実子を売ろうとする母。他人の子を盗む母を描いた「万引き家族」から、テーマはそのままに立場をひっくり返している。
法を逸脱した疑似家族の逃避行に「3人の名付け親」を連想したがやはり意識したようだ。>>続きを読む
先週GAMERA1999の感想を書いたのは、今作が同種の「制作における地獄巡り」になるのでは、と予想したからだ。少なからずその予感は当たっていた。しかしながら、中身は非常に粗かった。個人的にも仕事でそ>>続きを読む
幼少期、平成モスラのメイキングを収めたVHSがなぜか家にあり、無限にリピートしていた。精緻なミニチュアを一瞬で爆破したり、踏み潰したり、再撮影のために組み直したり…。気の遠くなるような作業が怪獣映画を>>続きを読む
何本もリメイクされているようだが完全に初見。なんとなく内田吐夢版をチョイス(3部作とも知らずに)。他のバージョンも見た上で点を上下させる予定。
・オープニングが一番びっくりした。マジで「峠の向こう側>>続きを読む
夜の闇、夜明け前の薄い青、昼の澄み渡った青空。光と影とその中間、3階層を彷徨い続けるジョージー(イーストウッド)。
家族を殺された彼は、文字通り影を背負って殺し続ける。人の顔に当たる照明、室内での陰>>続きを読む
選手のアイデンティティを強調したことで「負けても人生は続く」以外の答えが許されない構成に。身体性の賛美など、伝統的な五輪映画のスタンスを否定するのは良いが、その分、競技の面白さも感じにくくなっている。>>続きを読む
▽訓練に意味がある
訓練を「実戦に向けた演習」にした事で前作の難点を大幅に改善している。
前作は「訓練を成績一位で突破できるか」というぼんやりとした目標があり、卒業式の最中に招集がかかる。訓練と実戦>>続きを読む
バーで酔い潰れていると思ったら水しか飲んでなかったくだり、マーヴェリックの真面目な性格とガチ落ち込み感が出てて好き
・変な映画。ほとんどが敵のいない訓練、実戦でも敵の顔が見えない演出が施され、フォー>>続きを読む
感想を言葉にするのがためらわれ、3週間放置していた文章 配信で見たら書き直す
・「話を聞こうとする」ことしかできない。言葉には限界があり、相手に寄り添うのはもっと難しい。機械の力で音を収める精いっぱ>>続きを読む
相米慎二の中ではそんなに…という感じだった。夜の雨のシーンが多い作中にあって、「私天使なんだよ」というヒロインが真昼の埠頭でヒョイッと照明を登っていくシーンが印象的。
自慰に終わった冒頭のラブホテル>>続きを読む
良いカットが足りない…。予算不足の伝統まで引き継がなくて良いのに。樋口真嗣の最高傑作ではある。興収は好調らしく、続編構想もあるそう。庵野さんにリベンジしてほしい。
・私はウルトラマンにはほぼ興味無し>>続きを読む
パターソンは日曜になったら画角を変えて散歩に出ていたが、この映画には曜日すらないという絶望
映画の主人公は基本的に「何か」をやってないといけないわけで、音とか編集とか、映画に急かされ続ける作りが面白>>続きを読む
ホークスで一本選べと言われたら「赤ちゃん教育」かもしれない。演出力の極まった後年の作品も良いが、30年代の彼の映画のとんでもない「速さ」に惹かれる。今作も同様だ。
オープニング、長回しの暗殺シーンか>>続きを読む
・誰もいない座布団に話しかける男。戦争の影、人の不在、強烈な寂しさを、長屋でのやりとりが覆い隠している。長屋は戦争で荒れた街並み(外界)に対する一種のシェルター。「ぶら下がったモノ」が生む境界。
そ>>続きを読む
短評。奇跡の丘同様「神話=俺」で映画を撮るパゾリーニ。神話は私小説になり得る。
赤ん坊に乳を与える母親の単独ショットで、彼女は赤ん坊とカメラに交互に視線を向ける。メタ視点の提示でありつつ、母親の「分>>続きを読む
因果応報な道徳話に見えてしまうという脚本上の問題は「悪魔の征く町」の感想で書いたので割愛。
JESUS SAVESのネオンが消えてUS AVES=我々は獣→結局鳥籠に入っていくといった演出は好みだし>>続きを読む
デルトロは原作小説からイメージを膨らませたと言っているが、ビジュアル的には今作そっくりなので、こちらのリメイクと言った方が正確だろう。
ほとんど展開は同じだが、こちらはラストに半ば強引にハッピーエン>>続きを読む
ロドリゲスの良作。二つのジャンルを掛け合わせるホラー映画の定式がハマっている。
今作はボディスナッチャー×青春学園もの。学校の先生や同級生が宇宙人に寄生され、いじめられっ子やアメフト選手など、異なる>>続きを読む
「収拾がつかない」
舞台は第二次大戦中。地元の出征パーティーに参加したトルーディは、酔った勢いのまま名もなき兵士と結婚、妊娠までしてしまうが、その晩の事は何も覚えていない。彼女はそれを隠そうと、自身>>続きを読む
十分面白いが他のフォード作品と比べると散漫な印象。
「アパッチ砦」「黄色いリボン」は、名も無い騎兵隊がチームとなっていく、無形の連帯がアメリカを形成する…という軍隊を軸にした話だったが、今作は家族も>>続きを読む
・例によってコングは不細工だが、対照的にメカニコングのデザインは秀逸。コングっぽさと、西洋の甲冑のような人工的なゴツゴツ感がうまくミックスされている。
・作戦に失敗したドクター・フー(天本英世)は、>>続きを読む
期待通りの3.4。5年ぶりのベイ新作の劇場公開。ファン必見。
あらすじ。銀行強盗中に警官に重傷を負わせた兄弟が、助けに来た救急車ごと奪って逃走する。LA中をカーチェイスしながら、車内では救急救命士が>>続きを読む
年度末は小忙しくてなかなか映画が見られない…。高崎映画祭のオープニング作品だった今作で1ヶ月ぶりの劇場鑑賞。
ワンショットが長く、内容もヘビーなので、胃袋が沈み込むような疲労感が残った。
森達也が>>続きを読む
「所詮自分達だけではどうにもならない」
侍の世から現代まで続く日本人の滅私奉公=社畜魂を、主人公の飯倉家の先祖を辿る7エピソードのオムニバスで描いた作品。
・構成が面白い。冒頭は現代。婚約者の女性>>続きを読む
ドキュメンタリータッチな映像と構図の決まった「映画のような」映像が丁寧に並べられている。平家の多い風櫃の街並みと、二階建てアパートの対比の妙。あのアパートの間取りすごい。
都会に出ると縦の構図が増え>>続きを読む
秀作。「スポットライト 世紀のスクープ」のトーマス・マッカッシー監督。このおじさん映画撮るのうまい。
帽子を被り、扉を閉め続ける男(マット・デイモン)と、窓を開けて光を取り入れる女。男はアメリカ的な>>続きを読む
良い意味で普通。ファミレスみたいな映画。原作ゲームは4作ともプレー済みで、ファン目線強めの感想。
ゲーム自体が「プレーできる映画」をキャッチフレーズに、過去の名作のオマージュだらけで作られており、今>>続きを読む
窓なんかねーんだよ!(オープンカーに乗りながら)
人もゾンビも元気があって良い。元気出た。窓を板で塞ぐよりも優先すべき事は色々あったと思うが、目の前のタスクに全力を注ぐ人間たちの躍動感。目玉くりくり>>続きを読む
今村昌平は一貫して「殺さなければ生きていけない生き物」を描いた監督だと思う。息を吸うように殺すシリアルキラーや、殺人が制度化された村社会を通して、人の性を時にユーモアすら込めて表現する。
今作も同様>>続きを読む
・異様な光量が画面をギラつかせている。褪せた世界に刺さる原色。光と闇、白人と有色人種、男と女、暖色と寒色、理想と現実、愛と憎しみ、生と死…さまざまな二項対立が肉体と共に交差、衝突、回転、離散している。>>続きを読む
黒沢清の降霊は未見。ホラーではなくサスペンス。「何のためにこんな事を…」とやるせなく、悲しくなるお話だが、最後の最後に一応の答えが見えた気もする。
水たまりに反射し、天地のひっくり返った家。降霊術が>>続きを読む
ロドリゲスを聖人化し過ぎでは?と思うし、ドキュメンタリーとしてはイメージ映像が多く、生の迫力に乏しい。しかしながら、本当に凄い話だった。事前情報無しで見た方が良いので(Filmarksのレビュー、ヌル>>続きを読む
・小説のダメな映画化のように、ナレーションが多く、ときおり心情描写すら語られる。普通の作品なら胸焼けするところだが、今作は全てが舞台上で、かつ最小限の小道具を使って描かれるため、視覚情報に乏しく、見る>>続きを読む
大変面白かった。未見の人にはなんのこっちゃという怪文書になっていると思うが、自分のメモとして。
あらすじ。アリシア(イングリッド・バーグマン)にナチス残党の内情を捜査させようと、FBIはセバスチャン>>続きを読む
レンタルで見たが、今後も折に触れて見直す作品になると感じてブルーレイを買った。
女子高生と弟が荒野に放り出され、一人前になるための放浪の儀式(Walkabout)をしているアボリジニの少年と旅するお>>続きを読む
空間を使って人物を交錯させる事で話を広げる。割と普通な貴族風刺のように思えるものの、映像でそれを語っている。楽しい。
冒頭の飛行機の勢いと人の渦、野原を走る動物を撃ち殺すシーンの生々しさが見事だが、>>続きを読む