偏執なまでに作り込まれた舞台美は極点に、しかし唐突に差し込まれるカーチェイスやボヤッと出てくるきのこ雲、アジア系の一家に割り当てられる部屋がテントなどどこか不穏めいた空気が散りばめられ、ウェス・アンダ>>続きを読む
自身の子どもに執着し家族との精神的な結びつきによる愛を求める姉と、子どもに執着せずむしろ疎んでおり、自身のファンを囲って擬似家族として暮らし、肉感的な繋がりによる愛を求める弟。
どちらも狂気の極点の>>続きを読む
相変わらずアイデアというかセンスがよいショットの連続だが、『恋する惑星』、『天使の涙』に比べると物語性がグッと前に出てきて、同じような手ブレカメラの映像でも受ける印象がまるで違う。こちらからはもっと切>>続きを読む
このところ日本で見れるものも多くなってきたイギリスにおけるレゲエについて扱った作品の中の一つで貴重なトロージャン・レコーズにまつわるドキュメンタリー。
それだけで価値はあると思うものの、当事者たちの>>続きを読む
オーディションの逆光、ほぼ真っ暗で人物すら夜に溶けていくシーン、何が起きているのか詳細を把握させるのを拒むようなカット割り、全てがセンスいい。
行き当たりばったりでこの後も平穏は続かない事だけは確定>>続きを読む
いまの自分に重なり合う部分が多すぎる映画だった。
子どもの得体の知れなさや、どうしようもない瞬間の愛しさや、試される憎たらしさや、こちら側の見透かされ具合など…
直接のコミュニケーションではうまく>>続きを読む
初見でまさかの寝落ち、大事なところを見逃したので再見。
母娘版スター・ウォーズ。
選択を悔いて手に入れられなかったものに想いを馳せることもできるけれど、ほとんどが無意味に思える人生の中にわずかに存>>続きを読む
まず冒頭のCreep、劇場に爆音で響き渡るトム・ヨークの歌声に堪らず笑ってしまった。
が、進むにつれてなにがなんだかよくわからないが涙が止まらなくなってしまった。爆泣きです。
グロさとポップさの同>>続きを読む
久しぶりに見返したら、思ったよりもエミネムがラップしているシーンは少なく、デトロイト版クローズ的な。
いつ聴いても最高にブチ上がる「Lose Yourself」
公開から20年経つのか…
過去3作の内容を覚えていないと置いてけぼり感を食らう感じもするが、裏を返すと過去からの上積みも特にないという…
マトリックスという”ゲーム”世界という設定による導入部分に期待させられただけに、話が進>>続きを読む
なぜ、は置いておいて感情が感情のまま相手に伝わること、日常が流れていくこと、続けざるを得ないことが淡々と描かれていくよい映画だった。
16mmフィルムの映像は光がぼんやりと映し出され、全体に暖かみの>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
全編に渡って響き渡るダブ!というだけで最高、たまらんのだが、登場人物の動作に合わせて鳴らされるエフェクトであったり、一度ミュートされた曲が不穏なシーンと共に再び流れてきたり、映像に合わせてダブワイズさ>>続きを読む
センスが尖っているレコ屋の話なので、劇中でかかる曲は当然のように全部よい。
圧倒的な知識量と熱量を備えた音楽”オタク”達が、喋り倒している姿はそれだけで胸が熱くなり尊い。最高。
当事者達はあくまで>>続きを読む
『2001年宇宙の旅』を想起させるオープニングがめちゃくちゃよかった。怖かったし…
過去の作品に比べると人種問題などのテーマは前傾化せず、というかより一層メタ化されて、主題が広がっていた感じはする。>>続きを読む
冒頭、ボビー・ウーマックから始まり選曲のセンスが抜群。スリルを失わずに進むプロットも見事だし、ナンセンスな会話劇も健在。
主役のパム・グリアはもちろん、脇を固めるサミュエル・L・ジャクソンやロバート>>続きを読む
どうにもジョニー・グリーンウッドの音楽が自分には過剰だった。息子の運命を変えてしまうあのシーンは無音であるべきだったのでは。
ひたすらに重厚な作りは、PTAの真骨頂なのかもしれないが、最後のボウリン>>続きを読む
自分でもどうしようもできない感情を相手を試すような形で表出してしまうサマは思春期特有のものと切り捨てられない切実さがある、と思いつつもそれを若さのせいにしてしまう短絡さとも距離を置きたいなという…2人>>続きを読む
相変わらずのアホっぽさの中にトンデモ要素をぶち込みながら、ガンズの勢いで全てを引っ張るという。やりたい放題で純粋に笑える一方で、クリスチャン・ベイルにはシリアスな演技しかさせないというバランス感覚。こ>>続きを読む
やっぱり爆破だろ!と強く思いました。
液体窒素のシーンが素晴らしすぎるのと、エドワード・ファーロングが美しすぎるのと。
エンターテイメント性も抜群。
これは私的なメモですが、フジテレビ吹替版がい>>続きを読む
どこにも属せない人たちの受け皿としての共同体や精神的な拠り所としての家族関係と、相手をコントロールできない事の苛立ちからくる関係の崩壊や、関係の修復のどうにもいかなさ。
時代の移り変わりにうまく適合>>続きを読む
10数年ぶりに再見したけど、想像以上に細部まで覚えていてビックリした。時間軸の入れ替えは言わずもがな、いま改めて見ても面白く、150分という長さを感じさせないのが凄い。
ジョン・トラヴォルタ、昔見た>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
まあ今さらネタバレもなにもないですが…
フィルムを燃やしてヒトラーを殺すというのがめちゃくちゃよい。単に歴史改変ではなく、映画の力を借りて歴史を書き換えるというか、悲劇を乗り越えるというところにグッ>>続きを読む
(18/100)
『バニシング・ポイント』の時点でもう好きに決まっているのですが…
着地点がどんどん変わっていくナンセンスで冗漫な会話(デイヴ・ディー、ドジー、ビーキー、ミック&ティッチの語感の良>>続きを読む
本作でハリウッド資本注入ということで、分かり易すぎるティナ・ターナーの起用。
もはやカーアクションは完全に傍に追いやられ、どこが見所なのか分からないまま終盤まで進む狂いっぷりといい、なんか凄いのかど>>続きを読む
核戦争後の文明が退廃した世界や、キャラクターのビジュアルであったり、ぐっと『マッドマックス 怒りのデスロード』に近づいてきた感じがする。だが、その分、派手なカーアクションや”マッド”なマックスは前作よ>>続きを読む
『デス・プルーフ』再見前にと思って身始めたが、むしろこのまま続編も見ていったら、公開当時あまりハマれなかった『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』の印象が変わりそう。(シリーズものなので当たり前とい>>続きを読む
ベトナム戦争後の無気力感と刹那的な生を求める様とそこにヒーロー像を見出す人々。無軌道っぷりと渇きとグルーヴ。スーパー・ソウル。
ただひたすらに車を走らせること、”スピードの向こう側”でしか得られない何>>続きを読む
長回しのショットにおける見事すぎる場面切替の効果も相まって、現実と幻覚の境界は曖昧になり、こちらまで熱病を患ったかのようにうなされ続ける。逃げ出した先のバス、ソビエト時代の思い出は終わることのない亡霊>>続きを読む
終始カミーユにムカついていたのは、性愛における男性の優位性をひたすらに突きつけられるからなのかもしれない。
そこから抜け出すノラのラストのキスシーンの美しさと軽やかさ。
バイト中のエミリーの空想(>>続きを読む
規制を逃れて社会に蔓延る”猥雑な”メッセージや、SNSにおける相互監視社会を想起させる、各人がそれぞれの正義を一方的に主張し断罪する混沌とした保護者集会の状況こそ「イカれたポルノ」だと感じた。
マル>>続きを読む
どこか現実離れした登場人物たちの間に会話はめったに起こらずモノローグがひたすら繰り返されることで、すれ違い続け物語らしい物語は起こらない。
代わりに、残像が残る独特な映像や、極彩色の強調された猥雑な>>続きを読む
おじさん天使が人間の女の子に恋をして人間になる話…と文字に起こすと陳腐に聞こえる話だが…
分断され「どこにも属していないような都市」であるベルリンと、そこに暮らす人々の空虚感が、モノクロの映像と心の>>続きを読む
武士道オタクのヒットマンと老人ヤクザの抗争劇。
ジャームッシュによる日本文化のオタク的消費をやりたい放題やるぜ!みたいなヒップホップ版『キル・ビル』的な映画を想像してたけど、あまりそういう感じでもな>>続きを読む
巧妙に意図を隠された消費行動とSNSの発展によって可視化された相互監視化された社会という現代の状況を捉えているという凄さもあるが、なんといってもノリの良さが最大の魅力な気がする。
躊躇のない銃殺、撮>>続きを読む
冒頭、実際にフルートベール駅で起きた惨劇を周囲の人が撮った映像で幕を開ける。実際の映像はやはり異様でショッキングであるが、このような映像が2022現在では異様で無くなってしまっている状況がまた異様であ>>続きを読む
アケルマンの『ブリュッセル1080』の後に観たので、余計にそう感じるのかもしれないが、とにかく過剰に振り切った映画だった。
目が回るようなカメラワークや手持ちカメラでのブレなどの映像演出、アスペクト>>続きを読む