小さなきっかけから思い起こされる少年期の記憶が、いつのまにか現在へと流入してリアリティが緩んでいく。長い長い回想シーンは現在の出来事の原因だったり、主人公を取り巻く環境と符号していたりするようなんだけ>>続きを読む
途中までは静かなドキュメンタリーを見ているだけというような感じだったんだけど、マンホールの蓋がまっぷたつになって落ちてるのをみて急に全部が身近に感じられるようになる。普段暮らしていて破壊どころか移動す>>続きを読む
さすがにちょっとすごすぎる。なんかちょっとこう見るもの/見られるものみたいな、メタ的な話にも食い込んできている気はするんだけど、すごすぎてよくわかんない。
シンメトリーのビシッとした構図に冒頭から背筋を正される。それ以降は延々そのシンメトリーが崩れる不安定さ、登場人物たちの不安が浮き彫りになる長い語りに揺さぶられ続けるが、それでいてひどく暗い印象を受ける>>続きを読む
はじめて見た時は気づかなかったんだけど1部の電車のシーン、1部終盤の長回し、最後の電車のシーンは音声後撮りっぽい。演劇が直接は絡まない素の会話はでもどこか芝居くさい言い回しで声の演技ものぺっとしていて>>続きを読む
冒頭から人の顔ばっかり嫌になるほど見せられる。見ているうちにそれぞれ、とくに吉彦の顔なんかはいかにも濱口映画らしい不気味さをともなってくる。ただその後の作品のように普遍的な他者というものの不気味さを映>>続きを読む
殺し屋が世間体に悩む導入からして洒落っ気がある。構図もいちいち面白いし、俳優はみんなビジュアルがよくて、コロコロ変わる音楽も楽しくてと、表層の楽しさに心を奪われている間に終わってしまった。でも案外そう>>続きを読む
映画を自然に見せる技術みたいなものが意識できないところに訴えかけてきていたのか、何か不思議な力にずっと引っ張られて観た。二転三転するフェリシーの言うことに同意できはしないけど、どうしてか彼女の気分には>>続きを読む
生活の中のわずかな不調和の積み重ねが破綻につながってしまうお話で、それはなんとなく見ているだけでもわかるので緊張感は常にあるんだけど、それはそれとしてきまじめに電気をつけ消しし、料理に失敗して慌てるジ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ふたりが出会う橋の上のシーンで犬王が「名前はもう決めてある」と言ったところでウルっときて、引き込まれたままぐわーっと見た。板みたいに配置された人物のあいだをゆらゆら動きながら奥へ奥へと進んでいく、絵巻>>続きを読む
監督のトークショーとあわせて鑑賞。裏長屋は今も実在するけれど、少しずつ変化しているし映画の中のとおりの姿ではなく、住人も勿論入れ替わり続けているという。映画自体おもしろいけど、そうしたお話の背後にある>>続きを読む
たしかにこの話のなかで責任を問うとしたらそれはオーストラリアにおける銃規制のゆるさしかありえない。この点はニトラムの攻撃性や異常さを減ずることなく、そのどうしようもない抑えられなさを表情や身振りから十>>続きを読む
あらためて考えると色々腑に落ちないけど、劇場ではボロボロ泣いた。監督がインタビューで話していた通り、ぴったり自分の人生の反映として見ることができてしまう。主演二人の存在感がひたすら素晴らしくて、ふとし>>続きを読む
ひさびさに見たけどこんなにかっこよかったっけ。その後のゴダールと比べると偶然性の介入する余地が少ない窮屈な映画ではあってもその分セリフ回しや印象的な動作などの予め決められた要素の取り回しが鮮やかで痺れ>>続きを読む