小石川さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

小石川

小石川

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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.8

強い作品だった。
誰かのために、何かのために犠牲にできるものがある人は何でもする、例えばお金のために、例えば仕事のために、例えば義務のために、例えば愛のために。

この作品では誰もが誰かを愛していて、
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355(2022年製作の映画)

3.6

どの役者さんも演技が強くて、今まで演じてきたキャラクターが効いているように感じられた。
ストーリーラインやキャラクターの動きにマンネリなところがあって、もう少し掘り下げられたのではないかと感じられる部
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時の面影(2021年製作の映画)

3.8

Netflixでしか観れない作品のなかでは、誰かにまずお勧めしたい作品になった。
歴史に触れるという感覚は、実際に何かを見て聞くことでしか得られないと思うけれど、この作品からは作品を通して歴史を感じら
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ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー​(2019年製作の映画)

3.2

イヤな感じの演技がみんなよかったと感じたけれど、ジョゼフィーナ役のゾウイ・アシュトンはイマイチという感じ。
凝った設定やストーリーの深掘りが少なく、それこそ作中で「現代アートのトレンドは泡のようなもの
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.7

見応えがあったし、盛り上がりのある場面も多く、キャストもそれぞれにあった演技を惜しみなく出していたと感じた。
当時の背景や知らなかった事実を知るきっかけになるパワーがある作品だった。

その反面、主人
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.0

今まで本当にさまざまな困難を乗り越えて、ざまざまな悲しみに向き合ってきたスパイダーマンたちが、ほんの少しであっても報われ、救われたことがとても嬉しい作品だった。

『スパイダーマン』にとって、敵に勝っ
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ファーザー(2020年製作の映画)

3.9

人とは、そしてその人が過ごしてきた時間とは、なんとも儚く、恐ろしく、そしてやるせないものなんだろうかと感じざるを得なかった。

途中、悲しくて涙が止まらなかった。けど、決してネガティブな悲しみではなく
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.4

結末がわかっていても観入ってしまう作りだった。視点の移り変わりや場面の転換が新鮮で、映像体験としてリアリティがあったように感じた。
ただ、わかりきった結末とありがちなキャラクターだったので、途中ちゃん
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.7

古典的だけれどよく練られた作品に感じた。
年代を古く設定してノスタルジアを出すと同時に、メソッドやツールの部分を簡単にすることに成功していると思った。現代で同じことをするとしたらかなり大変だろうという
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アス(2019年製作の映画)

3.4

その時代を生き、その社会に生きていない人には伝わりにくいメッセージを中心に作品が形作られていて、自分が観てもオマージュもメッセージもテーマも伝わりにくかった。
スリラーとして見応えは確かにあったけれど
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.7

人の愚かしさを風刺する作品として観ることができた。直視したくないことは「考え方」の違いとして受け入れない、否定する、それらを扇動する一方で、信じたいことや主張については事実に基づいていないとしても、構>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.9

いかにもマスキュリンな世界を作ったのは、その世界ではタブーとされるものだった、そして隠されたものは隠し続けた当人によって驚愕の手順で次に継がれようとしたものの、継手が何を考えていたのか、何を察していた>>続きを読む

アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

3.5

結局のところ「成功」がなんなのか作品の最後まで判然としないまま観終えてしまい、もんやりとしたままの作品になってしまったような気がする。
ゾンビの王国、とても気になるのでその辺りももっと深掘りして欲しか
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.6

展開はよかったし、ある程度のまとまりもあって見やすかった。
物語を書くことに情熱を注ぐ人がいる一方で、それを評価したり世に出したりする人によって運命が左右されることがあり、本当にすばらしい作品は「出さ
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レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

3.5

メインキャストの3人の動きがよかった。それぞれが出演している代表作の片鱗(『デッド・プール』、『ワンダー・ウーマン』、『ジュマンジ』、『ワイルド・スピード』などなど)を感じられた。
ストーリーや構成は
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ダニエル・クレイグよ永遠に、というのが総括になるかなぁ。
アナ・デ・アルマスにはぜひ次回以降にも登場してほしい。他のキャラクターも、この偉大な007を覚えている人たちとしていつかまた登場してほしいと願
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ベケット(2021年製作の映画)

3.0

見せ場という見せ場もないけれど、見ていて冗長な部分もない、捉えどころのない作品だった。
義憤に駆られてか、死に場所を求めてか、何かの償いのためか、なぜそこまでして最後まで自分をその状況に貶めた人たちを
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.3

かなり期待してしまっていた自分が悪かったのかもしれないが、いいところがあんまりない作品だった。
いろんなものを置いてきぼりにしすぎていて、エンタメをつくるうえでちょっと盛り込みすぎていたように思う。
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.8

安楽椅子モノだったので、いつどんな形でどんでん返しがくるか見守っていたのだが、とんでもない形で起こってかなりよかった。全く予想ができないようなことが起きたかといわれればそうではないけれど、そうであって>>続きを読む

ザ・ハント(2020年製作の映画)

3.5

思っていたよりもよかった。風刺が効いている。信じたいものだけを信じ、事実を捻じ曲げて自分の見えるものと信じるものだけを真実にすることへの警告が見えた。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.9

人生の一本になった。個人的なものだけれど、こんなに素晴らしい作品はほとんど観たことがない。それくらいすごい作品だった。

原作と映画という観点から語れば、原作はあくまでエッセンスでしかなくて、この映画
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.6

アジア人で『ブラックパンサー』を作ろうとしているところにとても注力している感じがあって好感触だった!
家族の描き方(儒教的な家族観)や英語以外の言語を登場させるシーンや、物語の緩急とキャラクターの深掘
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

3.7

さまざまな作品を自由に楽しむことができない時代があったことを考えると後ろ暗い気持ちになる。そういった現実を伝えるという意味ではとても意義深い作品だと思う。

原産国であり、作品の舞台でもある台湾は、現
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.7

観る人に与える影響を考えると、よく練られている作品だと感じた。プロデューサーの名前を見て納得できたところもあった。現代性の高い、『未来のミライ』の細田守の片鱗も感じられる作品。

その分、エンタメとし
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.9

料理が人を幸せにする、というのを肌で感じられる作品だった。観ているあいだ、思わず笑顔になってしまうシーンがたくさんあって、こんなふうにできたらな、こんなふうにしてあげられたらな、と何度も思った。

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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

3.8

一見すると平凡な犯罪映画のように見えるけれど、そんなことは全くない、大きなメッセージとテーマを含んだ、見事な作り込みの一作でした。"This is not based on a true story.>>続きを読む

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.6

007、MIシリーズ、ジェイソン・ボーン、キングスマン、RED、トランス・ポーター…いろんなスパイ/アクション・ムービーがあるけれど、そんな感じをよく作り上げている作品だった。マーベルが頑張ってそれら>>続きを読む

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

3.8

とっても上質なホラーだった。
ホラーにおいて「上質」というのは、恐怖を徐々に増長する仕掛け、気持ちが悪くなるタイプの恐怖感、複雑に絡み合った人間の憎悪や怒りの糸を感じるストーリーラインなどが重なり合う
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