矢吹健を称える会さんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

矢吹健を称える会

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映画(1391)
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愛は憎しみを越えて(1983年製作の映画)

2.3

 大仰な邦題だが原題は『Scalps(頭の皮)』。すごいギャップである。

 原住民の娘(とんでもない美女)と元・南軍の男を、やっぱり元・南軍の残党が追うという話なのだが、まずこの残党たちの描写が全然
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オーウェルロックの血戦(1967年製作の映画)

2.2

 安くて下手でゆる~い。マカロニっぽ~い。でも道具屋破壊シーンは派手でよろしい。

 美女が(無駄に)多い。これもマカロニっぽい。

 とにかく主人公以外誰が誰だか、何やってんだかわからんのが困りもの
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関ヶ原(2017年製作の映画)

-

 50分ほど見て耐えられなくなって止めた。5分見てもうダメだとわかる。これだけの役者をそろえて……本当に編集がひどい。こんなのに優秀編集賞を与えた日本アカデミー賞、何考えてるのか本当にわからない。>>続きを読む

亜人(2017年製作の映画)

2.3

 シーンごとは原作にわりと忠実にも関わらず、なぜか原作より遥かに幼稚な物語になっていて、邦画マジックを感じる(原作がいかに演出がうまかったかということかもしれないが……)。
 それでもラストのIBM(
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第十一号監房の暴動(1954年製作の映画)

4.0

 「第十一号監房」の内部を見渡すローアングルショットが素晴らしく、囚人たちが監房の制圧に成功したあと、各房からわーっと囚人たちが沸いて出て、めいめい枕だの布団だの本だのを自室から引きずり出して監房中に>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

3.6

 英題が『The Gangster, the Cop, the Devil』で、The Gangsterことマ・ドンソクをうっかり襲っちゃってえらいことになる連続殺人鬼がThe Devilなわけだが、>>続きを読む

スタートアップ!(2019年製作の映画)

3.2

 『キッズ・リターン』になるかと思いきや焦点がぶれまくる、どうにも中途半端な物語だが、すごく丁寧に撮られていて好感を持った。序盤の主人公の殴られっぷりが良い。ただ、彼含め終盤におけるキャラの心変わりに>>続きを読む

拳銃の嵐(1948年製作の映画)

1.9

 全く冴えない西部劇。こういうのが一年に300本くらい作られていたのだろう。

Adventures in Silverado(原題)(1948年製作の映画)

3.7

 とってもいい! 『荒馬サンダーホーフ』も良かったけど、フィル・カールソンって西部劇時代にはこんな丁寧な仕事をしているのだなあ。しみじみ感じ入ってしまいました。「ビッグ・フェラ」の駈けつけるシーンの幸>>続きを読む

ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019年製作の映画)

3.2

 いささか鈍く野暮ったいコーエン兄弟といった感じで楽しく見たのだが、この話で「あの生き物」をちゃんと撮らないのは片手落ちだと思う。主人公の頭の悪さがたまらない。
 回想がひとつもないのが偉い。

荒野の三悪人(1951年製作の映画)

1.7

 クァントリル・ギャングもの。南北戦争終了後に、元北軍将校のロバート・ライアンがギャングを率いるという設定は若干面白いのだが、単純に出来が悪い。
 クレア・トレヴァーのキャラクターも、もうちょっとちゃ
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オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

3.4

 はじめてのソフィア・コッポラ作品。まあ正直言って、ほかの人の意見を斜め読みして、「まあダメなんだろうな~」と勝手に侮っていたわけですが、この作品はどうも評判がいい。なので見たという次第なんですけど、>>続きを読む

人間の証明(1977年製作の映画)

2.3

 冒頭のファッション・ショーのシーンが妙に長く、さっそく不安になる。つづいていわゆる「ストウハ=Straw hat」の一件が出てくるのだが、それがまた何とも納得しがたい理屈で、このあたりで本作について>>続きを読む

不能犯(2018年製作の映画)

2.0

 アホみたいな物語を頑張って映像にしていて泣かせる。しょうもないシーンにクワイア流したり。
 松坂桃李は『CURE』の萩原聖人から20年は古いキャラクター&演技をしている。

 廃墟の松坂桃李が完全に
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ファイナル・スコア(2018年製作の映画)

3.5

 ポスターに「スタジアム版『ダイ・ハード』」とあって、その通りとしか言いようがないのだが、オリジナルから「舞台の有効活用」というマインドもちゃんと受け継いでいて良い。食器運搬用のエレベーターまで使うと>>続きを読む

キック・オーバー(2011年製作の映画)

3.6

 これは楽しい。「ナレーションが多いなあ」とかいう不満が帳消しになるくらい楽しい。メル・ギブソンが余裕たっぷりで実に良い。

 見終わって、脚本にメル・ギブソンの名前を見つけてびっくり! いやあ失礼な
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七つの会議(2018年製作の映画)

1.2

 生涯ワースト級ですね……。

 冒頭からナレーションに次ぐナレーション。めっちゃナレーション。しかも語り手がコロコロ変わる。4人目くらいで、意図的にこの形式を選んでいることはわかったが、結局段取りを
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

2.6

 平板だなあ。ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイはともに魅力的だが、両者の視点が交錯する前半部が焦点を欠いていてひどくつまらない。アン・ハサウェイがオフィスを自転車で移動するという(前半で唯一)期>>続きを読む

はりぼて(2020年製作の映画)

3.2

 わかりにくい箇所、意図がつかみかねる箇所もあるが、新井英樹が見たら手をたたいて喜びそうな等身大の悪あるいは不正のつるべうちにはさすがに笑ってしまう。本作のDVDを『ウィーナー 懲りない男の選挙ウォー>>続きを読む

オフィシャル・シークレット(2018年製作の映画)

3.0

 キーラ・ナイトレイがメールをリークし、それが紆余曲折を経て記事として発表されるあたりまでがどうにも退屈で、あかんの~~と思っているとレイフ・ファインズが登場。このあたりからオッサン役者の存在感で持ち>>続きを読む

プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵(2020年製作の映画)

3.5

 もう流れるように進んでゆく、そのシンプルさが素晴らしい。こねくり回しても面白くなりそうな要素に全く頓着しない。気持ちいいね。お茶漬けのような映画である。佐分利信ならずとも「やっぱこれだね」という感じ>>続きを読む

エージェント・スミス(2019年製作の映画)

1.6

 出来が悪い。特にナレーションがひどい。

 「ナレーションで始まる映画はダメ」という持説がありまして、この映画もエミリア・クラークのナレーション(その出来もひどいが)から始まるので大いに不安ななか見
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バッド・チェイサー(2015年製作の映画)

1.3

 主人公が「広場恐怖症」なのでめちゃめちゃ怖がりながら砂漠をノロノロ歩く。たまに地面に薬をもたもた置いて飲む。幻覚を見る。うわごとを超小さい声でつぶやく。面白いかその映画。

 画面もピンボケの多用で
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リズム・セクション(2019年製作の映画)

-

 巻頭5分で「こりゃダメだろうな」という予感がきざし、最初の挿入歌の使い方で予感が確信に変わった。それでも1時間ほど見たが……。

 すごい身も蓋もないこと言いますけど、ブレイク・ライブリーを刺客に育
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ナイチンゲール(2019年製作の映画)

3.8

 よく知らずに見始めたら画角がスタンダードで、意表を突かれる。そして主演のアイスリング・フランシオシの素晴らしいクローズアップ。もうこの時点で傑作の予感。とにかくスタンダード画面に収まるためにあるよう>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

2.8

 よくこんなこと思いつくなあという感心はするものの、そのアイデアが殆ど映画としてスリルを生まないのはやっぱりノーラン。ルールちょい足しの頻発にもしらけるが、ラストのごちゃごちゃした展開なんか本当に拙い>>続きを読む

狂走情死考(1969年製作の映画)

2.5

 全然エロくない『乱れる』。海辺のキチガイ登場シーンは最高。

ギャング忠臣蔵(1963年製作の映画)

2.5

 細かい描写がだいぶフザけている。大石内蔵助にあたる高倉健が新婚旅行でパリに行く! するとシャンソン歌手の佐久間良子がフランス語で歌いながら出てくる! かと思えば、アルジェの外人部隊上がり(!)だとい>>続きを読む

マローナの素晴らしき旅/マロナの幻想的な物語り(2019年製作の映画)

3.2

 映画を見ているとたまにこういう作品にぶつかる。つまり、クオリティは明らかに高い、どう考えても創意に満ちているんだけど、あんまり好きになれなかった、という……。とはいえ、かつて犬の飼い主であった自分を>>続きを読む

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

3.8

 劇伴が一切流れず、そのかわりにところどころで謎のR&Bが流れる。Marvin Gaye『Midnight Love』っぽいシンセベースがブイブイとループする妙に荒々しい曲で、その感触がなんか独特だな>>続きを読む

にせ刑事(1967年製作の映画)

1.6

 すべてにおいて低水準、つまらなくて脱力する。緊張感の欠片もない。物語として駄目というのもあるが、それ以上にテンポが悪すぎる。中盤以降の誘拐事件も珍妙な描写の連続、捜査シーンから殴り込みあたりまでは(>>続きを読む

劇場版 MOZU(2015年製作の映画)

1.1

 いやーこれはいわゆるレベチですね。いくら最近の邦画に底抜け作品が多いといってもここまでの作品はちょっと見たことがない。『ワイルド7』なんかマジ全然目じゃない。予告編を作るために映画を撮ったとしか思え>>続きを読む

荒野の誓い(2017年製作の映画)

3.1

 どうもこの監督は信用しきれないところがあって、今作もあんまり期待はしていなかった。で見てみると、撮影は文句なしに素晴らしいし銃撃戦も見ごたえがある、でもやっぱりどこかでのりきれないというか、違和感み>>続きを読む

富士に立つ影(1942年製作の映画)

1.6

 レヴュー0件も納得のつまらなさ。「築城問答」とその後の実地検分を延々古めかしい言葉でやるのもどうかと思うし、その他の演出も退屈極まる。序盤の花火のシーンには「こういうカルチャーがあったんだなー」と感>>続きを読む

無法松の一生(1965年製作の映画)

3.8

 壮年(あるいは老年)期にさしかかってからの松=勝新太郎の演技が異様に重苦しく、ほとんど無惨と言いたくなるほどメイクも暗い。最後まで笑顔だった阪妻とは大きく異なる解釈だが、終盤の太鼓のシーンでは人が変>>続きを読む

月下の蘭(1991年製作の映画)

2.5

 変な映画。オープニングが『湖中の女』のような主人公の主観画面だったり、安っぽいアイドルPVみたいなシーンが始まったり、主人公が借金取りに追われるシーンでは相米慎二のような長回しをやったり……と演出が>>続きを読む