まいとんさんの映画レビュー・感想・評価

まいとん

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おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

1.5

驚くほど面白くない
原作は随分と話題になり売れた作品だったはずだが、こんな話なのだろうか
主人公の造形はとても古くさいもので、青い山脈から散々擦られてきたテーマである
現代の話なのだろうかと思うほどだ
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マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

4.0

素晴らしい作品です
戯曲の完成度が非常に高く、黒人の歴史や苦しみ矛盾を、ある瞬間に凝縮させた作品になっています

白人を心の底から憎み復讐すべき瞬間を狙いながら白人に媚びを売っている主人公が結局同胞を
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天守物語(1995年製作の映画)

3.5

新派もの 泉鏡花の完全な映像作品である
芸術映画として非常に完成度が高い
玉三郎は一時期熱中して映画に取り組んだがもう少し作られても良かったのではないだろうか
歌舞伎や浄瑠璃の物語は時代を選ばず好んで
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星の子(2020年製作の映画)

1.0

あまりにもバカバカしい話で驚きました
頭にタオルを乗せて暮らす両親
長いお笑いコントを見せられてるようです
新興宗教を描きたいのであれば実在のものをちゃんと描くべきではないでしょうか
あまりにもリアリ
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ソワレ(2020年製作の映画)

2.0

父親に強姦されている娘が職場で知り合った男性に助けられて父親を刺し殺し2人で逃げていくという話なのですが、この映画和歌山御坊日高のご当地映画らしく話の中に安珍と清姫、道成寺の話が挿入されていますって誰>>続きを読む

夜叉ヶ池 4Kデジタルリマスター版(1979年製作の映画)

3.0

まさかの妖怪特撮映画

CSではなぜかゴジラ映画が何本も4Kにリマスターされたものが連日放送されていますが、この映画もその流れに沿ったものとして見た方が楽しそうです

日本の特撮好きは世界的にも珍しく
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空飛ぶゆうれい船(1969年製作の映画)

4.0

子供向けに噛み砕いてあるとはいえ
内容はメディアを支配した巨大産業体の話です
プロットが二転三転して非常に凝っています
現在のアニメは自己の内面を見つめるような作品が多いですが、この作品は社会批評もの
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.5

少なくとも2度見ないと理解出来ない難解映画
難解と言っても難しいという訳ではなくラストまで行って頭に戻るという構成で
そういう映画は他にもありますが
この映画は時間の順行と逆行というややこしい要素で映
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バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)

4.0

この映画とても面白いのに監督コンビはその後パッとしないのはなぜなんだろう

ラ・ボエーム(2008年製作の映画)

3.0

多重露光を多用したまるでマンガのコマ割りのような画面作りはかなり不思議な印象を受ける
ドラマは歌や楽曲の中にあるのであってイメージの中にある訳では無いと思われるが、作り手はドラマチックな画面作りに心を
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新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』(2020年製作の映画)

4.0

漫画ナウシカは土鬼が出てくるあたりからプロットが複数に分かれ別々の物語が同時進行で描かれるようになる
登場人物も一気に増えて非常に分かりにくい構成になっている
この歌舞伎版ナウシカは場面転換が巧みに駆
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おれの行く道(1975年製作の映画)

3.0

ヒデキ主演のようなクレジットですがほとんど出て来ず
田中絹代が豪遊したり捨てられたりする100%田中絹代ムービーです
最晩年にこういう映画が作られたのは何か運命的なものを感じます
振り返られる事の少な
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さよなら子供たち(1987年製作の映画)

4.0

弱いものを助けろと説く神父はあまりに過激で親たちから反感を買うほどですが
下働きの少年が泥棒をしたのを許さずクビにしたせいでナチに密告され匿っていた大勢のユダヤ人を一網打尽にされてしまいます
結局神父
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カポネ大いに泣く(1985年製作の映画)

3.0

この映画は奇想天外な話ではあるがちゃんとストーリーがあって、脚本上はしっかり出来ているはずなのだが、結局何がなんだか訳の分からない話になってしまっている

鈴木清順は脚本通り撮っているのだが、独特の美
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

3.6

恋人が死んで深い喪失感のなか恋人に似てる既婚の妹との微妙な距離感を描いた作品です
主人公は喪失感から立ち直れず妹に相談したり
妹の方は旦那と別居中で離婚するか悩んでいたり小さな息子とは別れがたかったり
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マーウェン(2018年製作の映画)

2.5

とにかく奇妙な話です。しかも面白いかどうかも微妙です。

内容はユング心理学の箱庭療法を体験するような感じです
そういう意味では特異な作品です。

靴へのフェティシズムや逆行性健忘など精神分析によく出
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人間の時間(2018年製作の映画)

3.5

旧約聖書やギリシア神話的な世界を現代に置き換えて寓話的に語る
キムギドクを見てきた人にはすぐ分かる語り口ですが内容が内容なので誤解を産んでいるかもしれません(題名で分かるようになっていますがこの邦題で
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GO(2001年製作の映画)

4.0

コミカルな作風の中に在日朝鮮人刺殺事件が挟まれています。
突然事件が起きるのでビックリします。

少し引いて作品を見てみると、冒頭に挿入されているロミオとジュリエットが土台にあるようです
在日朝鮮人の
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リトル・プリンセス/小公女(1995年製作の映画)

3.0

設定が少し変わっています
舞台はアメリカ、下働きのベッキーは黒人の少女になっています
またお父さんはダイアモンド鉱山ではなく戦争に行って行方不明になったことになっています(お父さんの部分はかなり大きく
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同棲時代-今日子と次郎-(1973年製作の映画)

3.5

少女マンガの中から出てきたような健康的な美少女由美かおると美男子仲雅美がマンガ的な演出の中で生活感を感じさせない爽やかな同棲生活を送っているのですが
途中通行人にゲロを吐かれたり心中した死体を見たり生
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昭和残侠伝 死んで貰います(1970年製作の映画)

3.5

この作品はドラマ拝啓おふくろ様の元ネタではないだろうか
舞台や登場人物の配置がそっくりである
元ヤクザの板前、だらしない主人、木遣りとの付き合い、芸者とのロマンス
上手く換骨奪胎してテレビドラマにした
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.0

不思議な魅力がある作品です
ロデオで生計を立てるカウボーイたちの話ですが皆致命的な怪我を負っており出てくるのは身体障害者ばかりです
脳に大きな傷を負い重い後遺症が残る主人公はロデオを諦めなくてはいけま
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サスペリア(2018年製作の映画)

3.5

ホラー映画の傑作が超難解なゴシックホラーに生まれ変わりました
とにかく難しいです
2回以上見ないと分からないのではないでしょうか

フラッシュバックが突然何度も差し込まれるのですが何の説明も無いので見
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Fukushima 50(2019年製作の映画)

1.5

色々と問題のある本作
これはどうかという描写が続きモヤモヤしましたがラストで笑ってしまいました
2020年のオリンピックに繋げる終わり方になっており今となれば全てがウソになるようなエンディングです
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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018年製作の映画)

4.0

非常に優れた映画です
よく出来た短編小説のような内容で、複雑なプロットではないですが、いくつかのひねりと情感に溢れた印象を残します。
我欲にまみれた画商の他人を出し抜く厳しい商売の世界と、機転がきくど
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スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼(2020年製作の映画)

2.0

まさかのオチにビックリです
ひねり過ぎててもう「スマホを落とした」ことは全く関係ありません
一作目は面白かったのですが…

後半30分くらいは全部この難解な(?)物語の説明になっています
実はこいつじ
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在りし日の歌(2019年製作の映画)

2.0

感動作っぽい作りになっているのですが
中心になるドラマ部分は非常にグロテスクです
果たして感動していていいのでしょうか?

計画生育という完全に人権無視の国家的な政策がまずあり
主人公夫婦は二人目を妊
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チィファの手紙(2018年製作の映画)

3.5

ラストレターの中国版なのですが
日本版よりずっといいです

日本版の少女マンガっぽさが全く消えています
中国スタッフとかなりのディスカッションがあったらしく独りよがりなところが消え高尚なフィルムに昇華
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飢餓海峡(1965年製作の映画)

4.0

犬飼=樽見の最後の行動は
衝動的なものだったのか
計算付くのものだったのか
衝動的だったとしたら北海道に着いたあとに何をしようとしてたのか
色々考えたくなるラストです。

16mmで撮られた荒々しい映
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ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

4.0

ラップ部分が翻訳ではイマイチ伝わり切れないところがすごく残念です
分からないのが悔しいです

とても素晴らしい映画なのに日本ではそこまで話題になっていなかったような…
WOWOWで放送されて良かったで
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パンツの穴(1984年製作の映画)

3.5

情緒もへったくれもない剥き出しの下ネタとスカトロのオンパレード
突き抜けすぎてて笑うしかありません
本当にくだらなくて笑えます
しかも演じてるのが名優に新人アイドルに人気絶頂のお笑いタレントにボクサー
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.0

この映画に出てくる場面は実際の場所で撮られています
ニューヨークっていいなあと思う向きもあるでしょう
しかしほとんどの場所がいわゆるセレブ御用達の有名スポットで、一般人は絶対に近づけない所です
歳を取
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鉄砲玉の美学(1973年製作の映画)

4.0

初期のゴダールを思わせる本作
頭脳警察の独特なグルーヴ感がある曲が効果的に使われており非常に現代的です
ハクいスケを感慨を込めて渾身の力で抱いている最中に自分のしょぼくれた前半生がフラッシュバックして
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サンセット(2018年製作の映画)

3.5

とにかくわかりにくい本作ですが、映画の新しい表現に挑んでいることは評価したいところです
観客をその場にポーンと投げ込む
そのまま体験させる
得られる情報は断片的で、さらにその情報を否定する情報も盛り込
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ふたりの女王 メアリーとエリザベス(2018年製作の映画)

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現代的な視点でメアリースチュアートを描き直した歴史劇です

子供を作るためにゲイの旦那と寝る
殴って奮い立たせる
今日的な題材なのだろうか
史実にはない解釈だが
女性上位を描くためにゲイを貶めることに
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男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

3.5

劇的な結ばれ方をした満男と泉ちゃんだったが結婚していなかったのだという
なぜ?
ドラマを作るには満男と泉は結婚していてはいけないしお互い家庭があった方がいっそう複雑になる
ドラマとしては理にかなった選
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