ヘンダーソンさんの映画レビュー・感想・評価

ヘンダーソン

ヘンダーソン

ナワリヌイ(2022年製作の映画)

5.0

本当に感動した。なんという勇気だろう。彼自身の正義を貫こうとする覚悟に震えるし、筆舌に尽くし難い。
それでいてやり口はスマート。毒殺されそうになるような状況に置かれて、シリアスになりすぎないようにして
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スラムドッグス(2023年製作の映画)

3.7

すごく好きなタイプのコメディ。犬や飼い主も含めて、全員がイカれてるという。コメディでもふざけに照れや客観性が入ってしまうと、こちらも冷めてしまうのだけど、その点この作品は犬にアテレコみたいにして喋らせ>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.0

凄く楽しみにしていたのだけど、正直眠気が勝ってしまった。
名作っぽい雰囲気は出ているのだが、何しろ冗長。3時間半の上映時間にそこまでの必然性を感じなかったのだ。
もう一度、改めて観てみたいとは思う。

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.5

テーマは『素晴らしき世界』と同様だと思う。どうやったってやり直すことの出来ない人生について。本人の意思だけではどうにもならない社会の仕組みという鎖。
ただし、こちらはどうだろう、『素晴らしき世界』に比
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マンディブル 2人の男と巨大なハエ(2020年製作の映画)

3.3

シュールコメディ。巨大な蝿を見つけた二人が、その蝿を教育して金目のものを取ってこさせようとする。
フランス映画だが、いい意味でフランスらしさはない。
オフビートで進む、正にワンアイデアから膨らませてい
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ビール・フェスタ 無修正版 〜世界対抗・一気飲み選手権(2006年製作の映画)

2.2

この記憶に残らないようなくだらない、かつ特に笑うところもよくわからないドタバタコメディ。こういうのは嫌いじゃないし、たくさん観てきたけど、どこで差がつくかというとやはりストーリー、映画の芯の部分がしっ>>続きを読む

カーライル ニューヨークが恋したホテル(2018年製作の映画)

1.9

素晴らしいホテルなのだろう。勿論それは伝わってくるのだけど。
有名人が好むから良いホテル、有名人が泊まったから素晴らしい部屋、有名人が乗ったエレベーター、有名人によくしてもらったスタッフ…。そんなエピ
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.2

どこかが突出しているわけではないのだけど、シリーズの良さを残しながら、少しずつ全体をグレードアップさせたような作品。安心して見ることの出来る良質で高級感のある大人のアクション。

このシリーズの良いと
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.0

少女が見る現と幻の境目が、自身を飲み込んでいく恐怖。
辛い現実から目を背けるための自己防衛が、ラストの悲しいシーンに繋がるのなら、あまりに絶望的だ。

正直、この悪夢に迷い込んでしまったような世界観は
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

3.7

それぞれキャラは立っているが、そのなかでもスティーブカレルがとても素敵だ。
オフビートなロードムービー。

ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

-

これは点数つけられない。
ディズニーアニメ100周年を祝福するために作られ、あのキャラクターもこのキャラクターも総出で出てくるのだから、そこまでコアなディズニーファンじゃなくても気分が高揚する。

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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.7

見終えた後、何か凄く残念な気分になる作品だ。途中まで、久々にとんでもない名作きたかもとかなり盛り上がっていたのだが、後半〜ラストのオチの付け方に落胆した。

今作は二つの側面から見ることが出来る作品だ
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

4.4

邦画にありがちな重苦しい雰囲気になるのを周到に避けながらも、しっかりと心のひだに触れてくる優しい作品だった。

残る台詞もあちこちに。芸術家周辺のストーリーなだけに『自分と向き合うこと』がイヤらしくな
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ラスト・ワルツ(1978年製作の映画)

3.9

歴史に残る音楽フィルムだし、マーティンスコセッシだし、ずっと観たいとは思っていた。ザ・バンドのことを深く知らないのに観るのは勿体ないと思っていたが、ロビーロバートソンの自伝を読んだので鑑賞。結果、やは>>続きを読む

寝取られ男のラブ♂バカンス(2008年製作の映画)

3.6

邦題で損している映画。とても良質で、下ネタ強めのラブコメ。初っ端にモザイク無し素っ裸のジェイソンが出てきた時は、かなり激しめの18禁かと思ったが、全然そんなことない。

浮気をされた純情男がバカンス先
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ブラックアダム(2022年製作の映画)

3.8

DCシリーズはとにかく合わないのだけど、今作は今まで観てきたDCの中で最も楽しめた。
シリアスになり過ぎないように、作風をシフトしてきているのが明らかにわかるのだが、アクアマンやシャザムでは上手くいっ
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のぼうの城(2012年製作の映画)

1.3

これは悪い意味でのマンガだ。しっかりとした歴史物を観たいなら、とてもオススメ出来ない。
そしてマンガとして観たとしても、正直なんとも言えない微妙な出来だ。

なにしろ、小説では魅力的に描かれていた成田
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ザ・コミットメンツ(1991年製作の映画)

3.3

一昔前に本気でバンドで名を上げようとした連中は、こんな風に仲間を集めたんだろうな。
実際にこのバンドが奏でるホワイトソウルは、なかなかいい。
イギリス映画でしか味わえない空気感がある。

ただ少し画面
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

2.2

これがアメリカのアニメーションなんだと言われたらそれまでなんだけど、どうにも色使いや動きが押し付けがましく、目が疲れてしまう。
キャラクターの画面に対する割合が大きく感じたのだが、それによって画面内を
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小説家を見つけたら(2000年製作の映画)

4.1

テーマは、グッドウィルハンティングと同じ。
巨大な才能を持つことによって、どうしても生じる人生の歪さについて。
そのストーリーも似ていて、メンターとメンティーとの師弟関係と友情が軸になる。

ラストに
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奥さまは魔女(2005年製作の映画)

3.9

全編にわたって、全てがかわいらしい作品。なかなかこの世界観はないんじゃないか。
なにしろ『鼻のヒクヒク』が散りばめられているのだから。

ニコールキッドマンもウィルフェレルも、そして出番は少ないがステ
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リトル・ストライカー(2000年製作の映画)

1.5

この映画に何を求めるか。
少しでも『フットボール』を求めたら、全く楽しめなくなる。扱われているのが少年サッカーとはいえ、あまりに雑なフットボールシーンだ。
だから、この映画を楽しむためには、虐められっ
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エコー・イン・ザ・キャニオン(2018年製作の映画)

4.4

観ていて幸せな気分になれる。60年代半ば〜70年代初頭の西海岸、ローレルキャニオン周辺のシーンに特化して、ジェイコブディランが関係者にインタビューしていく。
何しろ他のドキュメンタリーと違うのは、ジェ
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パーマネント野ばら(2010年製作の映画)

1.0

すごく嫌な世界観。ある意味で本当の胸糞映画だ。
一見、どうしようもない男を面白おかしく描いているように見えるが、こんなにも女性を醜く扱った作品も珍しいのでは。女は誰もがみんな男に依存していて、男ありき
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パリ・オペラ座のすべて(2009年製作の映画)

2.2

この監督は、ドキュメンタリーを撮るにあたって、変なストーリーやナレーションを挟まない。つまりそれは監督の私情やイデオロギーが入ってこないということ。

そうすることで、今作からオペラ座のリアルな環境を
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スピルバーグ!(2017年製作の映画)

4.2

スピルバーグ作品をある程度興味を持って観たことのある人なら、かなり楽しめると思う。
・『アラビアのロレンス』に強いインスピレーションを受けて、映画を撮り始めたこと。
・初期作品のテーマは『強者に追われ
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

2.5

タイムループ系の話は、繰り返しを如何にしつこくなく、面白く見せるかが難しいなと思うのだけど、今作はそのしつこさが強く出てしまっている。

この主人公含め、異様に働く環境下に置かれている、というのが今作
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ピアニスト(2001年製作の映画)

1.4

驚くほど、理解出来なかった。なにしろ主人公の女性が何を考えているのかがわからない。
性的倒錯や環境から精神的に追い込まれて狂っていくのはいいが、その過程の文脈が不親切なので、こちらは何が起きているのか
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となりのトトロ(1988年製作の映画)

4.1

子供の頃以来、しっかりと鑑賞したが、記憶にある以上にとても感じ入る部分の多い作品だった。
ストーリーは勿論明確に理解していたが、グッときたのはそこではなく、細かな描写だ。もっと言えば、まだ人の手が入り
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スタン・リー(2023年製作の映画)

2.7

ドキュメンタリーとして丁寧な手の込んだ作りではあるけど、割とキレイにまとめていて踏み込んだ内容にはなっていない。
スタンリーという男の深い部分が見えてこないのだ。

こういうドキュメンタリーを作成する
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ゴッホ 真実の手紙(2010年製作の映画)

3.5

ドキュメンタリー映画というよりは、しっかり作り込んだ再現VTR。
勿論カンバーバッチが主演だし、悪いわけがない。
ゴッホについての知識を得るという点でとても優れた作品だと思う。

・弟テオがパトロンで
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アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー(2010年製作の映画)

3.0

何故だろう、大好きなクリエイションのドキュメンタリーなのにそこまでテンションが上がらなかった。
アランマッギーがカリスマ性があるように語られてるけど、単純に無茶苦茶なだけの人なんじゃないかっていうのを
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

4.1

このシリーズのユニークなところは、行動原理を『ファミリーのため』と開き直らせてしまったこと。
だから身内さえよければ人様にどれだけ迷惑かけても知ったこっちゃないし、犯罪者軍団であるドム一派の正当性を確
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LIVE FOREVER リヴ・フォーエヴァー(2002年製作の映画)

2.0

ブリットポップ全盛期に音楽を聴き始めた自分にとってはかなり楽しいものだった。あの頃のイギリスの空気がふんだんに詰め込まれている。
ただある種の歴史修正のような部分や説明不足が多いので、これを観て当時を
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嘘八百 なにわ夢の陣(2023年製作の映画)

3.0

このシリーズが醸し出す雰囲気が好きで、なんとなく観てしまう。
この『なんとなく観る』のが正解な気がする作品。
しっかり理解しようとすると、煙に巻かれた気分になるし、正直強引に話を進めてしまう感は否めな
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トロピック・サンダー/史上最低の作戦(2008年製作の映画)

2.4

とにかくベンスティラーの出ている作品にハマったことがない。演技がいやらしいというかわざとらしいのだ。自分をアピールし過ぎているというか。まぁこれだけ様々な作品で重宝されている役者なので評価は高いんだろ>>続きを読む

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