Kuutaさんの映画レビュー・感想・評価

Kuuta

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アンフレンデッド:ダークウェブ(2018年製作の映画)

3.3

こちらもPC画面上のみの作品。一作目は未見ですが特に問題無かったです。

画面の見せ方は「search/サーチ」より多少良かったものの、強烈に革新的かというとそこまででもなく、このジャンルはまだまだ成
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search/サーチ(2018年製作の映画)

3.3

PC上でストーリーが展開する手法は斬新。父娘の絆の再生という脚本は極めて王道。

骨格と土台は良いが、この二つを繋ぐ、PC上でどんな面白演出をしながらオチに持っていくのかという、肉付けの部分が物足りな
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M(1931年製作の映画)

4.0

初のフリッツ・ラングのトーキー作品は、突然の無音や犯人の口笛など、音への意識が素晴らしい。殺人の直接描写の代わりに、引っかかった風船や転がっていくボールで見せる。街のショーウィンドウには渦巻や矢印や股>>続きを読む

ファウスト(1926年製作の映画)

3.8

ムルナウのドイツでの最後の作品。

天使と悪魔の最終戦争みたいなド派手なオープニング。メフィストがファウストを悪の道に落とせば神の負けだ、的な話になり、シーンは人間界に飛ぶ。

町を文字通り「包み込む
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麦秋(1951年製作の映画)

4.7

原節子が結婚するしないで笠智衆が一喜一憂するいつもの話。

序盤の映像的快楽、多幸感が凄い。
固定のローアングルで日本の家を切り取るのはお馴染みだが、本来この手法は廊下や部屋を分断してしまうはず。
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水の中のナイフ(1962年製作の映画)

3.8

ポランスキーの昔の映画がU-NEXTに何本か追加されていた。こちらは長編デビュー作。

ヨットの上での週末の夫婦のバカンスに、見知らぬ青年が参加することになる。登場人物はこの3人のみ。密室空間で男2人
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赤い靴(1948年製作の映画)

3.8

バレリーナのヴィッキー(モイラ・シアラー)が、芸術に全てを捧げることを求めるプロデューサーと、夫との結婚生活のどちらを取るのか、というお話。絵で始まり絵で終わる寓話性の強調。

赤い靴の初演シーンは1
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暁の出撃(1954年製作の映画)

4.3

多くの人に勧めたい傑作でした!復刻DVDの高騰にも納得。

第二次大戦のイギリス軍のダム破壊作戦をベースにした戦争映画。スターウォーズのデススター攻撃の元ネタとして有名。

「視界の悪い夜間に低空飛行
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マルタの鷹(1941年製作の映画)

3.0

会話多い、画面動かない室内劇…。

ハンフリー・ボガートの出世作で、ジョン・ヒューストンの監督デビュー作で、ノワールものの古典らしいが、はっきり苦手なタイプの映画だった。

複雑な小説をテンポの良い映
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海辺の映画館―キネマの玉手箱(2019年製作の映画)

4.5

映画館でエンドロールが始まると、全体の構成を脳内で整理し直すのが癖で、それがとても好きな時間なのだけど、今作は全くもってそれどころではなかった。

「この空の花」的なジャーナリスティックなファクトの嵐
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オカルト(2008年製作の映画)

3.9

神の声が聞こえるネカフェ難民「江野」に密着した白石晃士監督のフェイクドキュメンタリー。

ラストの受け取り方は人それぞれだろう。一応因果が保たれたように見えたので、自分はなんかホッとしたなぁ。

序盤
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太平洋奇跡の作戦 キスカ(1965年製作の映画)

3.9

先日アトロクで春日太一さんがお勧めしていた一本。三船や山村聡ら豪華俳優陣の硬派な軍隊描写に加え、戦艦が海を進む特撮のクオリティは東宝の総力を結集していると言っていいだろう。考証を重ねたシリアスな映画な>>続きを読む

カビリアの夜(1957年製作の映画)

4.2

娼婦であるカビリア(ジュリエッタ・マシーナ)の孤独は壁やガラスの影に現れる。

手品ショーのステージに上げられた彼女は、スポットライトを浴びて影を強くする。奇術師は「道」の天使と対照的に、悪魔の格好を
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仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

4.1

戦後日本の欺瞞と、戦争の傷というテーマがより強調される作りになっており、物語的にも引き込まれた。

復員兵であり、広島で孤独を味わっていた山中(北大路欽也)と、村岡組組長の姪、靖子(梶芽衣子)が恋に落
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.0

戦後復興にうつつを抜かす日本に対する怒り、悲しみ。ゴジラ好きの私からすると、同じテーマを持ったシリーズに見える。

冒頭の闇市の撮影の躍動感で、シリーズの方向性はすぐに分かる。掴み合い、殴り合うぐっち
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わが谷は緑なりき(1941年製作の映画)

4.3

似たレビューが続いて恐縮ですが、再びのジョン・フォード。だって面白いのだもの。

フォードの故郷、アイルランドの炭鉱労働者の古き良き生活と、その終焉を炭鉱の衰退に重ねて描く人間ドラマ。組合や社会主義を
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静かなる男(1952年製作の映画)

3.9

西部劇お馴染みの家としての「白」だけではなく、カラー映画なのでフォードの故郷アイルランドの草原の緑、モーリン・オハラ演じるメアリーの赤髪、彼女の衣装や食器の青(=家)が画面を彩っている。
故郷に降り立
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スラム砦の伝説(1984年製作の映画)

3.9

台詞ではなく映像の力でゴリ押しているからか、レビューを見ていて「印象的なシーン」が皆さんバラバラなのが良いなあと思う。

女性が何人も登場して占い師(だったはず)に自分の苦しみを訴えるシーンが心に残っ
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

4.0

アルトマン初期の傑作。おもろい。

私立探偵フィリップ・マーロウが、ロサンゼルスをウロウロして変な人といっぱい出逢うだけの映画(一応ミステリー的なオチは付いているが)。

「気の抜けたコーラ」が登場す
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用心棒(1961年製作の映画)

4.2

常軌を逸したパンフォーカス、望遠撮影を活かしたアクション。三船が文字通り高みの見物を決めるシーン、左右の広さを使った「行ったり来たり」な構図はもちろん、画面端でビビって逃げようとした男の尻を清兵衛の妻>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.2

頭がパンクしそうになる位よくできた映画だった。思いついたら加筆します。

2月に公開された「スウィング・キッズ」は、朝鮮戦争下で右にも左にも動けない若者が「その場で足を踏み鳴らす」ことでアイデンティテ
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透明人間(2019年製作の映画)

3.5

「インビジブル」が好き過ぎるからだろうが、あちらの優雅で軽妙なクラシック感に比べると、ちょっと重々しくて合わなかった。デカめの音楽のせいかな…。

透明人間=男の眼に晒されている女性の抑圧という「現代
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インビジブル(2000年製作の映画)

4.1

リー・ワネル版の予習第二弾。テレビで昔よく見たなあ。

一言でまとめると「『男の孤独』を他人に押し付けるな」という映画だ。

研究者のセバスチャン(ケビン・ベーコン)が透明人間になるが、元に戻れなくな
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透明人間(1933年製作の映画)

3.4

リー・ワネル版の予習。

実験で透明人間になった男が暴走するお馴染みの展開だが、本人の葛藤は細かく描かれず、かなりの勢いで暴力性がエスカレートする。風呂場を覗こうなんて考えもしないで世界征服を企むキャ
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折鶴お千(1935年製作の映画)

3.8

残菊物語(1939)がオールタイムベスト級に好きだったので、もう少し時代を遡って見てみる。残菊との比較が多めのレビューとなります。

男の立身出世とそれを支える女、お千(山田五十鈴)の献身。この対比が
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洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

4.1

川島雄三監督。「幕末太陽傳」以外の作品を見るのは初めてだったが、やはりめちゃくちゃ巧い。

金の無い義治(三橋達也)と蔦枝(新珠三千代)が赤線地帯の洲崎の入り口に立つ居酒屋兼貸しボート屋に流れ着く。川
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吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

3.6

やはり「サンライズ」が傑作過ぎる印象は否めないが、今作の時点で昼と夜ー現実と虚構の往来というモチーフは登場している。

吸血鬼が奥さんの夢に侵入する場面は、夢見る奥さんの部屋と吸血鬼のカットバックで表
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ヒッチコック/トリュフォー(2015年製作の映画)

3.3

トリュフォーがヒッチコックにインタビューして書いた超有名な映画解説本をベースとしたドキュメンタリー。

インタビューに出てくる演出論に合わせてヒッチコックの映画のシーンが流れるのは助かるが、基本的に深
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イット・カムズ・アット・ナイト(2017年製作の映画)

3.5

A24作品。WAVESのトレイ・エドワード・シュルツ監督。ストーリーがセリフで説明されないのが低評価の原因か。悪い映画ではないと思うけどなぁ。

要は宇宙人の出てこない「遊星からの物体X」だ。ロブ・ボ
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神々の深き欲望(1968年製作の映画)

3.9

今村昌平監督。3時間と長尺な事もあり、感想を色々取りこぼしている感じ…。観たものを言葉にする教養も映画の知識も足りていない…。ぼんやり感想です。

近親相姦を繰り返し、村八分にされた「原始社会」として
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ゴジラ FINAL WARS(2004年製作の映画)

2.2

レビュー700本目!ゴジラレビューも今作で最後となります。最後に個人的ゴジラ映画ベスト10も書いときます。

2004年公開の28作目。ミレニアムシリーズの最終作。観客動員数は全作品中ワースト3位に終
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ゴジラVSデストロイア(1995年製作の映画)

3.2

同人誌化するゴジラ映画

思い出補正込みでもこの得点だな…。

1995年公開のシリーズ22作目。VSシリーズの締めくくりとしてアベンジャーズ的なオールスターキャストが楽しめる一方で、4年後の「ゴジラ
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ゴジラVSスペースゴジラ(1994年製作の映画)

3.8

もっと評価されるべき良作。子供の頃に何度も観たけれど、新たな発見がたくさんあって楽しかった。

シリーズ21作目。スペースゴジラの造形や特撮に評価が集まる一方、「エメリッヒ版の製作遅れを受け、短期間で
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ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

3.5

今回はランボーの個人的な怒りが動機となっている。そのため、100分中60分くらいはネタ振りとしてのオーソドックスなドラマに徹しており、あんまりランボーも出てこないので、非常にまったりした気分になる。>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.2

私が好きなタイプの映画でした。

ジョー(シアーシャ・ローナン)が走るオープニングから、右方向へのアクションは未来へ向かう。左へのアクションが過去となって、激しい会話のカットバックを絡めて時系列を入れ
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.7

若草物語の予習。現代版「怒りの葡萄」だった。

アメリカにおいて、人種や貧富差による階級闘争は社会の中に完全に組み込まれている。プロムや演劇で役割を与えられた若者は、衣装としての「色」を身に付け、役割
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