40歳過ぎて女の尻、いや脚ばかり追いかけている男の話で基本くだらない。
「セロリ型とリンゴ型がある」「女の脚は美しくバランスよく地球を測るコンパスだ」「冬は豊かな胸、夏は引きしまった胸にひかれる」…街>>続きを読む
この時代にこんなすごい映画があったなんて信じられない。これまで西部劇を面白いと思ったことは一度もないのだが襟を正しました。ジョン・フォード恐るべし。
6頭の馬に引かれ駆けていく駅馬車の美しさは感動的だ>>続きを読む
きっとそこはこの世ではないどこかなのだろう。離島に降り立ったふたりはアダムとイブのようだ。夏の陽射しのなかで笑い戯れ愛しあうふたり。そこは楽園のように見えるがしかし、その刹那的な日々はふたりの愚かさや>>続きを読む
もぬけの殻となった戦後10年のこの映像には何十万という霊魂がさまよっているだろう。
アウシュビッツ強制収容所の記録映像を世に初めて公開した作品といわれる。夜でも霧でも走り続ける移送列車。分けられる夜>>続きを読む
京都・祇園の花街。芸妓さん、舞妓さん。はんなりとした京ことば。これらの単語に心惹かれる人なら観て損はないと思います。
若尾文子の弾ける若さ、小暮実千代の一本芯の通った色気、お茶屋の女将・浪速千栄子は>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
面白かった!作り手の熱と愛が充満していた。これが"10年前のカルト的人気映画"とかになってからじゃなくて、できたてホヤホヤのリアルタイムで観れたのはほんとうに嬉しいヽ(´ー`)ノ
本作の魅力はなんとい>>続きを読む
ニキフォルは生涯4万枚もの絵を描いた、ポーランドの素朴派の巨匠(1895ー1968)。美術教育はいっさい受けておらず、言語障害を持ち文盲である。1920〜30年代の作品が最も価値があるとされ、生前にも>>続きを読む
不思議な手ざわりの作品だった。
言葉の通じない異国のホテルにとどまること、それは沈黙そのものに含まれてしまうこと。冷淡でふしだらな妹も、勤勉で潔癖である一方で酒に溺れる病気の姉も、その息詰まる沈黙に穴>>続きを読む
「神の沈黙」という言葉が直接言及されるのは三部作中唯一(だと思う)。牧師の人格はさんざんに描かれキリスト教ひいては宗教に対する懐疑心があからさまに表現される。
「愛なんて馬鹿げている。神は愛、愛は神…>>続きを読む
観るものの言葉を封じ込めてしまうような力強さ、凛とした美しさをたたえている。それは夏の孤島という舞台、登場人物の少なさによるシンプルな映像、また彼らの関係性から生まれる不安や緊張感、精神の病を抱えるカ>>続きを読む
ベティ・デイヴィスの怪演は掛け値無しにすばらしい。哀れな痛い女だったジェーンが狂人に変わりゆく姿が凄まじく、海辺のラストシークエンスは圧巻。終わってから口をあんぐり開けていたのに気づいたほど。
本作は>>続きを読む
見たくもないものを延々と見せられているのに最初から最後まで画面に釘付けになるほどおもしろいから始末に負えない。序盤シシーがコーラをストローでブクブクやるところでまず異様さが露見(!)
彼女たちの異様さ>>続きを読む
初っ端からのトランス状態、正気の人間がほぼ皆無のクレイジーさは2作目にしてズラウスキー節全開。初めてシルバーグローブを観た時は面食らったけれど、ここまで強烈な個性を一貫してぶちまけられると愛おしさと尊>>続きを読む
粋とか奥ゆかしさといったものが一貫して感じられ、自然と背筋が伸びる。
例えば本作は稀有な"うちわ"映画だと思うのだけれど、自分以外のものを仰ぐ所作の美しさにみとれます。ふたり歩く夜道、艶やかな長まわし>>続きを読む
ものすごくとんがっていて熱量がいっぱいあって振り切れてる、こういう映画は大好きだ!オダギリジョーと栗山千明ちゃん目当てで観たんだけど加瀬亮もとてもよかった。
オダジョーは演技になにかバネみたいなものを>>続きを読む
傑作と誉れ高いのも納得のおもしろさだった。
人生の歯車が狂い出すのはあんがい些細な瞬間だったりする。真面目だけが取り柄の勤め人が、美女に見栄を張ってついた嘘がきっかけであれよあれよと転落していく。人生>>続きを読む
フェリーニ『道』にどことなく似てるなぁと思って観ていたらどちらも1954年作だった。白く輝くススキ野原の描写は『大地のうた』(1955)と甲乙つけがたい美しさ。この頃は世界中で美しいモノクロ作品が作ら>>続きを読む
みずうみを小舟で渡るシーンが神秘的。まるで黄泉の国に流れていくかのような深閑が美しく、時空のゆがみに入りこんでしまったかのようだった。この場面に象徴されるように、強欲や堕落の生々しさを扱いながら全体的>>続きを読む
フィルムの逆再生やスローモーションによるマジカルワールドにワクワク。鏡を通り抜けるシーンも『詩人の血』でのプールにざっばーんから進化して(19年経ってますから)、たいへん滑らかな移動になっていた 笑>>続きを読む
じわじわと幸せな気持ちになった。美しいものをたっぷり浴びた幸福。ディズニーアニメも実写版もよかったけれど私はこれがいちばん好き。(別物として扱うのが正しいのかもしれないけど)。
燭台を持つにょっきり>>続きを読む
暗い坂道をそっとすべり落ちていくような深い虚無感に襲われる。死へのベクトルに自分も徐々に同調していく気がした。
主演のモーリス・ロネは『太陽がいっぱい』のアラン・ドロンの友人役であり『死刑台のエレベ>>続きを読む
ジャンヌ・モローは歳を重ねてからも美しかったけれどこの頃のしなやかさ愛らしさは別格。5年前の『死刑台のエレベーター』の時よりも若くフレッシュに見える。自由奔放で純粋すぎるが故に破滅に向かってしまう、そ>>続きを読む
ドロイド・マリアを製作するシーンから予想を超える幻想的なスペクタクル映像のオンパレード。もっと安っぽいのかと思っていたけど全然!この時代に一体どうやって撮ったんだろう。
誠実な人間のマリア⇆腹黒いドロ>>続きを読む
自分の変態性を作品に昇華させることができる芸術家は幸せなのだろうな。フェティシズムに満ちた内面世界を映像表現しましたというコクトーの夢日記なのかも。
浮遊する唇、天井に貼り付いて笑う少女、まさかのダル>>続きを読む
プリミティブで無秩序な世界が描かれたコクトーの原作が、その独特の質感が損なわれることなく映像化されていることに感動を覚えた。彼が口もお金も出した賜物なのだとしても。
窒息しそうなほど親密で険悪な匂いに>>続きを読む
楽しい〜!私もそこにいたいな、人生って面白いなと思える映画。ブラジル音楽のサントラもすごくいい。手作り感満載のダンス会とラストの船の乗り継ぎ、このふたつのシークエンスは神がかり的に面白かった。映画館の>>続きを読む
笑い転げて食べて海で遊んで。夏の終わりの寂しさ・倦怠感ももれなくセットでどうぞ。
箸が転んでもおかしい年頃の女の子たちは、>>続きを読む
例えば喉を痛めて声が出ない時。言葉を手放して周りの会話を聞いていると不思議な感覚に陥ることがある。自分と周囲とのあいだに時間のずれができ傍観者になったような、空間認識能力が変化し2次元の世界に身を置い>>続きを読む
"第四の天使がラッパを吹くと、太陽の三分の一と月の三分の一と星の三分の一が壊されて、昼はその三分の一が明かりを失い、夜も闇を暗くした。"
ヨハネの黙示録の朗読から始まる。タイトルはこの三分の一の闇と>>続きを読む
クラゲ、つめたくて透きとおって光を放ちながら流れている、ひたすらに漂う、ゆらゆらと、なにも考えずに。だけどね毒があることを誰にでも教えてあげるわけじゃないんだ、あいつは気に入らない、だから教えてやらな>>続きを読む
ポランスキーは女優の趣味がたいへんよろしい。イザベル・アジャーニは登場した時ちょっとブサイクっぽかったけど(失礼)、泣き崩れてマスカラが流れ鼻が真っ赤になっても色香が漂っていた。
映画館でブルースリー>>続きを読む
満潮時に孤島となってしまう陸繋島の古城、という舞台設定がおもしろい。潮の満ち引きが話の展開を牽引する。ポランスキーの初期作品はシンプルながら粒揃いですね。
打ちすてられたような寂寞とした砂浜と古城(>>続きを読む
どうしてポランスキーはいつも美女を痛めつけるの〜〜鬼。サディスト。
カトリーヌ・ドヌーブの精神が崩壊していく様子が凄まじい。彼女は実はこういう役でこそ真価を発揮するのでは。落ち着かない口もと、紙のよう>>続きを読む
たまにあることだけど観たあと早く帰って寝てしまいたいと思った。そういう作品はたいてい何日も感想がまとまらない。きっと私は語りたくないのかもしれない。言葉はほんのすこしでいいからきれいな箱にいれて時々取>>続きを読む
おかえりなさいハートリー。一周して馴染みのある世界に戻りこれまでの回収も一応できてじんわり。一作目では幼稚園児くらいだったネッドが18歳になり、そこそこ長丁場のクロニクルとなった。登場人物がほぼ全員集>>続きを読む
びっくりした。まさかのスパイもの、社会派ブラックコメディ。奇想天外で馬鹿馬鹿しいけどきちんとアイロンをかけたシャツみたいな清潔なハートリー・ワールドは健在。
パーカー・ポージーは前作ではあまり注目して>>続きを読む