たまさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

たま

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風が吹くまま(1999年製作の映画)

3.5

テヘランからかなり離れた、クルド人が暮らす山間の村。
茶色く乾いた、かなり起伏のある広大な大地の奥にある。

文明とは切り離されたような場所。質素だけど、何不自由なく暮らしている。
自然の岩を利用した
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ハリエット(2019年製作の映画)

3.0

“自由か死か”

日本人には馴染みが薄い“ハリエット”という人物だけど、アフリカ系アメリカ人で初めて紙幣の肖像に採用されたという。アメリカではかなりの偉人であり英雄だ。

なんておぞましい奴隷制度。
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

4.0

なんともクレージーな“キングリチャード”
すごいと言えばすごいけど、狂ってると言えば狂ってる。

ルイジアナで白人至上主義者に囲まれて育ち、悪名高き(?)カリフォルニア州コンプトン、自ら“ゲットー”と
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画家と泥棒(2020年製作の映画)

3.5

ドキュメンタリーだからの迫真さが際立つ。

表情や空気感が、演技とはこれほどまでに違うのかと思い知らされた。

盗まれた絵画の作者バルボラと、盗んだ本人カールが対面する。

それだけでも信じ難いことだ
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ホンモノの気持ち(2018年製作の映画)

2.0

コテコテの恋愛もんじゃん。
人間とAIという事を除けばね

自分のことを人間だと思っていた人造人間ことシンセが、その開発者と恋に落ちるというお話。

シンセのレア・セドゥと、開発者ユアン・マクレガー、
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

4.0

舞台はハンガリー。
ホロコーストを生き抜いた少女と男性医師の物語。

家族の中で唯一生き残った16才の少女クララは尖っている。頭もよく知識も豊富だけど、この世のもの全てに反発している。

大叔母も手を
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コッホ先生と僕らの革命(2011年製作の映画)

3.0

実話ベースなんですね。

サッカーをしながら英語を覚えていく授業は、楽しそうで身になりそう。

ただ、コッホが生徒に本当に教えたかったのは、サッカーの技術よりも、フェアプレーや人間性を身につけることだ
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グッド・ナース(2022年製作の映画)

3.5

サスペンスかと思ったら、まさかの社会派。

アメリカで実際にあった400人ものの患者を薬の投与によって殺害したナースの物語。

そこにはアメリカの闇が見えてくる。
各地を転々とし、犯行を重ねるナース。
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.5

誰もが絶賛し、アカデミーも取ったった。これはもう間違いない映画でしょう。

期待度がMAXなのと、「エール」を3ヶ月前に見たばっかりで、ストーリーは全て知っている、という状況での鑑賞となってしまったの
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チャンシルさんには福が多いね(2019年製作の映画)

3.5

チャンシルさんには福が多いね…なんてヘンテコなタイトル…
だけど見終わってみると、どこかしっくりする。

でも、チャンシルさんは悩める40才。映画のプロデューサーをしていたものの、映画監督の急死によっ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

なんて緻密な脚本なんだろうか。
こんなミステリアスなストーリーを紐解く鍵が、至る所に散りばめられていて、見終わったあとも考えがグルグルと巡る。

もうここまで来ると考察と言うより妄想の域に達する。
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ハニーボーイ(2019年製作の映画)

4.5

シャイア・ラブーフ脚本の自伝的映画。自身の父親をシァイアが演じる。とても良い映画でした。

エンタメ性は一切なく、ドキュメンタリー的な要素も感じた。ドキュメンタリーを撮っていた監督だからかな。
下手に
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あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)

3.5

あの夜、1964年2月25日、

黒人解放運動活動家のマルコムX、
プロボクサーのカシアス・クレイ(のちのモハメド・アリ)、アメフト選手のジム・ブラウン、ミュージシャンのサム・クック。

実在の超有名
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クイーンズ・オブ・フィールド(2019年製作の映画)

3.5

いやぁ〜ヨーロッパのサッカー愛は、日本人には到底及ばないな~

フランス北部の田舎町、クルリエール。名門サッカーチームで、出場停止になった男どもに代わって、チームを救うべく女子メンバーが招集される。
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人生、ブラボー!(2011年製作の映画)

4.0

人間の価値って、学歴や職業じゃないんだなぁ〜

そうは言っても、主人公ダヴィッドはダメダメ中年。

単純な仕事も満足にこなせず、多額の借金を抱え、美人のガールフレンドもないがしろにして、世界一無責任な
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スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話(2019年製作の映画)

4.0

こんなもん見せられたら、自分がいかに偽善者か思い知らされる。

子供たちも支援者たちもまさにスペシャル。
ケア施設で働く二人の男がかっこいい。

自閉症児をケアするブリュノの「正義の声」と、ドロップア
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イーディ、83歳 はじめての山登り(2017年製作の映画)

3.0

もっとポップで楽しい映画かと思った。

83歳で初めての山登り!?
無理でしょう~
なんて非現実的な?!

まあ映画なので、年齢に関係なくポジティブに生きようってメッセージが込められた、ある種ファンタ
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13人の命(2022年製作の映画)

4.0

洞窟に取り残された、サッカーチームのコーチと少年合わせて13人を救うため、タイ国内のみならず世界各国から救援に訪れ、叡智を絞り、協力して行われた救出作戦。

当時、私達もテレビを通じて見守っていた。洞
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私は確信する(2018年製作の映画)

3.0

仏で実際に起きた未解決事件。

疾走した妻の殺害容疑をかけられた大学教授の夫。
一審では無罪となった控訴審がこの映画の舞台。

マスコミが騒ぎ立て、10年にも及び人々の関心を集めていた。

無罪を信じ
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フランクおじさん(2020年製作の映画)

3.5

フランクおじさんの生きづらい時代。
1970年頃のサウスカロライナ。
家族と過ごしていても、疎外感を感じるってのは辛い。
田舎の長閑な町で、フランクおじさんは何処か浮いている。
都会のインテリって感じ
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.5

ユージーンの撮る写真に魂が宿る。“写真の力”が描かれる。

写真は撮る側の魂をも奪うという。全身全霊で被写体に向き合うからだろう。

日本人なら誰もが知りうる水俣病。教科書には出てくるし、原因も知って
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顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)

4.5

1958年、若きドイツ人は「アウシュヴィッツ」を知らなかった。

主人公は「評決のとき」のマシュー・マコノヒーを彷彿させる、若きイケメン検事官ヨハン。
正義感の塊のような人物だ。

ジャーナリストのグ
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コリーニ事件(2019年製作の映画)

4.5

これは短なる法廷サスペンスでは終わらない。

トルコ系ドイツ人の新米弁護士ライネン。夢と希望に満ち、正義感に溢れている。

国選弁護人に任命され、初めての被告人は67才のイタリア移民のドイツ人コリーニ
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キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)

4.0

第二次世界大戦末期、ドイツ兵としてイギリスで捕虜となったトラウトマン。
収容所でサッカーをしていたところ、地元サッカーチームの監督に見出される。

芸は身を助くとばかりに、敵国の元兵士がチームに貢献し
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ニューヨークの巴里夫(2013年製作の映画)

3.5

フランス人はニューヨークでも奔放です。

どうやらこの映画は3部作の最終章だったようで(知らなかった~)1部のスペイン、2部のロシアに次いで、今回の舞台は人種と文化のるつぼニューヨーク。

セントラル
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僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

4.0

統合失調症という病。

幻覚や幻聴が現れる様を、分かりやすく可視化してくれている。
ちょっとした視線、微かな雑音、心のどよめきによって、現れる幻の人たち。怒り、緊張、ときめきなどシチュエーションによっ
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2つの人生が教えてくれること(2022年製作の映画)

4.0

二兎を追う者は二兎をも得よ!

アニメーターを夢見るナタリー。
夢と希望に溢れた大学の卒業式の夜、体調不良になり妊娠検査薬を試してみる。

妊娠した人生と、妊娠してない人生が同時に描かれていくというパ
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僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

4.0

バーの名前は「ディケンズ」
バーを侮るなかれ。

文学に精通していながら、大学にも行けず、地元でバーを経営している主人公の少年の叔父、ベン・アフレックが良い。
父親代わり、いやそれ以上の関係だ。
少年
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グッド・ヴァイブレーションズ(2012年製作の映画)

3.5

1970年代、北アイルランドのベルファストパンクのゴッドファーザーと呼ばれた、テリー・フーリーの物語。

紛争真っ只中のベルファストに、レコード店を開き、パンクに刺激されレーベルまで作ってしまった人物
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ラスト・ムービースター(2017年製作の映画)

3.5

人生に有終の美を飾ったバート・レイノルズ。

バート・レイノルズ最後の主演作。
ちょっと世代じゃないので、あまり親近感がないのだけれど、マッチョでタフガイでセックスシンボルの、まさにアメリカンムービー
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ブルー・ジェイ(2016年製作の映画)

4.0

配信だからこそ出来た映画。
とても静かなモノクロ作品。

ほぼふたりだけの会話で成り立っている。

高校時代のカップル、ジムとアマンダが20年振りの故郷で偶然再開する。
ふたりとも故郷を離れていたけれ
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Viva!公務員/公務員はどこへ行く?/オレはどこへ行く?(2015年製作の映画)

3.5

公務員ってそんなにおいしい職業なの?

子供の頃の夢って、サッカー選手や宇宙飛行士とか言いそうだけど、安定と優遇の公務員になるのが夢だったケッコ・ザローネ。

もうそこから笑える。

そして夢叶って花
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幸せは、ここにある(2021年製作の映画)

3.0

ビリー・クリスタルおじいちゃんになったなぁ。

ビリー・クリスタル製作、監督、脚本、主演。人生の集大成として作った映画なのかな。
だからちょっぴり寂しい。

ビリー・クリスタルがベテランコメディ作家チ
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笑う故郷(2016年製作の映画)

3.5

“ノーベル文学賞”受賞者 故郷に凱旋。

40年も前にアルゼンチンの故郷を離れ、スペインで優雅に暮らすマントバーニ。
故郷に「名誉市民」として迎えられるが、あまりにお粗末な歓迎ぶりに笑うに笑えず。
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誰かの幸せ(2020年製作の映画)

4.0

これだからフランス映画が好き。

2組のカップルの、レストランでのなんて事のない会話が延々と続く。
デザートを頼むかどうかで、あーでもないこーでもないと……

この他愛のない会話の中にそれぞれのキャラ
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愛すべき夫妻の秘密(2021年製作の映画)

3.5

「アイ・ラブ・ルーシー」はよく知らない。
でも、思い入れが無いのでかえって見やすかった。

1950年代の赤狩りなどのアメリカの世相や、テレビ全盛期のショービジネスの世界を垣間見る。

シチュエーショ
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