まぼろさんの映画レビュー・感想・評価

まぼろ

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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

4.5

殺し屋が誘拐された少女を助ける話ですが、バイオレンス要素はブレッソンのように美的に省略され、殺し屋の日常的な部分にフォーカスされる。幾重にも妄想、回想が入り組んでいて想像しなが見ていける。ラストシーン>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.5

人の死によって人が狂っていく恐怖。
霊の仕業なのか精神疾患としての狂った人間が見た幻覚なのか、
ホラーなのかサスペンスなのかミステリーなのか…
優れた映画はいつの時代もジャンルを飛び越えた予期出来ぬ面
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ベルタのモチーフ(1983年製作の映画)

5.0

とてもよかった。『ミツバチのささやき』的風景を彷彿。
少女が風変わりな男と出会い心を通わすが…。断片的なイメージがいつしか物語的な文脈を漂わせはするけど、真相は描かれず、ひたすらある断片的イメージの表
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真木栗ノ穴(2007年製作の映画)

4.5

こういうのを幻想奇譚っていうのかな。
夢オチの部類に入るのに、世界観が好きだから何度も見返せるという。
2度目で意味がわかった。

西島秀俊がもう少し、童貞的な屈折した欲望を持った感じがあればなお良し
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ウェイバック 脱出6500km(2011年製作の映画)

4.5

収容所から数人で脱走して、吹雪、砂漠での喉の乾き、空腹、怪我、疲れなど過酷な道を耐えてひたすら歩いて行く。
特別何も事件が起らないのに、このシンプルな出来事がドラマちっくで魅入ってしまった。
あまりこ
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縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)

4.0

まず、映画は実験だと思うので、監視員に見つからずにユダヤ少年と接触するのは、現実的に有り得ない、と否定してしまうのは違う気がします。

ただ、実験という事で何かが浮き彫りにされているものが徹底されてい
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エンジェル ウォーズ(2011年製作の映画)

5.0

3回ほど見てわかったこと。
ラストのロボトミー手術後に、母親の死後、ベイビードールが鬱になって妹を殺したとの情報を医師から聞かされるけれど、冒頭では、妹は義父にやられたことが暗示されているので、義父が
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

4.7

音をたてたら即死。既にその状況から物語は始まりその緊張感の中でのいち家族の日常が描かれる。

音の存在がサスペンスに。
存在自体がこんなに怖く感じた映画はなかったな。

逆にその存在が身を守ってくれた
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若い女(2017年製作の映画)

3.3

彼女の破天荒具合を、行動からではなく、しゃべり方で魅せているところが視覚的ではない。
見終わって目をつむり印象に残る視覚的なシーンがいくつあるか。

子供をあやすところや、感情的になって、ガラスを割る
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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

3.0

一つ大きな違和感が最後まで拭えなかったのが、なぜ、しのかよという女子二人だけをくっつけた特別なネーミングのグループなのに、特にバンド要員として必要でもない、特に引き入れたい仲間としてのエピソードがない>>続きを読む

おみおくりの作法(2013年製作の映画)

4.0

良かった。

忘れ去られ孤独死した人を民生員の男性が家族に代わって葬儀を請け負う。事務的に処理せず、家族や生前接した知人に会い亡き人の人柄や生き様を聞いた上で心を込めて埋葬する行為が視覚的に描かれる。
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

4.7

光、カット割り、カメラワーク好み。
R15+これは明かした方がいいので書くけれどカニバリズム映画です。でも下品で扇情的な映像はない。客観的に無機質的に撮られた映像(する事)なので不快さは直接は来ず、触
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サーミの血(2016年製作の映画)

4.5

よかった!映像もカメラワークも、カット割りも!

差別されてきた歴史を持つラップランド地方(スウェーデン)のトナカイと暮らす先住民サーミ人の女性の過去(出自)と向き合う。

物語というより当時の少女の
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万引き家族(2018年製作の映画)

3.8

前半から一貫して台詞に依存した映像だけでつながれていたが、家族が捕まったあたりから映像言語が優位に働いてくる。

台詞より映像が先にあり、意味が後から映像によりわかる。
徐々に何かが見えてきたり、何か
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いぬやしき(2018年製作の映画)

4.3

面白かった!光、撮影、編集、ショット良好。
多くが目撃によって展開するので視覚的に楽しめる(音声ミュートしてても展開がわかる無声映画の系譜)木梨氏がかっこよくないのがかっこいい。真剣なのに彼が出るとユ
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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

4.5

よかった!!
ある出来事から超人的能力を身につけたヤクザな生活をしている男。
昭和アニメのジーグが好きな人に主人公がジーグだと思い込まれ慕われる。
低予算ながら巧みな編集とカッティングで格闘も魅了。
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ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

4.0

光、カット割、編集が好み。仲間集めの過程に起こる”説得“=言語的になりがちな所をその手前でカットしその後のドラマとの行間によって想像させたり視覚的ドラマで処理する潔さ。2時間があっという間に過ぎていく>>続きを読む

スプリット(2017年製作の映画)

4.5

面白かった。
監禁もの。カウンセラーと犯人の会話のやりとりが一見、物語を言語的に説明しているように見えつつ、それは物語の筋や因果関係とは直接からんでこない局地的な出来事にすぎず、ほとんどがセリフからで
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ブラッド・ファーザー(2016年製作の映画)

4.0

面白かった。罪をなすりつけられ服役後、保護観察の父親(メル・ギブソン)が彼氏に裏切られ容疑者とされて逃亡中の娘を守る。単純な展開で特に目新しさはないけれど、撮り方が物理運動のみを捉えて繋いでいるので最>>続きを読む

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

2.5

‪魔法学校についての説明が多く人間関係(動物関係でもいいし)=ドラマが欲しかった。
魔女宅でいう所の、トンボとの交流(デート)を描かず、トンボを助ける所まで一直線みたいな印象。

コンプレックスを抱え
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ブロークン 過去に囚われた男(2014年製作の映画)

4.5

カット割り、カメラワーク、照明、良かった。

家族と離れて鍵修理店を一人営む不器用な男が唯一心を許せる相手は愛猫ファニー。
行きつけのお店でいつも世間話する女性とある日を境に関係が近くなり、生活に少し
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過激派オペラ(2016年製作の映画)

4.0

女好きな女演出家が女性のみの劇団を立ち上げ、稽古の日々に団員との恋を織り交ぜていく。カラッと爽やか女子青春もの。

奇声をあげる怪演、芝居も冷めた距離からのカメラワークによってズレの結果として笑いに転
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エンド・オブ・トンネル(2016年製作の映画)

3.8

銀行強盗する事を偶然知った近隣住民の車椅子の男がとる行動…。

只一点の展開上の矛盾や特に後半の照明、どんでん返しの展開の冗長さ、間延びが気になるが、
カット割り撮り方良好。

盗み撮りシーンはモニタ
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

2.0

退屈、つまらない。思想的にどうこうより、四コマ漫画みたいなネタをラジオドラマのような、またはテレビドラマみたいなしゃべくりで時間を埋めていて見る楽しみが全くない。
説明台詞についた挿絵的アニメーション
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

2.4

冒頭の盗みに入るシーンはよかったが、老人宅に侵入するシーンからは、つまらなかった。

侵入する前から打ち合わせ多いし、侵入してからも意思疎通する会話多いし、独り言のリアクションも多い。
画も、これから
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

2.8

島に入ってからのファーストコンタクトまではそれでもよかった。
ただ、キングコングを最初からバーンと出しちゃうので、後が続かない。
何に襲われたんだ!?、みたいな未知なるものという感じでもう少し引っ張る
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

2.7

Yahooの感想で『シンゴジラ』は、会議のシーンが多いとあったので、今日初見のDVDで、会話のシーンが1分経っても続いている場合、早送りしてシーンが切り替わったららそこから見始め、また1分経ったら早送>>続きを読む

ドロメ 女子篇(2016年製作の映画)

3.3

中盤までは、黒沢清や、死霊館で感じたような、断片を見せつつシーンを重ねていく映画としての心地良さを感じていたが、ところどころテレビのような芝居とそれに付随するカメラワークが散見し、どちらがやりたいのか>>続きを読む

ミッドナイト・スペシャル(2016年製作の映画)

4.4

超能力少年をある目的地まで軍や警察の目をくぐって連れていく、その道中の話。
サスペンスタッチだけどSF。
1回見れば至ってシンプルでオチがわかった後の2回目からでも何気ないシーンが飽きずに見返せてしま
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BU・SU(1987年製作の映画)

5.0

市川準『BU・SU』(1987年)
凄いよかった。
この作品、なぜか見てなかった事に気づき、セリフが少ないということで興味が出て視聴した。早く見とけばよかった。
こんな尖った撮り方してたんだなあと。
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BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント(2016年製作の映画)

4.0

幸せな気分になるお伽話。巨人と遭遇するファーストシーンの光と闇のサスペンス。
素早く動く巨人の驚き。
ヒロインのソフィーが巨大な事物に翻弄され転がったり、放り上げられたり、振動で飛び上がったり(悲鳴を
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おんなのこきらい(2014年製作の映画)

4.0

ジャケットは、一見キッチュというかポップな印象(冒頭の歌はもしかしたら驚く人いるかも)
がありながら、
撮影も光もいいし堅実な映画だと思います。
いろんな男性(イケメン)が出て来るけど全てがヒロインを
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はなればなれに(2012年製作の映画)

3.8

下手大輔監督『はなればなれに』
それぞれ事情を抱えた男女が偶然出会い、使われなくなった旅館で束の間の共同生活を送る。カメラが引きの固定でワンシーンワンカット。台詞はほとんどなく、ジェスチャーや小道具が
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猫なんかよんでもこない。(2016年製作の映画)

4.0

断片的出来事を重ねて飼い主と関係を変化させていく。主役と兄の描写が前半、饒舌演技だけど、カメラワーク、光が良好。猫の動き、しぐさが活写されている。前作が『探検隊の栄光』という真逆の映画だったので戸惑う>>続きを読む

レジェンド 狂気の美学(2015年製作の映画)

4.5

面白いです。カリスマ性のある双子のギャングの栄光と衰退の物語とその双子の一方の男が堅気の女性に恋をする。双子の片われのもう一人が精神病質気味で彼に人生を振り回されていく。
主人公もワルなので感情移入出
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ウォークラフト(2016年製作の映画)

4.5

面白いです。攻撃系魔法使い、オーク、騎士との戦闘ファンタジー。手前から奥からの縦構図の演出。
悪の中の善、善の中の悪の葛藤、絆など。CGは予算より意匠 。
ファンタジー映画は説明や前置きの会話が多く
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