もりもんさんの映画レビュー・感想・評価

もりもん

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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

3.9

原作としての物語はややインパクトに欠ける印象も、ドキュメンタリー風の映像やアニメの原画風の映像、音楽、人物描写が中川監督らしくとても心地よい。

市子(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「ヤングケアラー」「無戸籍児」「性的虐待」というキーワードでは計り知れない物語。4人を殺した彼女にも、合理性がある。この物語を理解せずに、僕らは日常の中で彼女が捕まったニュースを見て、感情もわかずに、>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

多様性とはなにか。多様性が消費されていると話す多様性を理解していない大学生、言語化された生きづらさと言語化されたいない生きづらさ、普通から転落するエリート。僕らに感じてはいけない感情はない。言語化され>>続きを読む

猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.0

今泉力哉感満載の映画。猫を通じた人々の営みが描かれる。日常の暮らしの機微を感じられる。

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

飛んだクソ映画だが18年前に置いてきたものは全部回収した感じ。映画としては1.5点だが、ひとりひとりのキャラクターの課題を克服しているのと、成長を感じられる。戦争という命題に対する答えは特になかった感>>続きを読む

劇場版SPEC~結~ 爻ノ篇(2013年製作の映画)

3.8

SPECシリーズ全般の感想。堤監督の絶妙な世界観。コメディカルな部分とシリアスな世界観がたまらない一作。

愛なのに(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

今泉力哉脚本、城定監督作品。ぬるっとした邦画。逆上がりを諦めるなと鼓舞する親が終盤でお父さんもやってよと言われて、俺はできんというシーンの矛盾さとコメディ感が今泉作品。

モテそうな結婚相手がセックス
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.0

75歳になると安楽死できる制度。生産性で語られる社会だと人は迎合していく。そして孤独は人を蝕んでいく。if世界のリアルさを感じる映画

うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

一気に見て原作まで見た。文字にするといいけど、映像にすると違和感を感じるところもないわけではなかった。中学生のあどけなさと傷つけあう幼さと恐怖感が見事に表現されていた。中学生でこんなことあるだろうかと>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

空気感はあまり好きではないものの、20代後半を明らかにターゲットにしてきた比喩は年代的に刺さるところがある。一見、マニアックな共通のサブカルと思いきや出てくるアーティストは大物一歩手前くらいのありふれ>>続きを読む

Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

4.1

コトー先生の医療者というより生活者の視点が見えたのが面白かった。だからこそ医療者として合理的になれない。とはいえ、後任にも生活者を強いることはできない。生活者目線が根性論に通じるのではない答えを見つけ>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

君たちはどう生きるか、原作で伝えたいことを随所に織り交ぜながら、ジブリの世界観で描いた映画。複雑な現実世界の中で単純な物語が好まれる世論の中、複雑な現実世界を複雑に描ききった宮崎駿が素晴らしいなと感じ>>続きを読む

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

PSYCHO-PASSの集大成とも言える作品。哲学的な引用と緊迫した展開、作画も文句ない。常守朱の孤独な葛藤の先が最終的には狡噛やこれまでの犯罪者と変わらないものになってしまったことは本当に悔しい。現>>続きを読む

ハーモニー(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

主体性を伴わない行動に意味はないと言い切ったpsycho-passの槙島聖護の世界観に通ずる部分を感じる。主人公の行動は、一見、ディストピアへの同意とも取れるが、内発性を貫いた先の個人への帰着は人間ら>>続きを読む

つむぐもの(2016年製作の映画)

3.6

ケアにまつわる介護職側のべき。そのべきらは教育、文化、環境、様々な物で構成されている。それは国家同士の関係性も同じだ。本人中心性、人間同士の関わりを見つめ直したとき、ひとは生き生きと輝くのだろう。

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.5

境界性パーソナリティ障害が背景に描かれている。ボーダー本人のつらさもあるが、その周りにいた人の生きづらさに焦点が充てられる。生きづらくも愛が垣間見える作品。

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

障害ものというよりは障害を抱えながらもひとつの特性として彼らの社会の中で生き抜く力強さを感じる作品。主人公の立場は難しいが、素晴らしく演じていた。

MOTHER マザー(2020年製作の映画)

3.6

胸糞悪い映画ではあるが、これが事実を元にしているという点が驚きである。実際福祉の領域ではいわゆる毒親との共依存は珍しくない。社会の一部として、そしてそれが自分とは関係ないところで起こっているという自覚>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.5

シンゴジラから打って変わって、システムの中の人の描写からより人間の感情に近い印象。メフィラス星人の悪意ない上から目線を描く描写が印象的だった。

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

新海誠監督のベストは秒速だと思う。失敗や喪失による罪悪感に溢れながらもどこかかっこつける主人公を美しい描写と共に描くスタイルがよかった。その後の言の葉の庭もそうだ。君の名は以降、そのスタイルは身を潜め>>続きを読む

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

4.1

中川監督作品。落ち着きと音楽と自然な演技と日常感。その日常が失われる喪失感とそれでも生き続ける人たち。

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