砂さんの映画レビュー・感想・評価

砂

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.6

映像も展開も、予想をめくるめく超えてきて凄かった。

本作では、男性の女性への所有欲が執拗なまでにこき下ろされていた。
ただそれが前時代的な消えゆく価値観なのか、男性にアプリオリな生理的衝動なのかは、
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I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)

3.0

ピュアな障がい者に周りが感化されていくというフォーマットをまっすぐ描いていて、20年前の映画っぽい。

「これからあなたの知的レベルを超えていってしまう娘を育てられるのか?」みたいな話があったが、7歳
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.4

本作は、生きるということそのものへの肯定だと思った。世界はそもそも醜いが、同時に、理由もなく美しくもある。

主人公は朝は希望を持って目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠りについていた。その幸福は
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クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

3.1

滋味深い和食の名店がプロデュースする新店舗に行ってみたら、さくさく軽いポップコーンが出てきた感じ。

ポップコーン自体は全然美味しいけど!

正欲(2023年製作の映画)

3.6

他人のあらゆる欲など、理解が及ぶはずがない。

自らの欲さえもままならないというのに。
男の人が嫌なのに男の人を好きになってしまう彼女もそこに苦しんでいた。

その中で、自分が育ってきた社会で是とされ
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キリエのうた(2023年製作の映画)

3.8

大いなる外力の中で、人は意思で何かが出来るのか?

育った環境、トラウマ、行政や警察といった社会の仕組み、そして震災。今作の登場人物たちは、これらの外力に晒されていく。

先日、脳の病で発話しづらくな
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.5

レオンとマチルダの関係性は、何と呼んだらよいのか。公開当時から、常に喧々諤々のテーマだろう。

だが、言語化できないあわいの表現こそが、映画というものの本懐だと思う。

その意味で、この映画の達成は途
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.4

セックスエデュケーションのメイヴやーん!
あと、あいつがしんじゃうのは結構驚き

福田村事件(2023年製作の映画)

4.2

「現代にも通ずる〜」とかじゃない。

今まさに自分が、被告人として法廷の証言台で裁かれているようだった。

だが、何も言えなかった。
何かを言う資格があるのかも分からず、裁判官が誰なのかも分からない。
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

4.4

恋をするとき、異性だから好きになったんだろうか?と思うことがある。

逆に、この人は自分が異性だから好いてくれてるなと思う瞬間もある。性を利用して評価の下駄を履いている、狡さは後ろめたい。

「世界が
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劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ(2003年製作の映画)

3.5

フェリーニの「人生は祭りだ。共に生きよう」が思い出された。

バトラーの移動サーカスも花火も千年彗星も、存在した時間としては短く儚いものかもしれない。
でも物理的な時間とは関係なく、一緒にいたという事
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.9

人生は、自分だけじゃない曖昧な部分、或いは偶然によって形作られていくのだ、という美しさがあった。

恋愛の残り香と始まりの予感、そのはっきりしない時間を描いた映画。

舞台の重慶大厦は、とにかく雑多と
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