AAAさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

波紋(2023年製作の映画)

4.0

小さいときに住んでいた家の近くに1日中爆音で音楽を流し続ける古びた家があって、怖くて近寄れなくて、変人が住んでいるに違いないと思っていた記憶が、この映画を観て呼び起こされた。

家族が悲惨な崩壊をして
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ラスベガスをやっつけろ(1998年製作の映画)

3.6

サイケデリックなドラッグ映像を堪能できる作品。

テリー・ギリアムの様な頭のおかしな作家が作ったこんな感じ映像が後の「ハングオーバー」とかにも影響を与えたり、ビジネスマン的な発想を持った作家がエンタメ
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ラスベガスをぶっつぶせ(2008年製作の映画)

3.7

カウントという方法を使って勝つ確率を上げているんだという事はわかるけど、そもそもそれが違法な事なのかどうかがいまいちわからず、ローレンス・フィッシュバーンの逆恨みなだけなのではないのかとも思えた。>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.8

狂っている信長も、茶目っ気のある秀吉も両方ビートたけし本人が持つカリスマの特性で、虎視眈々と天下を狙うそれぞれの武将の思惑が交差してめちゃくちゃ人間味溢れる作品だった。

映画が始まりこの先がどうなる
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クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

本当に何が起きたんだろうか、信じられない。

宮崎あおいはシャネルのポーチしか持たずに乗船したにも関わらず、たくさんの服を着替え、岡部たかしはなぜ殺したのかもよく分からず、登場人物のどの人の感情にも乗
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インソムニア(2002年製作の映画)

3.2

序盤、ミステリーのお決まりの展開が起きて水曜日のダウンタウンの「名探偵津田」を思い出して笑ってしまった。

個人的にノーランの好きな部分があんまり出ていなかった。

それでも正義と悪というわかりやすい
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.5

孤独な殺し屋の仕事が淡々と語られるので、途中で飽きが来るけど物語としては「キルビル」と同じ。

資本主義社会の中で、大きな権力を手にしたものは末端で起きている出来事が何のことか、誰が関わっているのかに
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マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

3.6

サブプライムローン、空売り、証券の仕組みなど映画を観る人に多くの予備知識を必要とするため、かなり限定的な人だけが楽しめる作品になっている。

その中でも、空売りの仕組みをお風呂に入ってるマーゴットロビ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

ゴジラの歴史を体感してきたわけではないので、造形美とか戦後の時期をチョイスした判断についてなどはよくわからない状態で観た。

戦後のゴタゴタした時期に更なる厄災が降りかかる絶望はワクワクしたし、銀座の
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パラサイト 半地下の家族 (モノクロVer.)(2019年製作の映画)

4.1

内容は同じだけど、モノクロにした事で格差がより強調されるという謳い文句が面白くて忘れかけていた頃だったしもう一度観た。

確かに水没する半地下の水がどす黒かったり、水面のキラキラが誇張されていたり、モ
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ポエトリーエンジェル(2017年製作の映画)

3.3

前半部分は詩のボクシングをコミカルに、後半部分は熱いものとして描いていたが、そもそも詩のボクシングという競技自体がうまく掴めなかった。

台本の持ち込みOKなのか、審査基準とか全てが曖昧で、なんか都合
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GO(2001年製作の映画)

4.2

印象に残るカッコいい言葉のオンパレード。

窪塚にしか使いこなせないそのセリフの数々はギザギザしてるけど、心が温かくなる。

「国境なんて俺が消してやるよ」

天使にラブ・ソングを2(1993年製作の映画)

3.9

1で伏線として回収していなかった修道院周辺地域との関わりが簡単なものではないという部分を、次は高校の教師として音楽で立て直す話。

修道院の聖歌隊とショーミュージックというギャップが掛け合わさる事で生
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天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

4.2

小さい頃から金ローで何回も観てきたけど、ちゃんと英語で字幕で観たのは初めてかもしれない。

型破りなデロリスによって閉塞的な修道院が活発になっていく様子は心地が良くて、クラブのシンガーである強みを聖歌
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.3

近年の石井作品に多く見られる、本音と建前、業務的で規則での決め事に従順で人の心を無くしてしまった人物への苛立ち。というのが本作でもベースとして物語を推進していく。

表現には理由や意味が必要なのかとい
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TIME/タイム(2011年製作の映画)

3.2

レオンを意識したであろう2人のシルエット。

時間が通貨になるという設定がとても面白いけど、物語が進むにつれて様々な疑問点が浮かび上がる。

父親は一体何をしたのかというところが含みだけ持たされて何も
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THX-1138 ディレクターズカット(1971年製作の映画)

3.4

不穏な空気と難解な世界観にルーカスの美的センスを織り交ぜたスターウォーズに通ずる親切心ゼロの作品。

それでもカーチェイスの時の車とバイクの音なんかは今のテスラを彷彿とさせるし、AIによって管理されて
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.9

石油の発掘で富を得た原住民のオーセージ族とその財産に群がる白人たちの物語。

家柄や身分に関係なく急に富を手にした者たちに群がる権力者たちやハイエナのように受益権を狙う狡猾な人間たちという構図には現代
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放課後アングラーライフ(2023年製作の映画)

3.4

あまりお金がない中でしっかりとした青春映画に仕上げている監督の手腕が出た作品。

イジメを受けていた過去からの脱却に釣りはあまり関係なくて、転校先の新しい仲間たちが将棋とか山登りとか社交ダンスをしてい
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キリエのうた(2023年製作の映画)

3.6

charaの再来とも言えるアイナジエンドが放つ独特の雰囲気は岩井俊二の世界観を体現した存在だった。

石巻、大阪、帯広、東京と4つの場所でアイナジエンドの生い立ちが語られるが、3.11の描写にはやや疑
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ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

3.5

ゆとり世代も年齢を重ね、社会でもそこそこの立場になり、様々な問題に直面している様子を描いていた。
日本経済の停滞による海外資本の流入や、LBGTQ、移民問題、Z世代、数えればキリがない日本が抱える問題
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GONIN(1995年製作の映画)

3.9

松竹シネマplusシアターというYouTubeチャンネルにアップされていたので久々に再見。

各ショットエッジの効いた演出がなされていて、漫画家としてキャリアのある石井隆ならではのコマ割りがとてもカッ
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アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)

3.9

1960年代のアメリカの高校生たちがぶち上がるこれぞアメリカなのだと言わんばかりの映画。

黒人が誰1人として出てこなくて、この街に黒人はいないのか、はたまた彼ら白人の高校生には黒人の姿は写りもしてい
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白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.9

銀座のクラブでピアニストとして活動をし始める池松壮亮とし終える池松壮亮が同時期に存在している作品。

観客に主導権がある音楽を続ける事で自我が死んでいき、音楽家に主導権がある音楽を求めてボストンへと旅
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(2023年製作の映画)

3.6

毒蛇が腹の上に乗っているという、目に見えない恐怖に翻弄させる男たちの物語。

最後はプライドが傷つけられ仲違いを起こすというなんとも消化不良な感じで終わった。

ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

3.7

ト書きを朗読し、人物配置も動かない中で、役割を変化させたり、コマ撮りのネズミが喋ったり、極端に動かさないからこそ「動く」ものがたくさんあって、単純にワクワクした。

白鳥(2023年製作の映画)

3.6

いじめっ子に酷いことをされる少年と白鳥を通じた物語。

語り口調とそれを寓話化する映像がよりこの物語への想像力を掻き立てる。

ベスト・キッド4(1994年製作の映画)

3.2

ダニエルさんが出てこないベストキッドは終始寂しかった。

またも訳のわからない登場人物たちのオンパレードで、コブラ会の意思を継いだ学校の自警団がいるというとてもファンタジックな人物配置。

レブロンの
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ベスト・キッド3/最後の挑戦(1989年製作の映画)

3.7

大学進学についてや学費についてをほっぽり出して祖父の介護にあたる母親や、最後の試合にすらいないヒロイン、アホすぎるコブラ会、空手の技術に何の進歩もないダニエルさんなど、もはやその全てが愛おしくなってき>>続きを読む

ベスト・キッド2(1986年製作の映画)

3.2

明らかに日本ではない場所の日本感とか、日本人じゃない人の日本語が出てくる映画のフェチでもあるので、その点はすごく好きだった。

大嵐で子供に警鐘を鳴らさせたり、ラストの戦いで女がナイフを突きつけられて
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ベスト・キッド(1984年製作の映画)

3.9

監督も音楽も「ロッキー」の人たちだった。
スタローンはこれを自分でやりにいったんだなとわかる作品。

強くなりたい、好きな女に好かれたい、始める動機がそんな感じなのがすごく良い。
いかにもアメリカが考
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ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

3.5

精神疾患を抱える女性が自己の抹殺を図る怪奇劇。

自己が乖離して破滅へと向かうが、この手の作品を見慣れた現代の我々からすると驚きというよりかは、こういう作品があったから後のこういう作品に繋がったのかと
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.8

ウェスは1時間以内の中編で観るのが1番飽きずに世界観を堪能できるかもしれないと思った。

ト書きまで全部セリフで言う事で、見せなくてはならない部分も見せず、観客に理解させるという特殊な技法だったが、そ
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マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

3.4

エリートすぎて他人とコミュニケーションが取れないという描かれ方をしていたが、実際はそんな事はなくてむしろ言語的表現力は高くて、その場その場で的確なコミュニケーションを取っていく。

彼女が抱えている最
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.8

事件の当事者を俳優に起用するという手法を用いた本作。

特別なにか特徴がある映像を作る訳ではないが、常に飽きさせない演出をそれぞれのシーケンスで強度を保って魅せ続けるイーストウッドは流石としか言いよう
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