遊さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

みかんの丘(2013年製作の映画)

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反戦映画ってエンタメ的に面白かったら本末転倒だし、かといってひたすら陰鬱でも観客は(残酷にも)飽きてしまうから難しいよなと勝手に思ってるけど、この映画はキャッチーな設定と展開(敵同士の負傷兵ふたりが同>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

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いいよ誠一、続けてくれ。父さんの頭ん中、いまジュラ紀だ

海鮮料理屋の益岡徹パート、たったワンシーン、自分が魚介類ぜんぶNGなのが悔しいと思えるくらい良かった

ソニはご機嫌ななめ(2013年製作の映画)

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昨日のPERFECT DAYSの余韻が抜けなさすぎ状態で観てしまったからか、ほとんど印象に残らず 印象に残らない日々をとくべつに愛する気持ちは非常に高まってるので、むしろちょうど良かった気もするけど >>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.7

ラストの表情、誇張なしにあと1時間くらい観ていたかった
どう考えてもハイライトなあのシーン 突然訪れる、泣きながら笑っちゃうようなおかしな時間 あれを狙ってつくれるのかよ、ヴェンダースというかたは.
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熱いトタン屋根の猫(1958年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

愛をめぐる会話劇において、やはり「嘘」が根っこから関わってくるということが再認識できてよかった ついた嘘に合わせて、現実をアジャストするラストも美しい worthless! worthless!と泣き>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

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芸術ってたぶん、映画でも小説でも絵画でも、いち作品としての規模が大きくなればなるほど「人生とは」「幸福とは」みたいな根源的な問いのダイレクトな追究へと回帰していくもので、ダレる隙のまったくない緻密な2>>続きを読む

ウエディング(1978年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

もうアルトマンじゃない群像劇を観てもヌルく感じてしまうんじゃないかと思えるような悲喜交々のカオス ラスト30分の盛り上がり(盛り下がり?)、祝祭すぎる

知らん言葉で怒鳴り合いが始まって周りがアワアワ
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

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ここ最近のガイ・リッチーは堅実な新作を安定供給してくださっていて本当にありがたい 観客を喜ばすためだけの接待アクション映画にはどうもノレない凡庸な捻くれマインドを持ち合わせているが、ガイリチの接待はな>>続きを読む

わたし達はおとな(2022年製作の映画)

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相手の発したなにげない言葉が、自分のなかの柔らかい部分にトゲとして刺さる。ふいに心に傷がつくと、相手にそんな悪意がなかったことは分かってるのに、自分が傷ついたぶん相手にも嫌な思いをしてほしくなって、自>>続きを読む

ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

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ロアルドダールのポップかつダークな作風が、ウェスアンダーソンの目に愉しいけど無機質な映像にフィットしているような気はした お話は「南から来た男」を彷彿とさせるが、「南から来た男」がめちゃくちゃ面白いの>>続きを読む

カンザス・シティ(1996年製作の映画)

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観ていてストレスのないプレーンな群像劇というだけで作品の質の高さが証明されている、淡々としているのにダレがなく、かえって強い虚無が立ち込めてくる 良い作品を観ると元気が出て人生にやる気が満ちてくるので>>続きを読む

会社物語 MEMORIES OF YOU(1988年製作の映画)

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クレージーキャッツに思い入れがなければそこまで...UNICORNのメンバーが定年を控えたサラリーマンに扮して最後に会社でロックンロールを演奏する映画を今泉力哉が撮ったら無条件にめちゃくちゃ好きになっ>>続きを読む

お引越し(1993年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ここしばらく、映画を観ててもなんとなく心が落ち着かなくて話が追えなかったり、疲れてるのに無理して映画館行ってガン寝したりが多くて映画鑑賞スランプ(なにそれ)に陥っていたが、久しぶりにちゃんと2時間を楽>>続きを読む

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

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明らかに編集がつながっていない箇所がいくつもある。でもこれが統合を失調した人間の見ている世界の話であることは観ててすぐ分かるから、その違和感も映画的演出として受け入れられる、し、我々は常日頃から視界に>>続きを読む

突然の花婿(1952年製作の映画)

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今それやったら絶対炎上するというコンテクスト込みでだが、めちゃくちゃいたずらしてくる憎たらしいガキの背中を主人公が躊躇なく蹴り飛ばすの大爆笑すぎる

ダグラスサークのメロドラマの中ではおとなしいほう?
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台風クラブ 4Kレストア版(1985年製作の映画)

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いくつかの最高のダンスシーンと、いくつかの最高のダンスシーンを最高たらしめるためのシーンによって構成されていた もしかして人生もそうかも?

曳き船(1941年製作の映画)

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わたしの愛とあなたの愛、どっちの方が大きいかなんて比べてもなんのいいこともない

薄っぺらい(と自覚している)人間に限って、自分のイメージをぼやかして煙にまいて影(っぽいもの)をつくって、その奥に深み
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プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命(2012年製作の映画)

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撮影監督志望の友だちにオススメされてブルーレイ貸してもらって観た ショーン・ボビットの撮影、ヤバ!!!!!!!!!!なにあのバイクを追跡するときの映像、なにあの緊張感......ふつうここで感動の言語>>続きを読む

愛の奇跡/ア・チャイルド・イズ・ウェイティング(1963年製作の映画)

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ここ数日観た映画ほぼ全部ちょっと寝てて、いま映画を観る時期じゃないよキミもっと他にやることあるでしょって神様が教えてくれてるのかもしれない

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

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女性が激しく遊んでいたらそれだけで眉をひそめられるこの社会に中指を立てる映画なのははっきりと受け取って劇場を出て、帰りみち渋谷の喧騒のなかには派手な服装やメイクの女性ならどこにでもいるけどこれは時代が>>続きを読む

グリーンフィッシュ 4K レストア(1997年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

フロントガラスに倒れ込んでほっぺ押し当たって吐息の動線がガラスの曇りに全可視化されて絶命するラスト、1000億点

ホンサンスやポンジュノの処女作に比べると脚本の個性はまだ影を潜めてる感じするけど、そ
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イ・チャンドン アイロニーの芸術(2022年製作の映画)

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「コミュニケーションは、異なるものの境界線を破壊することだ」イ・チャンドンの口からこの言葉が聴けただけでもほんとうに観てよかった 確かな救いがあった 破壊は忌避すべきものではなくて、傷つけ合うことも侵>>続きを読む

魂を救え!(1992年製作の映画)

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話に全然ついてけなくて観終わったあと焦りながらレビュー見たら、みんなよくわかんなかったって言っててとりあえず安心するの、定期テストのあとの休み時間?

処刑の丘(1976年製作の映画)

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この映画を観たあとに「君たちはどう生きるか」を観たら双方の鑑賞体験を深化させ合うと思う 早稲田松竹さんか目黒シネマさんこの二本立て企画アイデアを買い取ってください

イスマエルの亡霊たち(2017年製作の映画)

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いろんな要素がちょっとずつ変化球で、観たことない感触の映画だった(この監督はこういう感じなのかもだけど)ミステリアスに、緊張感を持って進んでいくのに終盤急に爆笑シーンがある
マチュー・アマルリックを徐
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私はモスクワを歩く(1964年製作の映画)

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いくつか笑えるシーンはあった気がするけどあんま覚えてない、みんなが大絶賛するほどハマれなくて悔しい

よみがえるブルース/トゥー・レイト・ブルース(1961年製作の映画)

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彼女を強引にバッターボックスに立たせてヒット打たせてダイヤモンドをふたり一緒に駆け抜ける 自分も他人もうまく愛せずうまく幸せになれないふたりの人生に、バカバカしいほどの愛くるしさが押し寄せる瞬間 観終>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

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観てからだいぶ日にちが空いてしまった

「責任感の強さ」は人生を幸せに過ごすことにどれだけ寄与するのか?

仕事、辞めてもいいかな、と呟いたとき「良いんじゃない?」って躊躇なく返してくれる人がいること
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ロンググッドバイ 夏子と、長いお別れ(1978年製作の映画)

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前作の「暗くなるまで待てない!」に比べるとカット数がぐっと少なくなってるけど、映像的な説明としてはこれで必要にして十分という感じがして、さっき観た前作は無駄なカットが多かったゆえに集中できなくて飽きち>>続きを読む

暗くなるまで待てない!(1975年製作の映画)

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映画づくりは技術と熱量を両輪にして進むのではなく、熱量がタイヤの回転、技術はガソリンであって、技術を持たない素人でも熱量さえあれば少しずつ前に進んでいくことはできる、みたいなね

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(2007年製作の映画)

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観たことあるかなと思って観始めたらほぼ初見だった
ヴォルデモートが復活して、学校行事どころじゃなくなってここからが本番という感じ

ハリーやハーマイオニーを中心に学生たちが「ダンブルドア軍団」なる自治
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私の殺した男(1932年製作の映画)

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やさしくてかなしい嘘、自分がその嘘を墓場まで持っていくことで守られるかすかな幸せ 教会で罪を告白するシーンから始まるのもかなり皮肉で、77分のミニマルな語りの中に戦争批判のみならず宗教の欺瞞も描き出さ>>続きを読む

紅いコーリャン(1987年製作の映画)

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悪ふざけで尿を注いだ甕から名酒が完成してしまうの、「物語」という感じがして良い とか思いながらwiki見てたら、原作者の莫言は中国文学におけるマジックリアリズムの大家(ノーベル文学賞も獲ってる)らしく>>続きを読む

ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版(1973年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ここで終わりか?と思ったら全然続くのが100回くらいあって体感時間48時間だったが、そのぶん最後には遠くまで連れてきてもらった感覚がある 愛についての思索の旅を、ひとりじゃたどり着けないところまで>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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ウェスの精巧で絵本的な世界はいつものままに、どこか諦観と死の匂いが全編に横たわっている感じがする...と、終盤になってから思い始めた 妻を亡くした主人公がどこか冷めた無神論者であることや、途方もなく捉>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

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2023年現在、この映画を観て溜飲を下げる女性が大量に存在することがとてもかなしい 「わたし」は女性/男性である前に「わたし」である、というシンプルで清潔な声明が掲げられる前に「女性たちが力を合わせて>>続きを読む