めしいらずさんの映画レビュー・感想・評価

めしいらず

めしいらず

三十九夜(1935年製作の映画)

2.7

イギリス時代のヒッチの代表作。濡れ衣を着せられた男が追っ手から逃避しながら事件の真相を追う。あまり危機感のない逃避行はご愛嬌。次々やってくるピンチを脱する方策になかなか気が利いている。今の時代のこの手>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.1

子どもの移り気は残酷なようだけれど成長している証しでもある。関心は古いものから離れていき新しいものへと移っていくのが必然。ずっと1つのものにだけ興味を示すのじゃ却って心配だろう。必要とされるものはその>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.8

5つの都市の夜を駆けるタクシーの運転手と客たちの、短時間ながらそれなりに濃い関わりを描いた5つの物語からなるオムニバス。

ロサンゼルス、19時過ぎ
如何にもやんちゃそうな女の子の運転手が、電話ばかり
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マップ・トゥ・ザ・スターズ(2014年製作の映画)

3.0

引き離された家族に再び接近する娘。母のトラウマを抱えたハリウッド女優の欺瞞と呪詛に満ちた日常。その二つの線が交わり悲劇的な結末へと進んでいく。ストーリーを追うだけでは理解できない独特で魅力的なニュアン>>続きを読む

半分の月がのぼる空(2009年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

よくある難病患者の最後の恋愛ものと思わせておいて、その実、映像の叙述トリックを用いたミステリ劇だった。二つの時系列が曖昧に並行して描かれ、巧みにミスリードされてしまった。けれどその部分を除くと最後の愁>>続きを読む

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

3.9

どこかジェルソミーナを思わせる主人公モードの天使のような純真さ。粗野だが心根は優しい夫。手足が不自由なモードの歩調に、絵筆の運びに合わせるようにゆったりしたペースの語り口が心地良い。彼女の人柄そのまま>>続きを読む

少女ムシェット(1967年製作の映画)

4.2

病身の母や赤ん坊の世話。働きもせず呑んだくれる暴力的な父。貧しい暮らしぶりを示す少女の身なり。クラスメイトは彼女を無視し、教師は彼女にばかり辛く当たる。道を歩けば囃される。居場所を見つけられず意思を通>>続きを読む

灼熱/灼熱の太陽(2015年製作の映画)

2.0

クロアチア紛争に影響されたクロアチア人とセルビア人のカップル3組の物語。紛争前夜に引き離された二人の1991年。紛争で身内を殺された恨みと愛欲の間で揺れる二人の2001年。紛争の禍根でかつて分かたれた>>続きを読む

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)

2.2

公共機関にどこまでサービスを求めるのか。その線引きは誰がするのか。融通すれば以後なし崩しになるやも知れず。ただこの場合は認めなければ人命に直結する。お役所はトラブルを抱えたくないから冷たい対応になり易>>続きを読む

母という名の女(2017年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

17歳で出産した娘に子育ての覚悟はない。同い年の相手の男もそう。ずっと疎遠だった母が呼び寄せられほぼ面倒を見る羽目になる。この三人の関係は生まれた赤子を間に介してもつれにもつれる。若過ぎる二人の責任感>>続きを読む

白痴(1999年製作の映画)

2.2

ドストエフスキーでなく坂口安吾の”白痴”。浅野忠信の色気。妖しく退廃的な世界観。映像のモダン感覚。其処此処にいい映画っぽい風情があるのだけれど個人的には消化不良。ただでさえの長尺が1.5倍に感じられる>>続きを読む

飢えたライオン(2017年製作の映画)

3.2

淫行容疑で逮捕された教師の流出した性的動画。そこに映っている相手と噂される一人の女生徒がクラスメイトによって血祭りに上げられていく。動画の真贋は疑わしい。先ず別人である。だが彼女を揶揄する周りの生徒た>>続きを読む

カルト(2012年製作の映画)

2.6

前半はある母子家庭に密着する心霊番組の体のドキュメンタリー風、後半からは一転してイケメンなスーパー霊媒師の活躍を追う。観る前に想像していたより怖いし面白い。ちょっとした笑いがあるのもいい。CGもなかな>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.4

ベルトルッチとストラーロによる完璧な映像設計に尽きる。それは時に物語や登場人物への興味を凌駕してしまうほど私たちの意識を捕らえてしまう。印象的な建築や彫像。光と影と陰。白と黒。シンメトリー。アングル。>>続きを読む

雪之丞変化(1963年製作の映画)

3.3

市川崑が縦横比1対2.35のシネマスコープサイズの横長な画面を使った画作りとはかくあるべしと言わんばかりに見事な美的感覚を見せつけた名編。それこそを楽しむべき映画であって、仇討ちだとかメロドラマ的な悲>>続きを読む

タカダワタル的(2003年製作の映画)

3.0

二十歳くらいの頃にBSで放映されたフォーク大全集なる番組。その中のミニライブのコーナーで初めて知りたちまち魅了されてしまった伝説的フォークシンガー高田渡(その時は坂崎幸之助と南こうせつがサポートしてい>>続きを読む

ギター弾きの恋(1999年製作の映画)

3.8

これはフェリーニ「道」のウディ・アレン版と見るべきだろう。ジャズ好きのアレンの面目躍如たる翻案に仕上がっている。自惚れ屋、ええカッコしい、エゴイスト、浪費家、浮気者、でも音楽の才能だけは本物。こんな女>>続きを読む

川の底からこんにちは(2009年製作の映画)

2.5

やる気なし。諦めモード。何を言われても抗わず、適当に謝って受け流す。感情をどこかに落っことしたみたいに何事にも熱量を傾けられない主人公。そんな彼女が余命少ない父の会社をなし崩しに引き継ぎ、古参従業員の>>続きを読む

マーラー(1974年製作の映画)

2.6

ウィーンへと戻る旅の途中のマーラーが、家族との来し方を妻にちょっかいを出す軍人との精神的いざこざを交えつつ回想する物語。貧しい幼少期、ユダヤからカトリックへの改宗、弟と愛娘の死、そしてまだ知らされぬ自>>続きを読む

ブラウン・バニー(2003年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ギャロの監督第2作は男が恋人との思い出の場所カリフォルニアに向かい、幾人かの見知らぬ女性と出会いながら、自身が抱えたトラウマの核心に遡っていくロードムービー。終始浮かない表情。沈んだ声音。センシティブ>>続きを読む

君と歩く世界(2012年製作の映画)

3.1

シングルファーザーとなった男と不慮の事故で両脚を失った女の物語。女は美貌への自負をもぎ取られ引きこもる。彼女の目を男は外へ向けてやろうと海へ連れ出す。それなのに彼女をほったらかして彼は自由に海を泳ぎ回>>続きを読む

審判(1963年製作の映画)

5.0

言わずと知れたカフカの不条理小説の映画化。ある朝、突然に理由を知らされぬまま逮捕を言い渡された主人公ヨーゼフ・Kが、罪状を告げられぬまま裁判を起こされ、散々に理不尽な場面に遭遇し小突き回され、そして最>>続きを読む

あの日のオルガン(2019年製作の映画)

2.4

戦火が迫る東京から園児を親元から預かり埼玉の片田舎の廃寺へ疎開させた保母たちの日々の奮闘を描く実話ベースの物語。戦時下の厳しい食糧事情と一部の村人からの白眼視。親を恋しがって夜尿を繰り返す子ら。子ども>>続きを読む

田舎司祭の日記(1950年製作の映画)

3.4

初めて赴任した教区の村で、村人の為だと信じて彼らの私生活やいざこざに積極的に口出しし疎まれていく若き司祭。彼が日記に胸の内を吐露するモノローグによって物語られる。村人は品行方正とは言い難いけれど、司祭>>続きを読む

細雪 ささめゆき(1983年製作の映画)

3.9

没落していく船場の名家の四人姉妹と、彼女らを取り巻く男たち。三女に次々舞い込む見合い話を軸に一家の春夏秋冬が綴られる。姉妹は誇り高くかつての栄華にしがみつき未だ浮世離れしていて、実生活の何たるかを今ひ>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

3.9

地球外生命体とのファーストコンタクト。彼らが人類に届けに来たメッセージとは。表意文字。円環する言語。円環する時間感覚。時間の概念が人類と違う異星人には、過去に起きたことも、未来に起こることも、今起きて>>続きを読む

海がきこえる(1993年製作の映画)

2.5

高校時代。転校生に対するささやかな感情のざわめき。あの時には特別な気はないと主人公は思っていた。でもあの感情は実は恋心だったと振り返った今ようやっと気づく。あの子からの些細なシグナルを主人公は見誤る。>>続きを読む

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

3.5

思想家ハンナ・アーレントのことは寡聞にして知らなかったけれど、物事の本質を見極める客観的視座といい、理路整然と思考を言葉に変換する明晰さといい、周囲の雑音に決して流されない強固な意志といい、求心力の強>>続きを読む

悦楽共犯者(1996年製作の映画)

3.7

人には言えない性的嗜好。人の中にある性的妄執。それを快楽で満たそうとする六人の男女が、自分なりに手ずから編み出した自慰の作法に耽溺するうち、やがて個々の境界線を越え、一つの共犯関係が浮かび上がる。より>>続きを読む

スライヴ(2011年製作の映画)

3.3

人は小さな嘘を糾弾するのに、大きな嘘は疑いもしない。子供染みた陰謀論だと一笑に付してしまう。ここで語られる世界の成り立ちを十分に理解できたとは言い難いけれど、無下に否定できない迫真性がある。感想を書く>>続きを読む

E.T.(1982年製作の映画)

2.5

小学校低学年の時分に大流行りしていたのも懐かしき作品を今更ながら初鑑賞。ストーリーも名シーンもあまりに有名過ぎて、初鑑賞である筈なのにまるで久々に再鑑賞したかのよう。個人的には普通によく出来た映画と言>>続きを読む

フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996年製作の映画)

2.2

ロドリゲス監督、タランティーノ脚本の盟友コンビの映画。強盗殺人犯が人質を取りながらメキシコを目指す逃走劇調の前半から、メキシコにあるバーでバンパイアと対決する羽目に陥る後半へ、物語がガラリと転調するヘ>>続きを読む

海底王キートン(1924年製作の映画)

2.7

ドタバタ劇が抜群に面白い。男女を乗せて漂流する船。絶妙なタイミングのすれ違い。幽霊騒ぎ。海底散歩。人喰い人種との遭遇。潜水艦による救出劇。ただドタバタに比してストーリーに展開があまりなく、短尺の割に少>>続きを読む

死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)

3.3

ドイツ語圏オーストリア出身のユダヤ人映画監督フリッツ・ラングがアメリカへ渡り後に撮った。これが第二次大戦下に作られた意義の大きさ。ナチスへの強い憤りと決して屈しない民の崇高な精神を感じさせる。ナチス占>>続きを読む

キートンの大列車追跡/キートン将軍/キートンの大列車強盗(1926年製作の映画)

2.7

敵軍に連れ去られたガールフレンドを追いかけ取り戻し、今度は追っ手からスタコラ逃げる逃げる。キートン自身による列車を駆っての派手な立ち回りに加えて、映像のスペクタクル感も凄い凄い。見せ場の多い映画だった>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

3.1

ヤクザ相手に刺すか刺されるかの命を賭した喧嘩コントを繰り広げるような映画。静かで奇妙な吸引力がある。ぼんやりしているのに時折危ういことをやらかす主人公柳ユーレイ。破茶滅茶なビートたけし。主人公を心配し>>続きを読む

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