majiziさんの映画レビュー・感想・評価

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天国にちがいない(2019年製作の映画)

4.0

パレスチナ人である監督の視点から世界を垣間見る。
とても静か。
ただひたすらじっと見つめる。

人があふれていて混沌としている世の中。
宗教、政治、戦争。
何を思い、思わんか。
皮肉がきいている一方、
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.0

前置きこっちも長いな〜
けどやたらワールドワイドになっててシリアス。

ほんと一攫千金に群がるのはアカン奴らばっかりでオリジナルよりも断然キングオブクズな4人。

ますます危険度アップ、難関に次ぐ難関
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恐怖の報酬(1953年製作の映画)

3.5

トラックに乗り込むまでの人間模様と関係性を描く前振りがやたらと長い。

でもトラックに乗り出したら、その前提が生きてくるで登場人物の特徴とドラマが面白かった。

職にあぶれたり、仕事があっても劣悪な環
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

1.5

期待せず観たけど…

事故によって1人だけ宇宙船で目覚めてしまった主人公ジムにも感情移入できないし、同じく目覚めたもう1人のオーロラも魅力的な要素が無くて勝手にやってろバカップルって感じ。

ほんとこ
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お引越し(1993年製作の映画)

5.0

両親の別居に激しく心が揺れ動く娘・レンコの物語。表面上は気丈に振る舞いながらもなんとか元通りの生活を望む。

子供は何もわかっていないようで両親の変化を嗅ぎつけるし、自分が道化役となることで過去を取り
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チィファの手紙(2018年製作の映画)

3.5

中国で撮っても隅からすみまで岩井俊二でびっくりする。好き嫌いは完全に分かれそう。日本版は観てないけれど、なんとなく中国版の方が良いだろうなと思い鑑賞。

少しエキセントリックなストーリー展開と美しい映
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夢の裏側 ドキュメンタリー・オン・シャドウプレイ(2019年製作の映画)

4.5

ロウ・イエ監督『シャドウプレイ』製作のドキュメンタリー。

映画を見てからこちらを観るとより面白く、そして当たり前だけど映画を一本取ることは苦労の連続だと改めて感じます。

中国のサイト(豆瓣电影)に
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シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

4.0

2013年、広州市天河区。
高層ビルの間に取り残された村で立ち退きの賠償に不満を抱いた住民たちが暴動を起こす。その夜、付近で市当局の責任者タンがビルからの転落死する。

クライムサスペンスでありアクシ
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寄宿舎 悲しみの天使(1965年製作の映画)

4.5

アレクサンドルー!!(天使)

おフランスの神学校に転入してきた伯爵家の息子15歳のジョルジュ。
同級生のルシアンが何やらこそこそ誰かと親密そうなやり取りをしている…。
ジョルジュは真面目で正義感が強
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スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

3.5

痛々しいラブストーリー。
みんな自分のど真ん中で生きてるので恋愛で得られる幸せに比例して傷つき傷つけられる痛みに苦しんでいる。

髪型コロコロ変えるリーの心情に一番寄り添えた。変えてもどうでもいいおっ
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.0

ムーミン誕生秘話では無かった!

自分に正直に自由に生きることは大変だけど、自分にだけあるものを見つけられるんだろうな。

トーベは両親も芸術家で、生活に困っていたのでとにかく稼ぐ手段として芸術があっ
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

4.0

汚くてどんよりした蘇州河と、美しい愛の話。

荒い粒子の映像がそのままこの時代の上海を映し、それだけでも貴重なフィルム。
生活感漂う荒漠とした風景なのに、どこかヨーロッパ作品を思わせるお洒落でしんみり
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.0

悪夢にうなされそう。
老いは誰にでもやってくる。一般人ですら悩まされるのに、一番遠く離れた場所にいるはずの女優には毎日毒を盛られているようなもんだろう。毎日が苦痛との闘い。ヒステリック上等。

役と同
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.0

ぐるぐる展開に置いてけぼり😵‍💫

マルチバース➕悪と闘うっていう設定は悪く無いんだけど、世界観がざっくりアバウトでコメディは小学生男子並みの下ネタオンパレード。
いろんな映画のパロディもあって楽しい
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マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

4.5


冒頭から映像と音楽に圧倒されました。
だれひとり知らない役者と13世紀のボヘミア王国という時代設定のため、異世界へ入り込んだような感覚に。

神聖と暴虐。生と死。そして愛と憎悪。
中世のどこまでも矛
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都会のアリス(1973年製作の映画)

4.5

大人の寂寥感と子供の純粋性。
切なくほろ苦いのに温かい。
人生の瞬間と永遠。
ラストシーンの開放感。

アリスの聡明さとフィリップの頼りなさ、浮世離れした感じがなんともミスマッチなのにわざとらしさがな
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ひろしま(1953年製作の映画)

4.0

「原爆に甘えているって言われるんです」

なんという言葉。
しかしこれが現実。

原爆で生き残り、被爆者であることの苦しみや差別が原爆投下から8年後に製作され、実際に8年後という設定。

原爆直後の描
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飾窓の女(1944年製作の映画)

4.0

もうドキドキしたわ‼️これぞラング。
このラストは少々ズルいと思うけどめっちゃ安心したのでまんまとやられました。

だいたいあないな美女がくたびれたオヤジをホイホイお家に招くかいな。しかも誰かの愛人や
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青いガーディニア/ブルー・ガーディニア(1953年製作の映画)

3.5

良くも悪くも古い作品なりの魅力とテンポ。
失恋したての女性がやけっぱちになってしまい下心満載のおっさんの誘いにのってしまいそのままデートをして泥酔しおっさん死亡!もしやわたしが殺しちゃったの?というス
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イルマ・ヴェップ(1996年製作の映画)

3.5

マギー・チャンに夢中になっちゃった監督の自己満足作品かと思いきや、映画製作の裏側あるあるから芸術映画論についてまで。

フランス人特有の自己主張だらけの現場、役と同化してしまう役者、苦悩してすぐに問題
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.0

大昔に観たGUCCI家のドキュメンタリー番組が面白かった記憶があり、事の顛末は予め知っていたので、この作品は期待値を超えられず。

どう見てもガガ様とアダム・ドライバーが恋には落ちんやろ〜と感じてしま
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人間の條件 完結篇(1961年製作の映画)

4.5

極限状態で人間の本質が発露されるなどと言うが、劣悪な条件のもと奴隷扱いされた場合、また悪意に満ちた攻撃を向けられたなら最終的に本能として自分を守るしか無い。何をもって人間らしさと言うのか。

5部はソ
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人間の條件 第3部望郷篇/第4部戦雲篇(1959年製作の映画)

3.5

挨拶並みにすぐビンタ。
ビンタしまくり!
場所や時代が変わっても軍隊で起こる事はなぜ同じなんだろう。
陰湿で低レベルなイジメ、しごき、嫉妬、上官命令の絶対。

田中邦衛が出てきた瞬間もうなんていうかそ
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人間の條件 第1部純愛篇/第2部激怒篇(1959年製作の映画)

4.0

6部まである大長編。
1部2部は昭和18年満州から鉄鋼会社の労務管理の職につくため老虎鉱山へ主人公の梶が妻の美千子と向かう。
現場についた梶がみた現実は、中国人を奴隷のごとく働かせ、無茶なノルマを達成
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キル・チーム(2019年製作の映画)

3.0

どっかで見たような話。
ほぼ『プラトーン』だった。

『プラトーン』は白人でエリートの主人公が正義感に燃えて大学中退までして志願兵となるも、実際の軍隊はお金のために入隊した貧困層の白人たちや黒人の寄せ
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モラン神父(1961年製作の映画)

3.5

JPベルモンドが初めてイケメンと感じた!
若い。そしていつか道を簡単に踏み外しそうな危うい神父なのになかなか生真面目。

問答無用で日常を奪う戦争を目の前にして神様なんて何もしてくれないんだから、自分
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

3.5

虚飾、虚栄、、、
SNSって罪深い。
あんまり賢くない人間は使わない方が身のためなのかもしれない。

貧乏はいいけど貧乏くさいのが嫌ってことなんだろうけどさ。
まずその時点で全然貧乏良くないじゃんって
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

世界をどこかで救っているのは名もなき人たちなのかもしれない。
歴史に名を残す偉人だけが英雄では無いことをひしひしと感じました。

キューバ危機の裏側にあった工作員の実話。

こんな軽い感じでスパイ🕵️
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モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

4.0

人間の醜さと高潔さが同時に感じられた。
あまりにも卑劣で下品な手段で嬉々として拷問する姿、真実を暴くために闘う弁護士、全てを赦すことにした容疑者。

その誰にでもなり得る可能性がある現代。

私たちが
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

-

『エール』のリメイクとはいえ、細かい設定以外はほぼ同じ内容でした。

まあ同じストーリー2回目なのでどうしても新鮮さはなくて、意外と上手く作ってるな〜という感想です。

オスカーもこんな王道な作品が撮
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.0

思ってたより何も感じない作品だった。
ケネス・ブラナーの幼少期を美しく思い出にした内容。

アイルランドの宗派対立が過激化する中、戸惑いながらも支え合う家族、幼い少年の目に映る世界。

本当に特に何も
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デンマークの息子(2019年製作の映画)

4.0

息の詰まる展開と、正解のない課題を突きつけられる作品。
移民・難民問題は日本も他人事では無い。

悪意をもった見方をすれば、移民や難民という名を語り、あらゆる利権に群がり悪用する、移民先で対立する民族
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.5

現実にこんなことがあるのかな?
あるんだろうなぁ…

要介護高齢者の後見人という制度を利用して、金持ちどもを食い物にする主人公。

がめついというようなレベルではなく、犯罪なんだけど、人間に良心や善意
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茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)

4.5

静かで深い、良い映画だった。
元々韓国映画はあまり好きじゃないんだけど、これは素晴らしかった。

学ぶこと。対話すること。
あふれる好奇心。
謙虚であること。
身分制度のある時代、制限のある生活の中で
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永遠の人(1961年製作の映画)

4.5

面白いし最高に激烈な作品。
戦中戦後の田舎を舞台にある家族を描く。
ぐったり体力を持っていかれました。
生き地獄のような日々。
でも生きていくのが人生。

内容についてあれこれ書いてもどうにもこの作品
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キャバレー(1972年製作の映画)

4.5

これぞミュージカル映画でした。

単に歌って踊っての作品ではなく、ストーリーも深いし、真っ暗な社会的背景の描き方も夜を舞台にあまりにも比喩的なオープニングとエンドロールは見事。

ライザ・ミネリの魅力
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