星ワタルさんの映画レビュー・感想・評価

星ワタル

星ワタル

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横道世之介(2013年製作の映画)

5.0


見てるときより、見終わった後にじわじわっとくる作品。
見てから数時間経った今、どんどん心の中で大きく、深まっていく感じがとても心地良い。

沖田監督作品特有の穏やかな時間の中で、どこにでもいるような
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.7

先行上映で鑑賞。

いい意味で是枝監督らしい作風だけど、今まで以上に登場人物の心情や背負ったものを観客に想像させ、問いかけるような作品。見ていて「何故こんなことに…」と思うほどに、その状況を作り出した
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.8

前半はのどかな風景と控えめで繊細なやりとりが続く。「ふーん、こんなもんか…」と思ってたら、終盤でガツーンとやられた。

終盤の父の話とエリオとオリヴァーの会話に心を掴まれる。

ゲイが主人公にした映画
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.8

想像以上に素晴らしくて、後半泣いてしまったw「スピルバーグと同じ時代に生きていてよかった…」と心の底から思えた。

ゲームの創世記から最新のVRまで見てきたスピルバーグだから描ける世界だったし、70歳
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.8

「トイストーリー3」で"もの(おもちゃ)との別れ"を描いたリー・アンクリッチ監督が、今回は"人との別れ"を描く。
根底に息づくテーマは同じ"忘れない限り、思い出は死なない"

メキシコの家族を大切にす
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娼年(2018年製作の映画)

4.5

「2人ですれば素晴らしいことを、あなたは1人でやってる。」

本当に驚いた。メジャーな俳優を起用し、ここまで妥協せず真正面からセックスを描いた作品が作られたのは画期的だと思う。

出演者は皆とことん攻
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.5

久しぶりの王道ミュージカル映画。
"ここに歌が欲しい"と思う場面すべてに歌がある。しかも名曲揃い。
どの程度史実に基づいているのかは分からないが、P.T.バーナムの波乱万丈の半生を描く。

時代設定は
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

3.9

見ている間は、「登場人物たちにいまいち共感できないなぁ…」と思っていた。

でも、見終わって帰りの電車のなかで思い返していると、彼らが自分の中に息づいているのを感じて驚いた。

まさに、"存在を感じる
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ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

3.8

1時間余りの長さで、全体的に過剰な演出もないシンプルな作り。

それなのに、じわじわと胸に迫るものがある。

クレイアニメのキャラクターたちの細かい表情に説得力があって、セリフでは必要最小限に抑えられ
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今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)

4.0

前半の突飛な設定や展開に乗れれば、とても楽しめ、予想外に泣けた!

美しい風景のなかで美男美女が微笑んでいる。それだけで胸がときめくんだなぁとしみじみと思った。

綾瀬はるかは期待通り、坂口健太郎は
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.5

押し黙りながら怒りも悲しみも狂気も醸し出すフランシス・マクドーマンドの圧倒的な存在感はもちろん、ウディ・ハレルソンやサム・ロックウェルも見事。
ほとんど語らない主人公の息子、元夫、署長の妻、ディクソン
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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年製作の映画)

4.7

個人的には「モテキ」以上に好き!

妻夫木聡がどこにでもいるようなフツーの男子を好演。イケメンなのにモテない男子を違和感なく存在させるのは、演技力の高さなんだろうな。

水原希子が最近の騒動を吹き飛ば
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LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

4.5

今までのシリーズとは一線を画すリアリティとバイオレンス描写は、「痛み」を生々しく観客に伝える。

今までの不死身のウルヴァリンからは想像もできないほど老いさらばえた、ローガン。
仲間はいない、誰からも
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.4

思えば、真正面から沖縄戦を舞台にしたハリウッド映画って、なかなか見たことがないし、当時のアメリカ軍がどんな様子だったか、アメリカ側からしっかり見たことがなかった気がして、とても新鮮だった。

ハリウッ
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昼顔(2017年製作の映画)

3.6

とにかく脚本が巧くて、浮気した人された人、様々な立場の人の心情を提示することで「不倫」という難しい題材を絶妙なバランスで描き切っている。

ロケがたくさんあったのも現実感があって良かった。自然が綺麗。
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22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

3.0


全体を通してテンポよく、映像もスタイリッシュで飽きさせず面白かったけど、途中からなんとなく読めてきちゃったのと、ラストの犯人の動機が微妙であまり共感できず。

伊藤英明は良かった。

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

3.7


娘のイネスの「真面目なあまり一所懸命頑張りすぎて、ギリギリいっぱいいっぱい」な様子が見ている方にも伝わってくる。
何度もシーン終わりに彼女の表情を長回しで見せるけど、それに耐えうる存在感で、演じる女
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

3.7

なんだか、見たあとに心が解放されたような気持ちになった。

ストーリーはよくある…というか、それほど奇抜ではないんだけど、とにかく映像表現が素晴らしい。

湯浅監督作にはそんなに馴染みがあるわけではな
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

4.0

前作が楽しかったから、今回も楽しみだな〜と思って見たら…まさかラストで泣かされるとは!!

"アクションシーンの派手さを重視した結果主人公以外の描き方が不十分"ってハリウッド大作が多いなか、今作はちゃ
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.3

まさに、詩集の映画化。
感覚を鋭敏にして、映像と音楽に身を委ねる感じ。見終わった後、ちゃんと伝わるものがある。

このタイトルを踏まえての"東京には黒がない"とか
"愛はたくさんの人を殺してきたから、
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スプリット(2017年製作の映画)

4.0

"シャマラン信者"なので公平な評価はできないが、今回も安定のシャマラン作品。

「ヴィジット」よりスリルは少なめだけど、後半の相変わらずのシャマラン節とラストシーンで大満足。

全力でこの企画に乗って
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

見ながらずっと思っていた、「彼が救われてほしい」と。

だけど、この作品は安易なハッピーエンドを観客に与えてはくれない。

主人公リーはちょっとお調子者だけど、兄弟を愛し、家庭を愛している普通の男だっ
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空(カラ)の味(2016年製作の映画)

4.5

監督の実体験を基に、女子高生の聡子が摂食障害を通して自分を見つめ直す過程を丁寧に描いている作品。

前半は観客が主人公の体験を追体験するような作りで、誰でも感じる日常のほんのちょっとのことで本人でもコ
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偽りなき者(2012年製作の映画)

4.2


まさに、受難。
だんだん主人公がキリストに見えてきた(たぶん、狙ってやってると思う)

人がいかに感情や決めつけ、思い込みによって生きているかを思い知らされる。

でもまぁ「子どもは嘘つかない」なん
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キャビン(2011年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます


これこそ真の「トンデモ映画」と言える作品でした(褒めてますw)

ハラハラするけどバカ笑いして、グロいんだけどビジュアルに頼ってなくて。

よくある「B級映画」に真っ向から勝負かけてる感じでした。B
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.5

ちょっと前だけど、公開すぐに「ムーンライト」見てきた。


徹底的に無駄をそぎ落としたつくりの作品。主人公のシャロンはびっくりするほどセリフを言わない、受けの演技に徹する。
セリフが少ないぶん、静か
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

4.0


観ながら、「あぁ、前作は今作のために作られたんだ」と思った。
そのくらい良かった。

ストーリー以上の「20年の重み」がずしっとくる。
20代と40代では、1万6千ポンドの重みが全く違うんだよね…。
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.0

ケン・ローチの作品はいつも、社会派なのに声高に主張せず観客に考えさせる。一所懸命生きてる名もなき人に目を向けさせ、社会の片隅にこういう人がいるよ、と教えてくれる。

でも今回はいつになく、はっきり、大
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SING/シング(2016年製作の映画)

3.0

吹き替え版で鑑賞。

適材適所の配役。
テンポよく、各キャラも魅力的。

歌は、詰め込むのはいいけどもっと一曲一曲ちゃんと聞きたかった。

劇場という空間を愛する人には響くストーリー

とにかく、MI
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

4.1


スタッフと役者が心を込めて作ったのが伝わって来る、ていねいに作られた作品だった。

いつもは華奢に見える生田斗真の肩幅の広さや背の高さに驚き、それがまたリンコさんの葛藤を生むのに効果的。

マキオの
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愛、アムール(2012年製作の映画)

4.6

とてつもなく繊細な「愛」の物語。

親子や他人に比べて、恋人や夫婦は対等な関係だ。だからこそ、その相手に看取られることは一番幸せなことかもしれない。だけど看取る方は、それまで人生を対等に歩んだからこそ
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モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

3.3


見終わった後では、これを"プリンセスもの"に入れていいのか悩む。
それくらい、冒険活劇。

主人公のモアナは意志が強いだけでなく、身体能力の高さも半端じゃない。

ドラマの掘り下げより、ひたすらアド
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マリアンヌ(2016年製作の映画)

3.2


綺麗な映画だった。

殺しのシーンなどでリアルを追求しがちな最近の映画のなかで、必要以上に血も見せず、映像の刺激に頼らない。
でも、役者や衣装や風景の美しさは印象に残る。

いい素材を使って丁寧に作
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素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)

3.5


"見逃さないで 幸せのオマケを"

豪華な俳優陣の共演で見せる、これ自体が"幸せのオマケ"のような作品。

主人公だけじゃなく、周りの人たちが抱えているものも丁寧に描いているところに好感が持てる。
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