ヘンダーソンさんの映画レビュー・感想・評価

ヘンダーソン

ヘンダーソン

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.7

もし内戦が起こったら。死が本当に身近なものだったら。先進国を舞台にしたからこそ、沸く実感。

戦場カメラマンである主人公が、『写真を撮ることで警告してるつもりだったんだけど』と呟くシーンがあるが、この
>>続きを読む

ヒプノシス レコードジャケットの美学(2022年製作の映画)

3.5

ヒプノシスの作成したジャケットは、少しロックをかじった人ならお馴染み過ぎるほど、よく目にするものだろう。
そんなヒプノシス、メインであるプーとストームがどのようにかの有名な作品群を作っていったのか、メ
>>続きを読む

blur:To The End/ブラー:トゥー・ジ・エンド(2024年製作の映画)

4.2

こういうドキュメンタリーは悪くなるわけがない。特に歴史のあるブラーのようなバンドを全盛期から追っていたファンにとっては、思い入れや様々な視点が加わるので、客観的には観ることが出来ない。
やはり4人が揃
>>続きを読む

リアル・ペイン〜心の旅〜(2024年製作の映画)

3.2

ユダヤ人である主人公が、従兄弟と共にポーランド旅行によって、自らのルーツと触れ合うロードムービー。
繊細でありながら自由奔放な従兄弟との関係性といった部分が今作の肝になるのだが、そことユダヤのルーツと
>>続きを読む

クイズ・レディー(2023年製作の映画)

3.1

軽い気分で観るのにちょうどいい。
ただ、中国系を主人公にした意味がイマイチ見えてこなかったり、姉妹愛をテーマにしたのなら少し薄口。
ウィルフェレルがとてもいい。
しかし何故だろう、最初は不快だった主人
>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

1.8

タイムリープものってやっぱり限界がある。最後まで飽きさせずに見させるのは至難の業だと思うし、実際本作品もかなり微妙。
しかも大して違いがない2分おきの繰り返しを見せられるのはとにかくしんどい。

ゲーム・プラン(2007年製作の映画)

3.1

このジャケットを見るだけで、映画の全てが理解出来ると言っても過言ではない、所謂ファミリー映画。
とにかくわかりやすく、全てが想像の範囲内。
でも、それが悪いわけではなくて、むしろ安心感に繋がっている。
>>続きを読む

レッド・ワン(2024年製作の映画)

4.3

大人向けファンタジッククリスマスムービー。
まず早々に最新技術を使いながら、プレゼントを準備するそのサンタの姿にワクワクする。

テーマもしっかりしていて、
日々の選択が、その人間を作り上げる。
人間
>>続きを読む

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

1.0

なんと薄っぺらい映画だろう。イーストウッドがこんな作品を作るのかと驚いた。

まずとにかく気になったのが、何故ボクシングをテーマにしたのか。ボクシングへの敬意や興味が全く感じられないのだ。

では、描
>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

以前観た時に感じた難解さは、今回感じなかったし、楽しかった。
とはいえ、クリストファーノーランにしてはわかりやすいし納得感がある、というくらいで、無理がある箇所はいくつかある。
夢に潜り込むという設定
>>続きを読む

リトル・ダンサー デジタルリマスター版(2000年製作の映画)

5.0

久々に観て、こんなにも感情を揺さぶってくる映画ってないんじゃないかって改めて感じた。
多分10回は観たのに、まだ泣ける。

親子、家族、兄弟、師弟、小さな恋心、友達の性的嗜好、少年から大人への脱皮とい
>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.3

PMSとパニック障害いう難しい題材をテーマの一つにしながら、しっかりとした人間関係のドラマに落とし込めているように感じた。だから見終えたあと、じんわりとした感情は残っても、重くはならない。

ゆっくり
>>続きを読む

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.2

なんだろう、シャトルを発射させるにあたり各部門責任者が『GO!』という時の高揚感は。この場面だけでもグッとくる。
勿論本筋も良質な作品だが、重くならず観やすい世界観。
チャニングテイタムとスカーレット
>>続きを読む

デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

1.6

シリーズの面白さって勿論あるけど、映画は正直それ単体で観ても楽しめるのが前提だ。
でも今作はあまりに自家中毒起こしてて見てられない。ここまで閉じた世界を作りたいならドラマシリーズとかその辺りを活用すれ
>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

実話を元にしていながら、ドラマとして重厚な作りに好感が持てる。
ハイスクールミュージカルであれだけキラキラしていたあのザックエフロンがここまで来たかと思わせる身体つき、演技だ。
存在感がとんでもない。
>>続きを読む

エンパイア レコード(1995年製作の映画)

1.3

1995年に作られたってことは、グランジの爆発的な勢いが終わりかけた頃。その辺りのカルチャーを売り物にしようと、若者に迎合して、急いで作ったというのが透けて見える。そりゃ大した出来にはならないだろう。>>続きを読む

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

1.8

これは想像以上にアイデア一発のコメディ。
コメディだと思って観るのか、コメディ風味を取り入れたパニック映画として観るのかで評価が変わってくるが、後者として観てはいけない。驚くほど安っぽくて、あり得ない
>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.1

観ていてウキウキしてしまう。ウェスアンダーソンはもはや映画を再発明している。この監督にしか作れない映像、ストーリーのリズム。
ウェスアンダーソン印の様々が上手いバランスで混じり合ったのが今作だと思う。

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.4

あまりに良い話をつくろうとし過ぎているように感じてしまった。
落ち着いていて悪い作品ではないのだけど、なんでだろう、入り込めなかった。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.2

1に続き、とにかく世界観に圧倒される。SFとはかくあるべきと言いたくなる。ここまで徹底した作品を作るためにどれだけの労力がかかるのだろう。
ストーリーに関しては、何か少し物足りないところがあるように感
>>続きを読む

オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

2.0

ミッションインポッシブルのような諜報機関の機密チームが主役だから、当然そことの比較になってしまうのだけど、よりマンガじみているし、正直監督のオナニー感が強い。相変わらずスタイリッシュな作品を作ろうとし>>続きを読む

俺たちホームズ&ワトソン(2018年製作の映画)

3.3

安定のウィルフェレル。安定のジョンCライリーとのコンビ。俺たちステップブラザーズには敵わないけど、でもシンプルに面白い。映画としては荒さが出ているけど、コメディとして悪くない。
ウィルフェレルのかわい
>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.7

ラストでコヴェナント=絆、誓い、約束
と表示されるが、自分は返報性の原理についての映画だと感じた。
つまり与えてもらったものは、どうにかしてお返しをしようとする。主人公が帰国した後に『あいつは俺に呪い
>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.1

極論だけど、これはアニャの眼を楽しむための映画だ。
正直ストーリーなんてあってないようなもんだし、そもそもそれを期待するのはお門違いだ。その中で一本筋が通っていたのが、アニャの眼。これはおそらく映画と
>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

2.8

この90分の作品をワンカットで作り上げたことに素直に驚嘆する。どれだけの準備と練習が必要だったかを考えるだけで震える。
ただ、同時なワンカットは、作品としてはどうしても難しいものになる。そりゃそうだ。
>>続きを読む

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

2.3

やりたいことや伝えたいことはわかるんだけど、演出やストーリーが安っぽいし時代錯誤感が凄い。
2021年に作ったのに、まだこんな作風になってしまうのか。同性愛者ってこんなに深く悩んで大変なんですよって、
>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

1.9

このデジタルデバイスの画面のみで進行するというアイディア一発勝負の作品だから、如何にそのアイディアに必然性を持たせられるかが大切になってくる。

今作では、前作よりも無理やり感はなく自然に観ることが出
>>続きを読む

GO(2001年製作の映画)

2.5

昔見た時よりも楽しめなかった。
おそらく自分の中で、もしくはこの一般社会の中で、在日に対して、人種に対しての考え方が変化したせいではないか。
少し前の映画を観ると、やはりコンプライアンス的な部分で世界
>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

1.7

このポップなかわいい殺し屋っていうのはどうなんだろう。2つの両極端なものを無理やりくっつけたところがこのシリーズがウケている理由なのはわかるけど。
前作よりも更に、オタクが喜ぶような装置が満載。日本が
>>続きを読む

パイレーツ・ロック(2009年製作の映画)

4.1

リチャードカーティスにハズレなし。
何故だろう、この人の作品は見た後、優しい気持ちになる。人物一人一人が生き生きとしていて、悪い人がいないからかな。

バービー(2023年製作の映画)

2.0

これは評論家連中に高得点をつけることを強要する作品だ。これを否定することは今の時勢が許さないだろう。
そういう意味で、あまり好きではない。監督にその気があろうがなかろうが、結果的に自由に解釈することを
>>続きを読む