灰色の空の下で白い海の側をゆく列車。無邪気に話しかけてくれる。泣き出しても何も言わずに片付けてくれる。すらりと細い黒の上着。心配しながらも出来ることが少なそうな表情。にわかに降る雪。名前の漢字。この腕>>続きを読む
初手逆光の後しつこいほど演劇の稽古。動かずに本読み。十九世紀ロシア作家。アジア人たちに手話も含めた多くの言語。切り替えてまで眼差しを追う。二つ以上の楽器で目立つジャズドラム。オーガズムと対面座位。間に>>続きを読む
酷く曖昧で風向きのように変わるもの。死ぬか生きるか。微動だにしない半開きの眼。白いカーテン。窓から入る太陽光を背にする。日中でも薄暗い室内。ふたりの間に口を挟むなと言っているのを傍聴する。性生活の不満>>続きを読む
投げ売りされた電子ゲームの仕入れ話。先生の墓参りに行ったお寺の二日酔いで吐いてる坊主に代わって口からでまかせで法事を乗り切る。一度結婚して出戻ったお嬢さん。学費でカメラ買う弟と酒屋の娘。遺産で言い合う>>続きを読む
ローンはあるけれどマイホームを買った。アイロンかけて祝い金。亡きテキ屋仲間の娘さんの父親代わり。母親も幼い時に家を出た故の稀に出るきつい物言い。定時制高校入学試験とスーパーのパートタイム。校長殴って中>>続きを読む
タイガー対マイコー。英会話の先生のお母さん。何してもアリガトウと言ってくれる足の長い青い眼の怪獣みたいなビタミン剤のセールスマン。故郷の母の手紙にはカミカゼとハラキリの国は危ないから帰ってこい。晩ご飯>>続きを読む
甥っ子の作文。恋愛結婚。泊めてもらえないああそうか警察はどこかな昨日見た暴行未遂を。田園調布のお嬢様。何かあったら東京葛飾柴又に。一生の問題だから。仲人を頼まれる。豪華な形式よりちり紙交換が聞こえるほ>>続きを読む
大量の薬を飲んでいない時は穏やかな父。Facebookで連絡してきた新興宗教の匂いがするほど胡散臭い喋りの従兄弟。フィリピンと違って日本のやくざは喧嘩で銃が出てこないから怖くない。ごく自然に様付けで呼>>続きを読む
放課後に川のそばで座って暇をつぶす関西弁の男子高校生ふたり。話の例えが小難しい誰が居ても歩くのが早い根暗インテリ。サッカー部を辞めた猫好き虫嫌いの明るい乙女チックな最早ヒロイン。構成は1〜6話+0話+>>続きを読む
とびだせクリスタルレイク。異性にしか興味がない若者たち。納屋の道具。ぶら下げることがお気に入り。ボウガンに投げナイフ。ホッケーマスクを拾う。死体を窓にぶん投げる。背後がお留守。首にかけられた縄も根性で>>続きを読む
本庁と所轄。上からの命令で地べた這いずる下っ端サラリーマン。ぐるぐる回って酔うカメラ。道路封鎖するのに通す所の多さ。リーダーが優秀なら組織も悪くない。仲間が撃たれてからはいつもと比べて非日常感が増す。
取立て屋は生活のため。もうすぐ三十歳。人に説教できる柄じゃない。大舞台が決まった途端に周りが援助に応援。広告も勝手にやれ。実況席も関係ない。もし最後まで立っていられたら自分はごろつきじゃないと証明でき>>続きを読む
跳ばして渡す会話。顔の圧に冷たい声。望遠鏡の先と手前。走ったら斜め前後から追いかける。帆船に乗ったら横や上から回り込む。殴って投げて引き倒して叩き割る。震えながら咥えたばこに火を点ける。滑り台から鏡の>>続きを読む
若者四人のおふざけが発端。反射して背後に映り込む。ブラウン管テレビとポラロイドカメラ。顎が外れるほど口を開けた死に顔。段々と描画が増える。海と喋ってたのを聞いたら人間の言葉じゃなかった。念じるだけで人>>続きを読む
舌が多少回らずとも目玉ひん剥いて汗噴き出しながら激しく言って聞かせる。机に叩きつけないと刀が手から離れない。土足で踏み入って部屋を荒らし火を放つ。放送されたら全て終わる。夜通し闘った青年たちの無念。>>続きを読む
薄暗い廊下を軍装で静かに歩く。戦艦武蔵の対空機銃の様子。指揮をする側。何故陛下は宮城に篭っておられる。それは言うな。この戦争が無理なことは最初から分かっていた。合理的な判断をする上で個人の感情は必要な>>続きを読む
ちょうどよく保たれた距離感。姿は写らず相槌も控えめに生返事。素敵な声と喋り方。あくまで事実。結婚したら終わりでしょ。終わらないっ。人に遣われるのがいや。編集の仕方がすごく好き。心動くって言われたら書き>>続きを読む
銀座のマドリッドで蝶ネクタイした支配人。エル・フラメンコに蛍光照明。トランプカードしながら暗闇に映える横顔。もう暴力団ではなく企業だ。瓶で殴って噴き出る血。ガラスを割って突っ込む。マネキンとパチンコ玉>>続きを読む
アルコールの原液を薄めて飲んじまう髭おやじの医者。肺に穴が空いてる吸血鬼みたいに美男子のやくざ。最初に麻酔無しで手のひらから弾丸を摘出して以来へべれけにならないと素直じゃない者同士。タンゴじゃねえブル>>続きを読む
虫も殺せそうにないおかっぱ頭。モノトーンのドレス。口調が何度も変わる貴婦人。山奥のホテル。蝋燭の揺らぎだけで長い廊下を進む。どこかで鳴る鐘の音。壁から覗く顔。鉄格子が降ってくる。上下から挟まれる。覆い>>続きを読む
モデルと出版社。不穏で物哀しいエレクトロニック。死に損なったとおどけて笑う。カラフルで暗い蛍光色。待ったのはたった三時間だけ。
もう騒ぎを起こす時代じゃないなら自分たちで勝手に銭稼ぐ。釘バットに水道管に蛇。仕事しただけだと高笑い。声は出すけれど言葉は喋らない女。部屋にネオンの点滅と電車の音。土砂降りの泥だらけで決着。荒廃した劇>>続きを読む
立場と私情。夜の雨と傘。明けゆく海へ流した灯籠。怯えるほど見つめて静かに語りかける。
命捨てるだけが男じゃないというのを聞かずに死に急ぐ。悪い夢でも見ているようだが泣きごと言っちゃいけねえ。立会人は降る雪しか居ないが少し歩こうか。これでよかったんですかねえ。既に汽笛は鳴っている。達者で>>続きを読む
昔みたいな異国人だらけの街で再びのしあがる。珍しく突っ走るけれど寝転がってタバコ吸ってグラス持ってドアの隙間から覗く早撃ち。ここまで何しに来たんだ我慢しろ。俺の意地はてめえなんかに分からねえ。飛行機に>>続きを読む
銀行強盗二人組。職業バーテン。ヌードモデルの女。へこもうがもげようが体当たりでぶつけて轢き倒して煙吹いて土まみれ炎上流血しても強引に退かして叫びながら走り続ける。別に理由なんてあらへん世の中おもろない>>続きを読む
貞淑な妻。夫の浮気に慣れて呆れた。奔放な妹と姉。パステルな壁面。投げてガラスを割る。真白い床。目に良くないクラブの点滅。氷入りのビールで肌を濡らして。平手打ちしながらも気にかける。バスを長距離走って追>>続きを読む
やさぐれ警官は拳銃盗まれ退職し水商売のヒモに。いつも一緒に居る競輪好きのふたり。不倫おやじとガリ勉高校生。鹿児島から札幌へどうして皆ここに。夜の公園の出来事。脅迫と殺害を簡単に実現する道具。
結婚は>>続きを読む
借金の返済に現金輸送車強奪。落ち合った小屋は裏切り大爆破。ライブハウスの若造と笑いながら散弾銃ぶっ放す小娘。街中で爆竹。短機関銃も二丁拳銃も乱れ射ち。艶やかな夜と工場跡の蛍光灯。情熱ディスコと重音ロッ>>続きを読む
お化け屋敷に住む。街灯のほとんどない夜。物書きのお父さん。大人の足でも三時間かかる病院。風土と山林。絵本に出てきたやつ。夢だけど夢じゃない。泣いてるのにどうしていいか分からない。みんなには見えてないも>>続きを読む
豪勢な機械と小難しい科学用語に対して英語で喋れ。要は手動のエンジンで頭を強く殴るのみ。戦闘中も涼しい顔して冗談言いながら飛び回る。炎と破片が細かくない。マンハッタンのど真ん中に躊躇なく核ミサイル。イン>>続きを読む
照明の届かない黒い影。たばこの白い煙。優しく抱き寄せる。化粧台の鏡に映る扉。首吊り人形。何往復もの平手打ち。売り場の前を並行に歩いていく。正面に回り込む。ひとりで英語の歌。確実に刈り取る弾丸。遠くで鳴>>続きを読む
距離を保って見つめる。街をふらつく。少年院の縦社会と日常。腹減った助けてくれと海に叫ぶ。この野郎多め。つまんねえこと思い出してしんみり。運動会は無礼講。
さっき宝石強盗したら張り込みが居て何人か生死不明に。血まみれでも病院に行けないからずっと倉庫で全く関係ないジョーク。ラジオは70年代。トランクを開ける。踊りながら剃刀とガソリンで拷問。フロントガラスに>>続きを読む
同じ賞味期限。ブロンドのウィッグとサングラス。でこ出しベリーショート。中国語の方言に英語と日本語。売店で買ったり麻薬の梱包したり。激しくキス。行き交う人の残り香。街の夜景。ジュークボックスから流れる音>>続きを読む
出所した男が金髪むっちり少女を拉致。要求するけれど触られるのは嫌。伸ばしてた足を抱え込んで横になる。電話越しに感情をぶつける。拳銃を使った巻き添え自殺の想像も中途半端に止めて音楽で誤魔化す。
立ち小>>続きを読む
