クレミさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

3.9

これが58年の映画かいな 凄すぎでしょ…
三船敏郎の白黒画面での映え方が異常すぎてビビった。顔面といいオーラといい凄まじい迫力。凄い人だ…。

スターウォーズの元ネタなのは知っていたけど、思った以上に
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.3

おもしろー!
食事に鼠の死骸を盛り付けて、ブランチが悲鳴をあげてる様子を見て大笑いするジェーンのシーンだけ見たことあって…。白黒の画面でもわかるほどの厚化粧したジェーンが悪魔のような高笑いをして、車椅
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帝一の國(2017年製作の映画)

5.0

笑いあり、涙あり、感動 ハラハラ、全て詰まったバランス力。この脚本クオリティ。最高!菅田将暉と古屋兎丸作品の組み合わせはいつか実現しないかなと個人的に思っていたので嬉しいです。やはりその期待を裏切らな>>続きを読む

クラッシュ(1996年製作の映画)

3.0

うーん
科学の進歩や技術の発展(ここでは自動車。交通量の変化等)によって人間の中に歪み=歪な欲望が生じるということ、夫婦の間の関係性や相手との愛情というものを、異常な形でしか確かめられなくなった人間た
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男と女(1966年製作の映画)

3.7

人物の距離感やカメラの距離が絶妙。人物にわりと寄ったカメラワークが、若い恋愛とは違ってすぐには近づけない大人の出会いと愛し方をさらに強調して映し出していた。
セピア、モノクロ、カラーと変わる画面の色と
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別離(2011年製作の映画)

4.7

面白い。
みんな何かを守るために、些細な嘘をついたり 決断をしたり。それは自分のためだったり、お金のためだったり、家族のためだったり。この決断や嘘を「正義」や「悪」に分類することなどできない。後にあん
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美女と野獣(2017年製作の映画)

4.7

最高だったーーーーー!
アニメーション版とほぼ同じだし、陸の年パス持ってた時なんてワンスで毎回あのガストンとの対決のシーンと最後の魔法解けるシーン見てたんだぜ?って分かってたのに、初っ端から泣いた。む
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イロイロ ぬくもりの記憶(2013年製作の映画)

3.4

家族みんなそれぞれ悩んでいて、寂しいんだな。仕事って、お金って、家族って、人種ってなんなんだろう。
たった10歳の男の子の孤独を、忙殺される母の孤独を、悩み続ける父の孤独を、誰か分かってやってよ。もど
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恐怖分子(1986年製作の映画)

4.1

皆孤独な群像劇。
86年の作品だそうだけど、現代の人間模様に当てはめても何ら違和感無い。ここに出てくる人物たちの脆く繊細な性質が表れているかのような、美しい色合いと空気感の作風が素晴らしくて、目が離せ
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アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)

4.5

100万人が虐殺されたという事実、
「死人に口なし」とはこのこと。虐殺を実際に行った者が今語る事実、
それを当事者が「映画」として外側から見つめ、
その事実と「映画」を、私たちは映画のなかの「映画」と
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サンキュー・スモーキング(2006年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃ面白かった。まずタバコの銘柄パロディのオープニングが最高に良い。

「サンキュースモーキング」と言いながら吸ってるシーンは無し。タバコは良いか悪いかを決めるのではなく、世論や情報をいかに巻
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野火(2014年製作の映画)

3.8

真っ黒に汚れた顔に血に塗れ、完全に人間のそれではない表情と呂律の回らない言葉。トラウマです。
本能的な恐怖や欲求は理屈では説明できなくて、そういう時最後に残されるのはやはり感覚的なもの・動物的なもので
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レッド・ファミリー(2013年製作の映画)

3.9

ラスト悲しすぎる。
どの国や家族のもとに生まれてくるかは選べない。けど、人間として人間らしく生きていく権利は誰にでも、平等にあるはずなのにね。

春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)

3.8

石、蛇、湖、門、性、罪…

春夏秋冬と廻りながらも、いつも美しくそこにあり続ける大きく豊かな自然。その中で生かされながら、間違いをおかし続ける愚かな人間。
「欲望は執着を生む、執着は殺意を生む」という
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メビウス(2013年製作の映画)

3.7

罪深い男の子たち〜〜!みーんなキム・ギドク「メビウス」を見ようね〜〜!

キム・ギドク作品鑑賞3本目にして、やはりこの監督が撮る作品の中では、性欲や暴力というものが人間と人間との関わりにおいて起こる摩
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うつせみ(2004年製作の映画)

3.8

他人の家に侵入し、ものを盗むでもなく、ただ少しの間だけ住人のように振る舞い、壊れたものを修理していくという、奇妙な形で社会や人との関わりを回避し、また共存しようとする男。暴力的で歪んだ愛情を持った夫に>>続きを読む

悪い男(2001年製作の映画)

5.0

常にガラス越しに愛する女を見つめ続け、どこまでも堕とし、どこまでも傷つけ、それでも自分が直接手を下したり、犯すことはない。一言も発しないこの男は本当に「悪い男」のはずなのに、彼からの愛が次第に魅力的に>>続きを読む

人生スイッチ(2014年製作の映画)

3.3

新着に上がってたのでなんとなく見たら面白かった。海外版世にも奇妙な物語。
人のことを傷つける人を理屈抜きに容赦なく、物理的にボコボコにするのが爽快だったり嫌な味がしたり。
結婚式で旦那の浮気が発覚した
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.6

台詞の少なさ、くすんだ画面の向こうにある子供達の成長と生活、そこから滲み出る彼らの表情や心理。隔絶された世界の中で、それでも続いていく日常。非現実のような現実のような、非現実。
あと1週間くらいは立ち
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.0

ちょっと怖いくらいリアルに、「実家」の風景を切り取っている作品。
阿部寛が一応主人公として置かれているのだろうけど、登場人物の誰にも視点が寄りすぎず、誰の視点が主だとも言い切れない独特の雰囲気が印象的
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座頭市(2003年製作の映画)

3.5

エンタメに寄るなら寄り切ってほしかった。北野武の色が、良くも悪くも働いているといった印象。
アルビノのような風貌かつビートたけしが醸し出す独特の雰囲気を持った新しい座頭市像はかなり好みだしかっこいい。
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HANA-BI(1997年製作の映画)

4.0

車の中で、トランプの数字当てゲームするシーンが素晴らしく好き。クランキーチョコレート!

本職は言葉をまくし立てて笑いを取る仕事なのに、武の役どころは圧倒的に台詞が少ない。武の動きのコミカルさや歩いて
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Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.9

自分の居場所を求めてもがきながら生きる、焼け付くような青春の日々。決して褒められるような生き方じゃないし、大事な選択をいつも間違え、流され、すり減っていく彼らなのに、それでもどこかに希望が見える。諦め>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.2

無邪気に遊び回るヤクザたちと、突然訪れる死。おどけた雰囲気のパートが続くことによって、死の唐突さが強調されていた。

「童心」というワードが終始頭をよぎる。抗争のなかで身を隠し、やることもなく遊び回る
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あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

4.3

GWということで、勧められてる作品消化強化期間にしていきます。

余計な台詞・説明を極限まで省き、状況や表情、周囲の変化から、人物の関係性や心情を語らせる。それに加え、北野武作品で度々見られる同じ構図
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.7

良かった!続編は失速することが多いから心配だったけど、そんなことはなかった。なんなら1作目より断然こっちの方が好きかもしれないレベル。1作目との組み合わせで再構成していくセンスとバランスが心地よくて好>>続きを読む

GF*BF(2012年製作の映画)

3.6

ものすごい勢いとスパイスの効いた切な系青春ラブストーリー。学生から大人になるまでの、3人の親友たちの歪な三角(?)関係。

台湾の学生運動と3人の変化していく関係性、そこに現れるセクシャリティの問題。
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男として死ぬ(2009年製作の映画)

3.9

私は生まれる性別を間違えたの!変わるの!みたいな葛藤のLGBTものが多い中、男性としての自分と、女性としての自分との間で揺れ、1人の「人間」として迷い悩んでいくという作品だったために非常に印象的だった>>続きを読む

わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.7

400本目です 始めたころはまさかこの数になるとは思わなかったです まだまだ足りないですね頑張ります。

魂と魂とが出会い、ぶつかり合い、理解し合い、溶け合ってしまうようなほど結びつく。人と人との関係
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.5

2に向けて復習再鑑賞
音楽、ドラッグ、セックス、金、
若気の至りとバカをここまでやり通すと逆にかっこよく見えちゃうもんなんですかね
音楽と勢いが好き イかれてる トイレのシーン気持ち悪かった〜〜…

ムーンライト(2016年製作の映画)

3.8

カメラワークくどくてちょっとクラっときたけど、作品自体は嫌いじゃなかった 静かで優しい愛の映画

1日が終わり 夜になると人は誰しも孤独なはずで、月の光はその孤独にそっと寄り添うように、誰に対しても等
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

3.5

60年代にこのクオリティ。いつ見ても近未来的に感じられるキューブリックのセンスが最大の効果を発揮している。人工知能と感情の問題をすでにこの時代から取り上げてるし。全く古くさく感じないんだよなあ。
骨を
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CURE キュア(1997年製作の映画)

4.7

読める要素がたくさん詰まった文学的な作品だなと。
小説って文字で人物の心情とか全て表現できるけど、映画は映像の中でそれをどう表現するかっていう難しさがあると個人的には思っていて。そこを映画的表現で巧み
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蒲田行進曲(1982年製作の映画)

4.8

虚構の中の虚構とでも言うべきか。
松竹映画特有の人情味溢れる、類型的なキャラクター。寅さんのようによく喋り周りを巻き込む銀さんが主人公かと思いきや、あえて主役ではない人物にスポットを当てるのがおもしろ
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ライムライト(1952年製作の映画)

4.9

人生に必要なのは勇気と想像力、そして少々のお金だ。

ボロボロ泣いた。

愛のコリーダ(1976年製作の映画)

3.0

前回なんとなくでやめてしまったので再チャレンジしたものの、ちょっともう見るのはキツい…
臭いがする映画だなという印象。嫌な臭い。衝撃的かつ価値がある作品だというのは分かるんだけど。