Fabelmans"の予習に。

少年のプチ家出に始まり、軽い犯罪に手を染め、あれよという間に感化院に放り込まれてしまう。少年の置かれた環境は悲惨この上ないのだが、楽天的というか、不思議なほ
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ルーム(2015年製作の映画)

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 ■ROOM■
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他国事ではない誘拐監禁。
日本映画ならこの特異な状況をセンセーショナルかつ猟奇的に取り上げるのだろうが、本作は「これからを生きる」人間の物語として誠実
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ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003年製作の映画)

5.0

22/11/1@gdcs池袋
IMAXレーザーGT

合計9時間超!を完走。
もうこれは映画史上最高の3部作。およそ地球を舞台にした1次創作で、本作を越えるのは不可能と思える壮大な叙事詩「人間のあけ
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RRR(2022年製作の映画)

4.5

22/10/25@調布#1

マ・ドンソクをマ・ドンソクと闘わせたい。ターミネーターのT-800とT-1000が最後に共闘したら・・。

そんな妄想を叶える夢のような3時間。

前作『バーフバリ』は越
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ロッキー(1976年製作の映画)

-

美しいお伽話だ。
そんなあり得ない話のまわりを、現実という細いロウソクの灯で囲む。灯が一本ずつ増えていき、最後には人の心を暖めてくれる。寒くなるこの時期に見直したい名作。

「熱くなれる」シリーズにあ
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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002年製作の映画)

4.5

22/10/20@gdcs池袋#12
IMAXレーザーGT

友情と自己犠牲というテーマに惹かれた。これはサバイバルと勇気の物語であり、人類がさらに前進するための、最後の抵抗を描いた作品だ。
ーbyピ
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