bunrokuさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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探偵マーロウ(2022年製作の映画)

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よくできたお話で堪能したんだけど、あまりにもゴチャゴチャと混み入った展開で、ゆったり感やしっとり感には欠けていたかな。もう少しノスタルジックな雰囲気があったら嬉しかったんだけど、それはないものねだりで>>続きを読む

独裁者たちのとき(2022年製作の映画)

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アーカイブ映像を渉猟してパッチワークしていく執念と根気にただただ脱帽。煉獄の情景もおどろおどろしく、そんな全体を包み込む夢幻の霧がしだいに観客の頭をとろけさせていくという趣向。唯一無二。何十年か先、現>>続きを読む

渇水(2023年製作の映画)

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水のないプール、止水栓、管理されお金に換算される水、滝をくだり川を流れる自然のなかの水、海への憧れ、渇水そして雨。そんな水にまつわるあれこれと児童虐待や貧困のテーマが盛り沢山に絡み合う。いささかアナー>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

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実話をもとにした映画だとは聞いていたんだけど、場所や時代の説明がないままお話が進むもんだから、そして緊迫した状況なのにいささかテンポがゆったりしているもんだから、なんだか抽象的なお伽話みたいだなあ、舞>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

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視点を変えて行きつ戻りつ、真実は何処にありやのミステリアスな展開で、退屈する暇もない。それにしてもなんと緻密な構成であることか。シナリオ作りの苦労がしのばれる。なわけで、まったく内容を知らないままで鑑>>続きを読む

65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

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シンプルで直線的な展開。それはそれでいいんだけど、ここぞというときにちょっとカットが足りなくて、あれっ?て思うところが随所に。たぶんそんなに潤沢ではない製作状況だったんではないかな、と感じさせられる映>>続きを読む

波紋(2023年製作の映画)

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いろんなテーマがてんこ盛りだけど、深追いすることなく適度な省略もあるので、お腹にはもたれない。ラッキョとか点滴一粒一粒の値段とか、妙に細やかなエピソードや台詞も楽しい。この監督の映画、これまで癒やし系>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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不思議なアングルのカットや締まりのない展開で、大丈夫かいなと途中で不安になったんだけど、そんな心許ない映像の積み重なりが次第に効いてきて、余韻はずしりと重い。歳月の重み、おぼろに振り返ることしかできな>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

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これでもかこれでもかの出血大サービスなんだけど、あまりのハイテンションに感覚が麻痺しちゃったのか、アクションの反復に飽きちゃったのか、途中で幾度か睡魔に襲われる体たらく。情けない。ファミリー連呼の映画>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

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視点を変えて出来事を語り直す時制のトリックは面白かったし、年末年始の慌ただしい世相の中に三つどもえ四つどもえのぶつかり合いをぶち込んでいくシナリオの工夫も面白かったけど、骨格ありきで肉付けが物足りない>>続きを読む

デスパレート・ラン(2021年製作の映画)

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好きなナオミ・ワッツ主演で尺が84分とくりゃ、こりゃ観るしかない。でもあんまり期待したらあかんやっちゃな、と自戒しつつ映画館へ。ほとんどがスマホを手にしたナオミ・ワッツの一人芝居で、舞台もほとんどが森>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

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圧倒的。ただ細かいところが私には未消化だし、台詞まわしにも晦渋なところが多々あったので、悔しいのでもう一回観に行くつもり。ただ長いんでなかなか。かなり深みのある映画なんで、これを前知識なくさらりと観て>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

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刺激的な映像と刺激的な音響に圧倒される。odessaのシアターだったからなおのこと。老いてますます盛んなスコリモフスキーに平伏。でもなんかムキになってるみたいだったな。ロバは見てるだけで胸が締めつけら>>続きを読む

アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

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病院附属の精神科デイケアセンター。集う人々がどことなくユニークで魅力的。なにより水上の建物(船?)が素晴らしい。日仏の医療制度の違いは知らないけれど、このデイケアを運営していくための経済基盤はどうなっ>>続きを読む

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

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もうひと押しがいつ来るかいつ来るかともどかしく感じているうちにあっさり終わっちゃってありゃりゃ。お母さん息子そしてそこに転がりこむ風来坊の女の子、その3人が物語を展開していく鍵なんだろうけど、焦点がそ>>続きを読む

郊外の鳥たち(2018年製作の映画)

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こりゃなかなか面白い。大人のパートと子供のパートがパラレルに展開していって、途中で不思議な接近遭遇があるあたり、ゾクっとさせられる。ふたつのパートは肌触りがちょっと異なり、大人パートはホン・サンスっぽ>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

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タクシーのなかで運転手と客がダラダラ喋るのが面白く、ジャファール・パナヒの「人生タクシー」を思い出したりしたんだけど、けっこう波乱に富んだ回想シーンが頻繁に割り込んできて、だんだんありきたりの方向へ。>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

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🎵わがままは男の罪、それを許さないのが女の罪🎵となるかと思いきや、女の底力がうっちゃりをかますのが怖くて愉快。絶倫願望からなかなか抜け出せないあかんたれの男どもへの挽歌。ラストが切ない。16ミリで撮影>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

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画面いっぱいに目まぐるしく乱舞するメッセージや画像のやりとり、監視カメラや定点カメラの映像、その他こもごも、IT弱者のあたしなんかにゃ縁遠い、デジタル映像の数々。スピード感に満ちたその展開を大いに楽し>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

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衝撃的なお話だし、製作側の熱い想いも伝わってくるし、見応えはたっぷりなんだけど、うんまあそんなこともあるよなあ、こんな世の中なんだから、みたいに思ってしまう我が感覚の鈍麻が怖い。宗教的だったり独善的だ>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

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ワンアイディア、ワンシチュエーションで押し通す、いつもながらのシャマラン節。かなり無理矢理っぽいお話で、それはいつものことなんだけど、いつもいつもこんなとんでもないお話をでっちあげて強引に映画に仕立て>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

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主人公の体も凄いけれど、それより主人公を取りまく看護婦や娘や元妻たち女性陣の存在感の方がもっと凄い。とくに娘さんのキャラクターたるや特筆もん。舞台劇みたいやなあと思っていたら、やはり原作は舞台劇だった>>続きを読む

エスター(2009年製作の映画)

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続篇のファーストキルが面白かったのでその日のうちにDVDでこれも鑑賞。いろんな意味でこのシリーズ凄いな!(なんとか第3作目もでっちあげて欲しいもんです)

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

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ちょいと顰蹙を買ってしまいそうな設定、いささか雑な展開、それなのにかなり面白かったもんだから、未見だった前作をその日のうちにDVDで続けざまに鑑賞。なわけで整理能力に欠けた私の頭のなかは2本の映画が混>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

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ついついオリジナルと比べながらの鑑賞になってしまうので没入感に欠け残念。そうは言ってもオリジナルをきちんと覚えてるわけじゃなく、ちゃんとした比較なんて出来ようはずもない。したがって、あまりにザル状態の>>続きを読む

トリとロキタ(2022年製作の映画)

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好きなダルデンヌ兄弟の映画なんでずっと楽しみにしてたのに、昼間の疲れとほんのちょっと口にしたアルコールのせいで前半ちょっとうとうと。中盤からはしっかり観れたけど、悔しいのでもっぺん観に行きます。まずは>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

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かなり雑っちゃ雑だけど、御大はのびのび楽しそうに演じてるし、CIAのアホさには笑えるし、ほのぼのした気分に浸れます。でもさすがハリウッド映画、後半はグイグイとギヤが上がって一気呵成の展開に。そんなんな>>続きを読む

イタリア旅行(1953年製作の映画)

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こじれにこじれた関係を持て余しているロンドン在住の御夫婦がイタリア旅行に出向きました。はたしてそこで、いったい何が起きたでしょう、ってなシンプル極まりないお話で、嫉妬や軽蔑が渦巻くところ、ゴダールの「>>続きを読む

ロストケア(2023年製作の映画)

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犯罪の陰には涙ありってわけで、悲しく辛い犯罪者の過去が情感たっぷりに描かれる。でもそこから連続殺人者になっていくには、自己陶酔的だったり自己肥大的だったりする病的な正義感の誕生が欠かせないと思うんだけ>>続きを読む

コンペティション(2021年製作の映画)

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映画監督と2人のベテラン俳優、その3人が繰り広げるエゴ戦争。はてさてその結末は、ってなお話で、あっさり味を好む僕にはちょいと胃のもたれる展開ではあったけど、3人のなかの誰にも感情移入させないような作り>>続きを読む

オレンジロード急行(1978年製作の映画)

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海賊放送に興じているヤングたちも自動車泥棒を繰り返しているシルバーカップルもみんな緩くていい加減。全編を貫くそんな緩さが心地よく、ほのぼのと幸せな気分に充たされる。こんなお話を作り上げる大森一樹の才能>>続きを読む

風の歌を聴け(1981年製作の映画)

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今はもう跡形もない西宮球場。震災に襲われるなんて夢にも思うことのなかった神戸の街並み。40年ぶりに映画館で見ることのできたフィルムは赤ちゃけてしまっていて、時の流れの切なさがいや増して迫ってくる。存在>>続きを読む

テイク・イット・イージー(1986年製作の映画)

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吉川晃司3部作のフィナーレを飾る大傑作。日活ニューアクションやマカロニウェスタン、そしてベルモンドのアクションコメディ、それらのエッセンスをてんこ盛りにして手際よく捌いていく大森監督の手腕に改めて感嘆>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

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土を耕して麦やトウモロコシを収穫し、土をこねて固めてレンガを作り、夫婦ふたりで家まで作ってしまう。まるでほんとに二人がそこで暮らしてるように思えてくるのが凄い。そう思わせるのが映画のマジックだろうから>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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まったくどうでもいいようなお話をここまで無茶苦茶に引っかき回してぐちゃぐちゃにして2時間以上もたす奇想と腕力は凄いと思うけど、いささかくどいし、あたしゃ途中で飽きちゃって、勝手にどこへなと飛んで行きな>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

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メンタルな問題や人種差別の問題、そんなビターな内容を、イギリス映画(だけじゃないだろうけど)ならではのチーム愛で優しくコーティング、さらには映画やフィルムや映画館へのたっぷり過ぎる愛でダブルコーティン>>続きを読む