砂さんの映画レビュー・感想・評価

砂

映画(293)
ドラマ(28)
アニメ(0)

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.0

表層と内情の乖離

素直になると他責的?
進むも引くも地獄なら進む?

唯物論としてありのままを示し、それに対する相手の判断には干渉しないような態度は他責的

しかし、自責的なのも傲慢

有限責任で定
>>続きを読む

教皇選挙(2024年製作の映画)

4.3

政治的でめちゃくちゃ面白い。暴走した男性性、父権主義、マチズモが灰燼に帰すラストに圧倒された。

作中ではたびたび、印象的な引きの構図が映し出される。荘厳で巨大な宗教建築の中で権謀術数に呑まれる人間は
>>続きを読む

リトル・ダンサー デジタルリマスター版(2000年製作の映画)

4.4

静と動、が印象的だった。

本作は少年期のジャンプで始まり、プリンシパルとしてのジャンプで終わる。
ジャンプは当然ながら1フレーム後はもう同じ状態ではない、動きゆくものだ。一方で対照的に、どうにも動か
>>続きを読む

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.3

タクヤはさくらに何と言ったのか?
連絡して会っている、ならば再始動する見込みはある
ひとりでの演技からは孤独を感じた

タクヤはさくらに恋心を抱いていたのでは無いと思った

さくらを媒介として、純粋に
>>続きを読む

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

3.7

二項対立をぶち抜く、生命の力強さが魅力的だった。

主人公は"インター"すら知らないことで断絶が明確化されるように、男たち(とその周辺)とはハビトゥスが大いに異なる。だが階層差へのコンプレックスを持ち
>>続きを読む

きみの色(2024年製作の映画)

3.7

大人が子どもを信じる気持ちが揺るぎなかったのが、すごくよかった。

主人公たち3人は、友人・教師・保護者、いずれに恵まれている。
でもだからこそ、がっかりさせたくない、期待に応えたい、と自分を抑圧して
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.6

映像も展開も、予想をめくるめく超えてきて凄かった。

本作では、男性の女性への所有欲が執拗なまでにこき下ろされていた。
ただそれが前時代的な消えゆく価値観なのか、男性にアプリオリな生理的衝動なのかは、
>>続きを読む

I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)

3.0

ピュアな障がい者に周りが感化されていくというフォーマットをまっすぐ描いていて、20年前の映画っぽい。

「これからあなたの知的レベルを超えていってしまう娘を育てられるのか?」みたいな話があったが、7歳
>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.4

本作は、生きるということそのものへの肯定だと思った。世界はそもそも醜いが、同時に、理由もなく美しくもある。

主人公は朝は希望を持って目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠りについていた。その幸福は
>>続きを読む

クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

3.1

滋味深い和食の名店がプロデュースする新店舗に行ってみたら、さくさく軽いポップコーンが出てきた感じ。

ポップコーン自体は全然美味しいけど!

正欲(2023年製作の映画)

3.6

他人のあらゆる欲など、理解が及ぶはずがない。

自らの欲さえもままならないというのに。
男の人が嫌なのに男の人を好きになってしまう彼女もそこに苦しんでいた。

その中で、自分が育ってきた社会で是とされ
>>続きを読む

キリエのうた(2023年製作の映画)

3.8

大いなる外力の中で、人は意思で何かが出来るのか?

育った環境、トラウマ、行政や警察といった社会の仕組み、そして震災。今作の登場人物たちは、これらの外力に晒されていく。

先日、脳の病で発話しづらくな
>>続きを読む

レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.5

レオンとマチルダの関係性は、何と呼んだらよいのか。公開当時から、常に喧々諤々のテーマだろう。

だが、言語化できないあわいの表現こそが、映画というものの本懐だと思う。

その意味で、この映画の達成は途
>>続きを読む

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.4

セックスエデュケーションのメイヴやーん!
あと、あいつがしんじゃうのは結構驚き