Makikoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ミス・ヨーロッパ(1930年製作の映画)

3.3

サイレント映画に後から音をつけたような感じ。彼女がミスコンに出るのが許せない彼氏の嫉妬と、それでもやっぱりスターになりたい彼女の「すれ違い」が悲劇を巻き起こす。

個人的にはルルのでっかい背中には色気
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老後の資金がありません!(2020年製作の映画)

3.3

コメディとはいえシビアな問題を扱っているので社会派なのかと思ったら、自助と共助に落ち着いて消化不良気味。面白かったけど。
結局「老後の資金がない」原因(女性の非正規雇用率の高さとか家父長制の弊害とか)
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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

3.4

にわかファンのまま数年経ってしまったので知らない曲が多く「レッツ・ダンス」が出てくるあたりでようやく乗れてきたと思ったら映画が終わった。

諸行無常を意識しつつ、短距離走から長距離走の生き方へ移行して
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.5

観てから時間が経ちすぎて感想を忘れた。

イタリアが舞台なのに全編フランス語なのはよいとして、コテコテの中世キリスト教社会の話ではあるけれども、作品に流れるテーマは至って現代的だった。
自分自身の信仰
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バビロン(2021年製作の映画)

3.4

「治安の悪いララランド」と言ってしまおう、というか実際そうなので……。
チャゼル作品は『セッション』から『ラ・ラ・ランド』へのジャンプ幅が大きかった(どっちが優れているという話ではない)ので、『バビロ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.7

既視感あるなと思ったらアイフルのCMだった。観て1週間ミシェル・ヨーに恋してた。

母(家族)と娘の関係、同性が好きな娘への親の態度など、とても他人事には思えないテーマが沢山ある。

アカデミー賞授賞
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イヴの総て(1950年製作の映画)

3.8

構成は面白い映画の鉄板(最初に最後のシーンを持ってきて、回想という形で時系列を追っていく)だし、ベティ・デイヴィスの安定感もさながら、アン・バクスターの演技に舌を巻く。怖いよ〜だから後輩って生き物には>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.5

かなりベタな感じのセリフ・構図の反復があったりして、わかりやすい映画だなぁと思ったけど、そうかスピルバーグだった。
「真実をとらえるもの」と、「虚像を映し出すもの」という、映画の持つ2つの役割が示され
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.7

迷子のダイアナが歩むべき道を見つけるまでの3日間。

大きすぎるアイコンに真正面から向き合ったクリステン・スチュワートに圧倒された。実在の人物を演じる時、役者は、本人に似せて演じるか、あえて似せずに自
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

この冬に立て続けに日本で公開された「映画についての映画」の中でも異色だったと思う。劇場支配人の性暴力は『SHE SAID』で描かれたワインスタインの一件を思い起こさせるし、人種差別による分断は現代にお>>続きを読む

火の馬(1964年製作の映画)

3.4

三鷹市のウクライナ特別事業の一環で、「星のホール」で鑑賞。映画そのものを観ようと思って行ったわけじゃないので、赤色が鮮烈だったこととカメラワークが前衛的(この時代によくあれだけ静/動をピタリなタイミン>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

この映画はちょっと、余りにも自分を見ているようだったので、客観的なレビューを書くのが難しい。以下ただの回想録です。



ロシアに留学していた年の冬、論文の資料集めのために、マイナス35度にもなる地方
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アンナ・カレニナ(1948年製作の映画)

3.3

劇伴が少しやり過ぎな感じもしたし、終盤のアンナによるモノローグ的な台詞がいかにも芝居臭かったり色々気になるところはあった。
編集が雑で、場面転換が唐突な印象がある。『アンナ・カレーニナ』なんて大作(で
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

主人公サマイの、映画をメカニズムから理解しようとするアプローチや、周りの友人をまとめ上げる力量に「監督」の片鱗を見る。

舞台は2010年らしいが、いまだカースト制度にとらわれる父親、英語ができないこ
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.7

キャリー・マリガンを推しててよかった。

人間の犯しうる悪行に絶望すると同時に、いい意味でのジャーナリズムの影響力や「傾聴」という行為の神聖さ、のようなものも感じた。

この映画では新聞社/新聞記者が
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RRR(2022年製作の映画)

3.6

いやそうはならんやろ→なっとるやろがい!が違和感なくできる映画は強いということを実感した

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.4

「あなたのことが好きだから〇〇してほしい」は愛じゃない

影なき男(1934年製作の映画)

3.3

一回観て、3/5点くらいかな〜と思ってFilmarksを開いて、思いの外高評価だったのでもう一回観た。自分の好きなことも貫けない情けない性格が嫌になる。
マーナ・ロイ沼にハマりたい。

バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲(1997年製作の映画)

3.2

こんなおバカな映画にさえ、スタンバーグ×ディートリッヒの『ブロンド・ヴィナス』へのオマージュがあったりするので映画鑑賞はやめられない。

名曲“Poison Ivy”のBGMに乗せて歩いてくるポイズン
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.4

名もなき人々の日常に想いを馳せるシーンで泣いてしまった。

哀愁の湖(1945年製作の映画)

3.3

こわいこわいと噂に聞いていたので覚悟して観はじめたが、自分自身、執着心と独占欲がとても強いのでエレンのことはあまり怖くなかった。
ジーン・ティアニーは表情の動きが少ない分、目で語るタイプの俳優で、真顔
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.8

自分の中に「敬虔なカトリックであること」と「レズビアンであること」を共存させているマヤはおそらく並大抵ではなく高い厚い壁を乗り越えてきた強い人だと思うのだけど、それでもあんなになってしまう産後うつって>>続きを読む

恋するアナイス(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

(2回目)2023.06.17 国立映画アーカイブ「EUフィルムデーズ」にて シャルリーヌ・ブルジョワ=タケ監督のオンライントーク付上映

(1回目)
観たくてたまらず、コロナ上がり初出勤の日に退勤し
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動物農場(1954年製作の映画)

3.8

具合の悪い時に観たので二重に重く暗く感じたが、難しくはない(一種の反共プロパガンダなので)。ただ観ているとつくづく社会や人間というものが嫌になる。

恋人はアンバー(2020年製作の映画)

3.8

「同性愛に偏見のあった国の、偏見のあった時代の」話、みたいな触れ込みで宣伝されてるけど、全然現代日本と変わらないと思う。実際、これをキラキラ青春映画だと思って観にきたマジョリティが「普遍的な話だ」とか>>続きを読む

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

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スペイン内戦の記憶など観る側にも色々と求められている感じの映画なので、ちゃんと咀嚼・消化できなかった今の自分には点数で評価できない。

なんとなく、アルモドバルの描くフェミニズムを受け止めきれていない
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ラマになった王様(2000年製作の映画)

3.6

ディズニーが黄金期から暗黒期へ移行する過渡期の作品。
カートゥーンのノリで長編作ったらこんなんできました的な軽いタッチの映画なんだけど、これが割と失敗じゃない。スタッフとキャストが優秀だったんだろうな
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バットマン リターンズ(1992年製作の映画)

3.8

ゴッサム・シティ=気の触れたおじさんとおばさんたちの動物園。
バットマンというかティム・バートンの映画だった。前作のジョーカーに負けず劣らずの完成度を誇るミシェル・ファイファーのキャットウーマンと、ダ
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バットマン(1989年製作の映画)

3.4

あんまり内容覚えてないけど多分バットマンの教科書としては最適なんだろう、ジャック・ニコルソンのジョーカーに説得力がありすぎる。

レゴバットマン ザ・ムービー(2017年製作の映画)

3.8

こっちもおふざけなんだけど、某日本製アニメと違ってちゃんと原作リスペクトがあってよかった。みんなかわいいね!!

(豆)ゴッサム・シティ・サイレンズ推しとしては嬉しいカットがある。

ディック・グレイ
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めがね(2007年製作の映画)

3.9

何も起こらない映画大好き。『チャンシルさんは福が多いね』で小津映画好きの主人公が「あんなの何も起こらないじゃないですか」と言われて「起こってるじゃないですか!」とキレるシーンがあったけど、普通に本当に>>続きを読む

オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.5

夢女子が死ぬ間際に見る夢みたいな映画だった。良い意味でも悪い意味でも出てくる人々が完璧すぎて、110分もあったのに、えっこれで終わり⁉︎って感じ。最初から最後までずっと同じテンポで進むのをつまらないと>>続きを読む

バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年製作の映画)

2.7

①ものすごく金のかかったホームビデオ。
②めまぐるしいカットの切り替えで、さすがに鈍ってきたミラ・ジョヴォヴィッチのアクションを誤魔化す。
③ディスポーザブルローラ。

結局クレアとジルは共演できなか
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さかなのこ(2022年製作の映画)

3.5

似たテイストでこの前に観た『こちらあみ子』は、よどんだ空気の中で一瞬だけ心地よい風がピューっと吹くような映画だったけど、こちらは一見ポップで可愛らしくて自由なように見えて随所にえぐみがある。可愛らしい>>続きを読む