moimoiさんの映画レビュー・感想・評価

moimoi

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在宅ワーカー主婦。映画館のない街に住み、スクリーンで観るために遠征する日々。仕事の合間にNetflix。

映画(74)
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ハートストーン(2016年製作の映画)

5.0

「ハートストーン」どこまでも続くアイスランドの美しく荒涼とした大地と、村の閉塞感の対比がつらい。
閉じたコミュニティでマイノリティとして生きることは死を意味するのか。
好きな人に触れられない、触れても
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.8

うん十年前に見たドラマ版とくらべて全く怖くなかったのは、私が歳をとる過程でキングの物語で本当に怖いのは「人間」なのだと知ったからか、ペニーワイズの造形がわざとらしいまでに凶悪だったからか。

子どもの
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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

5.0

レバノン内戦といえばヴィルヌーヴの「灼熱の魂」が強烈に残っている。
あの延長線上に「判決」があるイメージで観ていた。

二人の男の争いがいつのまにか本人たちを置き去りにして代理戦争になり、あっという間
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ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

5.0

ズッキーニたちは生々しい傷を抱えながら、友愛で連帯する。

親の不法滞在・強制送還、ドラッグ中毒、虐待、子どもたちがそれぞれ抱えるものは重い。
それでも誰かの手を取りたい、ひとりではなく誰かと生きてい
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

5.0

ディズニーランドのそば、パステルカラーの〝マジックキングダム〟で生きる母娘の過酷な毎日。
貧しいが不幸かといえばそうでもなく、母は愛する娘とハッピーに生きるために必死だった。
誰が彼女を責められようか
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.8

「面白い」より「なるほど」という余韻。
違和感が伏線となる仕掛けの気持ち良さがこの作品の魅力なのかもしれない。
後半の展開や変化していく人間模様は「人生はシネマティック!」に繋がるものを感じた。

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

1.7

過去のジブリ作品と酷似した表現ばかりで、風刺が甘い。ジェネリックジブリと揶揄されるのも分かる。
しかし、ジブリの呪縛から解き放たれた伸びやかさも感じた。
メアリはジブリ少女と違い、現代の女児向けアニメ
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ライオンは今夜死ぬ(2017年製作の映画)

3.9

演じること、映画をつくること、追憶の手触り。
人間の心は今はない人やものに手を伸ばすすべをもっているのだと知った。
ジャン・ピエール・レオーといえばやっぱり「大人はわかってくれない」だが、老いてこその
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人生はシネマティック!(2016年製作の映画)

3.5

ハウツープロパガンダ映画のようは物語かと思っていたら、「映画の存在意義についての映画」だった。驚き。
我々はなぜ映画という表現方法でものがたること、それを観ること、人生の中の一時間半を捧げることをやめ
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人生は小説よりも奇なり(2014年製作の映画)

4.1

数十年連れ添ったおじいちゃんカップルが、長年夢見ていた結婚を実現した、しかしほのために引き離される結果に。
家族だから許したいこと、許せないこと、芸術の世界で生きること。
穏やかにゆるやかに、哀しい。
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シンクロナイズドモンスター(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

モンスターものコメディだと思っていたら、田舎サイコホラーで、ひとりの女性が尊厳を取り戻す物語だった。

モラハラ彼氏も、強者に抗えないぼんやり草食男も、何者にもなれなかった〝本当のモンスター〟の姿をあ
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伝え続ける情熱と音楽(2014年製作の映画)

4.4

クラーク・テリーが若い世代に情熱を手渡していく。
心を繋いでいけば、人は音楽の中で永遠に生きられるのかもしれない。
ジャスティンとの出会いは、幕が終わる前に音楽の神さまがくれた宝物の一つなのだろう。

男はつらいよ(1969年製作の映画)

3.3

2018年の倫理観からすると、この当時の寅さんはDVモラハラレイシスト(印刷工場の従業員への差別のひどいこと!)だと思うのだが、そんな男を見捨てることなく、叱り、見守り、待ち、問いかける人々のいる落語>>続きを読む

ウインド・リバー(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

この世の果てのような地で、法にも秩序にも、まっとうな倫理にさえも見捨てられた人々と、法を司る女性が対峙する。
一つ一つ暴かれていく暗部、扉(なにかが起こるのはいつも扉を開けた瞬間!)を開けてみつかるの
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.4

私は何を見せられたのだ…?と途方にくれる。
支配するものが支配されるものになり、「平等」のもとに裁かれたものが命の優先順位をつける。
マーティンはいったい何者だったのか。
夫婦の視点から傍観者の視点に
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大人のためのグリム童話 手を失くした少女(2016年製作の映画)

5.0

全編が手描きのアニメーションだからこそ生み出せる〝間〟の美しさが素晴らしかった。
自分を見失った父の顔、悪魔から見えなくなる少女の姿、逃亡する母子、そしてあの詩的なラストシーン。
ときに繊細に、ときに
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美女と野獣(2017年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

ベルが感じる抑圧、野獣の家庭環境、ガストンの帰還兵設定、ルフゥの献身の裏にある恋情など、アニメ版よりも繊細に描かれた部分がより物語を深くしているように思った。
女性の解放、ルッキズム、多様な人種と性、
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タンジェリン(2015年製作の映画)

4.5

かっこよくも素敵でもない、しょうもない日常が転がるLA。
トランスジェンダーの娼婦ふたりの友情が痛々しくも可愛い。
性の在り方も国籍も人種も愛し方も人生の諦め方もそれぞれ、ありのままに。
誰もが抑えら
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かくも長き不在(1960年製作の映画)

5.0

本当に夫だったのか、夫であってほしかったのか。
音楽もブルーチーズも引き寄せられない愛が哀しく、少し怖い。

黒い牡牛(1956年製作の映画)

5.0

大衆や社会構造を変えるのは不屈のTheBraveOneだ。
大人も権力者もあてにならない。
赤狩りに屈さなかったトランボを、どうしてもヒタノに重ねてしまう。

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

2.3

犬の正体は犬の形をした愛だ(と言ったのは糸井重里だったかしら)、というおはなし。
子どもと犬と牧場と青春の痛みと人生の苦味というラッセ・ハルストレム全部盛りで涙のカツアゲをしてくるので、遠慮なく泣く。
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ゲッベルスと私(2016年製作の映画)

4.1

ナチスドイツの宣伝大臣にして〝プロパガンダの天才〟ゲッベルスの元秘書が語るのは「知らなかった」「流されるしかなかった」。
インタビューの間に差し込まれる強制収容所の映像が、彼女にも観る者にも「知らなか
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

5.0

「ビューティフル・デイ」しぼられた言葉と情報、襲いくるフラッシュバックと幻影、〝そこ〟に引きずり込む音と音楽。
深く深く没入してしまい、帰ってくることが難しかった。
ホアキン・フェニックス演じるジョー
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万引き家族(2018年製作の映画)

5.0

「万引き家族」社会からこぼれ落ちた人たちが、都会のすきまで生きる。
それぞれがまったく正しくなく、嘘でつくりあげた家が、〝正しさ〟により変えられていく。
「幻の光」の頃の静かな痛み、「ディスタンス」「
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BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

生きるために戦い続け、愛し合った者たちの物語だった。
ショーン役のナウエル・ペレーズ・ビスカヤードの演技が生々しく、酸で心を焼かれるような感覚があった。
死をの目前にし愛と生と性を必死で謳歌する姿がか
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.6

人間はなぜ物語が必要なのか?という〝物語のものがたり〟だった。
大切な光だったはずなのに、自分を閉じ込める枠として存在した物語を、己の肉体をもって語り直すことで他者と繋がり新しい人生を拓いていくジェー
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

2.4

ダニエル・ラドクリフの死体を使ってポール・ダノが生き延びる話、程度の予備知識でのぞんだら、とんでもないハートフルサイコラブストーリー!
極限状態において自分と他者の境界線が崩壊、しかしそこにいたのは己
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