マチャアキさんの映画レビュー・感想・評価

マチャアキ

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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.2

いわゆる「すごい映画」の一つに数えられると思う。
月並みな表現でいえば、今この時を生きるということについて考えさせられた。


貴重で、優しい映画だ。


死後の世界の描き方が東洋+SFっぽくて面白い
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ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

3.9

最近のディズニー映画は、世界中の様々な地域を舞台に制作されているが、今回は南米はコロンビア。
コロンビアだけあって、根底にある味付けはガルシアマルケスのマジックリアリズム。
一人一人の人物の心情に必然
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ロン 僕のポンコツ・ボット(2021年製作の映画)

3.9

娘と一緒に鑑賞。
結果は自分が泣く羽目に。ロボットが自分の身を顧みずに、大事な人を助ける展開にひたすら弱い。

個人的には大満足。
AIが知性を獲得する話は、これからの時代かなり普遍的なストーリーライ
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.9

絶対にしんどくなるのはわかっていたので、自分の調子を見計らってようやく鑑賞。

ひたすら広角レンズで被写体に近く、美しいが、地平線が低いせいで重くのしかかる空。
美しく、そして孤独。
朝日。



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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

3.8

ディズニープラスのリニューアルによって、ラインナップ入り。
気にはなっていたが、見るタイミングがちょうどなかった作品。

いわゆるバラバラ家族の再生物語。
ただ個人的には、それ以上でもそれ以下でもなく
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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.0

久しぶりのガンダム作品。
特有の説教臭さは、独特のリアリティ設定によってほどよく脱臭されていて、時代にあった描かれ方をしている。
ロケーション設定のリアルさ。
それが故に醸し出される、人物たちの距離感
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.2

ダニエルクレイグボンドの最終作。全部乗せの映画で大満足。
この時代、凶悪な敵を作ろうと思うと、どうしてもリアリティの観点からコントっぽい敵になりがちだが、ダニエルクレイグからの登場人物達の人間性を土台
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

4.0

ホロコースト映画であり、ロードムービーでもある。
アプローチが洒脱で飽きさせない。
出会う人全てが味わい深い。
役者も脚本も演出も編集も全部好み。派手じゃないけど、彼らは間違いなく現実に、我々の世界と
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.0

非線形の物語。
論理的なアプローチに反発して、非線形な日々の学生時代を思い出す。あのころは論理的なものに対して単純に無知だった、という側面はあるけど、それだけじゃないはずだ、という違和感だけは正解だっ
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.8

見るのに気合が必要な映画シリーズ。
罪と救済、というキリスト教らしいテーマ。
結果的に極僅かしか前に進むことができない主人公だが、実際映画の中で流れる、冬から春になる間、という時間の流れで過去の自分と
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.0

ディズニーアニメは導入部分のセットアップが、ハリウッド型のセットアップに比べると若干尺が長い。ハリウッド型なら冒頭に興味を引くようなアクション(追いかけっこ)を入れることが多いが、ディズニーアニメ(歌>>続きを読む

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

3.9

いわゆるクリントイーストウッド映画。
頑固オヤジ、近所を救う。
クリントイーストウッドがうまいなあ、と思うのがバリバリの俳優教育を受けてない役者を適材適所で配置する点。地に足付いたクオリティはこの辺り
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

東京生まれ、ゴッサムシティ(くらい凶悪に治安の悪い地域)育ちの自分にとって、他人事ではない映画。あと、高校生の頃、滑りイジリをされていたことを強烈に思い出した。面白いと思っての発言が全てスベリ処理され>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.0

クソ笑った。練りに練られた脚本。制作途中にレビューにレビューを相当重ねたであろうに、作品の強度がすごい。

シュガーラッシュオンラインのラストには悲鳴をあげるほどのショックを受けた(残酷なコントラスト
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海獣の子供(2018年製作の映画)

4.0

湘南の海を舞台にした、宮沢賢治、という趣き。弾けるような作画、踊るような色彩の中、生命の神秘に深く埋もれていく気持ち良さ。
ニューエイジが流行っていた80.90年代はこういう作品がもっと多かったように
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.2

すげー。自分はCGデザイナーだが、すごくて嫉妬しかない。

仕事はCGデザイナーとかいいながら、VFX全開のアクション映画をあまりプライベートで見ないのですが、これはもう。

先代スパイダーマンである
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.1

スリービルボード=三枚の立て看板をキッカケにバランスを崩し始める街。
とにかくまずは脚本が素晴らしい。緻密で無駄がなく、それでいて登場人物の心情を丁寧に追いかけ、変化の機微も逃すことがない。展開は予測
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アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

3.9

はじめにいうと、私は原作ファンである。ディストピア的なsfにガッツリとハマったきっかけでもあり、作品のディテールが大好きだし、アクの強い登場人物もセリフも大好き。そんな人がこの映画を観ると、どうなるか>>続きを読む

メリー・ポピンズ リターンズ(2018年製作の映画)

3.7

オープニングで今作品のイメージボードを展開する、という壮大なネタバレ。ヤケクソ感が出てる。
ロブマーシャルは映画がヘタクソな印象があるが、今作でもその印象は拭えず。舞台の垂れ流し感。カメラワークが弱い
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

言わずと知れたqueenの物語。

一度は聞いたことある曲ランキングでも上位に来ると思われる。何故か飲料系のイメージ強い。

ミュージカル形式ではないものの、楽曲の力と歌詞のドラマ性によって、自然とロ
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シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

近年のディズニーアニメらしく、現代を読み解くのに必要なサブテクストをもっている映画。しかもその量は膨大。
ネット社会、そしてGAFAのもたらした世界。
前作とは違い、今作の主人公ラルフとヴァネロペは典
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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.8

脚本を書いて生活している、でもホントは小説家になりたい、なんていう主人公。フィアンセとともに憧れのパリに旅行にきてみたら、主人公が憧れている「黄金時代」、1920年代のパリに毎夜タイムスリップする話。>>続きを読む

コンテイジョン(2011年製作の映画)

4.0

パンデミック物。自分の中では相当面白い映画なのだが、イマイチ評価も多いのは何故だろう。単純に自分がパンデミック物が好きなだけかもしれない。

パンデミックの過程での人間模様を淡々と描く映画。人類がこれ
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ストリート・オブ・ファイヤー(1984年製作の映画)

3.8

シティーハンターを土台に漫☆画太郎をブチまけるとこの映画になる。
とにかく30秒に一回ツッコミどころ&爆笑ポイントがあって忙しいかった。

まずロックンロールの寓話って言ってる割に、曲が全くロックじゃ
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.3

戦争は色々なものを理不尽に奪っていく。
私は戦争を直接体験していない。
でも、今の世の中はその地獄の上に奇跡的に成り立っているのかもしれない。
残された人は、その地獄を避ける方法を探さなけばならない。
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チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話(2017年製作の映画)

4.1

広瀬すずという女優は、逸材だ。
身体をコントロールする事に長け、なおかつ感情の表現をメソッド演技で刹那的に表現することができる。彼女がいるだけで、共演者の演技が高まって行く。演出すら変えてしまう。
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アマデウス(1984年製作の映画)

4.6

高校生に見たときは、ただの伝記映画ぐらいにしか感じ取れなかった。が、20歳過ぎて映画館(新宿のタイムズスクエア)でディレクターズカット版を見たときに、腰を抜かした覚えあり。モーツァルト、というよりはサ>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

4.9

自分にとっての最高の映画。作り手を一度でも目指したものにとっては勇気付けられる映画。ただ、映画としては不完全。不完全が故に奥深い。ある意味ミロのヴィーナスや、ニケ像のような作品。この作品の不完全さを補>>続きを読む

カビリアの夜(1957年製作の映画)

4.4

ジュリエッタマシーナの魅力に尽きる。
フェリーニはこの時期、おそらく自分にとってのミューズである、彼女をカラフルに、そしてユニークに撮ってみたかったのではないか。
気持ちは非常にわかる。

そしてこの
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.4

ユーゴスラビアという国の混沌を表現している。
一つの国をテーマに映画を作るなんて。すごいスケール感。ジプシー(ゴランブレゴヴィッチ、ファンファーレチョカリーア)の強烈な音楽が全編を走り回る。
当時はこ
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.5

テキサスにある、パリスという場所。
実在する街のようだが、それを知らない観客にとっては荒野に浮かぶ蜃気楼のような儚い街を想像させる。

テキサスの荒野、さまよい歩く亡霊のようなトラヴィス。

嫉妬に狂
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.5

ウルトラヴァイオレンス映画。
それを全編に高めているのは、音楽、色彩、演技など、演出の随所に現れる対位法的表現。
キューブリック独特の美しいシンメトリー構図の上に、多幸感溢れる音楽と容赦ない暴力の強烈
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シャイニング(1980年製作の映画)

4.3

一番怖いのはジャックニコルソンではなく、奥さんの顔、な映画。

場面場面のアート的な完成度が高い。廊下を押し寄せる大量の血。
シンメトリー構図の恐怖のホテル。積まれた書類から出てくる超クールなデザイン
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タンポポ(1985年製作の映画)

4.4

邦画で一番好きな作品。
ラーメンウェスタン、という主旋律を、食に関する様々なエピソードが花を添える。
それはまさしくラーメンがスープと麺と、様々な具から構成されているのと似ている。
山崎努は愛情あふれ
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.0

これ、スピルバーグの遺作になるんじゃねえか?ぐらいのお祭り映画。
膨大な作品からの引用を土台に80年代の全盛期の勢いを復活させたキレキレスピルバーグ。
映画そのものの面白さよりも多分感想を友達とおしゃ
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