しんたろーさんの映画レビュー・感想・評価

しんたろー

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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

不器用で真っ直ぐでそれが故に何とも世の中からははみ出してしまうそんな一人の男がもがきながらも少しずつ前を向いていく。そんなひたむきさに周りも感化され手を差し伸べていくそのささやかな温かさに触れながら、>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.7

スパイダーマン:ノーウェイホームで魅せてくれたマルチバースという何でもありの世界線を更に拡げていく作品としての立ち位置、なのだが、正直、思っていたほど期待した拡がり方ではなかったのかな、というのが感想>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.1

オリジナルはもはや記憶の彼方すぎて詳細は覚えていないが、おそらく庵野秀明の狂気的且つ盲目的な愛情に満ち溢れているであろう演出とあまりにも碇シンジな本郷猛とあまりにも綾波レイな緑川ルリ子、渚カヲルになり>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.2

今泉監督の世界観の中に有村架純、というその事実だけであまりにも俺得であり眼福なので、もはやそれだけでこの映画を鑑賞する価値はあるのだが、当然それだけではなく、ちひろさんを通して、小さな町で起こる(はた>>続きを読む

シックス・センス(1999年製作の映画)

4.1

観終わった後に思い返してみると、割と明確に違和感として散りばめていた伏線をラストでごっそりと回収していくその様は余りにも見事だし、ホラーと思わせて実はそれまでの超常現象は一つの演出であり、これは人間ド>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.5

余韻に浸りたくなる何気ない会話や機微で綴るたった5年間のなんの変哲もない物語。
大きく揺れることもなく、小刻みにそれでいて確実に積み重なっていたものが崩れ落ちるきっかけすら与えずに風化していくその様は
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

4.2

警察と任侠、内も外も騙し騙されの応酬とノンストップで駆け巡っていくスピード感のあるストーリー展開、静かに、秘めたる闘志を滾らせながら、重厚に、且つしなやかに。
何の気なしに観たけど、予想を遥かに超える
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.3

伊坂幸太郎の原作を日本人じゃない解釈で映像化すると、こんなにもカオティックでエキサイティングで実写化のはずなのに漫画的でアニメ的な作品に仕上がるのかという驚きと共に、ニヤつきながらも最後まで高速列車の>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.6

共依存。お互いの弱いところや見たくないところ、隠したいところなんかを見て見ぬふりするためにはお互いに依存することがラクで小狡いけど心地良くて。
そんな温いけど、そのまま続くと思っていた日常がブツっと切
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母性(2022年製作の映画)

3.6

愛情が歪んで捻れて絡まって、起点と終点がわからないまま過程が拗れて解らなくなったまま、何故か帰結してしまっているその感情を母性と一言で片付けるのは難しい。それぞれの母としての想いや気持ち、理解し難い行>>続きを読む

キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

4.0

原作漫画が史実を基に絶妙に且つ大胆に脚色を施しエンターテインメントとして成り立ちすぎているものを更に実写化という形で脚色し2時間程度のパッケージの中で前後関係を知らぬ者や原作未読の視聴者にまで伝わる内>>続きを読む

この子は邪悪(2022年製作の映画)

3.4

狂気に満ちた不穏な何かおかしいサイコホラーに象徴的にウサギを演出として使うとか異常な目の動きとか色々な面でジョーダンピールのUSをなぞらえてるように感じてしまい、二番煎じはたまた煎じすぎて味の無い感は>>続きを読む

東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)

3.8

ある意味日本のカルチャーの一部と言っても過言ではないヤンキー漫画実写化作品としての数多の先代達の持つ良いところはしっかりと踏襲しつつ、そこにタイムリープとサスペンス要素を加えることによって今までとは違>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.2

映画という土俵上でサブカルチャーの礎を築いた最重要人物の1人であるスピルバーグという人が映画、ゲーム、音楽、アニメという数多のこの世の中にある(もはやサブであるとは言い難いほどに市民権を得ている)サブ>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.5

ヴィンスギリガンかよ、なオープニングムービーから伏線は始まっていてそこからはあっという間に観れてしまう程にコンパクトに、なのに大胆にタイムループというSF要素と広告代理店のお仕事ムービーをコメディータ>>続きを読む

夏への扉 ―キミのいる未来へ―(2021年製作の映画)

3.6

1956年刊行の海外SF小説が原作とのことで、勿論未読なのだが、かなり古典的な原作小説が当時描いてた時代背景から変えているのか変えていないのか、何処までが現代的に且つ日本的に脚色を加えた部分なのかは不>>続きを読む

余命10年(2022年製作の映画)

4.5

最早何回も何回も使い古されてきた、不治の病とそこに関わる人々を描くという、そのフォーマットの中で気を衒うことなく、ただ真っ直ぐに、ハッとするほど美しい映像(と小松菜奈)を以てして、しっかりと着地させた>>続きを読む

ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)

4.5

トリロジーの中間にあたるダークナイトがあまりにも作品として素晴らし過ぎるが故にその続編というプレッシャーを背負いながらも、いやはや流石のノーランワークで余りにもしっかりとそこに終止符を打ったこれまた素>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.0

日本の特撮の中でも圧倒的な知名度と世界観を誇るウルトラマンを現代的に(というよりは庵野秀明的に)再解釈再構築をした作品という位置付けであるのは周知の事実であり、庵野秀明という人がもつ変態性と天才的発想>>続きを読む

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

3.4

どうしても数少なく(ただ異常に色濃く)ワンシチュエーションの中で蠢くキャスト達の背景に何があり、どうしてこうなってしまったのかを求めてしまう多くの視聴者にとっては余りにも消化不良な時間が過ぎていく結果>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

3.6

男前過ぎる若かりしトムクルーズと今見ても割と他に類を見ない程のカメラワークで魅せる戦闘シーン、随所で擦られ過ぎてるが故にバラエティ番組の印象が強いキャッチーで最高にクールな音楽、男が憧れるファッション>>続きを読む

ノイズ(2022年製作の映画)

3.7

ふとしたきっかけで島に流れ着いた小さなノイズをきっかけに、そのほんの小さなノイズを取り払おうとしたが故の、ノイズの伝播が巻き起こす島にとって重大で壮大で取り返しのつかないシステムエラー。
本当に流れ着
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コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

4.4

騙し騙され騙され騙しの応酬、もはやこのシリーズを追い続けてる身としては、最終的にどこが勝つのかは分かりきっていても、どうやって勝つかが大事であり、こんなにも気持ちの良い出来レースは他に類を見ない、とい>>続きを読む

キネマの神様(2021年製作の映画)

2.0

こんなに原作とストーリーを変えてしまっていいのか?と見ている側が不安になる程、原田マハ原作の小説とは似ても似つかない脚本、今までを見たことないから仕方ないのかもしれないけど、令和にもなってまだこんな演>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.9

和製ハンニバルレクター博士が如き、阿部サダヲ演じる榛村の”目”の演技が終始見る者を恐怖に誘うサイコサスペンス。
まだ幼く拙い少年少女の心の片隅に寄り添い、内面から食い殺し、手綱を引いていくその様と、拷
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楽園(2019年製作の映画)

3.6

結局何が真実なのか、結局何が悪なのか、結局の所、みんな何かに怯えていて、もがき苦しむことに疲れてそこから逃げ出すために、本当のところなんてどうでも良くて、何かしらを悪に仕立て上げることによって少しだけ>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

4.2

晴れ女だとか雨男だとか、どんだけ自分の影響力過信してんだよって、でもそんな迷信をこんなに色々発達してる今でも楽しそうに話してる人がこれだけいるんだから、それが嘘か真かそんなのどうでも良くて。
そんなど
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ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~(2020年製作の映画)

3.7

あまりにも有名で感動的な金メダル獲得の瞬間を裏から支えたテストジャンパーという知られざる役目を全うする熱い戦士たちの実話ということで、映像としてのクオリティはなんとも言えないけれど、実話が持つ力強さが>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.0

世代的にYoutuberというジャンルを理解する思考が根付いていないので、どう頑張ってみても彼らを受け入れられないまま、ウエストランドと同じようにやっぱりウザいとしか思えないような自分にとって、ここに>>続きを読む

エスター(2009年製作の映画)

3.7

何かがおかしい不穏な空気は序盤から充満していて、これは所謂悪魔的な海外的なアレなのかと思いながら見始めていくが、何か違う、起こる事件はどれも泥臭く、どう見てもこのエスターという養子にとった少女が起こし>>続きを読む

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

4.5

夢見ることを諦めて、家族とともに片田舎で過ごすことに決めた青年が、ある女性との出逢いによって、少しずつ一歩ずつ踏み出していく再生の物語。
障害を持つアーニーも過食症で家から出ない母親も恥ずかしいレッテ
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きみの瞳(め)が問いかけている(2020年製作の映画)

4.0

少し唐突な出逢い方から、明香里が視力を失う原因となった事故と塁との関係性、再会のシーン等諸々そんなうまくいくかな?となる点はあれど、2時間という映画のパッケージの中で2人の中に芽生えた替え難い愛情を切>>続きを読む

マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.6

前作に引けを取らぬ豪華客演陣を招き入れ(こういう作品にはこういうキャストと言わんばかりの俳優陣のため、どれが前作から続投でどれが今作からなのかわからなくなるほどに、こういう立ち位置でこの人いつもキャス>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.5

地球を滅亡させる彗星衝突までの半年間という軸にこれでもかというくらいに現代社会(主にアメリカ)の問題やトレンドをアイロニーでコーティングして全弾投げつけてくるその情報量の多さとスピード感、あくまでコメ>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.7

ろう者の家族の中で1人だけの聴者という中々に稀有な設定の中で産まれる温かくて少しだけ切ない愛の物語。
障害を持つ自分達にどうしたって世間からの引け目を感じ、穿って抗って、でも生きていくためには聴者の娘
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.3

スポ根だとか旧態依然だとか言われるかもしれないけれど、いつだって、何かを創り出すことに真剣に取り組むその姿に人は心打たれるものだし、少なからず自己投影出来る箇所を見つけて、目頭を熱くするものだ。
(あ
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