kyokoさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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フェアウェル(2019年製作の映画)

4.1

孫と息子を溺愛しながら見え隠れする虚栄心とあからさまに排他的な性質、感情表現してナンボの割に肝心なところでは真実を隠す文化に、家族とは斯くも厄介なるものかと、うんざりさせられながらもなんだかものすごく>>続きを読む

エマ、愛の罠(2019年製作の映画)

3.8

「愛の罠」なんて恐ろしくダサい邦題をつけちゃって申し訳ございませんと土下座したいほどにエマがほんとに美しくて。ダンスシーンも火炎放射器ぶっ放すシーンも。

散らばった断片を掻き集めても、彼らがどこまで
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おかえり ただいま(2020年製作の映画)

-

東海テレビドキュメンタリー劇場シリーズ最新作。名古屋闇サイト事件を通して、死刑存廃論を問う。

正直ドラマパートの演出は役者を大根化させている感が否めず、かなり苦痛だった。ずいぶんと稚拙な脚本だなあと
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オフィシャル・シークレット(2018年製作の映画)

4.1

職業倫理や法を守ることよりも人として正しいと思えることを選択したひとりのイギリス女性。イラク侵攻という歴史的大罪の背後にこんな人がいたとは知らなかった。

自分の大それた行いに恐れ慄く彼女は最初はとて
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マローナの素晴らしき旅/マロナの幻想的な物語り(2019年製作の映画)

4.0

最後の飼い主がつけた名前=マロナの由来は栗色だけどモノクロ。まんまるおめめとハート形の鼻先が超キュート。

色彩と表現方法が豊かで楽しい!サンドアートに始まり、水彩、アクリル、立体、切り絵etc.
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シリアにて(2017年製作の映画)

4.2

当たり前に家族の暮らしがある空間の向こう側ではミサイルの激しい着弾音やスナイパーの銃弾に逃げ惑う人びとの悲鳴が響きわたる。これがシリアの日常。ほぼ室内で展開された物語は凄まじい緊張感に包まれていた。>>続きを読む

僕は猟師になった(2020年製作の映画)

-

銃を使わず直径12センチ(法律で定められている)のワイヤロープで作った輪っかで獲物を獲る。なんとも原始的なやり方に驚いた。用心深い動物たちとの知恵比べにいつも人間が勝つとは限らない。この駆け引きがとて>>続きを読む

きっと、またあえる(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

いかにも楽しめそうな雰囲気なのに気持ちが盛り上がりそうなところでいちいちモヤッとするセリフや展開に阻まれてしまう。

泣きながら謝る息子の友だちに言葉をかける余裕がないのはまあ仕方ないとしても、病院に
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はりぼて(2020年製作の映画)

-

平成生まれのテレビ局、富山チューリップテレビ。
彼らがスクープしたのは富山市議会の一大会派のドンによる政務活動費の不正受給だった。

衆目に晒されたウソやごまかしでドミノのごとく倒れていく議員たち。あ
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ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019年製作の映画)

3.7

なんと言ってもあの問題作「スイス・アーミー・マン」の監督だからね。期待しすぎはやめようと思ってた笑

スイス〜の脱力感とはまた違う、笑いのあとの「あ、あぁ、そうでしたか…」感。
もうちょい他の手立ては
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日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人(2020年製作の映画)

-

戦後の混乱を生き延びるために、自分の父親が日本人であることをひた隠しにしてきたフィリピン残留邦人。国籍を失った彼らは教育を受ける機会を奪われ、貧困の連鎖は3世4世に及ぶ。

恥ずかしながら私はこのこと
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.3

原作は高校演劇と知って納得の青くささだった。決して悪い意味ではなく、高校生ものはこれくらい青くさいほうがいい。諦めた自分を受け入れたふりをするにはまだまだ未熟な季節。自分にもそういう時代がなかったとは>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

3.8

ヤクザといってもそこはドンソク、ちょっとほっこりもあるんじゃないかと思ったら、サンドバッグからしてめちゃくちゃ非人道!
熱血というよりただの忖度知らずの刑事と絡んでもいつもの人間味は少なめ。不利益をも
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少女ジュリエット(2019年製作の映画)

4.0

「エイス・グレード」や「レディ・バード」にも重なる、イケてない自分の将来への不安と一点(恋愛)突破物語ぽっちゃりバージョン。
こういうパターンでは絶対妹をバカにしがちな兄が超優しくて嬉しい。あの投げキ
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パパとマチルダ(1994年製作の映画)

3.7

このほのぼのしたジャケ写からは金貨を肴によろしくない酒を呑むスティーヴ・マーティンのやさぐれ感やボールドウィン兄弟末っ子の悪党ぶりや追い詰められたシングルマザーの薄幸さはぜんぜん想像できない。
マチル
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T-34 レジェンド・オブ・ウォー 最強ディレクターズ・カット版(2018年製作の映画)

4.3

113分→139分→191分

こうなると、いちばん最初のはもはやダイジェスト版。

今作では、イヴシュキンを取り巻く人々の心理の変化がより細かく分かる。特にステパン。彼が再びイヴシュキンと運命を共に
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LETO -レト-(2018年製作の映画)

3.7

ソ連統治下のレニングラードで唯一公の演奏が許された「ロック・クラブ」
コンサートでは、スタンディングはもちろんリズムに体を揺らすことは厳禁。観客に目を光らせるのは共産党員か。クラブの公認を受ければコン
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クシナ(2018年製作の映画)

3.7

子をなす以外男を徹底的に排除しながらも大麻を男に売って生活の糧にする。山奥の澄んだ景色と朽ち果てた廃屋、女たちを守ることと法を犯すこと、矛盾に満ちた世界が時々ハッとするほど美しかった。

14歳でクシ
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破壊の日(2020年製作の映画)

-

「狼煙が呼ぶ」のあとにスタートした「破壊の日」プロジェクト。コロナ禍で撮影が出来ず、予定していた公開日7/24が近づいてくるも予告などの情報がなかなか出なかったので、これはさすがに間に合わなかったんだ>>続きを読む

見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.7

家族で気軽に観ようと思ったら、

ヒィィィ〜グロ〜い

誰もいなかったのに急に駅員3人とか、なつめの能力もはやジェダイとか、どいつもこいつもなんでひとりで行くんだよ!ほれ見たことか!とか、盛大にツッコ
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劇場(2020年製作の映画)

3.6

どこがどう面白いのかさっぱり分からなかった『火花』よりは読むのはさほど苦痛じゃなかったけど、太宰の面倒くささにメタファーの厚着をさせた感じはやはりあまり好みではないので、ハードルダダ下げで観た(タダだ>>続きを読む

グレース・オブ・ゴッド 告発の時(2018年製作の映画)

3.9

事件の内実を追うジャーナリストたちが主役だった『スポットライト』に対して、こちらは被害者たちが語り部となって事件の残酷さを浮き彫りにする。
語り部は三人。神父と教会を告発するという同じ目的を持ちながら
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マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)

3.7

日本統治時代に起きた朝鮮語弾圧事件。日本語と日本名を強要され、密かに朝鮮語辞典の作成を進めていた朝鮮語学会が弾圧の標的となって数多くの人が拘束され拷問された。
これはもちろんれっきとした史実であり、朝
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WAR ウォー!!(2019年製作の映画)

4.0

ミッションインポッシブル?なバイクアクションとかワイルドスピード?なカーアクションとかバッキバキの筋肉とか西部警察なみの爆破とか、採算度外視の大盤振る舞い。もちろん歌とダンスもつけちゃうよ!いつにもま>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

3.7

敵が見えない=音が予測できない、がこんなに怖いとは。

いろいろツッコミどころはあるけど、緊張感で退屈しなかった。
ワンコが無事なのも◎

エイドリアンの心理説明がもっさりなのが気に入らないのと、透明
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カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

3.5

映画の始まりはスプリングスティーンじゃなくてPETSHOPBOYS。

サッチャリズムによる貧困や移民排斥という、社会的な背景を持たせることでなんとなく深いお話のようにも見せているけど、ボスの音楽にハ
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イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

4.0

あーあ、終わっちゃった。。。

イップマンの、眉を少し上げ気味にした涼しげな表情で繰り出される流麗な動きがもう見られなくなるのはほんとにさびしい。

ブルースリー良かった。主役は師匠とばかりに見せ場は
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もち(2019年製作の映画)

-

伝えたいことは分かる。ていうかそのへんはあらすじが全部言っちゃってる。
そこで実際に生きてる人が言わないと嘘になるからっていう監督の思いもね、理解はできるんです。

でも映画としてのクオリティを問われ
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ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)

4.5

ドキュメンタリー好きだけど、今作は「養蜂かぁ」てな感じであまり興味をそそられず、一応観ときますか、くらいなノリで重い腰を上げたのだけど…
大正解だった。

電気も水道もない村で、年老いた病の母を介護し
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.7

サディズムはただの性癖で精神疾患に非ず。

冒頭、背中に自撮り棒つけてんのかと思った。
カメラワークが実に多彩で当時としてはずいぶんと斬新だったと思われる。

不安、ね。
彼の尋常じゃない精神状態に呼
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SKIN/スキン(2019年製作の映画)

4.0

白人至上主義者に育てられたブライオン。ヴィンランダーズという過激なレイシスト集団の中心人物だった割にはずいぶんあっさり転向したように見えるけれど、犬(うぅ…ボス…泣)や子どもへの愛情のかけ方を見る限り>>続きを読む

ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)

3.8

前科ありのシングルマザー。
人として母親として極めて未熟で、身勝手なローズに心底不愉快になることもあったけど、親として成長し歌手として自分の道を見出した彼女には素直に拍手を送りたくなる。
「母と娘」の
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オーバー・ザ・リミット(2017年製作の映画)

-

新体操の女王マルガリータ・マムーンが2016年のリオオリンピックで金メダルを獲るまでの、壮絶な舞台裏を描いたドキュメンタリー。

やれなければ生きる価値無し。アスリートはヒトにあらず。

ヘッドコーチ
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サンダーロード(2018年製作の映画)

3.8

ジム・アルノーという男の、一挙手一投足に居た堪れなさしか感じられない人にはこの映画はしんどいかも。
喜怒哀楽の間に一瞬覗かせる真顔が怖い。本当にヤバい人なのかどうかなかなか判断つかないし。でも私は結構
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はちどり(2018年製作の映画)

4.3

馴染めない学校と家父長制と長男教が甚だしい家に居場所を見出せない孤独と空虚が渦巻く14歳の心。
誰も私のことなど理解しない。
私ですら。

あの人は誰かを好きになることは知りたいと思うことだと教えてく
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在りし日の歌(2019年製作の映画)

4.3

80年代後半から2010年代まで、揺れ動いた中国を舞台に積み重ねられた夫婦の30年。

子どもを慈しむ気持ち、喪失の苦しみ、仲間への思い、誰にもぶつけられない憎しみ…いつでもマントウを割るように分け合
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