MACabuserさんの映画レビュー・感想・評価

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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.5

たぶんこれこんなんあったわえらい懐かしな
って楽しむ部分も幾分あるやつ

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.7

北野映画にも使われている、
ピアノではないピシュピシュ感のある楽器の正体は何か

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.2

凡そ人間が芸術的であると感じる事象の粋を尽くした作品を
40年後の劇場で味わえる悦び

パラレルとバーティカルのカメラワーク、
宗教画的に切り取られるも継続する時間による着想の体験

火・水・土からは
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.6

映画史上、最も切ないラストシーン。
一言の台詞に、辿ってきた道筋のすべてが集約される見事さ、
題『The Quiet Girl』であることが傑出した「あわれみ」をもたらす

成人してからハイジを3周し
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

2.5

シャマラン「ヴィジット」の亜流+田舎の因習
×ではなく+

老人のあれ系はコワイところもあったけど、
夢に出て寝不足にまでなったヴィジットと比べてしまうのが必然

因習要素は狗神や死国の系統でありなが
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コンジアム(2018年製作の映画)

3.7

ホラーはこうあるべき、とまでは言わずとも
絶対怖がらせたるねん
という気概がひしひしと伝わってきて実際こわい

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

勧められたけどこれジャームッシュやったね
たしかに抵抗感なかったどころか
もはやおんなし監督かいなって感動すらあった
ロスの話なんかバチクソカッコいいし

ただしオムニバス・群像劇ではショートカッツか
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はちどり(2018年製作の映画)

4.4

全面的な共感と半開きの目を以て見守られるべき、
思春期少女のすっぱいグリーンデイズ。

輝くシーンがいくつかあり、
特にラストシーンは出色。
ああそうなんやそういうもんやなっていう
気づきと受容のなん
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.4

ジュヴナイルフィクションとして、完璧

辻村深月原作、ポプラ社児童文庫でも刊行されている本作に、
ヤングアダルトな物語の今様をまざまざと見せつけられた。

1970年代頃に児童文学が青年小説的な重いテ
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.0

23/12/9 東京の友人宅にて

閉塞感しか存在しない(と解釈される)カントリーサイドにおける
女性の解放を謳うのであれば、
男をぶちころすシーンが映されないこともあいまって
カタルシスが少ないよう
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アラビアのロレンス/完全版(1988年製作の映画)

3.5

パレスチナ問題を知るためには
オスマン帝国史まで遡らねばならないことがわかった。

描かれているのは帝国へのアラブ反乱で、
以後のイギリス委任統治領パレスチナそして分割へと
つながっていく前段階であり
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チャドルと生きる(2000年製作の映画)

4.0

題「The Circle」が示すように、
カッコ付の「イラン女性」の闘争が
円環となって連なった社会批判映画。

本意は「チャドルと生きなくてはならない」であり、
人を生かしも殺しもするものは〈制度〉
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ミリオンダラー・ホテル(2000年製作の映画)

3.5

雰囲気アニメなどでたまにみる
詩や音楽という装置それ自体によって文字通りの詩性を
利用しているのが、誤魔化し煙巻きと感じられてしまう

落伍者を描くなら要領を得ない無秩序と相応の美しさが
ほしい、感じ
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誰のせいでもない(2015年製作の映画)

3.6

題「Every Thing Will Be Fine」
では片づけられない事象が起こりながら、
「解決してくれるのは時間だけ」という
使い古しの事実を丁寧に映しているのだけれど、
人間讃歌といえば聞こ
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世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)

2.7

ラブロマンス、サスペンス、社会派、
いずれでもありながらいずれの要素も煮え切らず
咀嚼し辛い生煮え作品だと感じた次第であります

ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)

4.6

映画は、ここまで行けるのか。

映画には、プロットに書き起こしにくい、
映像イメージを重視し説明を拒むタイプの作品がいくつかありますね。
中でも本作の圧倒的な質の高さは唯一無二であると断言できます。
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オフサイド・ガールズ(2006年製作の映画)

4.5

パナヒは本当にすさまじい。

政治的メッセージもさることながら、
スポーツ観戦のお祭り感を、スポーツそのものの場面を映すことなく
映し切っている。

そしてそれはもちろん、観る者が女性たちの側に立ち
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2分の1の魔法(2020年製作の映画)

3.9

洋画の邦題はヘンな解釈に塗れているので
原題を調べずにはいられない症状に苛まれます。

原題「ONWARD」
「前へ」の意ですが、forwardが単純に「前へ」であるのに対し、
onwardはフォーマ
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あの夏のルカ(2021年製作の映画)

4.0

この作品の見どころは巧みな構造にあって、
・陸に上がってはいけない ・正体がばれてはいけない
を戒律とした〈禁忌破り〉の物語が
ある場面から〈裏切り〉とその修復のナラティブ
へとスムーズに移行している
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私の、息子(2013年製作の映画)

3.6

子離れ親離れという中核に対する附随物として、
より重大さをもって向き合うべき「罪への態度」を扱う点に、
沈んだ澱ごと飲まされるような異物感が残る。

母親の涙は純粋な哀悼からではない、
道義的責任を目
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人生タクシー(2015年製作の映画)

4.5

ファルハディやキアロスタミらを「イラン映画」と一括りにして
眺めるのはとても危険なことで、
メッセージとして伝えたいことの重みやドラマ性のちがい方なぞは、
黒澤明と黒沢清をまとめて日本映画やゆうてるよ
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もうひとりの息子(2012年製作の映画)

3.5

取り替え子をテーマとし、背景にパレスチナ問題がありながら
こんな感じで済むのかな?

という安直な所感は、
安穏に満たされ「民族意識」に当事者意識さえ及ばない外部からの、
あまりに無礼で蒙昧な物言いな
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サマーゴースト(2021年製作の映画)

4.0

高校生のときに読んだ乙一のあの感覚が変わらず在り続けていることへの感慨

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.9

マイベスト2

きれいごとも作り事もなしに、労働への絶大な問題提起をしてみせた傑作

原題"Sorry we missed you"にすべては込められている

その手に触れるまで(2019年製作の映画)

4.5

新興宗教3世として、
近年、生を放棄したくなる程の大怪我を経験した身として、
本作にもたらされた心的影響はあまりにも甚大だった。


アメッドを人間的な人間へと帰せしめるものとして
プロットに配置され
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事件(1978年製作の映画)

3.6

すごい主演喰いだと思ったら
大竹しのぶだったことに気づかない体たらく

ビバリウム(2019年製作の映画)

3.9

ジャンル:SF、ミステリーかな?
手法はホラーで良いと思うけれど

とにかく主張を徹底している点は良いが
救いがなさ過ぎてキツイ、それが「自然」なのよということなんだけど

スケアリーストーリーズ 怖い本(2019年製作の映画)

3.6

霊体は静止しじとっと見つめてくる瞬間に最もその恐ろしさが宿り、
動くとモンスターになりがちな人間の認識

アス(2019年製作の映画)

3.4

不条理な世界が、
逆説的に世界の真実への読み換えを要請するのが
ホラーの楽しみ方なのである

恋人はアンバー(2020年製作の映画)

3.5

これまで観た類似テーマの作品に比して引っ掛かりが残りました。

ひと昔前、アイルランドのそれもカントリーサイドの
さらにはハイスクール、
舞台設定の時点で偏見との激闘になることは請け合いで、
この定番
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.0

"Only as sure as I am that the reality of one night,
let alone that of a whole lifetime,
can eve
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オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

3.5

タイムリープに取材した洋画は
バタフライエフェクト、ハッピーデスデイと名作が多く、
そしてどれもリープで知った情報アピールの場面では
英語圏ならではのジョークが光る

共通する終幕として、どれもハッピ
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魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

4.5

これっきゃない!弁を弄すも愚昧なるすばらしい展開。

ノスタルジィを穿つ趣向の物語は、
兎にも角にもとてもかくても
ご都合主義に諸手を挙げておれば良いのです。

ソラ、レミ、レイカのハッピーラッキーを
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雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

4.0

付喪神、八百万神、土地神・氏神信仰。

団地の、神というより精霊的な存在の神返しと、
団地隆盛とはちょっと時代が離れた現代っ子たちの冒険譚。
謎解きとして、各建物で物音がしていたのは建物に憑いた守り神
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.7

――誰の台詞でもない。私の言葉だ。
人生はお前が見た映画とは違う。人生はもっと困難なものだ。
行け。

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