マンボーさんの映画レビュー・感想・評価

マンボー

マンボー

映画(587)
ドラマ(9)

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

3.9

「1917」とも重なる第一次世界大戦時期の白黒の記録映像に彩色をほどこし、幾多の実際に従軍したイギリス人の証言を集めて編集し、本物のドイツとの第一次世界大戦のイギリス育ちの一兵卒の入隊から従軍、帰国ま>>続きを読む

リンドグレーン(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

長靴下のピッピの作者として有名な、女流児童作家アストリッド・リンドグレーンを描いた映画ということで足を運んだが、彼女が児童文学を執筆するシーンが全くなく少し驚いた。でも不満には感じなかった。アストリッ>>続きを読む

先生! 、、、好きになってもいいですか?(2017年製作の映画)

3.4

広瀬すずが、純粋で行動力のある女子高生を演じていてとても魅力的で、彼女の魅力を引き出すために撮られた映画のようだった。

生田斗真は、勝手ながらもっと爽やかで華のあるイメージだったが、本作では世界史の
>>続きを読む

48時間(1982年製作の映画)

3.6

雑踏や裏町が主な舞台だが、数年前に撮られた「タクシードライバー」のニューヨークではなく、かつて「いちご白書」や「ダーティーハリー」も撮影された、西海岸はロサンゼルスの北、サンフランシスコの街が作品の舞>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

二十有余年前の「アメリカン・ビューティー」は、当時の賞という賞をかっさらった作品で、観終わった当時、世紀末の現代社会と人間の欲や歪みについて、なかなか考えさせられたけれど、今となってはやや印象も色あせ>>続きを読む

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.2

夕凪の街、桜の国の漫画が発売されたときに、まっさきに見つけて購入した。当時は、知人に久しぶりに再会するとき等にもそのつど買い込んで、手みやげとしてプレゼントまでしたものだった。
当時の最新の各誌で連載
>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ポップでロックなタッチで、ベルリンで暮らす十歳の少年の目からナチス・ドイツを描いた作品。
シニカルなのに明るくて、奇妙なほどに不謹慎なユーモアで、本当は相当深刻なドラマを描いた映画でもある。

自由の
>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.8

いつの間にかはじまり、さらりと終わる。その間に色々なことが起こり、太った白人男性に、毀誉褒貶が降りかかるが、とにかく淡々と物語が描かれる。二時間を超える映画だが、時間は少しも気にならなかった。でも見終>>続きを読む

ラストレター(2020年製作の映画)

4.2

思いのほかよかった。岩井作品の集大成と云っても過言ではないのでは、と思う。

などと言いつつ、恥ずかしながら、岩井監督のこれまでの映画で、映画館で観たのはわずかに、まだ若かった松たか子のみずみずしい魅
>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

高低差で示される貧富の差。高みに建つ豪邸の整った芝生の庭に、淀みなく降り注ぐ日の光。そして曲がりくねった道を下り続けた先にある、使いっぱなしで汚れたままの鍋底のような貧しい下町。

コントラストが効き
>>続きを読む

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.5

観た。JJエイブラムス監督は如才ない監督だと思っていたし、それを裏付ける作品だったと思う。

ただもうストーリーは、何が何やらピンとこなくなってしまった。

主筋は、苦しい局面で希望を捨てずに力を付け
>>続きを読む

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

3.9

京都市生まれ、滋賀県育ち、代々京都に住まう先祖がいて、墓参りだ塾だ、地蔵盆だ祇園祭だ初詣だ、祖母だ親類だ、父の勤め先だと、しょっちゅう京都市内を行き来していた身からすると、ほとんどの景色が懐かしく、ま>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(1976年製作の映画)

4.1

インターネットサイトで評価を見たら、シリーズ中で一番の評価を取っていて、ついBSで観賞。

映画の喜劇は難しいと思う。劇場の演劇としての喜劇は、大げさな方が舞台で映えるけれど、映画で大げさな演技、しつ
>>続きを読む

社長漫遊記(1963年製作の映画)

3.6

当時はかなり流行ったであろうこの手の昭和中期の会社を舞台にした喜劇は、これまでとんと縁がなく、ほぼ初めての観賞だった。またどうしても当時の流行なんかが分からず、悲しいかな、ピンと来ない点もあって残念だ>>続きを読む

網走番外地 南国の対決(1966年製作の映画)

3.3

高倉健がスタイルが良くて、終始一貫シブくて、安っぽいセリフはないし、まぁカッコいい。舞台はまだ正式に日本に還される前の沖縄。大原麗子もカッコ可愛い。

ストーリーには、どうしてもややチープさが漂うとこ
>>続きを読む

殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.3

毎年のことながら、11月の中旬ごろから一気に仕事が忙しくなり、さっぱり映画を観れなくなった。

ところが、それでも疲れ切った体にムチを打つように、年末の深夜の丑三つ時に地上波で、ずっと観たいと思ってい
>>続きを読む

家族はつらいよ(2016年製作の映画)

3.7

映画をそれほど観ていなかった高校生の頃までは、こういう分かりやすい作風を好ましく感じていたものだけど、最近はこうまで分かりやすく演出されると、想像する楽しみがなくて物足りず、どうにも淋しかった。

>>続きを読む

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.6

憧れる人の多いファッション業界という特殊な世界の、華やかさと陰湿さとを描く映画かと思ったら、ただただブラックな上司と環境とに、社会人経験の浅い若者がどう対峙するかを描いた映画だった。

序盤はファッシ
>>続きを読む

スペシャルアクターズ(2019年製作の映画)

3.7

前作の「カメラを止めるな」は、映像作品作りの苦労を乗り越え、工夫をこらし、多くの人々が目的を一つに、全力をつくして協力し合い作品を作り上げる、集団創作の喜びの讃歌のような作品で、役者には素人くささが充>>続きを読む

真実(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

透徹した視点と美しい映像とで、冷たい印象の映画を撮り続けてきた是枝監督が、いつになく軽みを感じさせ、それでいて相変わらず深みもあって、そして何よりほのかにあたたかい、佳い映画を撮った印象。

あのカト
>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.1

ピエロは笑いながら泣いている。

みすぼらしい人、貧しい人、冴えなく見える人々は、笑わせながら、笑われながら、本当は涙を流している。

映画が終わって照明が点き、階段を下りる人々の姿が、まるで葬式帰り
>>続きを読む

見えない目撃者(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ガラガラのレイトショー。映画を観終わって振り返ると、観客は六、七人程度。そのほとんどが一人きりの中年男性だったが、皆なかなか席を立とうとしなかった。

基本、スリラーやサスペンス、ホラーのたぐいは苦手
>>続きを読む

バーティカル・リミット(2000年製作の映画)

3.1

本当の登山家に見せたらどんな感想を持つのかと疑念を感じた映画。

夏の暑さにぐったりしていたところ、雪山の映像に涼を求めて見入ったものの、かなり極端でやりすぎ感のあるストーリーと、やや過剰な演出に、見
>>続きを読む

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

シリア難民の生活の厳しさについて、日本にいて触れられる機会は多くない。テレビのニュースやドキュメンタリーで、難民のテント生活等に密着した映像に触れたことはあったものの、この映画のようにシリアとは地続き>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

大都会東京、郊外の暮らし、雨、雪、晴れ間、雨に映える緑、路上、雑踏、廃ビル、その屋上の赤い鳥居。相変わらず精緻な2019年の都会のスケッチのような背景が美しい。

異常気象、災害、親のいない子どもたち
>>続きを読む

ヒロイン失格(2015年製作の映画)

3.1

女性目線、ヒロイン主観のコメディ要素も強い?現代的なハイスクールラブストーリー。

恋愛映画は普段ほぼ観ないこともあり、女性主観が強烈なドラマっぷりと、ヒロインには珍しい押しやアクの強さに、特に序盤は
>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.0

1985年、不況下のアイルランドはダブリンを舞台に、父親が失業し両親が不仲におちいる中、学費の問題で荒れた公立のシング・ストリート高校に転校させられた末っ子の少年が、やはり学費が払えず大学を中退させら>>続きを読む

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.5

ヒトラーが現代に蘇ったら、いったいどう行動し、現代の人々にどういった影響力を持ちえるのかをシミュレーションしたような作品。

蘇らせ方に工夫はないし、現代の生活を理解するまでの展開も類型的、ただテレビ
>>続きを読む

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

湯浅監督の映画にしては、物語がかっちりと収斂されていたが、そのために大風呂敷は敷かれず、底知れなさも薄れて、独特の突拍子のなさや奇想天外な設定、キャラクターが、ただの独りよがりとして強調されて、一般の>>続きを読む

プロメア(2019年製作の映画)

3.8

特別、興味を持って観に行ったわけではなかった。観たいものがなくて、でも何かを映画館で観ることに決めていたので、本作を観た。

動きがあり息もつかせぬ展開は反面、余韻や間、静謐を嫌がっている。飽きはしな
>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

実の母親と幼い時に別れざるをえなかった女の子が、当初は一人だと思わされるが、物語が進むにつれて、着々と個々の秘密が明かされ、だんだんと人数が増えてゆく珍しい? 物語。

結果物語は、中年の女性が余命が
>>続きを読む

フェイシズ(2011年製作の映画)

3.2

近作のためカメラの性能はよく、映像は見やすい。人の顔の見分けがつかなくなる病気と、その症状の表現には工夫も感じる。いわゆる猟奇的で、卑劣な殺人犯の犯人探しも、犯人はかなり怪しまれるべき人物ながら、ぎり>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

老いさらばえたクリント・イーストウッドのややおぼつかない足取りや、緩慢な身体の動き、血管の浮き出た腕や、毛量の減った白髪に、シワが増え角度によってやつれたようにさえ見える顔、それでいて威厳を保つ大柄な>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.3

恋人や配偶者と観に行ってもいいし、友人や家族たちと観に行っても間違いがない。物心がついていれば子どもの勉強にもなるし、年配の方と観れば、まずもって感動してくれるはず。

1962年のアメリカはニューヨ
>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.9

人類初の、月への一歩を踏み出したアームストロング船長といえば、物心をついた頃にはすでに新たな偉人の仲間入りをしていた。

そんな偉人であり、アメリカの英雄とされる人物の、知られざる家庭生活や、宇宙飛行
>>続きを読む

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

3.9

インド映画は、演出過剰で暑苦しい。とにかくむやみに踊り狂うし、ベタだし、作為的であざとい。その印象は基本変わらなかった。

二十年前にムトゥ踊るマハラジャや、カーマスートラを観た。

十年ほど前には、
>>続きを読む

>|